鮮明な月

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第十四章 蒼い灯火

143.

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手元からスルスルと音を立てて滑り落ちて、床に広がった物に組み敷いた恭平が真っ赤になる。床に落ちた今までに見たこともない、何とも艶かしい黒いレースの代物。

あ、これ絶対、あの宏太って人が選んでる。

何でかそう確信を持てるのは仁聖にも不思議だが、目が見えなくても外崎宏太が選んだものだってのは本能的に理解した。理解したけどなんでそれをワザワザ外崎了はお土産なんて言って仁聖にくれたのかが問題だ。真っ赤になって言葉を失ってしまった恭平を押さえ込んだまま、仁聖は普段全く見せない程満面にニッコリと笑みを浮かべて低い声で恭平の名前を呼ぶ。ビクリと震えて真っ赤な顔のまま潤んだ瞳で見上げる恭平に、完全な作り笑いがどう言うことか教えてくれる?と問いかける。そうして……

全裸の方が……よっぽどましだ……

正直なところそう思う恭平が今から身に付けてようとしているのは、了が仁聖にお土産と称して仁聖に持たせたメンズランジェリーという代物。暫く前に仁聖がモデルのバイトのファンレターと一緒にプレゼントされたものなんて目じゃない代物で、腰にあしらわれたフリフリの黒のレースとサテン地の黒リボンに縁取らまるで女性物の下着みたいだ。しかもこんなに沢山レースがあるのに、大事な部分は何一つ隠せていない。隠せていないどころか後孔をさらけ出すように会陰部を通ったベルトが尻の下を通されて、しかも何でか会陰部には金属製のボールがついている。その上前にも布地は一つもなくて、前で左右に分かれたフリルの間から肉茎は環を通すだけ

「……やだ……こんな……のっ……じんせ……。」

とてつもない羞恥に震える恭平の声に、仁聖が酷く冷静な声で駄目と囁く。全裸でそれを身に付けようとしている恭平の背中を眺めながら、仁聖は全く折れるつもりがない。渋々それを震える手で引き上げて輪に肉茎を何とか通したものの、酷く扇情的で淫らな姿で真っ白な恭平の肌が羞恥で薔薇色に染まっていく。

「じんせ……お願い……やだ……。」
「こっち向くの恥ずかしい?」

当然頷くしかない恭平に溜め息混じりの仁聖がならと呟く。

「そのままソファーに膝ついて?足、少し開いてね。」

壁を向いたままでいいからと言われオズオズと言われた通りにしたものの、我に返ってみればこの格好も大差がない恥ずかしさだと気がつく。何しろ尻に微かに触れる軽いレースの感触は殆んど何も隠さず、ベルトで尻が持ち上げられ左右に開かれている感触すらする。つまりは壁を向いてソファーの上で全てを仁聖に向けてさらけ出し、腰をつきだしているだけなのだ。

「ふふ、凄いエッチで可愛い格好だね?」

そう背後から言われて、ヒクンと後孔が蠢いてしまう。まるでAVみたいな格好で背後から全部みられているの思うと羞恥に震えてしまうのに、何でか輪に通された肉茎が芯を持ち始めている。

「後ろから、恭平のあれ見えないけど……もしかして感じてたっちゃってるの?」

カアッと頬か熱くなるのに、自分の肉茎も見る間に完全に立ち上がって根本に嵌まった輪がきつく締め上げていく。嘘だと思うのに根本の輪の感触と会陰の珠のせいで立ち上がってしまった怒張が、先端から露を溢し出しているのが自分にも見える。

何で……やだ……こんな…………恥ずかしい

ピクピクと血管を浮かせて完全に勃起している自分の物を熱を持った瞳で見下ろしていると、何でか背後の視線に体内が疼き熱を欲しがる反応が沸き上がった。不意に歩み寄られて背後に覆い被さられそうになる気配に、咄嗟に恭平が身を翻してソファーに座り込む。ソファーの上で膝を立てて両手を押し込むように股間を隠した恭平の様子に仁聖が目を細める。タップリの黒いレースがまるで短いスカートみたいで、足を寄り合わせて羞恥に震える姿は倒錯めいた可愛らしさだ。

「も、やだっ…………じんせ、も。」
「まだ……履いたばっかりだよ?ちゃんと堪能させて?……ね?」

堪能なんてといいたいのにジリと仁聖に近づかれても、両手を足で挟むようにして股間を隠した状態では逃げることもできない。のし掛かられ覆い被さられ音を立てて耳朶を舐められると、恭平は真っ赤になった頬で瞳を潤ませて頭を振って懇願する。

「お願いっ……じんせ、も、許してっ……。」

チュクチュクと淫らな音で耳を責められ震えながら懇願する声は弱々しくて、仁聖には酷く欲情をそそるのに懇願している恭平は気がつかない。グイと腰を手前に引かれて膝を捕まれたかと思うと力ずくで足を左右に開かされ、恭平は羞恥に更に真っ赤になって股間を手で隠そうとする。

「隠しちゃ駄目。言ったでしょ?」
「や……だぁっ……。」

そんな淫らな下着一枚を身に付けて、ソファーに浅く腰かけさせられ膝を立てて足を開いたまま、ヒクヒクしている全てを明るい灯火の下で仁聖に曝し続けるよう強要されている。というのもお土産の意図を問い詰められ了に相談した内容を洗いざらい話す羽目になって、下着の話をした事まで白状してしまったのだ。そう言うとこまで話してたなんてショック、そう言われてしまったら恭平には抵抗なんてできない。仁聖に言われるまま土産をその場で履かされているわけだが、この羞恥心にさらされるくらいだったならいっそのこと消えてしまいたかった。

「隠したら駄目でしょ?」
「で、も……、こんな、恥ずかし……。」

フウッと耳元に吐息を吹き掛けられて、身を竦める恭平に再びヌチヌチと淫らな音を立てて耳朶が舌で責められ始める。真っ赤になって震えながら淫らな姿を見られて感じてしまっている、それを示すように柔らかく低い声が濡れた耳元に囁く。

「恭平がエッチなこと相談したから、了はこんな下着くれたんだよね?……俺のためならちゃんと見せてもらわないと、いつまでもこのままだよ?」
「ごめ、……許し、て……。」
「顔は隠してもいいから、下は隠さないで?そう言ったよね?」

恥ずかしかったら顔は隠してもいいが、股間は見せるなんて余計恥ずかしい。それでも仁聖が他人に話をするのに戸惑っていた筈の自分が、もっと恥ずかしい話を他人にしてるじゃないと指摘されたら反論もできなかった。視線の熱さを股間に感じながら、もうそうするしかなくて顔を両手で覆いながらきつく目を閉じる。それなのに曝されている股間に、仁聖の視線の熱さをジリジリの感じてしまう。

「そんな…………みるな…………よぉ…………。」

恥ずかしくて泣きそうになりながら、必死に弱々しく懇願するしか出来ない。それなのに仁聖の視線の熱さに、ヒクヒクと股間が熱をもって反応し始めているのが分かる。そんな視線に熱く反応し始めている怒張の先を、仁聖の指の腹がユックリと円を描くように撫で回す。

「やぁぅっあっああっ!」
「こんなにヌルヌルにして……エロ下着好き?」
「違っ……ううんっ!あっ!」

腰を捩ると会陰部の金属の珠がゴリゴリと肌を刺激して何でか身悶えてしまい、肌が粟立ち怒張が更に硬く下折たつ。膝を開かされたまま全てを仁聖の目の前に差し出しながら、顔だけを隠している自分。それを考えると恥ずかしくて、本気で泣き出しそうだ。

「気持ちい?ここ、ゴリゴリするでしょ?」
「んんっあっあうっふっ!」
「女の子みたいな下着だね?レースのスカートみたい、エロくて可愛い、恭平は色が白いから黒のレースが凄く似合う。」

卑猥な言葉を囁かれ太股を撫でレースの下に手を滑り込ませながら、仁聖の顔が股間に吐息を吹き掛けるのに恭平は身悶えながら目をきつく閉じて口元を手で覆う。次は怒張を口に含まれるのかと思っていたのに、見ないでいると仁聖の舌が刺激したのは予想外の会陰部で思わず膝を閉じかける。

「んんっんっ!んふぅっ!」

レースの下に滑り込んだ手がレースの下を撫で回し尻を揉みながら、会陰に音を立てて舌を這わせる。そんな仁聖の頭を足で挟む姿は、まるで女性みたいで余計に恥ずかしい。それなのに足の付け根や肉茎の根本、輪にくびりだされた睾丸まで舐めまわされて、何時も与えてもらえる怒張への愛撫がまだ届かないのに焦れて腰がモゾモゾと揺れる。

「んぅっ!んんぅっ!んふぅうっ!うぅんっ!」
「エッチな声だね?恭平……。ここまで垂れてる。」

そう囁かれた途端肉茎の裏側を下から上へゾロリと舐めあげられて、腰が蕩けてしまいそうな快感に後孔がキュウッと締まる。それすら仁聖の目から隠せない恭平の後孔の入り口を親指の腹で撫で回しながら、また舌が股間をヌメヌメと焦らすように這い回っていく。

「んぅっ!んふぁ……あぅっんっ!んっ!あふっ!」

入り口を撫で回す指を飲み込もうと腰を押し付ける動きが自然と起きているのに、焦らしてくる指は入り口を擦るように撫で回すだけ。腰がうねり押し付けようとしても指は中を刺激してくれる気がないように逃げていく。既にタラタラと怒張の先から蜜が溢れて肉茎の殆んどを濡らしているのに、満たされない快感に腰がガクガク揺れておかしくなりそうだ。

「も、んんっ!あぅっんっ!やぁ……っ!あっ!」
「可愛い……腰ガクガクさせて……。」

そう言った仁聖がフウッと怒張の先端に息を吹き掛けたのに、腰が抜けそうな位の快感が背筋に走る。恥ずかしくて仕方がないのに欲しくて焦れて、一番欲しいものだけお預けにされているのに頭がボォッとし始めていた。しどけなく両足を開かれて隠すこともできずに、仁聖が次に触れたのは唇で舌を差し込まれ絡み付かされて強く舌を吸われて余計に芯だけが熱く滾る。トロンとした顔で見上げても仁聖の長い睫毛と男臭い視線に射ぬかれるだけで、何がなんだかわからなくなっていく。

「ほら、ここドロドロになってる、キスでいった?」

甘くて執拗なキスから解放されて、再び敏感になっている怒張の先端を撫でられ告げられてもボォッとしてしまって何がなんだか分からないまま。恭平が薔薇色の頬と潤んだ瞳で目の前の仁聖の事を見上げるのに、仁聖が柔らかな低い声でまた耳元を擽りだす。

「凄いエッチだね?まだ、これからなのに……恭平ってば、可愛い。」

まだこれから?こんなに気持ちよくなっているのに、これから?ボンヤリとそう考えるのに、仁聖の指が今度は乳首を摘まんで先端を擦り始め頭が再び激しい熱に飲まれていく。

「や、うっひあっ!あっ!くふぅっ!ううっ!んふっ!」

摘ままれた先端をチロチロと舌先で擽られると、とんでもなく甘ったるい声が溢れて腰がガクガクと快感に震えてしまう。仁聖の頭を思わず抱え込むようにしがみついても、恭平はどうしても快感から逃れられなくて言葉にならない。

「んんぅっ!んふぅっ!あっああっ!あーっ!」
「もぉ……そんなに気持ちよくなっちゃうなんて……エッチな下着って本当危ないなぁ……。恭平……、俺の前だけなんだからね?こんなの?いい?」
「ば…………かぁっ!ほか、…………な、んか…………ないぃつ……ああっ!」

ユルユルと後孔を指で擦られながら乳首を責められ、その相手の頭を抱き寄せて股間はいきっぱなしみたいにドロドロと蜜を滴らせ続けている。恭平自身、自分では既に自分の体を操れなくなっていて仁聖に縋るしかできない。

「じ、んせ。も、やぁあ、も、むり。」

濡れた乳首の先端を摘ままれたまま先端に吐息を吹き付けられただけで、軽く達してしまって目の前が快感にチカチカ瞬いている。それなのに仁聖は今日は全く容赦なく焦らすような愛撫ばかり続けて、恭平のガチガチになった怒張やひくつく後孔には一向に触れようとしない。

「も、やだぁあっ、じんせ、も、だめ。」
「ん、乳首ピンクで可愛い……、気持ちい?さっきからいってるよね?」
「ふあっ!すうの、やぁっ!あっ!ああっ!」

確かに愛撫で軽く達し続けているけど、一番欲しいものでいかせてもらえない。酩酊してドロドロにされているのに中途半端な快感に追いたてられて、必死で縋りついているのに満たしてもらえないでいる。それに仁聖はまだ服すら脱いでもいないのに、蕩けていく頭の中が焦れて泣き出してしまう。

「どうしたの?物足りない?恭平?」
「じんせ、ぇ、も……やだぁ……も、やぁ。」

唇を舐める仁聖の様子に頭の芯が溶けてしまいそう。それなのに触れて貰いたいところには絶対に触れてもらえなくて、空気に曝されたそこがジンジンと熱を発している。

「さわ、って、も。」
「触ってるよ?恭平の可愛いところ、ほら、カチカチにしてる。」

クニクニと指の腹で乳首の先端を捏ねられ、指で弾かれるのに簡単にまた軽く絶頂感にのまれてしまう。違うと言っても意地悪く焦らされ反らされて、口付けにまた吐息まで奪われて涙が溢れ出している。

「も、おねが、い、じんせ、ぇ、たのむから……、も、むりぃ。」

グイと目の前の仁聖の服の裾を捲りあげようとすると、仁聖が苦笑いしながら耳朶を噛み耳元で囁く。

「もぉ……そんなに、欲しいの?恭平……。」

耳元で低く囁く甘い声に体の奥が疼いて震えが起きる。今すぐに中にいれて欲しくて、奥底にまで仁聖の熱を打ち込んで欲しくて頭が馬鹿になりそう。そう考えながら必死にその首に手を回して縋りつき、耳元に唇を寄せる。

「も、やだぁあ……、じんせ、ほしい。」
「何がほしいの?お強請りしたら、あげるよ。」

そういいながら仁聖に軽々と抱きかかえられ歩き出されるのに、首元に縋りついたままで恭平が掠れて官能に濡れた声で甘えるように強請る。

「じんせ、の、…………ほしい………………。」

甘ったるく強請る自分の声なんか恥ずかしくて仕方がないけど、欲しくて気が狂いそうになっていて言葉すら止められない。音を立ててベットに下ろされて、自分の足元で膝立になり服を勢いよく脱ぎ始めた仁聖を、恭平は潤みきって欲情した瞳で見つめる。既に体には力が入らず足を開いたまま股間を隠すこともできずに、淫らに怒張は下折たちレースに蜜を飛び散らせたまま。膝の下を掬い上げるように足を大きく開かされ、股間に仁聖の硬い怒張を押し当てられるだけで甘い喘ぎが自然と溢れてしまう。

「ん、あ……ふっ……あんっ…………んっ。」
「まだ、押し付けただけだよ?」
「はや、くぅ……も、おれ、じんせぇ……。」
「ふふ、そんな可愛い声でちゃうの?凄いエッチで可愛い……。」

グチグチと音を立てて擦り付けられるだけで、体がビクビクと痙攣するように跳ねる。押し付けられた先端が僅かに体内にめり込むのに、喉が仰け反って甘い声がこぼれ落ちた。

「ふ、ああっ!ああぁっ!」
「ん…凄い……中……。」

先端だけ埋め込まれ必死にその先を体内が強請るのに、仁聖は腰を進めずに恭平に口付けながらクポクポと浅い場所を擦り抜き差しを始める。深くまで欲しいのにほんの浅い場所だけを擦られて、恭平は背まで仰け反らして何とか腰を押し付け深く飲み込もうと身悶えた。

「も、っと、やぁ、もっとぉ!」

自分がつい放ってしまう甘ったるい掠れ声に仁聖が意地悪く微笑みながら、僅かに挿入を深める。それでも何時もより浅い刺激に体内がうねりキツくく体内が、怒張に絡み付いていく。

「も、っとぉ……じんせ、もっと……。」
「もっと?何を?」
「い、じわるっ……いうな……もっ、とおくっ……!」

その言葉に誘われるように奥に怒張を捩じ込んだ瞬間、恭平は甲高く甘い悲鳴を上げて全身を硬直させていた。
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