116 / 243
夫婦のかたち
23
しおりを挟む
依には亜純が本気でそう言っているように見えたが、当時の亜純だったらそうはいかなかっただろうと思えた。
色んな女の子と噂がある依のことをよく思っていなかったし、真白が依だけはやめておけと言ったら素直に言うことを聞いただろうと思えた。
亜純は相手は自分で決めると言ったが、何度告白しても断り続けたのは亜純だ。それがいつの間にかコロッと意見を変えて依を好きになっただなんて言わなかっただろう。
確実に真白の言葉に左右されていた。それは今思い出しても明白だった。
「俺は……散々本気で亜純のことが好きだって言った。高校の時から何回も。でも亜純が俺のことを信じなかったんじゃん。他にも女の子いっぱいいるでしょって言ったんじゃん。あの時の俺がどんだけ傷付いたかも知らないくせに。真白に薦められなかったら、俺のこと選ばなかったくせに」
依はそれしか手段がなかったんだと必死に訴える。しかし、亜純にはやっぱり理解できなかった。
「実際に依は付き合った子いっぱいいたじゃん。私のことを本気で好きになってくれてたのかもしれないけど、私が依を信用できなかったのは自分の日頃の行いのせいでしょ? それなのに真白の手を借りようとしたこともおかしいし、恋愛経験のなかった私に傷付けられたなんていうのもおかしいと思う」
依はどこまでも自分が被害者になろうとする。思いが届かないのなら諦めればよかったのだ。真白を使わなくたって、真白に依はやめとけと言われたって諦められないのであれば付き合えるまで食い下がればよかったのだ。
それをしなかったくせに、本気の依を信用しなかった自分が悪いだなんてどこまで私のせいにすれば気が済むのかと呆れた。
「真白を抱く前に亜純が俺と付き合ってくれてたら、そんなことにはならなかった……」
「私の友達を抱くような人だと知ってたら、私は好きにならなかったよ」
噛み合わなくなってきた会話に、2人はしんと黙った。
色んな女の子と噂がある依のことをよく思っていなかったし、真白が依だけはやめておけと言ったら素直に言うことを聞いただろうと思えた。
亜純は相手は自分で決めると言ったが、何度告白しても断り続けたのは亜純だ。それがいつの間にかコロッと意見を変えて依を好きになっただなんて言わなかっただろう。
確実に真白の言葉に左右されていた。それは今思い出しても明白だった。
「俺は……散々本気で亜純のことが好きだって言った。高校の時から何回も。でも亜純が俺のことを信じなかったんじゃん。他にも女の子いっぱいいるでしょって言ったんじゃん。あの時の俺がどんだけ傷付いたかも知らないくせに。真白に薦められなかったら、俺のこと選ばなかったくせに」
依はそれしか手段がなかったんだと必死に訴える。しかし、亜純にはやっぱり理解できなかった。
「実際に依は付き合った子いっぱいいたじゃん。私のことを本気で好きになってくれてたのかもしれないけど、私が依を信用できなかったのは自分の日頃の行いのせいでしょ? それなのに真白の手を借りようとしたこともおかしいし、恋愛経験のなかった私に傷付けられたなんていうのもおかしいと思う」
依はどこまでも自分が被害者になろうとする。思いが届かないのなら諦めればよかったのだ。真白を使わなくたって、真白に依はやめとけと言われたって諦められないのであれば付き合えるまで食い下がればよかったのだ。
それをしなかったくせに、本気の依を信用しなかった自分が悪いだなんてどこまで私のせいにすれば気が済むのかと呆れた。
「真白を抱く前に亜純が俺と付き合ってくれてたら、そんなことにはならなかった……」
「私の友達を抱くような人だと知ってたら、私は好きにならなかったよ」
噛み合わなくなってきた会話に、2人はしんと黙った。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる