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将来の夢

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「そんな話信じられるかよ。俺に抱かれたら亜純に言うつもりだろ?」

 依はその手には乗らないと鼻で笑った。もう遊びは止めたのだ。というより、依にとって今までの女性たちは遊びでもなかった。
 付き合いたいと言われたから付き合っただけで、抱いて欲しいと頼まれたから抱いただけだ。
 その内に依の方が好きになれれば関係を続けるつもりだったし、最初から遊んで捨ててやろうと思ったわけじゃない。

 思わせぶりな態度をとったこともなければ、冗談でも好きだと言ったこともない。本気で好きになったのは亜純だけなのだ。
 亜純にしか興味がなくなったのに、亜純以外の女を抱く気になんてなれなかった。

「言わないわよ。約束する。どうせ今のままじゃ亜純に見向きもされないわ。色んな子と付き合ってたことも亜純は知ってるんだから」

 そう言われてしまえば、依は言い返す言葉が見つからなかった。確かに今の自分は全く亜純に相手にされていない。
 依がやっとの思いで告白したのに、それすら冗談だと思っているかのようだった。

 何度言ってもダメなものはダメだった。でも、もし真白が依を薦めたら少しは気持ちが揺らぐかもしれない。
 どんな手段を使ってでも亜純と付き合えるのならそれでもいいか……なんて心が揺らいだ。

「……真白はそれでいいのかよ。俺はお前のこと好きにならない。絶対にならない。お前を抱いたとしても気持ちは亜純に向いてる。それで虚しくならないのか?」

「それを依が言う? 私ね、私のことが大好きで尽くしてくれる男に興味がないの。好きだと言われれば言われるほど冷めていくの」

「愛され自慢か」

「依もそうなんでしょ? だから亜純に惹かれた」

「っ……」

 核心を突かれて依は言葉を失った。真白はどこか自分と似たところがある。真白のことを好きになれないのは同族嫌悪なのだとこの時初めて気が付いた。
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