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体だけでも
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「凪には俺がいるよ」
千紘はほぼ無意識にそう言った。千紘にとって凪は必要な存在で、何がなんでも手に入れたい人。
誰かが離れていくのを怖がったり、自分の存在意義を疑ってほしくはないと思った。
凪は視線だけ千紘に向けると、おかしそうに鼻で笑った。
「なにそれ。お前が1番側にいたら害なんだってば」
「でも多分俺が1番凪のこと必要としてる。他の客よりも」
千紘がそう言えば、凪はピクリと眉を持ち上げた。穏やかな顔で微笑む千紘は、とても初対面で自分を犯した人間には見えなかった。
「何でそこまで必要とされてんのかわかんねぇ」
「え? 好きだからでしょ?」
「理由は聞いた。でも、正直あの程度の理由でここまで追いかけ回すほど好きになるとかよくわかんない」
「追いかけ回すって……。ねぇ、凪ってちゃんと恋愛したことある?」
「は? あるよ。彼女だっていたし」
「じゃあ、本気で好きだった?」
「好きだったよ。付き合ってたんだから」
凪はそう言いながら、セラピストになる前に付き合ってきた歴代の彼女の顔を思い出していた。どの子も綺麗だったり可愛かったりで、会う度に気持ちが昂った。
性格いい子もいたし、わがままな子もいた。それでもある程度のことは受け止めてきたし、凪なりに寄り添ってきた自信はある。
「本気で好きになった事があるなら、俺の気持ちがわかるはずなんだけどな」
千紘は疑うような視線を凪に向けた。確かに凪を拘束して凌辱したことは行き過ぎた行動だったし、理解できないと言われても仕方がない。
しかし、好きだから諦めたくないという気持ちは恋愛対象が異性でも同性でもあるものだと千紘は思う。
だからきっと凪は、本気で人を好きになったことがないのではないかと思えた。こんなにも好きでたまらない気持ちを知らないなんて、人生損してる。そう思ってしまうほどに、千紘はこの感情が特別で幸福なものだった。
正直、樹月と付き合っていた時でさえこんな気持ちにはならなかった。それでも樹月のことはちゃんと好きだった。凪の言う好きだったもこれに近いような気がした。
千紘はほぼ無意識にそう言った。千紘にとって凪は必要な存在で、何がなんでも手に入れたい人。
誰かが離れていくのを怖がったり、自分の存在意義を疑ってほしくはないと思った。
凪は視線だけ千紘に向けると、おかしそうに鼻で笑った。
「なにそれ。お前が1番側にいたら害なんだってば」
「でも多分俺が1番凪のこと必要としてる。他の客よりも」
千紘がそう言えば、凪はピクリと眉を持ち上げた。穏やかな顔で微笑む千紘は、とても初対面で自分を犯した人間には見えなかった。
「何でそこまで必要とされてんのかわかんねぇ」
「え? 好きだからでしょ?」
「理由は聞いた。でも、正直あの程度の理由でここまで追いかけ回すほど好きになるとかよくわかんない」
「追いかけ回すって……。ねぇ、凪ってちゃんと恋愛したことある?」
「は? あるよ。彼女だっていたし」
「じゃあ、本気で好きだった?」
「好きだったよ。付き合ってたんだから」
凪はそう言いながら、セラピストになる前に付き合ってきた歴代の彼女の顔を思い出していた。どの子も綺麗だったり可愛かったりで、会う度に気持ちが昂った。
性格いい子もいたし、わがままな子もいた。それでもある程度のことは受け止めてきたし、凪なりに寄り添ってきた自信はある。
「本気で好きになった事があるなら、俺の気持ちがわかるはずなんだけどな」
千紘は疑うような視線を凪に向けた。確かに凪を拘束して凌辱したことは行き過ぎた行動だったし、理解できないと言われても仕方がない。
しかし、好きだから諦めたくないという気持ちは恋愛対象が異性でも同性でもあるものだと千紘は思う。
だからきっと凪は、本気で人を好きになったことがないのではないかと思えた。こんなにも好きでたまらない気持ちを知らないなんて、人生損してる。そう思ってしまうほどに、千紘はこの感情が特別で幸福なものだった。
正直、樹月と付き合っていた時でさえこんな気持ちにはならなかった。それでも樹月のことはちゃんと好きだった。凪の言う好きだったもこれに近いような気がした。
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