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第12章 エピローグ

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運動会も終わり、秋もすっかり深まったある日の午後。



奈々美はいつものように、元気いっぱい学校から帰ってきた。



田辺と小島にただいまの挨拶をするため、中へ入って行くと



ちょうど受付から、ひとりの若く美しい女性が入れ違いに出てきた。



その人は長い黒髪をたなびかせ、均整のとれたプロポーションは



まるでモデル並である。奈々美はあんぐりとして、女性の後ろ姿を



見送った。



「あら、奈々美ちゃん、お帰りなさい!」



「ただいま~~! あ、ねぇねぇ……いま出てった患者さん、



すっごいキレイな人だったよね。私、びっくりしちゃった!」



「それがねぇ……あの人、患者さんじゃないのよ」



「え!?」



「先生がまた、新しい歯科衛生士を雇うっておっしゃってね……



その面接にきた人なのよ」 



奈々美はその言葉を聞いて、なにやら背筋にザワザワとした



悪寒が走る。



と、そのとき……受付の奥から利彦の声が聞こえてきた。
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