鮮明な月

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第七章

62.

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あれから六日。事件は急激に終息して、犯人の身元が分かると今度はその犯人の身元が不確かだと世の中は数日騒ぎ立てていた。犯人は自爆でもしたのか遺体も発見されていないらしいが、実は仕事の関係でその当人を知っていた恭平は唖然とするしかない。

何でそんな自爆テロ紛いの行動をする必要があったんだ?

犯人が高校生になんの関わりがあるのか、それとも教師に何か関わりがあるのかも分からない。しかも、どうやって爆弾なんかを作ったのかも分からないままだ。結局校舎の被害は大したことはなかったが、廊下の先に続く体育館が半壊したのを何日目かのテレビ画面で見た。実際に校舎を見に行く事はしなかったし連絡があるまで休校となったのを幸いのように、仁聖を一時も離さなかったのは恭平の方だ。

自分がこんなに脆いなんて思ったこともない。

腕の中に抱かれてソファーに座りながら、思わず俯いた恭平に仁聖が不思議そうに覗きこむ。先月のインフルエンザ以来置きっぱなしになっている服はクローゼットの一角に当然のようにかけてあるし、地味に仁聖が使う物が揃いつつある事に気が付いてしまう。駄目と言ったのは自分なのに、こうして傍にいてくれることの方をずっと望んでいる弱い自分。

「どしたの?恭平?何か不安?」

覗きこんで問いかける声が優しく甘い。それにこんな風に甘えては駄目だと理性が言うのに、今の恭平には感情が全く追い付かないのだ。それを仁聖に何と伝えたらいいかも分からない。

「きょーぉへ?」

不意に考え込んでいた耳に滴るような甘い声で囁かれたかと思うと、耳朶を甘噛みされて思わず妙な声が溢れる。

「なっ、なんっ」
「どうしたの?ボォッとして、何思い詰めてるの?まさか自分が甘過ぎとか考えてないよね?言っとくけど、今甘えてんのは俺だからね?いい?」

唐突な発言に目を丸くする恭平に、仁聖は抱き寄せた腕に力を込めて更に強く抱き締めた。甘えてるのは恭平ではないというのはどういう意味かと問いかける視線に、首もとに顔を埋め身を擦り寄せる。

「こうして恭平に触ってないと、不安で怖いから。も少し触らせて?何か分かんないけど、触ってないと恭平の傍にいられないみたいで怖い。」

そう説き伏せられて大人しく抱き締められたままになる恭平に、肩越しの仁聖はその体を堪能するように抱き締めて満足そうに微笑む。その言葉は半分本当で、半分は嘘なのだ。触っていないと怖いのは恭平の方だが、触っていないと傍にいられないような気がして怖いのは仁聖の方。だから、せめて休校の間くらいはこの距離を存分に堪能していたい。



※※※



それから更に四日。高校は既に月曜日から一先ず再開され仁聖は半ば渋々といった風に帰宅し登校して、帰りに恭平の家に寄る生活を続けている。少し落ち着いた精神状態でそれを見ていられるようになった恭平も、停滞していた仕事を再開していた。
昼過ぎの少し穏やかな空気の中で、一つ仕事を終わらせた安堵に大きく椅子の上で伸びをする。そんな最中恭平はスマホの着信音にふと視線を向け、覗きこんだディスプレイに表示された文字に一瞬の躊躇いの後で電話を受ける。

「…はい?何かようか?」
『お、恭平ぇ?俺ぇ。』
「名前を見たらわかる、で?なんなんだ?了。」

つれないなぁと冗談めかして言う電話の向こうの成田了の声に、恭平も思わず苦笑を浮かべた。大学時代からの友人の成田了は、本来は人付き合いもよく面倒見もいい。少し見た目はキツイ印象はあるものの人懐こい笑顔をする好青年だ。元々両刀だと宣言するくらい、性に自由奔放ではあるが興味のない相手に絡むことはないし基本的には女性を相手にしている。なのにどうしてか酒が入ると自分にだけ変に性的に絡む。それに関しては、常々不思議でならないとも思っていた。

『あー…のさ?恭平…。』

ふっと声が潜められて、窺う様な気配がして恭平は微かに眉を潜めた。どちらかといえば他の友人達よりは、了とは仲がいいほうだとは思っている。ある意味では一線を引かないといけない付き合いではあるが、珍しい友人の気配に恭平は少し表情を曇らせる。
本来なら最初の出会いの直後、酒宴の時に冗談めかして抱きつき物陰に押し込まれそうになったという時点で交流が絶えそうなものなのだ。しかし、自分はその態度に思わず全力で、その体を投げ飛ばし彼に怪我をさせた。長年鍛練もしていない上に酒が入っては、相手が素人なのに手加減のしようもなかったのだ。受け身すら知らずにそのまま床に叩きつけられ肋にヒビの入った了は、本来なら警察に訴える事も可能だと言うのに恭平を訴える訳でもなく。しかも、彼と了との接点であり共通点であるサークルの中では、お笑い草として語り継がれてしまう始末。その後もお約束のように毎回毎回腐れ縁的に絡む了を諌める立場であっという間に四年を過ごしてしまった。もしかしていたぶられるのが好きなタイプかと考えたこともあるが、自分以外の恋人にはその気配もないようだ。
その上何故か了は社会に出てからもその立場の居心地が良かったのか、中学からの親友である村瀬篠に次いでちょくちょく向こうから連絡を取っては世間話に付き合わされている。

『なぁ、これから少し逢わないか?』
「今からか?」
『最近一緒に飲んでくんないからさぁ、寂しいなぁ、俺。お茶くらいいいだろ?相談したい話があるんだよ。』

午後の二時を回ったばかりの時計に視線を向けながら、恭平は暫し考え込む。確かにここ数ヶ月という期間は仁聖を何かと優先することが多くなっている。そのせいで友人との付き合いが疎遠になっていたのは事実だったが、休校が解除され三年としては最後の構内模試が今日で終わって明日から試験休みだという仁聖の期待にキラキラする瞳が脳裏に浮かぶ。

『だぁいじょぶだって、お茶だけ。1時間だったら…お前の恋人だって文句ないだろ?』
「……まぁ…いいけど………何処で会う?」

何か心に引っ掛かるものを感じて少し訝しげにだが、承諾した言葉に電話の向こうの了がホッとした様子を浮かばせる。

『じゃぁ、駅前の茶樹ってサ店でいいや。三時にでいいか?』
「わかった、それじゃ三時にな。」

そう言いながら電話を切った恭平は、暫し考え込むようにしてスマホを口元に押し当てた。かと思うと決心したようにスマホを操作し始める。躊躇いがちにメール送信した直後、数分も開けずに手の中で鳴りだしたスマホに慌てながらキーを押す。

「はい。」
『あー、恭平?メールくれたから思わず電話しちゃった。』

ちょうど休憩時間だったのか、物陰にでも駆け込んだのだろう。息を切らせて声を弾ませる電話の先の、子犬のように嬉しそうにキラキラした笑顔が目に浮かぶ。恭平は思わず笑みを溢してから、ふっと自分の対応の熱の差に気がついて頬を染める。そんなつもりはなかったのにどう考えても了との会話と仁聖の会話とでは大きな差があって、あからさま過ぎる自分の態度に反省しながらも溢れ落ちる笑みが抑えられない。

『どうしたの?待ち合わせだなんてさ?何かあった?』
「いや…三時に了と駅前で会う事にしたんだけど…。」

一瞬その名前に訝しげに押し黙る仁聖の気配に、恭平は苦笑を浮かべる。

「…お前がそういう風な感じになるだろうと思ったから、先に言っておこうと思ったんだ。少し話があるって言うから会うだけだ。で、その後お前と一緒に帰れるかなと思っただけだよ。」

その言葉に納得したように電話の先でふぅんと声が上がり、先ほどのメールの内容を思い浮かべているのか仁聖が思案げな声を溢す。

『それで四時半に待ち合わせかぁ…。』
「別に無理なら…。」
『何いってんの?無理な訳ないでしょ?!今すっごい幸せ噛み締めてんのに!!』

恭平は電話口の声に思わずその表情が想像できて噴き出しそうになりながら仁聖の様子を窺う。以前自宅で一緒に飲んでいると電話で言った時には嫉妬心で泣き出しそうになった仁聖の表情を思い出しながら、たったこれだけの事で嬉しそうな声を上げるその姿に子供の様な仁聖に思わず表情を緩める。

『着替える暇ないなぁ…せっかく待ち合わせなのに……。』
「馬鹿・別に少し買い物して帰るだけだぞ?変な期待……。」
『やだな、初めて外で待ち合わせなんだよ?それだけで、もうすっごい嬉しいし、それにさ…?』
「何だ?」
『前に俺がグチグチ言ったから…わざわざ教えてくれてるんでしょ?ありがと…恭平。』

自分でも理解していた風にふっと柔らかく囁いた仁聖の声に、急激に大人びていく表情が目に浮かんだ。恭平は微かに驚きながら、少し目を見開きはしたものの柔らかく微笑みながら言葉を繋ぐ。

「俺がそうしたかっただけだよ。」
『ん…でも凄く嬉しい。何処で待ち合わせる?何処で会うの?あまり離れてない方がいいよね。』
「駅前の茶樹だから……。」

そう言葉を繋ぐ恭平に嬉しそうに、時間ずらして行けばいいかなと仁聖が呟く。背後で呼びかけられる声に慌てた仁聖がまた後でと言葉を放ち電話が切れる。恭平はその慌ただしい様子に小さく微笑みながら、椅子からゆっくりと立ち上がっていた。



※※※



「結構混んでたなー、思ったより。」

夕暮れ前の喧騒なのか意外と人の気配のある店内を眺めながら了が振り返り気味に声をかける。同じように店内を見回していた恭平が同意の視線を向けた。待ち合わせに姿を現した了が予想に反してスーツでなく私服だった事に驚きながらも、二人は店の入り口に並んでもう一度店の中を眺める。

「恭平席取ってろよ、コーヒーでいいよな?呼び出したんだからそれくらい奢る。」
「コーヒー1杯分しか相談に乗らないぞ?」
「またまた。」

先に歩き出したしなやかで優雅にすら見えるその背中を了が眺める。だいぶ混み合っている店内なのにその優雅さは際立つようで、時折その姿を盗み見る視線がある程本人が意図せずとも人目を引く。
初めて出会った時、鋭く射抜く様な視線と女性的ともいえるその顔立ちに息を呑んだ。背の高くしなやかな肢体もまるで彫刻のように美しい。その顔立ちも手に入るものならば、誰しも喜んで触れようとするだろう。それなのに、同時に決して人を寄せ付けようとしない雰囲気。それは余計に性的な渇望を伴って何時も目で追っていた時期がある。恭平の方は自分の視線になんか、全く気がつきもしないままの数ヶ月。毎日のように観察している内に、恭平が普通に女性と付き合っていたのに毎回うまくいかない様子が続くに気がついた。もしかしたら自覚していないだけで、本当は女性が苦手なのかもしれないとも考えた。しかし、相手の女に聞いてもその気配ではなく、自分より綺麗な顔の彼氏なんて女の自尊心を傷つけるってのに恭平が気がつかないってだけ。
ところが酒の勢いを借りて試しに抱いてみたら、こっちの方があってると分かるかもと触れてみようとして手痛いしっぺ返しを食らわされた。とんでもないしっぺ返しを簡単に食らわせるほどには、相手は男前だったのだ。つまりは、相手は完全にヘテロセクシャルで、顔が綺麗なのが欠点なだけの男。
本当ならそこに気がつけた時点で諦めるべきだった。そうよく分かっている。了は微かに視線を巡らせて、少し強張った表情を浮かべていた。ウエイトレスに珈琲を二つ頼んで、本来なら持っていかなくても良いのに態々そこで受けとる。店が混んでいるからウエイトレスの手もまわりきらないのだろう、彼女は何も疑う様子もなく了に珈琲を二つ差し出していた。



※※※ 



模試が全部終わった安堵に思い切り伸びをした仁聖の手を不意に背後から引っ張る動作がかかって、仁聖は訝しげに振り返る。そこに居た少し強張った顔をした幼馴染の姿に眉を顰めながら、引かれるままに真希に教室から連れ出され人気のない物陰に連れ込まれた。

「何だよ?真希」
「仁聖、あんたに聞きたい事があるの。」

人気もない場所だというのにそれでも更に声を顰めて真希が、酷く真剣な視線を向ける。おそらくきょう一日模試が終わるタイミングを計っていたのだろう真希は、声を顰めながらも焦るかのように言葉を繋ぐ。

「…あんたもしかして外で恭平さんと手繋いだりしてんの?」
「うん、何で?」
「ダメでしょ?!あんた噂になってるよ?」

諌めるようなその真希の言葉に、仁聖が全く納得できないと言いたげな訝しげな表情を浮かべて口を開く。つい数日前に一つ下の学年の少女に、冗談めかして人目に気を付けないとな何て口を聞いたばかりだ。それでも冗談めかしていたのは自分はバレてもいいとすら、心のどこかで考えているからかもしれない。                                                      
「別に俺はばれてもいい。」

その言葉は既に予期していたような気がして真希は溜め息をつきながら、青味がかった仁聖の瞳を覗き込む。噂が巡ってきたのは女子同士の会話の中からで、発端が保住結衣なのだということも予想がついていた。今まで来る者は拒まずだったはずの仁聖が、彼女を拒否したのは大きな話題になっていたのだ。それに加えて仁聖が夏休み中に酷く綺麗な男の人と一緒に居る所を見たのだという保住の話と、時々一緒に街中で見かけたという話。しかも、この間の事件の時人目を憚らず恭平が、仁聖を抱き締めたのを見ていた人間もいた。
それに加えて仁聖が女子からの告白を断り続けているという現実が、真実を知らない者達の噂で意外なほどに真実に近くそれでいて面白おかしく語られていく。
今までになく純粋に想うあまりに全てを投げ打ってもいいと仁聖が考えているのがわかるが、同時にそれは下手をすると全てを壊してしまうほどに危うい。そして仁聖の気持は、苦言を呈している真希にも痛いほどによく分かる。

「…あんたの気持はわかってる、だけど噂になって困るのは仁聖よりも恭平さんだよ?」
「困る?」
「社会人の恭平さんの方が困るんだよ?高校生が相手だって言ったら…。」

仁聖の表情がふと曇るのを目に、真希は唇を噛んで目を伏せた。まだ社会的に自立をしていない高校生と付き合うという事が、社会人である相手にとってどういう事なのか。十八歳を越えて選挙権は与えられても、仁聖達はまだ子供と同じなのだ。条例等には緩和される部分があるとしても、相手が高校生という事実が純粋な想いは道徳や倫理が不純なものだと貶め様とするのがわかる。それの発端が噂という存在だとすれば、傍にいて守れない、一緒に背負えない仁聖のせいで過去に噂で傷つけられた経験がある恭平をまた傷つけかねない。それが分かって仁聖の表情が子供の様に揺らぐ。

「わかるよ…私だって同じだもん。もっと一緒に居たいしもっとって思ってる……でも、高校生同士のとは違うって……。…あとほんの数ヶ月じゃない…せめて高校を卒業したら……。」

真希がそう口にした瞬間、彼女自身まるでフラッシュバックを起こしたみたいに涙を溢したのに仁聖は驚いたように眼を見張る。

「真希…。」
「酷い事言ってると思う。でも、私も篠ちゃんとの事、真剣だからこそ内緒にしてる。」

当事者双方の真摯な想いの結果でも、社会がどうとるかが分からないという現実が酷く重くて仕方がないと真希は唇を噛む。その言葉の意味に仁聖が小さく笑って、ぽんと幼馴染の頭に手を乗せる。

「ありがとな、真希。心配してくれたんだろ?」

その言葉に気恥かしそうに少し微笑みながら、真希が溢れ落ちた涙を拭う。

「ま、出来るだけ気をつける…でいいかな?俺時々忘れそうだけど。」

茶化すように笑いながら口にした仁聖に呆れた様に目を細めて見せながら、腰に手を当てて真希が普段と同じ口調を取り戻す。

「仕方ないから色々手伝っては上げるけど、ちゃんと心配料はもらうからね?」
「はいはい………、あ。」

不意に何事かを思い出した様な仁聖の声に、真希は少し苦笑しながらその理由を先読みして微笑みかける。

「待ち合わせてるなら人目のあるトコでは一緒にいてあげる。」
「…真希。」
「私がいたらだいぶ状況が変わるでしょ?」

仕方ないという風に溜め息をつきながら仁聖が目を伏せ、小さくお願いしますとだけ呟いていた。

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