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体だけでも
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「……ほんとに俺とのえっち気持ちよくなかった?」
密着した汗ばんだ肌を感じながら、千紘は鼻先を凪の髪に近付けて言った。むすっと唇を尖らせた凪は、静かに「よくないとは言ってない」と答えた。
眉を持ち上げた千紘は、くしゃっと顔を綻ばせて「凪好きーっ!」と抱きつく腕の力を強めた。
「いって! バカ、力強ぇんだよ!」
ガッと目を見開いて、大声を上げる凪に、千紘は「ごめんごめん」と半笑いで少しだけ腕を緩めた。しかし、嬉しい気持ちが膨らんで仕方がなかった。
「付き合えなくてもさ、時々こうやってしようよ」
千紘が本音を漏らした。今は付き合えなくてもいい。さっきからずっとそう思っている。でも、今できる何かがあるなら、もう少しだけ進展させたい。そう願わずにはいられない。
「なんだよそれ。俺にセフレになれって言ってんの?」
「んー……凪のこと好きだからセフレとは違うかなぁ。俺にとってはね。でもまあ、凪にとってはとりあえず性欲処理として俺の体使ってもいいよってレベルで」
「俺の体使ってもなにも、お前が主導権握りたがるじゃん」
凪は呆れたように顔を千紘に向けた。まだ少し紅潮した頬と、額の汗で張り付いた前髪が色気を放っていた。
千紘は、凪の腹部に回していた腕を上げて、そのまま指先で凪の前髪を左に流した。じっとりと濡れた感触が伝わって、2人の汗が交わり肌を滑らせたことを思い出す。
まだあれから数十分しか経っていないというのに、随分と昔のことのように感じた。
「別に、凪がしたいって言うなら俺の上で動いてもいいんだよ。自分で」
千紘が飄々と言えば、凪は心底嫌そうな顔をしながら「そういうことを言ってんじゃねぇんだよ!」と声を荒らげた。
「はいはい。でも、凪のおねだり聞いてあげたんだから、俺が一方的に主導権握ってるっていうのも言いがかりだけどね」
「何が言いがかりだ。事実だ」
「頑固だねぇ。まあ、凪に主導権握ってもらうのも悪くないけどね」
「……は?」
「その磨き上げたテクニックで俺を攻めてくれるのも興味深い」
ゾクゾクと恍惚の表情を浮かべる千紘の姿を見て、凪の頭の中には千紘の足の間に顔を埋めて奉仕する自分の映像が浮かんだ。
そんな想像をしてしまった凪は、どちらが主導権を握ったところで明らかに自分の方が不利益な気がした。
密着した汗ばんだ肌を感じながら、千紘は鼻先を凪の髪に近付けて言った。むすっと唇を尖らせた凪は、静かに「よくないとは言ってない」と答えた。
眉を持ち上げた千紘は、くしゃっと顔を綻ばせて「凪好きーっ!」と抱きつく腕の力を強めた。
「いって! バカ、力強ぇんだよ!」
ガッと目を見開いて、大声を上げる凪に、千紘は「ごめんごめん」と半笑いで少しだけ腕を緩めた。しかし、嬉しい気持ちが膨らんで仕方がなかった。
「付き合えなくてもさ、時々こうやってしようよ」
千紘が本音を漏らした。今は付き合えなくてもいい。さっきからずっとそう思っている。でも、今できる何かがあるなら、もう少しだけ進展させたい。そう願わずにはいられない。
「なんだよそれ。俺にセフレになれって言ってんの?」
「んー……凪のこと好きだからセフレとは違うかなぁ。俺にとってはね。でもまあ、凪にとってはとりあえず性欲処理として俺の体使ってもいいよってレベルで」
「俺の体使ってもなにも、お前が主導権握りたがるじゃん」
凪は呆れたように顔を千紘に向けた。まだ少し紅潮した頬と、額の汗で張り付いた前髪が色気を放っていた。
千紘は、凪の腹部に回していた腕を上げて、そのまま指先で凪の前髪を左に流した。じっとりと濡れた感触が伝わって、2人の汗が交わり肌を滑らせたことを思い出す。
まだあれから数十分しか経っていないというのに、随分と昔のことのように感じた。
「別に、凪がしたいって言うなら俺の上で動いてもいいんだよ。自分で」
千紘が飄々と言えば、凪は心底嫌そうな顔をしながら「そういうことを言ってんじゃねぇんだよ!」と声を荒らげた。
「はいはい。でも、凪のおねだり聞いてあげたんだから、俺が一方的に主導権握ってるっていうのも言いがかりだけどね」
「何が言いがかりだ。事実だ」
「頑固だねぇ。まあ、凪に主導権握ってもらうのも悪くないけどね」
「……は?」
「その磨き上げたテクニックで俺を攻めてくれるのも興味深い」
ゾクゾクと恍惚の表情を浮かべる千紘の姿を見て、凪の頭の中には千紘の足の間に顔を埋めて奉仕する自分の映像が浮かんだ。
そんな想像をしてしまった凪は、どちらが主導権を握ったところで明らかに自分の方が不利益な気がした。
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