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学園での聖女案件⑥
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※申し訳ありません。公開設定を間違えました。編集どころか、本文をいれてもないところを公開してしまいました。
ご迷惑をおかけしてしまった方、申し訳ありません。
★★★★★★★★★★★★★★★★★
職場勤務って平和。
「ただいま。聖女案件の報告書を上げてきたよ」
課長が珍しく軽い足取りで戻ってきた。その手には、経緯書がある。
エマさんが珍しく普通のお茶を煎れ、課長の机に置いた。
「シャリィ、経緯書を付けておいて」
「わかりました」
受け取った経緯書はさすがに厚みがあった。
何々、元聖女ネラは隣国のヴィジュン家に嫁ぎヌーレンシア様と結婚したが、すぐに領地に侍女と執事や侍従を連れて引き籠ったんだ。
えー。執事と仲が良いって、不貞?
ヌーレンシア様は、王都の屋敷で跡継ぎとしてかなり厳しく教育されている、か。学園も辞めて国に戻ったし、かなり絞られてるんだな。
まあ、あの程度のアホな企みしかできない時点で、推して知るべしってやつか。
はぁ?プライセル様とフランツ様が3ヶ月後に婚姻?え?もう?
……えーと。プライセル様の屋敷で今後について話し合いを、とそれぞれ侍女と侍従を一人ずつ就けて籠ること3時間。
羞恥で真っ赤に染まりぐったりしたプライセル様を嬉しそうに抱き抱えたフランツ様が出てきて、
「3ヶ月後に式を行うことになりました」
と満面の笑みで両家の親に伝えた、と。
侍女と侍従は部屋の隅で意識を失った状態で転がされていたが、プライセル様の衣服に乱れはなかった。プライセル様の名誉のためにも強く記述されてあるな。
……何やったんだろ。
え、フランツ様、毎日リンツァ伯爵家に通ってるのか?もはや二人切りで過ごしてる?えー、結婚まで大丈夫か、フランツ様。
リンツァ伯爵夫妻は複雑な心境だろうな。
あ、王女殿下は婚約を白紙化したんだ。
でも、スタージュン様と二人でグリーンバレット公国へ留学……?
生活様式も文化もびっくりするくらい違うけど、大丈夫なんだろうか。
あそこ、完全女性優位社会じゃなかった?
男性は徹底的なレディーファーストを仕込まれる国だ。新しい聖女の産まれた国との友好を築く先駆けとして向かうのかな。
お二方の友人からの関係構築を願っとこう。
あ、隣国からの留学生二人組はお咎め無しか。良かった。
「上手く収まって良かったですね」
書類をまとめて課長に確認して貰おうと提出する。
「そういえば、シャリィ。王太子殿下から内密に仕事を依頼されているので、宜しく」
えー。
「最近、王族の方の仕事が多くないですか?」
「あぁ、確かにね。だけど、今回は西の辺境伯家からの申し出らしいからね」
はい?
「トレンディル家が?なんのために?」
課長を見ると、不思議そうな顔をしている。滅多に、表に出てこない西の連中からなんて、何か企んでるとしか思えない。
もうちょいまともな仕事、ないのかな……。
ご迷惑をおかけしてしまった方、申し訳ありません。
★★★★★★★★★★★★★★★★★
職場勤務って平和。
「ただいま。聖女案件の報告書を上げてきたよ」
課長が珍しく軽い足取りで戻ってきた。その手には、経緯書がある。
エマさんが珍しく普通のお茶を煎れ、課長の机に置いた。
「シャリィ、経緯書を付けておいて」
「わかりました」
受け取った経緯書はさすがに厚みがあった。
何々、元聖女ネラは隣国のヴィジュン家に嫁ぎヌーレンシア様と結婚したが、すぐに領地に侍女と執事や侍従を連れて引き籠ったんだ。
えー。執事と仲が良いって、不貞?
ヌーレンシア様は、王都の屋敷で跡継ぎとしてかなり厳しく教育されている、か。学園も辞めて国に戻ったし、かなり絞られてるんだな。
まあ、あの程度のアホな企みしかできない時点で、推して知るべしってやつか。
はぁ?プライセル様とフランツ様が3ヶ月後に婚姻?え?もう?
……えーと。プライセル様の屋敷で今後について話し合いを、とそれぞれ侍女と侍従を一人ずつ就けて籠ること3時間。
羞恥で真っ赤に染まりぐったりしたプライセル様を嬉しそうに抱き抱えたフランツ様が出てきて、
「3ヶ月後に式を行うことになりました」
と満面の笑みで両家の親に伝えた、と。
侍女と侍従は部屋の隅で意識を失った状態で転がされていたが、プライセル様の衣服に乱れはなかった。プライセル様の名誉のためにも強く記述されてあるな。
……何やったんだろ。
え、フランツ様、毎日リンツァ伯爵家に通ってるのか?もはや二人切りで過ごしてる?えー、結婚まで大丈夫か、フランツ様。
リンツァ伯爵夫妻は複雑な心境だろうな。
あ、王女殿下は婚約を白紙化したんだ。
でも、スタージュン様と二人でグリーンバレット公国へ留学……?
生活様式も文化もびっくりするくらい違うけど、大丈夫なんだろうか。
あそこ、完全女性優位社会じゃなかった?
男性は徹底的なレディーファーストを仕込まれる国だ。新しい聖女の産まれた国との友好を築く先駆けとして向かうのかな。
お二方の友人からの関係構築を願っとこう。
あ、隣国からの留学生二人組はお咎め無しか。良かった。
「上手く収まって良かったですね」
書類をまとめて課長に確認して貰おうと提出する。
「そういえば、シャリィ。王太子殿下から内密に仕事を依頼されているので、宜しく」
えー。
「最近、王族の方の仕事が多くないですか?」
「あぁ、確かにね。だけど、今回は西の辺境伯家からの申し出らしいからね」
はい?
「トレンディル家が?なんのために?」
課長を見ると、不思議そうな顔をしている。滅多に、表に出てこない西の連中からなんて、何か企んでるとしか思えない。
もうちょいまともな仕事、ないのかな……。
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