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6【ウィル目線】
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僕の名前はウィル・ヒューズ。
この国の第3王子だ。
それで、最近伯爵家のご子息、ドロシー・リベラ様と婚約を交わした。
初めはドロシーと聞いて、会ったことは無かったが、噂で可愛らしい人だが、傲慢だとかプライドが高すぎるとか聞いていて尚且つ、僕自身婚約とか興味がなかったため、気が進まなかったが……いざ会ってみると……凄かった。
それはもう、語彙力がなくなるくらい……すごかった。
傲慢どころかとても優しい人オーラが全身から滲み出ていて、プライドも高そうになかったし、それよりも、とにかく発言がイケメンだった。
もう、その一言を聞いて秒で惚れしました。
そして、今日はそんなドロシー様が僕の家に来る日。城に来ると約束した1週間前から毎日徹夜で部屋もしっかり自分の手で片付けたし、玄関のところも毎日欠かさず召使い達に綺麗にさせた。
流石に寝なさ過ぎて兄達に病院に連れてかれそうになったけど……
そうして僕は、ついにこの日を迎え、今か今かと玄関の前で昨日の夜中の8時から待っている。ちなみに、今は昼の10時。
ーーガチャ。
来た!!
扉が開き、召使いと一緒にドロシー様が入ってきた。
「ドロシー様! お久しぶりです!」
「この度はご招待ありがとうございます」
ドロシー様が一礼して顔を上げ、優しく微笑んだ。
か、可愛い……
「さ! どうぞどうぞ! お入りください!」
そう言って、中へ促すとドロシー様の後ろに見覚えのある燕尾服の長身の男がおまけについてきた。
あれって確か、ドロシー様の執事だっけ?
なんでこの人もいるんだろ。せっかく2人っきりになれると思ったのに。
そんな思いを込めて見ると、執事と目が合った。
「すみません。お坊ちゃんが狼に食べられないようにと思い……」
「あぁ、そういう事なら……ってなるか!」
つい、大声で返してしまうと、ドロシー様や周りの召使い達が驚いたように視線を向けた。
寝不足のせいなのか、いつもに増して歯止めが効かない。
「ここには、狼はいないから君は安心してお家に帰ってくれればいいよ?」
「なりません。黄金(こがね)色の毛並みで碧眼の狼がいつお坊ちゃんに食らいつくかわかりませんので」
執事も負けじと僕に楯突いてくる。
こいつ……大人気ない。
て、黄金色の毛並みで碧眼の狼って、僕のことかよ!?
お互い張り付いた笑みで睨み合っていると、ドロシー様が間に入ってきた。
「はい! そこまでー!」
そう言い、ドロシー様は執事の方を向いた。
「アレン、ウィル様をいじめちゃダメだよ? それに、そんな怖い顔して……アレンは笑顔の方がかっこいいからもっとスマイル!」
「いひゃい、いひゃい! いひゃいでふ! おぼっひゃま!」
ドロシー様が執事の頬を引っ張り無理やり上にあげ、執事は大袈裟に痛みを訴えているが、心做しか嬉しそうに見える。
羨ましい……いいなぁ……
しばらくすると、ドロシー様が今度は僕の方を向いた。
「すみません。アレンは心配性なので、ご無礼をお許しください」
「いや、いいのですよ! 僕も言いすぎました……」
「それと、もし、黄金色の毛並みの狼が出た時には、僕がウィル様の騎士(ナイト)となり、お守り致しましょう」
ドロシー様の言葉に時が止まったかのようにみんなの動きが止まった。
……トゥンク。
「「イケメンドロシー様ありがとうございます!!」」
僕と執事が勢いよくドロシー様に向かって頭を下げ、勢いよく顔を上げると固い握手を交わした。
昨日の敵は今日の友という言葉がある通り、僕と執事の間に何か固い絆のようなものが出来た気がする。
こうして、ドロシー様の不思議そうな顔と召使い達のドン引きした表情を横目に執事と肩を組んで僕の部屋へと向かった。
この国の第3王子だ。
それで、最近伯爵家のご子息、ドロシー・リベラ様と婚約を交わした。
初めはドロシーと聞いて、会ったことは無かったが、噂で可愛らしい人だが、傲慢だとかプライドが高すぎるとか聞いていて尚且つ、僕自身婚約とか興味がなかったため、気が進まなかったが……いざ会ってみると……凄かった。
それはもう、語彙力がなくなるくらい……すごかった。
傲慢どころかとても優しい人オーラが全身から滲み出ていて、プライドも高そうになかったし、それよりも、とにかく発言がイケメンだった。
もう、その一言を聞いて秒で惚れしました。
そして、今日はそんなドロシー様が僕の家に来る日。城に来ると約束した1週間前から毎日徹夜で部屋もしっかり自分の手で片付けたし、玄関のところも毎日欠かさず召使い達に綺麗にさせた。
流石に寝なさ過ぎて兄達に病院に連れてかれそうになったけど……
そうして僕は、ついにこの日を迎え、今か今かと玄関の前で昨日の夜中の8時から待っている。ちなみに、今は昼の10時。
ーーガチャ。
来た!!
扉が開き、召使いと一緒にドロシー様が入ってきた。
「ドロシー様! お久しぶりです!」
「この度はご招待ありがとうございます」
ドロシー様が一礼して顔を上げ、優しく微笑んだ。
か、可愛い……
「さ! どうぞどうぞ! お入りください!」
そう言って、中へ促すとドロシー様の後ろに見覚えのある燕尾服の長身の男がおまけについてきた。
あれって確か、ドロシー様の執事だっけ?
なんでこの人もいるんだろ。せっかく2人っきりになれると思ったのに。
そんな思いを込めて見ると、執事と目が合った。
「すみません。お坊ちゃんが狼に食べられないようにと思い……」
「あぁ、そういう事なら……ってなるか!」
つい、大声で返してしまうと、ドロシー様や周りの召使い達が驚いたように視線を向けた。
寝不足のせいなのか、いつもに増して歯止めが効かない。
「ここには、狼はいないから君は安心してお家に帰ってくれればいいよ?」
「なりません。黄金(こがね)色の毛並みで碧眼の狼がいつお坊ちゃんに食らいつくかわかりませんので」
執事も負けじと僕に楯突いてくる。
こいつ……大人気ない。
て、黄金色の毛並みで碧眼の狼って、僕のことかよ!?
お互い張り付いた笑みで睨み合っていると、ドロシー様が間に入ってきた。
「はい! そこまでー!」
そう言い、ドロシー様は執事の方を向いた。
「アレン、ウィル様をいじめちゃダメだよ? それに、そんな怖い顔して……アレンは笑顔の方がかっこいいからもっとスマイル!」
「いひゃい、いひゃい! いひゃいでふ! おぼっひゃま!」
ドロシー様が執事の頬を引っ張り無理やり上にあげ、執事は大袈裟に痛みを訴えているが、心做しか嬉しそうに見える。
羨ましい……いいなぁ……
しばらくすると、ドロシー様が今度は僕の方を向いた。
「すみません。アレンは心配性なので、ご無礼をお許しください」
「いや、いいのですよ! 僕も言いすぎました……」
「それと、もし、黄金色の毛並みの狼が出た時には、僕がウィル様の騎士(ナイト)となり、お守り致しましょう」
ドロシー様の言葉に時が止まったかのようにみんなの動きが止まった。
……トゥンク。
「「イケメンドロシー様ありがとうございます!!」」
僕と執事が勢いよくドロシー様に向かって頭を下げ、勢いよく顔を上げると固い握手を交わした。
昨日の敵は今日の友という言葉がある通り、僕と執事の間に何か固い絆のようなものが出来た気がする。
こうして、ドロシー様の不思議そうな顔と召使い達のドン引きした表情を横目に執事と肩を組んで僕の部屋へと向かった。
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