鮮明な月

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間章 ちょっと合間の話2

間話22.あなたの知らない世界(裏)

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何かの足音を聞いたような気がして怯えたものの、明良の腕の中にいる事で安堵して快適温度でくっついて眠っていた夜半も過ぎた明け方近く。室内には何の変化もなく安堵しきっていたのだが、不意に下半身に何かが滑り腰が快感に熱く疼くのを夢現に晴は感じた。まだ頭の半分以上が夢の中なのに、指先でなぞるように逸物の先端を虐める独特の触り方に思わず腰が揺れてしまう。

きもち、い……んんっ、もっと強く……

ユラユラと揺れる腰の意味を知っているのに、意地悪く先端だけを擦りたてる指の腹。もっと違うところにも触って欲しい、何時ものようにもっと気持ち良くして欲しくて思わず自分を抱き締めている明良の胸に縋る。

もっとぉ…………そこだけじゃなく……もっと……あきらぁ……

思わず甘い吐息を吐きながら明良の胸に額を押し付けて腰を揺らめかせていた晴は、不意に夢現から目覚め違和感に気がついていた。目の前には自分の事を両手で抱き締めて、完全に熟睡している明良の綺麗な寝顔とスヤスヤと自分の睫毛に降りかかる吐息。それに縋りついて体を預けているのだから、晴は明良と向き合って横になっていて腰の辺りに明良の両手が触れているのがハッキリわかる。なのに今も緩やかに晴の立ち上がりつつある陰茎の先端をリズミカルに擦りたてて気持ち良くして来る指の感触。左側を下にして横になっている晴の腰に微かに感じる手首の重さは、抱き締める明良の腕のもっと下にある。それはどう考えても明良の腕とは、別な重みだった。

え?あれ?な、なに?

それに晴が気がついたのを知ったのか、指が布越しに亀頭を捉えて、カリカリと人差し指が更に先端を弄くり始めて快感の強さを増す。明良が意地悪に焦らすときのやり方と同じ快感に、晴は混乱して咄嗟に溢れそうになる喘ぎに自分の口元を両手で塞いだ。明良が普段するのと同じやり方で先端を擦られる感触に今にも喘ぎそうなのに、目の前にある明良の閉じられた瞳の長い睫毛は夢でも見ているのか微かに震えている。

な、に?なんで?なに?やだ、や。

悪戯してくる指は自分の背後から回ってきていて、明良にガッチリ抱き締められた晴には振り返れない。何とか見える範囲で見慣れない和室に、やっと今外崎邸に泊まっていたのを思い出す。一緒の室内に寝ている筈の鈴徳良二は北側の端で寝ていて明良の背中の向こう側で見えないし、明良と自分が寝ているのは南側。何より自分の背後は庭に開放されるサッシな訳で、カーテンの向こうは窓なのだ。カーテンの裏に潜り込むにはどう考えても無理がありすぎるし、最悪オネエ口調の藤咲信夫が背後に入って悪戯してくるにはどう考えても後ろは狭すぎる。

大体にして、あの人口調がオネエなだけで、ヘテロ!同性愛じゃないし、

そうなのだ。以前の女装の時に藤咲とは親しく話していて、何でオネエ口調なのか理由は聞いているし、別に男が好きなわけでもないのは知っている。背後からの手が藤咲のものとは思えないのは、手の大きさもさることながら何でか晴の弱いところを知り尽くして弄くるせいもあった。

っていうか、なんで?俺こんなに弄くられてんの?やだっやめてっ!

必死に口元を抑えてないと、気持ちがよくて今にも声が漏れそうになる。明良のするやり方とまるで同じ、与えられている快感も同じ。でもこれは明良がしている訳じゃない、それでも間近に明良の顔を見つめて弄くられるのに、気持ちよくて腰がジンジンしてあっという間に先端が濡れて布地に染みを作る。

やだ、やめて、やだぁ!

フッフッと吐息を必死で堪えながら、頬を真っ赤に染めて震えながら快感に声をあげてしまわないよう唇を噛む。それを知っているようにクニクニと鈴口を布越しに爪を立てるように刺激されるのに、晴は混乱しながら全身を強ばらせた。

いくっいっちゃう……っあきらぁ、やだ、こんな……

明良が目を覚ましてしまって、もしこんな姿を見られたらと思うと恥ずかしくて仕方がない。それを考えるだけでゾワゾワと背筋が震えてしまうし、同時に明良以外にこんなことをされてしまうのに泣きたくなる。自分がここぞとばかりに了に襲いかかった時に了もこんな風に感じていたのかと思うと、正直罪悪感も相俟って声を出して泣きたいくらいだ。でも手を離したら泣くより先に喘いでしまうと思うと、必死で声を堪えるしかない晴はブルブルと明良の腕の中で体を震わせる。

ふふ

唐突に闇の中に低く唸るような聞いたことのないイヤらしい笑い声が聞こえ、急激に室内の温度が下がったような気がした。

やっぱり何かがいる。

足音は気のせいではなくて本当だったとわかるけれど、今の声は晴にはまるで聞き覚えがなかった。元々物覚えはいいほうで、一番得意なのは人の声や直を覚えること。だから営業でもそれを活用してきたし、何よりもここでの仕事は耳が第一。だけど晴にはこんな声は一度も聞いたことがないと、自信をもって言える奇妙な声だった。

…………ょ…………ちゃぁあ…………ん

ゾォッと背筋が凍る。凍るのにまさぐる指が淫らに追いたてて、息が詰まるようなこの恐怖に怒張が萎えてくれればいいのに持続する先端への刺激が心地よくて仕方がない。恐怖と寄り添うような快楽に、晴は声に反するように明良に必要に縋る。

こわい、こんな……あきらぁ、あきら、……たすけて

怖くてしかたがないのに、明良じゃない相手の手で明良の腕の中で達してしまう。なんて絶望的な状況だと思うのに、抱き締められ明良と同じ方法で弄られる快感に堪えきれなくなってしまいつつある。グニッと鈴口に意地悪く爪先を捩じ込まれた瞬間、遂には腰がビクンッと跳ねて下着の中に熱く快感を吐き出してしまっていた。

「…………はる?」

不意に晴の耳元で柔らかく甘く低い声が囁き、晴は思わずその瞳を真っ直ぐに覗き込んでいた。名前を呼ばれた瞬間、何故か腰に触れていた背後からの手は掻き消して温度も元通り。そして自分を抱き締めて不思議そうに見つめている明良の瞳に、自分の姿が映り込んでいてフニャッと力が抜けて思わず涙が溢れ出す。

「ふ、ぇ……あ、きらぁ……。」

胸元に縋りながら泣き出した晴を明良は怖い夢でも見たのだと思ったらしく、優しく腰を抱き寄せヨシヨシと頭を撫でてくれる。指は煙のように消えていたが、まだ濡れた布地の下には指の感触が意地悪く残っていて。思わず抱き寄せられた腰を引きそうになる晴に気がついた明良が、耳元に低く甘く囁く。

「はる……エッチな夢みてたの?……俺の腕の中で……?」
「ゆ、め?」

声もなく泣き出してしまった晴を抱き寄せた手がスルリと染みを撫でて、ウエストをなぞるだけで腰が甘く蕩ける。チュとキスをされ甘い声で熱く耳元に囁かれながら少しずつ下着を下げられてしまうのに、キスの心地よさにポヤンと惚けて明良のなすがままにされてしまう。先程まで弄くられていたのなんか大したことではない程に甘くて熱い、そう思うだけで明良の腕に安堵して涙が更に溢れる。

「こ、わかった……。」
「ん……怖かったね、晴。」

明良にチュと何度も何度もキスされながら、慰めてあげるけど隣に鈴徳さんがいるから声は出したらダメだよと悪戯に囁かれる。気持ち悪そうだとあっという間に下着まで脱がされて、モゾモゾと布団の中で独り裸にされてしまっても晴には明良に抵抗も出来ない。

「あき、らぁ……。」
「いいこ、だね、晴。」
「んんっ……あ、きらぁ…………。」

恐怖の中で吐き出してしまっていたものを舌で拭いとられ、布団の中で何度もキスをしながら明良の左の手に包み込まれた亀頭の先端を明良の指が滑り出す。熱くて気持ちよくて必死で堪えているつもりが、口元を抑えても甘い声が溢れてしまうのに晴は何故か安堵していた。

似てた、…………だけ、全然違っ………………

さっきまでは同じと震えたのに直に触れられれば、その差は全く雲泥の差で熱くて気持ちよくてまるで堪えられなくなる。肌の温度も心地よさも比べようがないし、もっとと強請りたくてしかたがない。触れ方が似ていると感じたのは、晴がそれを望んだのを読み取っただけで、明良の指の感触はもっと熱くて骨張っていて力強くて。

気持ちい、もっと、明良、もっと

大声で強請りたくなるのを堪えるのだけが辛い。何が見ていたとしても明良の熱さに勝る筈もないし、明良がくれる気持ちよさに敵う筈もないと晴が再び口元を抑えこむ。チュと怒張を口から抜き出され足を開かされて、天井を向いたまま右足を抱き上げられてしまうのに晴は潤んだ瞳で覆い被さる明良のギラギラした欲情の瞳を見上げる。

明良も興奮……して、る、したいって……言ってる、俺としたいって……

震える手を伸ばしてその雄めいた明良の首筋に腕を回すと、明良が微かに微笑みながら額にキスをしながら晴がもっともっと気持ちよくなることをしはじめていた。



※※※



流石に居心地が悪いと言うかなんと言うか、鈴特良二としても壁と向き合って寝ていたとはいえ限界を感じてしまうのは言うまでもない。

「んっ…………っ…………ふっ………………。」

睦あう音に気がつかないわけでもないし、かといって咳払いなんぞして邪魔をする気もないわけで。とはいえ若いカップルと一緒に寝るとこうなるの典型的パターンだなと、良二は目を閉じたまま壁側を向いて内心に考える。
足音が聞こえていたのは事実。
それが何なのかは兎も角、背後のラブラブな若人に負けて飛び散ったのは助かったと思う。思うが生々しい睦あいの淫らな音混じりの吐息を小一時間も聞かされて、性欲が起こらない訳ではないし良二だって歴とした恋人はいるのだ。ここに一緒に彼女がいなくて正解だったとは思うが、大体にして家の中は全員男なのに……なんて考えてしまう。

「んンっ……っ…………ふっく…………ぅ…………んっ。」
「しぃ……聞こえちゃう………………ね。」
「はぅっ…………ンっ!………………らぁ…………ぃ……。」

男同士でどうこうに偏見があるわけではないし、好きは好きなのでしかたがないのだろうが、源川の方が若いからと向こうに譲ったのは失敗だったかもしれない。いや、もしかしたらどちらのカップルでも同じだったか…………だったら、リビングで雑魚寝がベストだったかも。というわけで、さもなにも気がついてませんし、トイレに起きました的にわざとらしくアクビをしながら起き上がる。
良二の行動に一瞬睦あう二人が凍るのは分かったが、良二が何事もなかったかのように和室から出て障子戸を閉じたのに安堵の気配が滲む。

若いなぁ…………ある意味、あなたの知らない世界……

十年近くも歳が離れている二人にそんなことを考えながら、ソファーで寝ていた藤咲を眺めて自分が最初からこっちにいたらとも考えた。でも恐らくそれは危険だっただろうと何故か思い、良二は暢気に伸びをしながらリビングを横切っていたのだった。



※※※



指で中を掻き回される快感に晴は堪えきれずに、明良の腰に足を絡めてその体に抱きついていた。布団の下なのにクチュクチュと湿った淫らな音をたてて、明良の指に掻き回されて蕩けてしまいそうな程に気持ちいい。しかも明良はそのままキスしたり耳朶を虐めたりしながら、乳首まで時々舐めたり噛んだりするからヒクヒクと指を咥えさせられた後が締め付けてしまう。

「んンっ……っ…。」

チュプチュプと淫らな音を立てて指が深く差し込まれて、気持ちいい場所を擦ると明良の体と自分の腹で挟まれた晴の怒張がトロトロと蜜を滴らせてしまうのに明良が意地悪く耳朶を噛む。

「………ふっく…………ぅ…………んっ。」

気持ちいい。それにスッカリ頭の中が埋め尽くされて晴の口から声が溢れ落ちそうになると、明良は低く甘く擽るように意地悪な口調で耳元で囁きかける。

「しぃ……聞こえちゃうよ?………エッチな声……聞かれたいの?……イヤらしい、ね。晴は。」

違うと言おうとした瞬間、体内でグリンと硬くしこった腺を明良が指で押し潰して快感を弾けさせた。

「はぅっ…………ンっ!………………ぁき、…………らぁ…………きもち、いぃ……よぉ。」

甘えるように布団の中で潤んだ瞳で言う晴に、目の前の明良の喉が鳴るのが分かる。限界な程に張り詰めた明良の怒張を一気に押し込んで、一番気持ち良くして欲しくて貰いながらキスして絶頂に達したい。ウルウルと濡れた瞳でそう訴えてくる晴に、明良だってそうしたいのは山々だけど今ここにいるのは自分達だけではないのだ。

獣になりたい、今すぐ晴に捩じ込みたい。

ドッドッと心臓の激しく打つ音を感じながら明良が、思わずチュプンと音を立てて晴の綻んだ孔から指を引き抜く。刺激に身悶え微かな可愛い喘ぎが晴の口から溢れ落ち、この声が聞こえてないとは思えないと考えている自分に気がつく。

晴の可愛い喘ぎ声…………俺のものって……俺だけのものだって…………

誰にも聞かせたくないのに、同時に見せつけてもやりたい。そう考える自分はかなり危険だと明良も思うが、布団の中で足を大きく開いて明良の腰に絡めた淫らな体勢の晴が何を考えたかモソモソと手をウエストから下着の中に潜り込ませてくる。

「ぁきらぁ…………っ…………ぁ、きら…………。」

可愛く小さな声で明良を何度も求めながら、明良の脈打つ怒張に触れて締め付けから解放してしまう。そうして酷く卑猥な足を開いたはしたない体勢で、自分の綻んだ場所に明良の尖端を可愛く両手を添えて押し付けてくるのだ。入り口に尖端が触れただけで感電するみたいに全身を震えさせる可愛い晴の姿に、ゾワゾワと興奮が背筋を駆け昇ってくる。

ふぁあ!

突然第三者の大きな欠伸にハッとした明良は、普段と違う状況だったのに我に返って一気に捩じ込みたい衝動を押さえ込んだ。でも既に欲情に蕩けてしまっている晴は、明良の先端を淫らで卑猥な開閉を繰り返す可愛い孔で舐め回しクプンと吸い付いてくる。痺れるほど甘く蕩けた孔が奥に太杭を欲しがってひくつき自分から腰を押し付けて、ユックリと呑み込んで行くのに明良は動くことも出来ずに息を詰めていた。
キシキシと畳を踏む音が部屋を横切って、障子戸を開閉する滑る音、そしてリビングを歩くペタペタという足音が遠退く。聞こえていなかったのか聞こえていて聞こえないふりなのかは分からないが、少なくとも薄い障子戸一枚とはいえ二人きりの空間。しかも晴は既に蕩けて必死で明良を欲しがって、明良の硬い亀頭だけをヌプンと淫らに咥えこんで快感に痙攣している。

「もぅ、晴の…………エッチ……。」
「ら、って……ぇ、あ、きらぁ、も、むりぃ……ちょぅだ、……ぃ、これぇ……。」

甘えて蕩けきった声で腰を揺すり足を必死に腰に絡めて深く明良を欲しがる晴。可愛くて仕方がない晴に腰を動かすことはしないまま、キスで口を塞ぎにかかる。両手を組み合わせるようにして布団に押し付けたまま、ヌチヌチと舌を絡めて執拗に晴の甘い吐息を奪いとっていく。

「んんっン……んぅ…………っん……んん、ん。」

気持ち良くして欲しくて甘え続ける晴を絡めとりながら、同時に明良が良二の動向に抜け目なく耳を澄ましているなんて晴は一つも気がついていない。全くもって無防備で明良がどれだけ晴のことを好きなのか分かってない可愛い晴。舌を絡め唇を甘噛みして丹念に愛撫しながら、キッチンで物音がし始めたのに明良は内心安堵する。レンジフードの駆動音に紛れて微かな会話の声、つまりは和室の中に戻ってこないのだけは確定。でも何時ものような晴の甘くて可愛い喘ぎ声はここではお預けだから、帰りに家に連れ帰って……

「んぅ……ふぅぅ……ンぅ……。」

焦れてしまった晴の舌がレロと明良の唇を舐めてきて、明良は考え事はさておき晴の唇を塞いだまま勢いよく狭く締め付ける体内に怒張を捩じ込んでいた。
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