7 / 16
吐露 (時々、外野)
しおりを挟む
とりあえず、侍女が煎れてくれたお茶を一口。
一生懸命落ち着こうとして、深呼吸をした殿下がぐっと拳を握り締めた。
「その、……今まで、本当に申し訳なかった」
ーーモウシワケナカッタ?
え、殿下、謝ってる?
「え……えと、その、なにがでしょう?」
多すぎて、わかりません。
くっ、背後でロボスがさらに笑いを堪えてるのがわかる。なんか、恥ずかしいんだけど。
「今まで、オレが、仕事のやり方を間違えていて、時間を上手く使えなかったために、あなたに対して失礼なことを……」
殿下、自分のことオレっていうんだ!
「失礼なこと、ですか?」
初めて知った驚きのためか、適当な質問をしてしまった。
「婚約者としての時間もとらず、あなたの状況を理解もせず、さらには夜会などに一人で参加させてしまったなど、様々な不誠実な行い。また、そのことで、他の者から不要な謗りを……」
徐々に小さくなる声と、ずーんと下がる頭。
泣きそうだ。
「そうですか」
とはいえ、だから?って感じ。こちらはどうでも良くなってしまったから、今更なんだよね。
「夜会や茶会で、色々な令嬢から声をかけられて驚いた。子息たちからも、あなたを……いや……」
あー、殿下の妃を狙う狩人の洗礼を受けたのか。そこを喜ばないところが、殿下らしいと言えば、殿下らしい。
それに子息、ね。大方セッター家との縁を狙ってる家や、マクレガン家の兄弟が面白がったか……。
「あなたは、その、オレに対して怒っているのだろう?」
ーーは?
オコッテイル?ーーえ、私が?
「うーん、別に……怒ってはいませんね」
それを聞いた途端、殿下が顔を上げた。
「正直、どうでも良くって」
ーーあ、口がすべった。
目を限界まで見開いて固まる殿下と、さらに血の気の引いたお付き達。
※
「正直、どうでも良くって」
セレイン様の言葉に、世界の終わりが見えた気がした。
殿下の侍従を勤めて12年。
ここで、人生終わるんじゃないかと思える程の危機感を募らせているのは、私だけではないはずだ。
正直、今までのセッター辺境伯令嬢への殿下の対応は、酷いと言わざるを得ない。我々が何度諌めても、
「今の私にすべきことは、別にある」
と、突っぱねてきた殿下の自業自得。
王妃殿下に説教され、陛下に最後通牒をつきつけられて、死に体なのも仕方ない。
だが、殿下も努力をしていたのだ。
凡庸ではないものの、天才とは言えない身で、次期騎士団長として、励んでおられた。
騎士団長が、最強である必要はない。
全騎士を率い、国を守るのが本来の役目だ。
辺境伯家の方々と比べては、ダメなのだ!
今回のお茶会のために、殿下は色々と頑張っておられた。夜会の招待状にあわせて、婚約者へ贈るドレスや装飾品の選定。お茶会や夜会のエスコートの学び直し。
セッター辺境伯令嬢についての情報収集。
正直、遅すぎる……のだが、堅物で融通の効かない殿下がこれ程まで……と我々側仕えは感動していた。
初めてお二人が顔をあわせてから、ご令嬢を仄かに慕っていた殿下の気持ちを知っていたのも大きい。
だから、殿下が今回頑張っていたことなど、普通の婚約者なら当たり前のようにしていることだとーーようやく気づいたのは、セッター辺境伯令嬢が王族の婚約者なのに、プライベートエリアへ招待されたことがない、とわかった時だ。
愕然とする、とはこういうことか。
一体、何年婚約関係を続けていると思っているのか……!
いや、その状況を許していた我々にも責任は、ある……。
ああ、どうか、どうか……。
※
「正直、どうでも良くって」
だろうな、と思ったオレは殿下の護衛を勤めて三年目の近衛騎士だが、正直、殿下のご婚約者様に勝てる気がしない。
あの方、これだけ距離があるのに、オレ達の様子を正確に把握されてる。影の護衛も把握してるんだろうな、あの様子だと。
束になってかかって行ったところで、ご令嬢にたどり着くどころか、一歩も動けずあの護衛に瞬殺される予想しか立たない。
ーーやべ、今、考えてることバレた!?
あちらの護衛が、オレをみてにやりと笑った。
殿下、やはり前回の招待時にご令嬢の所へ伺った方が良かったと思います。
女性は、見捨てた相手への関心は一瞬で失う生き物ですよ!
とはいえ、オレは夜中の護衛中に殿下が魘されているのを知ってるからなぁ。
『セレイン、すまない!』とか『お願いだ、捨てないでくれ!』とか『そんなつもりではなかった!違うんだ!』とか叫んで飛び起きているのを見ている。
胸が締め付けられる時間だった。
「……す……」
思い詰めたような殿下の声が微かに聞こえた。
婚約者様もちゃんと聞こえなかったようで、首を傾げている。
ぐっと殿下が婚約者様の方へ身を乗り出した。
「捨てないでくれ!」
えっ!?殿下!?
ーーステナイデクレ?
突然身を乗り出した殿下が叫んだ言葉が脳に染み渡るまで、時差が発生した。
捨てないでって……誰が?
すがるような涙目でこちらを見る殿下。
え、捨てるの?私が?
捨てていいの?……いや、よくないのか?
「捨てる、ですか?」
「セレインは、オレのことを好きでもなんでもないだろう?!いや、……むしろ、嫌いかもしれない………」
突然のセレイン呼び?
名前で呼ばれたの、どれくらいぶりだろう。
「いや、好きか嫌いかって言われても、どっちでもないというか、どうでもいいと言うか」
あ、ヤバ。また思っていることが口から出てしまった。
「どうでも、いい……」
がくん、と殿下がテーブルに突っ伏した。肩が微かに震えている。もしかしなくても、泣いてたりする?
ーーなんで、あなたが泣くの?
心の奥で、何かがかちり、と動いた。
「接した時間もほぼなくて、没交渉。贈り物もいい加減。エスコートもなし」
ぽろり、ぽろりと言葉が落ちる。
二回も『どうでもいい』って言ったせいか、よーし言ってしまえ、と気が大きくなってしまったかも。
「こちらに対して興味もなさそうな冷たい態度。婚約者として、ともに出掛けることもない」
私の一言ひとこと毎に絶望に染まる顔。なんだろう、自分の淡々とした声が胸に降り積もってかいるような……。
「あなたに対して感じていたのは、『諦め』なんです。そして、この間からは……そうですね、なんというかーー無関係?関わらずにいたら、楽?最初から、期待してないから、いないものとする感じでしょうか?」
正直、始めは私だって普通に婚約者との逢瀬や会でのあれこれを楽しみたかった。周りが青春を謳歌しているのを見るだけじゃなく、体験してみたかった。
させてもらえないから、仕方ないと諦めるしかなかった。
殿下の顔は、死刑宣告を待つ咎人のような、最後の審判を下された罪人のような、そんな絵画の世界に描かれたものに近い。
「ーー私は、もう……セレインの傍には……居られないのか……?」
「私の傍に居たいんですか?」
今までの様子から、その様に考えているとは思えなかったけど。あまりに純粋な疑問だったからか、殿下は一瞬ぽかんとしていた。
はっと気づいたかのように、慌てて頷く。
「勿論だ!ーーその、今までの愚かな行為から、そうは思えないかも知れないが……、オレはセレインとずっと、一生、……………添い遂げたいと思っている!」
いや、真っ赤な顔で言われても、今までが今までだし……ちょっと顔が熱くなってきたな……日差しが強い?
「殿下は、私のことをどう思って居るのですか?私と本当に結婚したいのですか?」
今なら、婚約を解消できますよ、と言ったらものすごい勢いで否定された。
「解消など、したくない!あなたがずっと好ましくて、好きで……。ーーだから、みっともないところなど、見せたくなくて……」
殿下の目からぽろり、と涙がこぼれた。
「拗らせてんなー」
背後でぼそっとロボスが呟いた。
はっとなって周りを伺うと、殿下の後ろに控えるもの達も一様に目をうるうるさせている。
……見なきゃ良かった……。
私に、どうしろと……?
一生懸命落ち着こうとして、深呼吸をした殿下がぐっと拳を握り締めた。
「その、……今まで、本当に申し訳なかった」
ーーモウシワケナカッタ?
え、殿下、謝ってる?
「え……えと、その、なにがでしょう?」
多すぎて、わかりません。
くっ、背後でロボスがさらに笑いを堪えてるのがわかる。なんか、恥ずかしいんだけど。
「今まで、オレが、仕事のやり方を間違えていて、時間を上手く使えなかったために、あなたに対して失礼なことを……」
殿下、自分のことオレっていうんだ!
「失礼なこと、ですか?」
初めて知った驚きのためか、適当な質問をしてしまった。
「婚約者としての時間もとらず、あなたの状況を理解もせず、さらには夜会などに一人で参加させてしまったなど、様々な不誠実な行い。また、そのことで、他の者から不要な謗りを……」
徐々に小さくなる声と、ずーんと下がる頭。
泣きそうだ。
「そうですか」
とはいえ、だから?って感じ。こちらはどうでも良くなってしまったから、今更なんだよね。
「夜会や茶会で、色々な令嬢から声をかけられて驚いた。子息たちからも、あなたを……いや……」
あー、殿下の妃を狙う狩人の洗礼を受けたのか。そこを喜ばないところが、殿下らしいと言えば、殿下らしい。
それに子息、ね。大方セッター家との縁を狙ってる家や、マクレガン家の兄弟が面白がったか……。
「あなたは、その、オレに対して怒っているのだろう?」
ーーは?
オコッテイル?ーーえ、私が?
「うーん、別に……怒ってはいませんね」
それを聞いた途端、殿下が顔を上げた。
「正直、どうでも良くって」
ーーあ、口がすべった。
目を限界まで見開いて固まる殿下と、さらに血の気の引いたお付き達。
※
「正直、どうでも良くって」
セレイン様の言葉に、世界の終わりが見えた気がした。
殿下の侍従を勤めて12年。
ここで、人生終わるんじゃないかと思える程の危機感を募らせているのは、私だけではないはずだ。
正直、今までのセッター辺境伯令嬢への殿下の対応は、酷いと言わざるを得ない。我々が何度諌めても、
「今の私にすべきことは、別にある」
と、突っぱねてきた殿下の自業自得。
王妃殿下に説教され、陛下に最後通牒をつきつけられて、死に体なのも仕方ない。
だが、殿下も努力をしていたのだ。
凡庸ではないものの、天才とは言えない身で、次期騎士団長として、励んでおられた。
騎士団長が、最強である必要はない。
全騎士を率い、国を守るのが本来の役目だ。
辺境伯家の方々と比べては、ダメなのだ!
今回のお茶会のために、殿下は色々と頑張っておられた。夜会の招待状にあわせて、婚約者へ贈るドレスや装飾品の選定。お茶会や夜会のエスコートの学び直し。
セッター辺境伯令嬢についての情報収集。
正直、遅すぎる……のだが、堅物で融通の効かない殿下がこれ程まで……と我々側仕えは感動していた。
初めてお二人が顔をあわせてから、ご令嬢を仄かに慕っていた殿下の気持ちを知っていたのも大きい。
だから、殿下が今回頑張っていたことなど、普通の婚約者なら当たり前のようにしていることだとーーようやく気づいたのは、セッター辺境伯令嬢が王族の婚約者なのに、プライベートエリアへ招待されたことがない、とわかった時だ。
愕然とする、とはこういうことか。
一体、何年婚約関係を続けていると思っているのか……!
いや、その状況を許していた我々にも責任は、ある……。
ああ、どうか、どうか……。
※
「正直、どうでも良くって」
だろうな、と思ったオレは殿下の護衛を勤めて三年目の近衛騎士だが、正直、殿下のご婚約者様に勝てる気がしない。
あの方、これだけ距離があるのに、オレ達の様子を正確に把握されてる。影の護衛も把握してるんだろうな、あの様子だと。
束になってかかって行ったところで、ご令嬢にたどり着くどころか、一歩も動けずあの護衛に瞬殺される予想しか立たない。
ーーやべ、今、考えてることバレた!?
あちらの護衛が、オレをみてにやりと笑った。
殿下、やはり前回の招待時にご令嬢の所へ伺った方が良かったと思います。
女性は、見捨てた相手への関心は一瞬で失う生き物ですよ!
とはいえ、オレは夜中の護衛中に殿下が魘されているのを知ってるからなぁ。
『セレイン、すまない!』とか『お願いだ、捨てないでくれ!』とか『そんなつもりではなかった!違うんだ!』とか叫んで飛び起きているのを見ている。
胸が締め付けられる時間だった。
「……す……」
思い詰めたような殿下の声が微かに聞こえた。
婚約者様もちゃんと聞こえなかったようで、首を傾げている。
ぐっと殿下が婚約者様の方へ身を乗り出した。
「捨てないでくれ!」
えっ!?殿下!?
ーーステナイデクレ?
突然身を乗り出した殿下が叫んだ言葉が脳に染み渡るまで、時差が発生した。
捨てないでって……誰が?
すがるような涙目でこちらを見る殿下。
え、捨てるの?私が?
捨てていいの?……いや、よくないのか?
「捨てる、ですか?」
「セレインは、オレのことを好きでもなんでもないだろう?!いや、……むしろ、嫌いかもしれない………」
突然のセレイン呼び?
名前で呼ばれたの、どれくらいぶりだろう。
「いや、好きか嫌いかって言われても、どっちでもないというか、どうでもいいと言うか」
あ、ヤバ。また思っていることが口から出てしまった。
「どうでも、いい……」
がくん、と殿下がテーブルに突っ伏した。肩が微かに震えている。もしかしなくても、泣いてたりする?
ーーなんで、あなたが泣くの?
心の奥で、何かがかちり、と動いた。
「接した時間もほぼなくて、没交渉。贈り物もいい加減。エスコートもなし」
ぽろり、ぽろりと言葉が落ちる。
二回も『どうでもいい』って言ったせいか、よーし言ってしまえ、と気が大きくなってしまったかも。
「こちらに対して興味もなさそうな冷たい態度。婚約者として、ともに出掛けることもない」
私の一言ひとこと毎に絶望に染まる顔。なんだろう、自分の淡々とした声が胸に降り積もってかいるような……。
「あなたに対して感じていたのは、『諦め』なんです。そして、この間からは……そうですね、なんというかーー無関係?関わらずにいたら、楽?最初から、期待してないから、いないものとする感じでしょうか?」
正直、始めは私だって普通に婚約者との逢瀬や会でのあれこれを楽しみたかった。周りが青春を謳歌しているのを見るだけじゃなく、体験してみたかった。
させてもらえないから、仕方ないと諦めるしかなかった。
殿下の顔は、死刑宣告を待つ咎人のような、最後の審判を下された罪人のような、そんな絵画の世界に描かれたものに近い。
「ーー私は、もう……セレインの傍には……居られないのか……?」
「私の傍に居たいんですか?」
今までの様子から、その様に考えているとは思えなかったけど。あまりに純粋な疑問だったからか、殿下は一瞬ぽかんとしていた。
はっと気づいたかのように、慌てて頷く。
「勿論だ!ーーその、今までの愚かな行為から、そうは思えないかも知れないが……、オレはセレインとずっと、一生、……………添い遂げたいと思っている!」
いや、真っ赤な顔で言われても、今までが今までだし……ちょっと顔が熱くなってきたな……日差しが強い?
「殿下は、私のことをどう思って居るのですか?私と本当に結婚したいのですか?」
今なら、婚約を解消できますよ、と言ったらものすごい勢いで否定された。
「解消など、したくない!あなたがずっと好ましくて、好きで……。ーーだから、みっともないところなど、見せたくなくて……」
殿下の目からぽろり、と涙がこぼれた。
「拗らせてんなー」
背後でぼそっとロボスが呟いた。
はっとなって周りを伺うと、殿下の後ろに控えるもの達も一様に目をうるうるさせている。
……見なきゃ良かった……。
私に、どうしろと……?
126
お気に入りに追加
1,830
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
意地を張っていたら6年もたってしまいました
Hkei
恋愛
「セドリック様が悪いのですわ!」
「そうか?」
婚約者である私の誕生日パーティーで他の令嬢ばかり褒めて、そんなに私のことが嫌いですか!
「もう…セドリック様なんて大嫌いです!!」
その後意地を張っていたら6年もたってしまっていた二人の話。
信用してほしければそれ相応の態度を取ってください
haru.
恋愛
突然、婚約者の側に見知らぬ令嬢が居るようになった。両者共に恋愛感情はない、そのような関係ではないと言う。
「訳があって一緒に居るだけなんだ。どうか信じてほしい」
「ではその事情をお聞かせください」
「それは……ちょっと言えないんだ」
信じてと言うだけで何も話してくれない婚約者。信じたいけど、何をどう信じたらいいの。
二人の行動は更にエスカレートして周囲は彼等を秘密の関係なのではと疑い、私も婚約者を信じられなくなっていく。
もう一度7歳からやりなおし!王太子妃にはなりません
片桐葵
恋愛
いわゆる悪役令嬢・セシルは19歳で死亡した。
皇太子のユリウス殿下の婚約者で高慢で尊大に振る舞い、義理の妹アリシアとユリウスの恋愛に嫉妬し最終的に殺害しようとした罪で断罪され、修道院送りとなった末の死亡だった。しかし死んだ後に女神が現れ7歳からやり直せるようにしてくれた。
もう一度7歳から人生をやり直せる事になったセシル。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。
アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。
いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。
だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・
「いつわたしが婚約破棄すると言った?」
私に飽きたんじゃなかったんですか!?
……………………………
6月8日、HOTランキング1位にランクインしました。たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
「いつ婚約破棄してやってもいいんだぞ?」と言ってきたのはあなたですから、絶縁しても問題ないですよね?
りーふぃあ
恋愛
公爵令嬢ルミアの心は疲れ切っていた。
婚約者のフロッグ殿下が陰湿なモラハラを繰り返すせいだ。
最初は優しかったはずの殿下の姿はもうどこにもない。
いつも暴言ばかり吐き、少しでも抵抗すればすぐに「婚約破棄されたいのか?」と脅される。
最近では、「お前は男をたぶらかすから、ここから出るな」と離宮に閉じ込められる始末。
こんな生活はおかしいと思い、ルミアは婚約破棄を決意する。
家族の口利きで貴族御用達の魔道具店で働き始め、特技の刺繍や裁縫を活かして大活躍。
お客さんに感謝されて嬉しくなったり。
公爵様の依頼を受けて気に入られ、求婚されたり。
……おや殿下、今さらなんの用ですか?
「お前がいなくなったせいで僕は不愉快な思いをしたから謝罪しろ」?
いやいや、婚約破棄していいって言ったのはあなたじゃないですか。
あなたの言う通り婚約破棄しただけなんですから、問題なんてなんてないですよね?
★ ★ ★
※ご都合主義注意です!
※史実とは関係ございません、架空世界のお話です!
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる