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将来の夢

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 来週の同窓会には行かなくてはいけなくなった。行きたくなくて仕方がなかった。それは千景と真白がいるからだ。

 依は真白のことが好きではない。というのも、真白は依と亜純の協力者などではなく、なにかと亜純と千景をくっ付けたがったからだ。

 初めて4人で行った動物園だって、千景と亜純が近付く場として真白が誘ったのだ。そのせいで亜純は時々千景の隣を歩き、ライオンの餌やりだって隣になった。
 亜純が驚く度に吊り橋効果で千景のことを好きになるんじゃないかと気が気じゃなかった。

「依が亜純のこと好きなら、俺は好きにならないよ」

 千景は何度もそう言って苦笑した。誠実な男は、約束通り依と亜純の関係を応援してくれた。しかし、今になって真白が言ったのだ。

「ねぇ、依知ってた? 千景が高校の頃から亜純のこと好きだったの」

 つい先日そんなことを真白から言われた。そんなものは初耳だった。千景は絶対に亜純のことを好きだとは言わなかったし、依のことを裏切らないと約束した。

「そんなわけないだろ。千景は俺が亜純のことを好きだって知ってたんだから」

「知ってたって関係ないよ。私だって依が亜純のことを好きだって知ってたけど、依のこと好きだった」

 そう言われてぐっと胸が詰まるような気持ちになった。思えばずっと真白からアプローチされ続けてきた。亜純と付き合うかなり前から。
 もちろん依は、亜純のことが好きだから真白とは付き合えないと断った。その頃から依は恐れていた。

 もしも亜純が真白の気持ちを知ったら、友達想いの亜純は身を引いてしまうかもしれない。どんなに依が想いを伝えても、「友達が好きな人とは付き合えない」そう言うかもしれない。そう考えると亜純と真白の関係が怖かった。

 そんな脅威など関係なく、依は何度も亜純に振られているのだが。
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