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間章 ちょっと合間の話
間話8.嫉妬に焦がれて
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結局手早く作ってみたのはカレーだったが、今まで食べたことがある筈なのに香辛料に驚いた様子の宏太に了は笑い出してしまった。もしかしてと思って甘口で作ってやったのに、それでも刺激に驚いたらしい。これじゃ麻婆豆腐やらスパイスの効いた辛い料理は、ゆっくり慣らしてやらないと無造作に口に入れてから宏太が悶絶しそうだ。
あ、なんか腹がたったら、それで仕返ししよう。
そう考えてはみるものの、今まで他所では普通に食ってたものにも急に過敏に反応しているのには不思議だ。ただ今までケロッとして食っていたのは単に味を感じてなかったからなのだと思うと、それはそれでかわいそうな話だと思う。あのマンションに設えてあったスパイス棚や食器の数は膨大で、元妻はかなりの料理好きだったに違いない。あの棚にはターメリックやらコリアンダーやら聞いたこともないものが山ほどあったし、調理器具だって見たこともない物もあった。自分なんかは使ってもせいぜい塩コショウや、マジックソルトや乾燥ガーリックパウダー程度だ。
奥さん、宏太の味覚障害を知らなかったんなら、辛かったろうな……。
何を作っても味が分からない人間に、料理好きの妻なんて最悪の組み合わせだ。自分の得意な事を気がついてももらえないで、日々顔を付き合わせていたら確かに病んでしまうのも分かる。しかも当の宏太自身も原因を知らないんじゃどうにもならなかったろう。
スパイス棚や調理器具、食器も全て業者が処分するものとして運び出した。宏太が珍しく新しい生活にそれらを持ち込むのを嫌がったのだ。それを聞いた時了はホッとすると同時に、実は宏太自身が自分を追い込むためにあそこに暮らし続けていたのではないかと思った。倫理観なんてないのではなく、彼なりの贖罪のために妻の死んだ場所で独りで暮らし続けていたのではないかと初めて思ったのだ。それが宏太なりの片倉希和への愛情だったのかもしれない。
今あのマンションに残っているのはリビングの奇妙な大量の機器と、元寝室だった部屋に書類を置くための大量の書架。後はもしあの家で休憩する時のための僅かな応接セットとそれに使うかどうかの僅かな食器位。少なくともあんなに駅近いマンションの上階としては、かなりの無駄な利用法だ。
「了?」
「何?」
考え事をしていたら心配そうに声をかけられ、視線を向けると思わず笑いが浮かぶ。何だろうな、何でか飯を食ってる宏太の姿は少し可愛い。辛いかと聞くと分からん・ちょっと舌が痺れるかな?と素直な答えが来て、尚更可愛いと思うのはなんでだろうか。
「辛いもん食えないと、困るな?俺が作るの辛い料理結構あるからなぁ。」
「食えない訳じゃないぞ、旨い。けど、こんな味なのかって驚いた。」
「はは、これ甘口だぞ?」
これでかと宏太が困惑して呟くのが、正直可笑しくて仕方がない。辛味も苦味も慣れだと言うから少しずつ慣らしてやれば良いに違いないし、旨いと言うから試す分にはよかったかもしれない。了はふと思い出したように宏太の顔を覗きこむ。
「あ、なぁ、俺の弟って何処に住んでんの?幾つ?」
「……何で?」
「気になるじゃん、今まで知らなかったんだぞ?」
ふぅんと宏太は了の言葉に眉をしかめながら、そんなもんか?不思議そうに呟く。了の実家はここ近辺からは電車で五駅と離れているが、その弟とやらは母親と一緒に隣の駅の近郊に住んでいるのだと言う。年は今年高校になると言うから、十五で十一も離れているわけだ。それにしても十五年も妻に隠していられる辺りが、既に夫婦として破綻している。しかも、その妾が宏太の商品と言うことは、一体幾つの時に躾られたのだろう。
「で。結局、親父は顧客だったわけ?宏太。」
「まぁな。最初にお前がrandom faceに来たのはそのせいかとも思ったんだがな。」
え?そうなの?と言うと、両親共に宏太の視界に入ってきていたから、政治家の息子はそれを密かに調べに来たのかとも考えたらしい。それで右京が独りで遊んでいたところに顔を出したのだと言うが、残念ながら右京だけで済む筈のものが変わったのはその時の偶然だ。とはいえ納得できないものもある。偶然と言うが、宏太は部屋に来た時には既にヤル気満々に見えたのだ。
「まぁその……な。」
「何だよ?」
「………小生意気で、ちと、可愛くてな。」
「……偶然じゃねぇじゃねぇかよ。変態。」
兎も角その息子は、その後もただ単に自分の快楽のために宏太の元に通ったわけだ。
「弟ねぇ……。」
何で気にする?と問われてあの両親が跡継ぎにしようと無理やり拉致って来なきゃいいけどと溜め息混じりに呟いてしまう。その答えに宏太は成る程そう言う手があるのかと納得したようだ。
「お前がそうして欲しきゃ、その阻止位はしてやるよ。」
「……なんだよ、優しいな。」
お前が望むんならしてやると当然のように宏太は言い、それを聞いた了はふと黙りこむ。やがて食事を終えてその奇妙な沈黙に気がついた宏太が、微かに眉を上げたのを見ないふりをして了は食器を手に取り上げるとキッチンに立つ。
「なぁ、…………お袋も……random faceに来てたんだよな?」
何気ない口調でそう問いかけながら食器を洗う了を、宏太は無言で眺めていた。しかし、ふと慣れない様子で立ち上がり、手探りしながらキッチンの了に慎重に歩み寄る。
「あぶねぇぞ。また、ぶつかる……。」
不意に背後から抱きすくめられ、了は苦笑いしながら食器をシンクから上げて水を止める。宏太が抱きすくめて普段のように悪戯に走るのかと思いきや、その手は了を抱き締めていたかと思うとソロリと了の頭を撫でてきたのに気がつく。
「何だよ?」
「悪かった……。」
街中でも同じだったが唐突な宏太の謝罪に面食らったのは了の方で、そのまま身動きもとれなくなってしまう。抱きすくめられ子供のように頭を撫でられるのに戸惑う了を、宏太の手は酷く優しく慰めるように撫で続ける。
「悪かった…どうしても、お前の事が欲しくて焦りすぎたな。」
「は?何言ってんだよ、良いって。」
「良くねぇよ……お前だけは、…………良くねぇんだ……。」
何だよそれと呟く了の体を簡単にクルリと回すようにして、宏太はギュウッと腕の中に了を抱き締めた。何で突然こんな風に倫理観も道徳もまるでスルーしていた筈の男が、了の事となると妥協も何もなしで宝物みたいにするのかちっとも分からない。何がそんなにいいんだよと呟く了を、抱き締めたままの宏太がお前じゃなきゃ駄目だなんて呟くから思わず言いたくないことが口から飛び出してしまう。
「…………宏太……、あんた、お袋とやった?」
「やっぱりそんなこと考えてやがったか……。」
溜め息混じりに宏太が呟いたかと思うと、本当にお前は俺を種馬か何かだと思ってんだなと苦笑混じりの声が言う。もうそんなつもりじゃないが、実家のリビングで舐め回すように宏太の体を見ていた自分の母親の淫蕩な視線が頭を掠めてしまうのだ。宏太には見えていないあの視線が、自分と同じような意味で宏太を見ていたのが勘に障るとは流石に言えない。耳元にベットまでつれてけと囁かれて素直に手をとる了に、背後から大人しくついて歩きながら宏太が言う。
「俺のしてきたことでそう考えるのが仕方がねぇのは分かるけどな……この際だから…、ハッキリ言っとくぞ。」
歩きながら背中から言う声は、宏太自身の今までの姿を理解しているからこそなのだと分かる。そんな風に見えるように宏太が意図して過ごしてきたのだから、当然そう見られていたのは十分理解しているが今はもう違う。しかも、本当の事を話しても宏太には何も問題はないのだ。引かれる手をギュッと強く握りながら、少し何時もと違う声音が呟く。
「あの店は調教師をやめて始めたんだ。調教するなら兎も角、好きでもねぇ人間に気持ちよくなれる程性欲馬鹿じゃねぇんだよ、俺は。」
そんなことはもう分かっている。案外宏太が淡白だと、話した久保田惣一の言葉は本当なのかもしれないと、了だって考えているのだ。今の盛っている宏太の方が珍しい事態なんじゃないかと、本当はわかりつつある。
「勿論調教してくれってやつはいた。だけどな、俺が自分からやりたくてやったのは一人だけだ。」
思わず足が止まって宏太の事を振り返ると、予想外に顔を背けながら頬を赤くした宏太が階段の数段下にいる。
「あの店で俺が抱いた人間は、三人だけだ。」
random faceの中で、宏太がたった三人としか寝てない。
そんな事は了も初めて聞いたし、たった三人だなんて正直予想外だ。ふと見えない筈の視線を向けて階段の数段下から、宏太が真っ直ぐに真剣な顔を向けてくる。
「他に抱いたのは右京と三浦。俺が惚れて抱いたのは、お前だけだ………お前だけだ、やりたくてやったのは。」
お前のお袋は客で奥の部屋を若いつばめと使っただけだと不貞腐れたように呟く宏太に、何でか見下ろしている了は足が震える。何でそんなに自分の事を大切にしようとするのかちっとも理解できないのに、惚れてると告げられる言葉が酷く胸に甘く痛い。思わず視線を返して慌てて階段を昇りきると、ベットルームに宏太の手を引いて俯いたまま足を進める。了自身離れたいのか何なのか分からないままベットに座らせた宏太は、了を引き寄せると自分の膝に跨がらせて再び抱き締めた。
「くそ、何で泣く?」
俯いた時から既に溢れだしていた涙に気がついた宏太が、了の頬を優しく拭いながら呟く。
「何が悪いのかわかんねぇんだぞ?俺には。おい、何で泣いてんだ。ん?」
「何で……こんな、優しくすんだよ……、あんた人が変わりすぎだろ?鬼畜で変態で人でなしの癖に……何で俺にだけこんなに優しくすんだよ……。」
酷く胸が痛くて堪えきれない。それでも了の溢れる涙に慌てているのは宏太の方で、労るように頭を撫でながらまるで子供にするように抱き締め続ける。
「了、俺が悪かった……もっとユックリ手順を踏んでやればよかったな……、悪かった、泣くな。」
「何だよ……あや、まんな、よぉ……何謝ってんだよ……っ。」
抱き締められ何度も頭を撫でながら頬に口付けられるが、了自身にも何でこんなに自分が泣きたいのかが理解できないでいた。しっくりできる感情の表現できる言葉が分からない、それに何も後悔なんかしていないのに涙が止まらない。
「悪かった……辛かったな、泣くな。了、愛してるから。」
辛かった?宏太が何が自分は辛いと言うのか分からないと言うと、宏太は強く抱き寄せ親に拒絶されたのが辛かったろうと囁く。そういわれた瞬間、了は今自分が感じているのが何なのか、唐突に理解できた気がした。
「何だよぉ……なんで、あんた、急に、そんな……。」
「了…泣くな、お前が泣くのは駄目だ……、お前を泣かせたくないんだ……。」
「だ、ったら、早く俺のことっ、外崎にしてくれよぉ!」
一人きりで寂しい。子供の時からずっと寂しかったのに。最後の最後まで両親は自分を完全に拒絶して、お前はもう自分達の子供じゃないと告げた。自分達は自由に気儘に暮らしていて、了には責任はとらないと放棄され捨てられてしまったのだ。誰も彼も自分を見もしないし、必要としてもくれない。その独りぼっちの寂しさから、いい加減さっさと誰かに救い上げてもらわないと了だって限界だ。
「ああ。直ぐにしてやる、嫌だって言ってもしてやるよ。」
「絶対っだからなっ!直ぐ、なんだから、なっ!」
宏太だけが自分を必要として、自分がいないと駄目だと言ってくれて、しかも傍にいろと言ってくれた。身体だけでなく心も何もかも自分に寄越せと初めて言ってくれたのだ。だけど、そのせいで今まで分からなかったものが、突然クリアに見えてしまったから了は混乱している。必要とされる安堵と同時に、了自身も宏太が何よりも必要なのだ。
「い、一秒でも先に死にやがっ、たら、後追い、自殺してやっからなっ!」
「そりゃ駄目だ。お前は長生きして老衰で死ぬ時、俺に愛してるって最後に言わせる約束だ。」
泣きじゃくる了を抱き寄せたまま、鬼畜で変態で人でなしの筈の男は優しくあやすようにそう言う。全てに拒絶された胸の痛みを、何とか満たそうと不器用に目の前の盲目の男は了の事を大切に抱き締め続ける。
「何で……こんな、寂し……なんて、……こんなの、知らない…ぅっ。」
「悪かった…泣くな……了。直ぐ俺のものにしてやる、な?」
「うっ、悪い、と思ってんなら、うっく、愛してるって言ってろっ。」
「ああ、愛してる…了。お前を愛してる。」
産まれて初めて知った感情に戸惑いながら泣きじゃくる了を、飽きることもなく宏太はずっと抱き締めたまま。やがて泣き疲れて了が眠ってしまっても、一時もその腕を離そうとはしなかった。
※※※
こんなに泣いたのはあの時以来かもしれない。
ボンヤリと目を覚ました了は夢現に考えた。独りで公園から重い体を引き摺るようにして帰り、家政婦の無関心に見える視線に曝され独りで泣きながら身体を真っ赤になるまで洗い続けたあの時。あの時からずっと自分は独りぼっちだと、心の何処かで感じてきたのだ。それを突然見透かされて、独りぼっちから救い上げるために嫁にするなんて破天荒にも程がある。自分を抱き締めたまま眠って居る様子の宏太の頬に手を触れて、そっと了は柔らかく肉感的な唇を指で撫でた。
「あんただけだよ……宏太……、俺…あんたが好きだ……。」
そっとそう囁きかけて口付ける。自分を必要としてくれる腕に抱き寄せられながら、目の前の男に了は思わず苦笑してしまう。
「なぁ、……弟って俺に似てんの?見たことあんの?」
「寝てる。」
嘘つけと苦笑しながら腕をその首に絡める。何しろキスしたら目の前で顔が赤くなったんだから、寝てるなんて誤魔化しが効く筈もない。大体にして寝てるなんて答える誤魔化し方があるかと、了は腕の中で声を上げて笑いだしてしまう。
「………見たのは何年か前だからなぁ……まあ、……お前の親父そっくりだったな。」
「うわ、最悪。」
了の父親は了と違ってズングリと背が低く、身体もガッチリとしている。体型とすれば了は母親似と言ってもいいのだが。
「お前、どっちにも似てねぇなぁ?」
「はは、そう言われたらそうかな?似てるとこもあるらしいけど。別にいいよ、あの二人に似なくても。」
元々母方の祖母に似ていると言われたことはあるが、あまり両親に似てると言われたことがなかった。それも可愛がられなかった理由かもしれないが、もう今となってはどうでもいいことの気がする。
「なぁ……弟ばっか気にすんなよ。」
「だって、俺と似てたらいやじゃねぇかよ。」
その返答が予想外だったのか、宏太は眉を潜めながら意図を探ろうとするように首を傾げた。
「ああ?」
「似てたら、あんたが気に入るかもしんないじゃんか………そんなの……やだよ…。」
その言葉に更に驚いたように、宏太が大きく眉を潜めた。
「何だよ、お袋の次は弟に嫉妬か?」
「違っ!」
「俺が惚れてんのは、お前だけだぞ?顔で惚れてる訳じゃねぇ。」
確かに目が見える訳じゃないから宏太の言う通りなんだが、そこは分かっていても感情と言うやつは理屈じゃない。しかも、何がよくてこんなに惚れられているのか理解できないんだから嫉妬して当然だと思う。そう訴えると呆れたようにベットに押し付けられた。
「お前なぁ、惚れてでもなきゃ億単位で家なんか貢ぐかよ。」
仰る通り。確かに即決で買うには大きすぎる買い物は、宏太が欲しかったわけでもない、了の為のもので貢いだというのは確かだ。盲目の男が億単位で資産を持ってることも、かなり衝撃的なのはさておき。
「もういい、お前今から身体で愛されて実感しろ。突っ込んで俺の子種で孕むまで犯してやる。」
無造作に服を引き剥がされながら、意図も容易く足を抱えあげられる。抵抗すら出来ずにあっという間に全裸に剥かれて、今度は全身を舐め回され始めると甘い声が溢れてしまう。
「んっんんっあっ!やぁっ。」
「それにな、覚えとけ?俺の性癖は元々は高嶺の花が折れればそこで満足なんだからな。お前だけなんだぞ?」
舐めながら吸われた乳首に舌が絡み、股間を開かれて羞恥に口を必死に抑える。それすらも許さない勢いて乳首を甘噛みされながら、チュクチュクと高く音をたてられると快感に電気が走ったように腰が痙攣してしまう。
宏太の元来の性癖は高嶺の花を折り屈服させることが最終目的で、折れた後の花には一気に興味が失せる。だから調教師として調教中は熱心だが、躾が終わればあっという間に興味が失せるから宏太は有能な調教師だったのだ。どんなに手間をかけて躾ても終われば興味が失せるから、情が沸くこともなく執着もしない。相手がどんなに執着しても宏太の方が興味が失せるから相手にしなくなる。いつまでも折れずに復讐を図る片倉右京とは、だから長く付き合いがあったのだ。そして折れた三浦和希には宏太の興味は失せてしまったから、その後の三浦の狂気の進行を読み違えた。今までなら調教後は依頼人に引き渡していたのに、三浦は依頼人からも放棄されたから宏太も先が読めなかったのだ。
「お前だけだからな?こんな執着して、スッカリ俺の女にしてやりたいし、それでも欲情すんのは。」
自分から望んで触れて堕として、それでも尚自分のものにして愛したいのは了だけ。それが自分が了に惚れていると言うことなのだと、何度も口付け愛撫を施しながら囁かれるのは了の腹の奥にズンと重く響いてしまう。レロと淫らに舌を出されみえるように先端を舐め回される快感に、あっという間にピンと爪先が反ってしまう程だ。
「可愛く泣けよ、これから嫌ってほどタップリ注いでやる。」
「やぁっ!あっああっ!やぁあっいくぅ!」
「一回いっとけ、これから犯しまくってやる。」
音をたてて吸い付かれて怒張を滑る舌で扱きたてられ、あっという間にその口の中に精液を勢いよく放つ。それを躊躇いもなく飲み干して赤く怒張を膨らませた男は、唇を舐めながら笑うと了にのし掛かってくる。
「さぁ、覚悟してもらおうか?ん?」
そういいながら、ひくつく了の後孔にミチミチと太く硬く尖った怒張を押し当てていた。
あ、なんか腹がたったら、それで仕返ししよう。
そう考えてはみるものの、今まで他所では普通に食ってたものにも急に過敏に反応しているのには不思議だ。ただ今までケロッとして食っていたのは単に味を感じてなかったからなのだと思うと、それはそれでかわいそうな話だと思う。あのマンションに設えてあったスパイス棚や食器の数は膨大で、元妻はかなりの料理好きだったに違いない。あの棚にはターメリックやらコリアンダーやら聞いたこともないものが山ほどあったし、調理器具だって見たこともない物もあった。自分なんかは使ってもせいぜい塩コショウや、マジックソルトや乾燥ガーリックパウダー程度だ。
奥さん、宏太の味覚障害を知らなかったんなら、辛かったろうな……。
何を作っても味が分からない人間に、料理好きの妻なんて最悪の組み合わせだ。自分の得意な事を気がついてももらえないで、日々顔を付き合わせていたら確かに病んでしまうのも分かる。しかも当の宏太自身も原因を知らないんじゃどうにもならなかったろう。
スパイス棚や調理器具、食器も全て業者が処分するものとして運び出した。宏太が珍しく新しい生活にそれらを持ち込むのを嫌がったのだ。それを聞いた時了はホッとすると同時に、実は宏太自身が自分を追い込むためにあそこに暮らし続けていたのではないかと思った。倫理観なんてないのではなく、彼なりの贖罪のために妻の死んだ場所で独りで暮らし続けていたのではないかと初めて思ったのだ。それが宏太なりの片倉希和への愛情だったのかもしれない。
今あのマンションに残っているのはリビングの奇妙な大量の機器と、元寝室だった部屋に書類を置くための大量の書架。後はもしあの家で休憩する時のための僅かな応接セットとそれに使うかどうかの僅かな食器位。少なくともあんなに駅近いマンションの上階としては、かなりの無駄な利用法だ。
「了?」
「何?」
考え事をしていたら心配そうに声をかけられ、視線を向けると思わず笑いが浮かぶ。何だろうな、何でか飯を食ってる宏太の姿は少し可愛い。辛いかと聞くと分からん・ちょっと舌が痺れるかな?と素直な答えが来て、尚更可愛いと思うのはなんでだろうか。
「辛いもん食えないと、困るな?俺が作るの辛い料理結構あるからなぁ。」
「食えない訳じゃないぞ、旨い。けど、こんな味なのかって驚いた。」
「はは、これ甘口だぞ?」
これでかと宏太が困惑して呟くのが、正直可笑しくて仕方がない。辛味も苦味も慣れだと言うから少しずつ慣らしてやれば良いに違いないし、旨いと言うから試す分にはよかったかもしれない。了はふと思い出したように宏太の顔を覗きこむ。
「あ、なぁ、俺の弟って何処に住んでんの?幾つ?」
「……何で?」
「気になるじゃん、今まで知らなかったんだぞ?」
ふぅんと宏太は了の言葉に眉をしかめながら、そんなもんか?不思議そうに呟く。了の実家はここ近辺からは電車で五駅と離れているが、その弟とやらは母親と一緒に隣の駅の近郊に住んでいるのだと言う。年は今年高校になると言うから、十五で十一も離れているわけだ。それにしても十五年も妻に隠していられる辺りが、既に夫婦として破綻している。しかも、その妾が宏太の商品と言うことは、一体幾つの時に躾られたのだろう。
「で。結局、親父は顧客だったわけ?宏太。」
「まぁな。最初にお前がrandom faceに来たのはそのせいかとも思ったんだがな。」
え?そうなの?と言うと、両親共に宏太の視界に入ってきていたから、政治家の息子はそれを密かに調べに来たのかとも考えたらしい。それで右京が独りで遊んでいたところに顔を出したのだと言うが、残念ながら右京だけで済む筈のものが変わったのはその時の偶然だ。とはいえ納得できないものもある。偶然と言うが、宏太は部屋に来た時には既にヤル気満々に見えたのだ。
「まぁその……な。」
「何だよ?」
「………小生意気で、ちと、可愛くてな。」
「……偶然じゃねぇじゃねぇかよ。変態。」
兎も角その息子は、その後もただ単に自分の快楽のために宏太の元に通ったわけだ。
「弟ねぇ……。」
何で気にする?と問われてあの両親が跡継ぎにしようと無理やり拉致って来なきゃいいけどと溜め息混じりに呟いてしまう。その答えに宏太は成る程そう言う手があるのかと納得したようだ。
「お前がそうして欲しきゃ、その阻止位はしてやるよ。」
「……なんだよ、優しいな。」
お前が望むんならしてやると当然のように宏太は言い、それを聞いた了はふと黙りこむ。やがて食事を終えてその奇妙な沈黙に気がついた宏太が、微かに眉を上げたのを見ないふりをして了は食器を手に取り上げるとキッチンに立つ。
「なぁ、…………お袋も……random faceに来てたんだよな?」
何気ない口調でそう問いかけながら食器を洗う了を、宏太は無言で眺めていた。しかし、ふと慣れない様子で立ち上がり、手探りしながらキッチンの了に慎重に歩み寄る。
「あぶねぇぞ。また、ぶつかる……。」
不意に背後から抱きすくめられ、了は苦笑いしながら食器をシンクから上げて水を止める。宏太が抱きすくめて普段のように悪戯に走るのかと思いきや、その手は了を抱き締めていたかと思うとソロリと了の頭を撫でてきたのに気がつく。
「何だよ?」
「悪かった……。」
街中でも同じだったが唐突な宏太の謝罪に面食らったのは了の方で、そのまま身動きもとれなくなってしまう。抱きすくめられ子供のように頭を撫でられるのに戸惑う了を、宏太の手は酷く優しく慰めるように撫で続ける。
「悪かった…どうしても、お前の事が欲しくて焦りすぎたな。」
「は?何言ってんだよ、良いって。」
「良くねぇよ……お前だけは、…………良くねぇんだ……。」
何だよそれと呟く了の体を簡単にクルリと回すようにして、宏太はギュウッと腕の中に了を抱き締めた。何で突然こんな風に倫理観も道徳もまるでスルーしていた筈の男が、了の事となると妥協も何もなしで宝物みたいにするのかちっとも分からない。何がそんなにいいんだよと呟く了を、抱き締めたままの宏太がお前じゃなきゃ駄目だなんて呟くから思わず言いたくないことが口から飛び出してしまう。
「…………宏太……、あんた、お袋とやった?」
「やっぱりそんなこと考えてやがったか……。」
溜め息混じりに宏太が呟いたかと思うと、本当にお前は俺を種馬か何かだと思ってんだなと苦笑混じりの声が言う。もうそんなつもりじゃないが、実家のリビングで舐め回すように宏太の体を見ていた自分の母親の淫蕩な視線が頭を掠めてしまうのだ。宏太には見えていないあの視線が、自分と同じような意味で宏太を見ていたのが勘に障るとは流石に言えない。耳元にベットまでつれてけと囁かれて素直に手をとる了に、背後から大人しくついて歩きながら宏太が言う。
「俺のしてきたことでそう考えるのが仕方がねぇのは分かるけどな……この際だから…、ハッキリ言っとくぞ。」
歩きながら背中から言う声は、宏太自身の今までの姿を理解しているからこそなのだと分かる。そんな風に見えるように宏太が意図して過ごしてきたのだから、当然そう見られていたのは十分理解しているが今はもう違う。しかも、本当の事を話しても宏太には何も問題はないのだ。引かれる手をギュッと強く握りながら、少し何時もと違う声音が呟く。
「あの店は調教師をやめて始めたんだ。調教するなら兎も角、好きでもねぇ人間に気持ちよくなれる程性欲馬鹿じゃねぇんだよ、俺は。」
そんなことはもう分かっている。案外宏太が淡白だと、話した久保田惣一の言葉は本当なのかもしれないと、了だって考えているのだ。今の盛っている宏太の方が珍しい事態なんじゃないかと、本当はわかりつつある。
「勿論調教してくれってやつはいた。だけどな、俺が自分からやりたくてやったのは一人だけだ。」
思わず足が止まって宏太の事を振り返ると、予想外に顔を背けながら頬を赤くした宏太が階段の数段下にいる。
「あの店で俺が抱いた人間は、三人だけだ。」
random faceの中で、宏太がたった三人としか寝てない。
そんな事は了も初めて聞いたし、たった三人だなんて正直予想外だ。ふと見えない筈の視線を向けて階段の数段下から、宏太が真っ直ぐに真剣な顔を向けてくる。
「他に抱いたのは右京と三浦。俺が惚れて抱いたのは、お前だけだ………お前だけだ、やりたくてやったのは。」
お前のお袋は客で奥の部屋を若いつばめと使っただけだと不貞腐れたように呟く宏太に、何でか見下ろしている了は足が震える。何でそんなに自分の事を大切にしようとするのかちっとも理解できないのに、惚れてると告げられる言葉が酷く胸に甘く痛い。思わず視線を返して慌てて階段を昇りきると、ベットルームに宏太の手を引いて俯いたまま足を進める。了自身離れたいのか何なのか分からないままベットに座らせた宏太は、了を引き寄せると自分の膝に跨がらせて再び抱き締めた。
「くそ、何で泣く?」
俯いた時から既に溢れだしていた涙に気がついた宏太が、了の頬を優しく拭いながら呟く。
「何が悪いのかわかんねぇんだぞ?俺には。おい、何で泣いてんだ。ん?」
「何で……こんな、優しくすんだよ……、あんた人が変わりすぎだろ?鬼畜で変態で人でなしの癖に……何で俺にだけこんなに優しくすんだよ……。」
酷く胸が痛くて堪えきれない。それでも了の溢れる涙に慌てているのは宏太の方で、労るように頭を撫でながらまるで子供にするように抱き締め続ける。
「了、俺が悪かった……もっとユックリ手順を踏んでやればよかったな……、悪かった、泣くな。」
「何だよ……あや、まんな、よぉ……何謝ってんだよ……っ。」
抱き締められ何度も頭を撫でながら頬に口付けられるが、了自身にも何でこんなに自分が泣きたいのかが理解できないでいた。しっくりできる感情の表現できる言葉が分からない、それに何も後悔なんかしていないのに涙が止まらない。
「悪かった……辛かったな、泣くな。了、愛してるから。」
辛かった?宏太が何が自分は辛いと言うのか分からないと言うと、宏太は強く抱き寄せ親に拒絶されたのが辛かったろうと囁く。そういわれた瞬間、了は今自分が感じているのが何なのか、唐突に理解できた気がした。
「何だよぉ……なんで、あんた、急に、そんな……。」
「了…泣くな、お前が泣くのは駄目だ……、お前を泣かせたくないんだ……。」
「だ、ったら、早く俺のことっ、外崎にしてくれよぉ!」
一人きりで寂しい。子供の時からずっと寂しかったのに。最後の最後まで両親は自分を完全に拒絶して、お前はもう自分達の子供じゃないと告げた。自分達は自由に気儘に暮らしていて、了には責任はとらないと放棄され捨てられてしまったのだ。誰も彼も自分を見もしないし、必要としてもくれない。その独りぼっちの寂しさから、いい加減さっさと誰かに救い上げてもらわないと了だって限界だ。
「ああ。直ぐにしてやる、嫌だって言ってもしてやるよ。」
「絶対っだからなっ!直ぐ、なんだから、なっ!」
宏太だけが自分を必要として、自分がいないと駄目だと言ってくれて、しかも傍にいろと言ってくれた。身体だけでなく心も何もかも自分に寄越せと初めて言ってくれたのだ。だけど、そのせいで今まで分からなかったものが、突然クリアに見えてしまったから了は混乱している。必要とされる安堵と同時に、了自身も宏太が何よりも必要なのだ。
「い、一秒でも先に死にやがっ、たら、後追い、自殺してやっからなっ!」
「そりゃ駄目だ。お前は長生きして老衰で死ぬ時、俺に愛してるって最後に言わせる約束だ。」
泣きじゃくる了を抱き寄せたまま、鬼畜で変態で人でなしの筈の男は優しくあやすようにそう言う。全てに拒絶された胸の痛みを、何とか満たそうと不器用に目の前の盲目の男は了の事を大切に抱き締め続ける。
「何で……こんな、寂し……なんて、……こんなの、知らない…ぅっ。」
「悪かった…泣くな……了。直ぐ俺のものにしてやる、な?」
「うっ、悪い、と思ってんなら、うっく、愛してるって言ってろっ。」
「ああ、愛してる…了。お前を愛してる。」
産まれて初めて知った感情に戸惑いながら泣きじゃくる了を、飽きることもなく宏太はずっと抱き締めたまま。やがて泣き疲れて了が眠ってしまっても、一時もその腕を離そうとはしなかった。
※※※
こんなに泣いたのはあの時以来かもしれない。
ボンヤリと目を覚ました了は夢現に考えた。独りで公園から重い体を引き摺るようにして帰り、家政婦の無関心に見える視線に曝され独りで泣きながら身体を真っ赤になるまで洗い続けたあの時。あの時からずっと自分は独りぼっちだと、心の何処かで感じてきたのだ。それを突然見透かされて、独りぼっちから救い上げるために嫁にするなんて破天荒にも程がある。自分を抱き締めたまま眠って居る様子の宏太の頬に手を触れて、そっと了は柔らかく肉感的な唇を指で撫でた。
「あんただけだよ……宏太……、俺…あんたが好きだ……。」
そっとそう囁きかけて口付ける。自分を必要としてくれる腕に抱き寄せられながら、目の前の男に了は思わず苦笑してしまう。
「なぁ、……弟って俺に似てんの?見たことあんの?」
「寝てる。」
嘘つけと苦笑しながら腕をその首に絡める。何しろキスしたら目の前で顔が赤くなったんだから、寝てるなんて誤魔化しが効く筈もない。大体にして寝てるなんて答える誤魔化し方があるかと、了は腕の中で声を上げて笑いだしてしまう。
「………見たのは何年か前だからなぁ……まあ、……お前の親父そっくりだったな。」
「うわ、最悪。」
了の父親は了と違ってズングリと背が低く、身体もガッチリとしている。体型とすれば了は母親似と言ってもいいのだが。
「お前、どっちにも似てねぇなぁ?」
「はは、そう言われたらそうかな?似てるとこもあるらしいけど。別にいいよ、あの二人に似なくても。」
元々母方の祖母に似ていると言われたことはあるが、あまり両親に似てると言われたことがなかった。それも可愛がられなかった理由かもしれないが、もう今となってはどうでもいいことの気がする。
「なぁ……弟ばっか気にすんなよ。」
「だって、俺と似てたらいやじゃねぇかよ。」
その返答が予想外だったのか、宏太は眉を潜めながら意図を探ろうとするように首を傾げた。
「ああ?」
「似てたら、あんたが気に入るかもしんないじゃんか………そんなの……やだよ…。」
その言葉に更に驚いたように、宏太が大きく眉を潜めた。
「何だよ、お袋の次は弟に嫉妬か?」
「違っ!」
「俺が惚れてんのは、お前だけだぞ?顔で惚れてる訳じゃねぇ。」
確かに目が見える訳じゃないから宏太の言う通りなんだが、そこは分かっていても感情と言うやつは理屈じゃない。しかも、何がよくてこんなに惚れられているのか理解できないんだから嫉妬して当然だと思う。そう訴えると呆れたようにベットに押し付けられた。
「お前なぁ、惚れてでもなきゃ億単位で家なんか貢ぐかよ。」
仰る通り。確かに即決で買うには大きすぎる買い物は、宏太が欲しかったわけでもない、了の為のもので貢いだというのは確かだ。盲目の男が億単位で資産を持ってることも、かなり衝撃的なのはさておき。
「もういい、お前今から身体で愛されて実感しろ。突っ込んで俺の子種で孕むまで犯してやる。」
無造作に服を引き剥がされながら、意図も容易く足を抱えあげられる。抵抗すら出来ずにあっという間に全裸に剥かれて、今度は全身を舐め回され始めると甘い声が溢れてしまう。
「んっんんっあっ!やぁっ。」
「それにな、覚えとけ?俺の性癖は元々は高嶺の花が折れればそこで満足なんだからな。お前だけなんだぞ?」
舐めながら吸われた乳首に舌が絡み、股間を開かれて羞恥に口を必死に抑える。それすらも許さない勢いて乳首を甘噛みされながら、チュクチュクと高く音をたてられると快感に電気が走ったように腰が痙攣してしまう。
宏太の元来の性癖は高嶺の花を折り屈服させることが最終目的で、折れた後の花には一気に興味が失せる。だから調教師として調教中は熱心だが、躾が終わればあっという間に興味が失せるから宏太は有能な調教師だったのだ。どんなに手間をかけて躾ても終われば興味が失せるから、情が沸くこともなく執着もしない。相手がどんなに執着しても宏太の方が興味が失せるから相手にしなくなる。いつまでも折れずに復讐を図る片倉右京とは、だから長く付き合いがあったのだ。そして折れた三浦和希には宏太の興味は失せてしまったから、その後の三浦の狂気の進行を読み違えた。今までなら調教後は依頼人に引き渡していたのに、三浦は依頼人からも放棄されたから宏太も先が読めなかったのだ。
「お前だけだからな?こんな執着して、スッカリ俺の女にしてやりたいし、それでも欲情すんのは。」
自分から望んで触れて堕として、それでも尚自分のものにして愛したいのは了だけ。それが自分が了に惚れていると言うことなのだと、何度も口付け愛撫を施しながら囁かれるのは了の腹の奥にズンと重く響いてしまう。レロと淫らに舌を出されみえるように先端を舐め回される快感に、あっという間にピンと爪先が反ってしまう程だ。
「可愛く泣けよ、これから嫌ってほどタップリ注いでやる。」
「やぁっ!あっああっ!やぁあっいくぅ!」
「一回いっとけ、これから犯しまくってやる。」
音をたてて吸い付かれて怒張を滑る舌で扱きたてられ、あっという間にその口の中に精液を勢いよく放つ。それを躊躇いもなく飲み干して赤く怒張を膨らませた男は、唇を舐めながら笑うと了にのし掛かってくる。
「さぁ、覚悟してもらおうか?ん?」
そういいながら、ひくつく了の後孔にミチミチと太く硬く尖った怒張を押し当てていた。
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