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それぞれの生活
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千景はペンを持ったままぼんやりと考えていた。亜純と食事して帰ってきてから既に3時間経っていた。
仕事は一旦休んでいいから……なんて思いながらもシャワーを浴びてベッドへ横になっても眠れなかった。
それなら新作の下書きでもしようかと思ってペンを取ってみたがそれもどうにも進まない。
ぼーっとしながら、思い浮かぶのは亜純の顔。初めて2人で食事をした。依や真白が一緒だったことはよくあったが、昔は亜純と2人で食事に行くだなんて考えられないことだった。
こうして自分から亜純を誘うことだって今になって驚いていた。
あの時は自然と言葉が出た。依と亜純が夫婦だった時には、依の存在がストッパーになっていてある程度の距離を保っていた。
けれど、千景の中でも亜純が独身になったことを受け入れられていた。亜純と話せば依の話題は避けて通れないはずなのに、亜純を誘ってはいけないという考えは全く過ぎらなかった。
2人で食事をしている時もお互いの仕事の話をしたり、両親の話をしたり今まで深くまで話したことのない今後の目標まで語った。
亜純の向かいに座って食事をすることも不思議だった。いつも亜純と食事をする時は斜め前だった。真正面から見ることのない亜純の顔は、今まで見てた姿とは違って見えた。
あんなことがあったばかりなのに、嬉しそうに笑う顔はあまり高校時代と変わらない。
いつまでも若々しくて、時折幼くも見えた。何でも好き嫌いなく美味しそうに食べる姿も自然と千景を笑顔にさせた。
帰り際には「また行こう」なんて次回の約束なんかをしたりして。
結婚相談所で出会った男性とどうやってデートをすればいいのか悩む姿も、当然今まで見たことはなく新鮮だった。
高校時代から知っているはずなのに、今まで知らなかった亜純をたった数時間でたくさん見た気がした。
仕事は一旦休んでいいから……なんて思いながらもシャワーを浴びてベッドへ横になっても眠れなかった。
それなら新作の下書きでもしようかと思ってペンを取ってみたがそれもどうにも進まない。
ぼーっとしながら、思い浮かぶのは亜純の顔。初めて2人で食事をした。依や真白が一緒だったことはよくあったが、昔は亜純と2人で食事に行くだなんて考えられないことだった。
こうして自分から亜純を誘うことだって今になって驚いていた。
あの時は自然と言葉が出た。依と亜純が夫婦だった時には、依の存在がストッパーになっていてある程度の距離を保っていた。
けれど、千景の中でも亜純が独身になったことを受け入れられていた。亜純と話せば依の話題は避けて通れないはずなのに、亜純を誘ってはいけないという考えは全く過ぎらなかった。
2人で食事をしている時もお互いの仕事の話をしたり、両親の話をしたり今まで深くまで話したことのない今後の目標まで語った。
亜純の向かいに座って食事をすることも不思議だった。いつも亜純と食事をする時は斜め前だった。真正面から見ることのない亜純の顔は、今まで見てた姿とは違って見えた。
あんなことがあったばかりなのに、嬉しそうに笑う顔はあまり高校時代と変わらない。
いつまでも若々しくて、時折幼くも見えた。何でも好き嫌いなく美味しそうに食べる姿も自然と千景を笑顔にさせた。
帰り際には「また行こう」なんて次回の約束なんかをしたりして。
結婚相談所で出会った男性とどうやってデートをすればいいのか悩む姿も、当然今まで見たことはなく新鮮だった。
高校時代から知っているはずなのに、今まで知らなかった亜純をたった数時間でたくさん見た気がした。
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