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愛情は感じるもの
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千景はもう何も言う気も起きなかった。亜純に言ってみろとは言ったものの、亜純には会わない方がいいと思えた。
「とにかくこれは俺から亜純に渡しておくから」
復縁する気満々の依をおいて、千景は自分の車へと向かった。家に入ったら依が家まで追いかけてきそうで嫌だったから。
亜純がまだ実家にいることも依は知らないだろう。かといって、実家まで出向いて亜純の両親に亜純がいるかどうか尋ねる勇気もないのだ。
亜純の気持ちを軽視し、離婚に至ったのだから当然だ。だとすれば、やはり亜純に会う手段は千景にしかなく、あわよくば亜純に会わせてもらおうとしているのだと千景は悟った。
さすがに車に乗り込めば、追いかけてはこないだろうとさっさと発進させた。あてもなくエンジン音を鳴らして走行する。
時間をみれば21時で、この時間ならまだ亜純は起きてるかな……と一瞬思った。
たった今依から預かったものをそのまま渡しに行くのも気が引けたが、催促の連絡がくるのも面倒なので千景は亜純の実家を訪ねることにした。
亜純の実家には彼女の車があったが、部屋の明かりはついていなかった。もう寝てしまったのかと再びスマホで時間を確認する。
それともどこかへ出かけているのだろうか。そう考えて、千景は亜純の彼氏の存在を思い出す。
嬉しそうに付き合うことになったと言った日から、詳細なデート内容が語られることがなくなった。付き合うまではあんなにも嬉しそうに報告してきたのに、付き合った途端彼氏に夢中になってしまうなんて少し寂しく思った。
まぁ、仕方ない。ちゃんと連絡をして出直そう。そう思ってエンジンをかけた。前方から乗用車のライトが見え、千景は相手の車が通り過ぎるのを待った。
「とにかくこれは俺から亜純に渡しておくから」
復縁する気満々の依をおいて、千景は自分の車へと向かった。家に入ったら依が家まで追いかけてきそうで嫌だったから。
亜純がまだ実家にいることも依は知らないだろう。かといって、実家まで出向いて亜純の両親に亜純がいるかどうか尋ねる勇気もないのだ。
亜純の気持ちを軽視し、離婚に至ったのだから当然だ。だとすれば、やはり亜純に会う手段は千景にしかなく、あわよくば亜純に会わせてもらおうとしているのだと千景は悟った。
さすがに車に乗り込めば、追いかけてはこないだろうとさっさと発進させた。あてもなくエンジン音を鳴らして走行する。
時間をみれば21時で、この時間ならまだ亜純は起きてるかな……と一瞬思った。
たった今依から預かったものをそのまま渡しに行くのも気が引けたが、催促の連絡がくるのも面倒なので千景は亜純の実家を訪ねることにした。
亜純の実家には彼女の車があったが、部屋の明かりはついていなかった。もう寝てしまったのかと再びスマホで時間を確認する。
それともどこかへ出かけているのだろうか。そう考えて、千景は亜純の彼氏の存在を思い出す。
嬉しそうに付き合うことになったと言った日から、詳細なデート内容が語られることがなくなった。付き合うまではあんなにも嬉しそうに報告してきたのに、付き合った途端彼氏に夢中になってしまうなんて少し寂しく思った。
まぁ、仕方ない。ちゃんと連絡をして出直そう。そう思ってエンジンをかけた。前方から乗用車のライトが見え、千景は相手の車が通り過ぎるのを待った。
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