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間章 アンノウン
間話25.アンノウン
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場末のブティックホテルに相手を連れ込んだのは、自分でも分からない欲望に飲まれたからだった。会社の面接に来ただけの相手を採用を臭わせて、採用して欲しかったらこの後自分に付き合えと誘いかけるなんてマトモなら有り得ない。有り得ないはずのことを妻も子供もいて今まで一度も浮気のうの字もなかったのに、突然変異したように自分は仕事もそっちのけでやってしまっていた。面接の後仕事を放棄してラブホテルなんてと思うが、実際に仕事を抜けて真っ直ぐにホテルにきてしまったのだ。しかもどうしても採用して欲しかったのだろう、スーツ姿の相手は戸惑う様子もなく自分の言葉に従ってこの場末のブティックホテル迄ノコノコとついてきてしまった。
この倉橋という女を見た途端おかしくなってしまった。
艶やかな黒髪に卵形の顔、肉感的な唇に赤い縁の眼鏡越しの大きな黒目勝ちの瞳。少し上目使いに自分を見上げ微かに首を傾げて微笑む女は大きな胸元に括れた腰、スラリとした身体をした極上の色気を持っている。大人しそうな綺麗な顔立ちの女だが、何故か欲望を刺激してこいつを滅茶苦茶に犯したい。乱暴に組み敷き背後から無理矢理怒張を捩じ込み、ぬかるんだ肉壺を掻き回して獣のように子宮に射精してやりたい。そんな欲望に駆られてしまう自分の怒張は、部屋を選ぶ時点で射精してしまいそうな程に硬く張り詰めていた。そして扉を開けて細い手首を掴んで引き込んだ室内で、乱暴に組み敷く前に起きたのは遥かに予想外のことだ。
倉橋は唐突に床に膝まづくと、自分のスラックスの下のガチガチに強張った怒張に向かって顔を寄せてきた。そして全く触れることもなく、その唇から舌を覗かせてチロリと舐めるように動かしたのだ。スラックスを押し上げている怒張の目の前で、淫らにチロチロと動く舌の動きに男の欲望が勢いを増して膨らむのは当然だった。
誘ってる、どう考えたって誘ってるだろ?これは。
上目遣いの濡れた瞳が眼鏡の向こうでキラリと光るのに男は喉をならしてガチャガチャと慌ててベルトを外そうとするが、目の前に膝まづいたままの倉橋がヤンワリとそれを手で制した。何でと問いかけようとした男を更に興奮させるように、倉橋はスラックス越しの怒張を唇で刺激し始めて。
「うう、うっ、あっ!」
しかも手も使わずに倉橋は、その体勢のまま口で男のスラックスのジッパーを下ろし始めたのだ。チチチ……と音をたてて降りていくジッパーから、突き出すように下着を突き上げる怒張が布一枚の倉橋の吐息を感じる。ほんの一枚の布だというのに、倉橋の口の熱がトロリと熱い。
ああ、ヤバい、すごいエロい……
倉橋は奇妙な程の器用さで突き出していく怒張を布から解放して、ジッパーからビョンと突き出した怒張だけが倉橋の顔の前で揺れる。他は何一つ衣類を乱していないのに、股間だけはだけて逸物をさらけ出し、倉橋がウットリとそれを眺めるのを興奮しながら見下ろす。尖端の鈴口からツゥッと糸を引いて先走りの汁が垂れるのに、倉橋の赤い唇から覗く舌がそれを受け止める光景。
「おぉ……は、はやく、なめ……て、咥えて…………。」
突き出した逸物からダラダラと溢れ始めた先走りの汁を、倉橋の舌の先がチロリとなぞるだけで背筋が蕩けそうな快感が神経に走った。何一つ服を乱すことなく逸物だけをだして、相手の女もまるで着衣を乱さず舌先で鈴口を弄くる奇妙な行為。それなのにとてつもない快感が自分の逸物を張り詰めさせて、今にも勢いよく射精してしまいそうだ。
「お、お願い、舐めて、頼む、咥えて。」
懇願してしまう程女のする舌先での愛撫は気持ちよくて、腰が自然と前後に動くのが分かる。それなのに相手は上手く頭をずらして先端だけをいつまでも執拗になぶり続けるのに、懇願の声は喘ぎに変わってしまう。
「おぉ、あ、うぅ、ううっ、くぅう!んひっ!おぉっ!咥えてっ!おぉっ!お願い、はやくっぅ!」
情けない懇願だと分かっていても、蕩ける快感に腰が止まらない。妻にだってこんな風に淫らに感じたことはないし、大体にして妻は射精すれば終わりで、しかも子供ができてからというものの月に数回程度しかセックスもしないのだ。時にアダルトビデオを見ながら自慰はするがそれと似ている快感なのに、自由にならないもどかしさが尚更神経を昂らせる。
「す、吸ってぇ、く、咥えて、お願いだからぁっ!」
ネロネロと尖端のほんの先だけ舐められるだけなのに、とてつもなく気持ちよくて。この先に口に含まれたり膣に包み込まれたらと思うと、こんな快感がほんの触りだなんて信じられないことだ。しかも懇願の言葉の中で相手が自分がそれを言葉として口にすると、更に強く舐めてくれるのに気がついてしまった。
「お、お願い、舐めて。」
ヌルン、ヌチッヌチッ。
ああ、とてつもなく気持ちいい。尖端の鈴口に舌先を差し込むみたいに、グリグリと淫らな滑りが穴を押し開けるみたいに押し付けられる。それに気がついたら懇願は色を変えてしまう。
「お願い、もっと舐めて。」
グチグチ、ヌルン。
「お願い、もっとぉナメナメ。」
ヌチヌチッグチグチ。快感が懇願で与えられて達してしまいそうになるのに、倉橋はそれを察したように一定の線を越えてくれない。次第に就職をたてにレイプする筈だった女に、自分ははしたなく懇願して赤銅のようにパンパンに張り詰めた逸物をビクビクと震わせる。
「お願い、お願いします、倉橋さん、チ、チンポ咥えて、吸って、ナメナメして……。」
涎を垂らさんばかりに懇願した言葉に倉橋の瞳が眼鏡の向こうで光り、今まで一度も触れなかった唇が亀頭の先端にふいに音をたてて吸い付いていた。チュポッと吸い付き、ヌルヌルと先端が口の中で舌で舐め回される。そして吸引されるようにヌプヌプと口の中に亀頭が呑まれていく。
「ん…………、おぉ、……すごい………吸ってる………。」
とてつもない快感が亀頭をくるみこんで、思わず歓喜に腰が震える。妻の泥濘に射し込むより蕩けて熱く、全体に絡み付いてキュウキュウと怒張を締め付けてくる舌の感触。しかも丹念に亀頭を包み、吸われ、揉まれ、扱きたてられていく。
「うぁ、おお、おぉ……っ!」
ガクガクする程心地よくて、しかもそれはまだ先端だけの話し。この先に待っている快楽を思うと、今までの妻との義務的にこなしてきたセックスが霞んでしまうのは仕方がないことだった。
「おぉ…………すごい、うまい……。」
トロトロに蕩けて吸い込まれてしまいそうな、熱く滑る口腔内に先端だけでなく根本まで包み込まれたらと考えただけで自分の口はだらしなく半開きになって快感の呻きを上げて腰をガクガクと振り立ててしまう。スラックスを脱ぎもせず逸物だけを泥濘に呑み込まれ、背徳的な快感に怒張はいつになく硬く下折たち倉橋の小さな口を満たす。
「あぁ、いい…………倉橋さん………、もっと奥まで………。」
懇願した途端、倉橋の頭が大きくグラインドした。一度に強く吸い付かれ深々と逸物が倉橋の喉の奥まで呑み込まれて、スラックスの寛げた股間までグッと倉橋の顔が押し付けられるのを自分は歓喜に飲まれながら見下ろす。そしてサラリと髪の揺れる音をさせて、滑り光る怒張が口から吐き出される淫らなジュポッジュポッという音。
「ああ、すごい、……おぉ、おぉぉ。」
倉橋は今度は止めることなく激しく頭を動かして、自分はあっという間に上り詰めようとしていた。
「あぅ…………、で、出ちゃうよ……、そんなに、吸ってナメナメしたら……ああっ、出るっ……。」
歓喜に絶頂に達しようとしていた自分が放った言葉を聞いた瞬間、倉橋は唐突にチュボッと府設楽な音をたてて口から怒張を吐き出してしまった。寸どめにされてゼェゼェと肩で息をしている自分を彼女は冷静な視線で見上げていて、まるで望まない行動をとったりしないか確認されているみたいに感じてしまう。
「うぅ、後少しだったのに……倉橋さん、頼むよ……。」
情けなく懇願する自分の声に、突然倉橋はフフと低く微笑む。その微笑みの意味が分からずにいる自分に構うことなく、倉橋はその場で突然腰の位置を変えたかと思うとスカートの下でモソモソと何かをしたかと思うと自分の怒張を握り締めた。そしてブティックホテルに入ったのにベットに辿り着くどころか、ほんの入り口のドアのすぐ傍で服を脱ぐこともなく自分の怒張はいきなり柔らかくきつく狭い肉の穴に呑み込まれていた。
「ああッ!!な、なにこれ、す、すごい締まって……っあうぅ!!」
相手は迷うことなく腰を折って、獣のような体勢で自分の逸物を体内に飲み込んでいく。狭く身動きもとりにくい部屋のほんの入り口でも連れ合うようにして、自分は激しく腰を打ち付けていた。余りにも狭い体内に締め付けられ扱きたてられて、自分は歓喜の雄叫びをあげる。
「おおぅ!ううっ!あっきつい!すげぇ!チンポ溶けそう!いいっ!おお!いいっ!」
ガツガツと腰を打ち付けて根本まで叩き込むと、蕩けそうな程熱い肉壁が根本から奥まで包み込むように締め上げて。しかも服を着たままこの狭い空間での行為は背徳感がより増すようで、まるで会社の中や電車の中でセックスしているみたいだ。ドア一枚向こうは廊下で誰かが歩くかもしれないのに、こんなとこでまぐわう獣セックス。
「ああっ!すごっ!とけちゃうよ、倉橋さん、チンポ、溶けちゃう!」
ドアに手をついて自分の逸物を受け止める倉橋は、もしかしたらこういうセックスが好きな女なのかもしれない。ならば採用したらその後は職場や倉庫なんかで、こんな獣セックスをするのも可能かもしれないと気がつく。それならば即時採用して、そうだ、デスクの下でフェラチオなんてのもエロい。
「すごい、マンコ、トロトロで、最高にいい、あ、出ちゃうっ!倉橋さん、出ちゃうよ!」
激しく腰を振り立てて限界に逸物を抜き取ろうとした瞬間、倉橋は予想外の行動に出てグンと腰を押し付けて壁と倉橋の体で自分を挟み込む。しかもトロトロの体内が全体で逸物を締め上げて、奥に向かって引き込むように蠢く。
「ああ、ダメだよ!ああっ!で、出ちゃう!出ちゃうっっ!!精子、ああっ射精しちゃう!!」
それに答えるように倉橋は腰をクネクネとくねらせて揺すりたてて、自分を追い込みにかかっていた。もしかして射精したら大変なことに、そう思った時には既にに遅く自分は倉橋の体内に向かって快感の証を吐き出し始めていたのだ。
※※※
その部屋の惨状が見つかったのは、まだ体温が残っている程度の時間だった。
秋口とはいえ気温は夏よりは低くなりつつある最中、ホテルの支配人が掃除担当のスタッフに呼び出されたのは恐らくそれほど時間がたってはいなかったとおもわれる。というのも半狂乱になっていた掃除担当は兎も角、支配人がその肌に触れた時点ではまだそれの持っていた暖かみが僅かにあったという。
見つけたのは男の無惨な遺体。
その状況だけで迷わず警察に電話をしたのは、ここいら近郊ではこの死に方は有名すぎるからだ。
ブティックホテルの一室に残されたのは場所にあわせて全裸で喉を切られ、しかも逸物は無惨に切り取られて、あとは口にするのも憚られる損壊具合の男の遺体。室内には相手はおらず、部屋には無造作に残されたのは血濡れの女物のスーツが一着のみ。
恐らくはセックスにしけ込んだ後、男が全裸になってから首を裂いて……か?
男に脱がせたのは事後にそれを来て出ていくつもりだったからだろう。何しろブティックホテルというやつは基本的に従業員と客は顔を会わせないし、出入りは人目につかないものだ。それに噂通りなら天国を味わってから、その天国から地獄にまっ逆さまだと言うから少なくとも一回か二回は天国のような射精をしたことだろう。
警察を呼びながら恐らくは提出を指示されるだろう防犯カメラを確認するが、それらしき二人連れが部屋に入ってからほぼ一時間半後に独りで出ていく人物が一人だけ存在した。勿論ブティックホテルだからといって独りで出ていく人間がいない訳ではないのだが、基本的には入ってきた時と同じ人数で出ていくのは当然だ。二人でやって来たのに出ていく姿の確認出来ないのは、時間には早すぎるスーツ姿のカップルが一組。そして相手もいない上に入った姿の確認できないメンズスーツの短髪の男が一人。
カップルの男は顔が映ってるが、女も、独りで出ていった男も完全に顔が見えないようにしてるな…………
本能的になのか、知っているのか、防犯カメラを避けるアンノウン。つまりこれが事件の相手なのは当然で、少なくともホテルでするおいたにしては面倒極まりない。だが、これに直に接触するのは間違いだと言うこともホテルの支配人は知っていた。
何せエコーの店長も大怪我してるしな…………。
それは半年程前の近郊のカラオケボックスでの事件。だから深追いはしないのは当然で、そう考えながら支配人はまったくと溜め息をつく。そうして警察が来て現場検証が始まる前に密かにその部屋の特殊なテーブルタップが一つ消えたのを知っているのは、警察を呼んだホテルの支配人でもある相園という男だけだったりもする。
この倉橋という女を見た途端おかしくなってしまった。
艶やかな黒髪に卵形の顔、肉感的な唇に赤い縁の眼鏡越しの大きな黒目勝ちの瞳。少し上目使いに自分を見上げ微かに首を傾げて微笑む女は大きな胸元に括れた腰、スラリとした身体をした極上の色気を持っている。大人しそうな綺麗な顔立ちの女だが、何故か欲望を刺激してこいつを滅茶苦茶に犯したい。乱暴に組み敷き背後から無理矢理怒張を捩じ込み、ぬかるんだ肉壺を掻き回して獣のように子宮に射精してやりたい。そんな欲望に駆られてしまう自分の怒張は、部屋を選ぶ時点で射精してしまいそうな程に硬く張り詰めていた。そして扉を開けて細い手首を掴んで引き込んだ室内で、乱暴に組み敷く前に起きたのは遥かに予想外のことだ。
倉橋は唐突に床に膝まづくと、自分のスラックスの下のガチガチに強張った怒張に向かって顔を寄せてきた。そして全く触れることもなく、その唇から舌を覗かせてチロリと舐めるように動かしたのだ。スラックスを押し上げている怒張の目の前で、淫らにチロチロと動く舌の動きに男の欲望が勢いを増して膨らむのは当然だった。
誘ってる、どう考えたって誘ってるだろ?これは。
上目遣いの濡れた瞳が眼鏡の向こうでキラリと光るのに男は喉をならしてガチャガチャと慌ててベルトを外そうとするが、目の前に膝まづいたままの倉橋がヤンワリとそれを手で制した。何でと問いかけようとした男を更に興奮させるように、倉橋はスラックス越しの怒張を唇で刺激し始めて。
「うう、うっ、あっ!」
しかも手も使わずに倉橋は、その体勢のまま口で男のスラックスのジッパーを下ろし始めたのだ。チチチ……と音をたてて降りていくジッパーから、突き出すように下着を突き上げる怒張が布一枚の倉橋の吐息を感じる。ほんの一枚の布だというのに、倉橋の口の熱がトロリと熱い。
ああ、ヤバい、すごいエロい……
倉橋は奇妙な程の器用さで突き出していく怒張を布から解放して、ジッパーからビョンと突き出した怒張だけが倉橋の顔の前で揺れる。他は何一つ衣類を乱していないのに、股間だけはだけて逸物をさらけ出し、倉橋がウットリとそれを眺めるのを興奮しながら見下ろす。尖端の鈴口からツゥッと糸を引いて先走りの汁が垂れるのに、倉橋の赤い唇から覗く舌がそれを受け止める光景。
「おぉ……は、はやく、なめ……て、咥えて…………。」
突き出した逸物からダラダラと溢れ始めた先走りの汁を、倉橋の舌の先がチロリとなぞるだけで背筋が蕩けそうな快感が神経に走った。何一つ服を乱すことなく逸物だけをだして、相手の女もまるで着衣を乱さず舌先で鈴口を弄くる奇妙な行為。それなのにとてつもない快感が自分の逸物を張り詰めさせて、今にも勢いよく射精してしまいそうだ。
「お、お願い、舐めて、頼む、咥えて。」
懇願してしまう程女のする舌先での愛撫は気持ちよくて、腰が自然と前後に動くのが分かる。それなのに相手は上手く頭をずらして先端だけをいつまでも執拗になぶり続けるのに、懇願の声は喘ぎに変わってしまう。
「おぉ、あ、うぅ、ううっ、くぅう!んひっ!おぉっ!咥えてっ!おぉっ!お願い、はやくっぅ!」
情けない懇願だと分かっていても、蕩ける快感に腰が止まらない。妻にだってこんな風に淫らに感じたことはないし、大体にして妻は射精すれば終わりで、しかも子供ができてからというものの月に数回程度しかセックスもしないのだ。時にアダルトビデオを見ながら自慰はするがそれと似ている快感なのに、自由にならないもどかしさが尚更神経を昂らせる。
「す、吸ってぇ、く、咥えて、お願いだからぁっ!」
ネロネロと尖端のほんの先だけ舐められるだけなのに、とてつもなく気持ちよくて。この先に口に含まれたり膣に包み込まれたらと思うと、こんな快感がほんの触りだなんて信じられないことだ。しかも懇願の言葉の中で相手が自分がそれを言葉として口にすると、更に強く舐めてくれるのに気がついてしまった。
「お、お願い、舐めて。」
ヌルン、ヌチッヌチッ。
ああ、とてつもなく気持ちいい。尖端の鈴口に舌先を差し込むみたいに、グリグリと淫らな滑りが穴を押し開けるみたいに押し付けられる。それに気がついたら懇願は色を変えてしまう。
「お願い、もっと舐めて。」
グチグチ、ヌルン。
「お願い、もっとぉナメナメ。」
ヌチヌチッグチグチ。快感が懇願で与えられて達してしまいそうになるのに、倉橋はそれを察したように一定の線を越えてくれない。次第に就職をたてにレイプする筈だった女に、自分ははしたなく懇願して赤銅のようにパンパンに張り詰めた逸物をビクビクと震わせる。
「お願い、お願いします、倉橋さん、チ、チンポ咥えて、吸って、ナメナメして……。」
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「ん…………、おぉ、……すごい………吸ってる………。」
とてつもない快感が亀頭をくるみこんで、思わず歓喜に腰が震える。妻の泥濘に射し込むより蕩けて熱く、全体に絡み付いてキュウキュウと怒張を締め付けてくる舌の感触。しかも丹念に亀頭を包み、吸われ、揉まれ、扱きたてられていく。
「うぁ、おお、おぉ……っ!」
ガクガクする程心地よくて、しかもそれはまだ先端だけの話し。この先に待っている快楽を思うと、今までの妻との義務的にこなしてきたセックスが霞んでしまうのは仕方がないことだった。
「おぉ…………すごい、うまい……。」
トロトロに蕩けて吸い込まれてしまいそうな、熱く滑る口腔内に先端だけでなく根本まで包み込まれたらと考えただけで自分の口はだらしなく半開きになって快感の呻きを上げて腰をガクガクと振り立ててしまう。スラックスを脱ぎもせず逸物だけを泥濘に呑み込まれ、背徳的な快感に怒張はいつになく硬く下折たち倉橋の小さな口を満たす。
「あぁ、いい…………倉橋さん………、もっと奥まで………。」
懇願した途端、倉橋の頭が大きくグラインドした。一度に強く吸い付かれ深々と逸物が倉橋の喉の奥まで呑み込まれて、スラックスの寛げた股間までグッと倉橋の顔が押し付けられるのを自分は歓喜に飲まれながら見下ろす。そしてサラリと髪の揺れる音をさせて、滑り光る怒張が口から吐き出される淫らなジュポッジュポッという音。
「ああ、すごい、……おぉ、おぉぉ。」
倉橋は今度は止めることなく激しく頭を動かして、自分はあっという間に上り詰めようとしていた。
「あぅ…………、で、出ちゃうよ……、そんなに、吸ってナメナメしたら……ああっ、出るっ……。」
歓喜に絶頂に達しようとしていた自分が放った言葉を聞いた瞬間、倉橋は唐突にチュボッと府設楽な音をたてて口から怒張を吐き出してしまった。寸どめにされてゼェゼェと肩で息をしている自分を彼女は冷静な視線で見上げていて、まるで望まない行動をとったりしないか確認されているみたいに感じてしまう。
「うぅ、後少しだったのに……倉橋さん、頼むよ……。」
情けなく懇願する自分の声に、突然倉橋はフフと低く微笑む。その微笑みの意味が分からずにいる自分に構うことなく、倉橋はその場で突然腰の位置を変えたかと思うとスカートの下でモソモソと何かをしたかと思うと自分の怒張を握り締めた。そしてブティックホテルに入ったのにベットに辿り着くどころか、ほんの入り口のドアのすぐ傍で服を脱ぐこともなく自分の怒張はいきなり柔らかくきつく狭い肉の穴に呑み込まれていた。
「ああッ!!な、なにこれ、す、すごい締まって……っあうぅ!!」
相手は迷うことなく腰を折って、獣のような体勢で自分の逸物を体内に飲み込んでいく。狭く身動きもとりにくい部屋のほんの入り口でも連れ合うようにして、自分は激しく腰を打ち付けていた。余りにも狭い体内に締め付けられ扱きたてられて、自分は歓喜の雄叫びをあげる。
「おおぅ!ううっ!あっきつい!すげぇ!チンポ溶けそう!いいっ!おお!いいっ!」
ガツガツと腰を打ち付けて根本まで叩き込むと、蕩けそうな程熱い肉壁が根本から奥まで包み込むように締め上げて。しかも服を着たままこの狭い空間での行為は背徳感がより増すようで、まるで会社の中や電車の中でセックスしているみたいだ。ドア一枚向こうは廊下で誰かが歩くかもしれないのに、こんなとこでまぐわう獣セックス。
「ああっ!すごっ!とけちゃうよ、倉橋さん、チンポ、溶けちゃう!」
ドアに手をついて自分の逸物を受け止める倉橋は、もしかしたらこういうセックスが好きな女なのかもしれない。ならば採用したらその後は職場や倉庫なんかで、こんな獣セックスをするのも可能かもしれないと気がつく。それならば即時採用して、そうだ、デスクの下でフェラチオなんてのもエロい。
「すごい、マンコ、トロトロで、最高にいい、あ、出ちゃうっ!倉橋さん、出ちゃうよ!」
激しく腰を振り立てて限界に逸物を抜き取ろうとした瞬間、倉橋は予想外の行動に出てグンと腰を押し付けて壁と倉橋の体で自分を挟み込む。しかもトロトロの体内が全体で逸物を締め上げて、奥に向かって引き込むように蠢く。
「ああ、ダメだよ!ああっ!で、出ちゃう!出ちゃうっっ!!精子、ああっ射精しちゃう!!」
それに答えるように倉橋は腰をクネクネとくねらせて揺すりたてて、自分を追い込みにかかっていた。もしかして射精したら大変なことに、そう思った時には既にに遅く自分は倉橋の体内に向かって快感の証を吐き出し始めていたのだ。
※※※
その部屋の惨状が見つかったのは、まだ体温が残っている程度の時間だった。
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その状況だけで迷わず警察に電話をしたのは、ここいら近郊ではこの死に方は有名すぎるからだ。
ブティックホテルの一室に残されたのは場所にあわせて全裸で喉を切られ、しかも逸物は無惨に切り取られて、あとは口にするのも憚られる損壊具合の男の遺体。室内には相手はおらず、部屋には無造作に残されたのは血濡れの女物のスーツが一着のみ。
恐らくはセックスにしけ込んだ後、男が全裸になってから首を裂いて……か?
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警察を呼びながら恐らくは提出を指示されるだろう防犯カメラを確認するが、それらしき二人連れが部屋に入ってからほぼ一時間半後に独りで出ていく人物が一人だけ存在した。勿論ブティックホテルだからといって独りで出ていく人間がいない訳ではないのだが、基本的には入ってきた時と同じ人数で出ていくのは当然だ。二人でやって来たのに出ていく姿の確認出来ないのは、時間には早すぎるスーツ姿のカップルが一組。そして相手もいない上に入った姿の確認できないメンズスーツの短髪の男が一人。
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何せエコーの店長も大怪我してるしな…………。
それは半年程前の近郊のカラオケボックスでの事件。だから深追いはしないのは当然で、そう考えながら支配人はまったくと溜め息をつく。そうして警察が来て現場検証が始まる前に密かにその部屋の特殊なテーブルタップが一つ消えたのを知っているのは、警察を呼んだホテルの支配人でもある相園という男だけだったりもする。
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