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傷が疼く
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夜天は体を起こすと、夕映の脇腹を持ってそのまま軽々と抱き上げた。
「わっ! 夜天さん、力持ちです」
「お前が軽いんだよ。小せぇし」
「む……き、きっと次の健康診断で身長が伸びてるはずです!」
「は? とっくに成長止まってるだろ。どう足掻いても150はねぇよ」
「あ、ありますよ! 私、152cmですからね!」
「いや、ぜってぇ150ねぇって。こんなに小せぇはずねぇもん」
がーんとショックを受ける夕映は、夜天の胸元に顔を埋めて「あるもん……」と小さく呟いた。
「1、2cmじゃどうせそんなに変わんねぇよ。それより……先に言っとくけど。俺、男友達は許さねぇ主義だから」
夜天は、掛け布団を捲ったベッドの上に夕映を降ろして言った。
「……え?」
「ねぇから。男と友達になるとか」
「……ん?」
様々な矛盾が生じている気がして、夕映は頭にいっぱいのクエスチョンマークを浮かべる。
「男と2人で会うこと自体ダメな。連絡先も教えんな」
「あ、あの……夜天さ」
「パジャマパーティーとかいうわけわかんねぇのは廃止」
「……廃止」
「家に行くなんて言語道断」
「えーっと……」
「俺のものになるなら、俺がルールだから」
それだけ言って、夜天はキスをする。不意打ちを食らってやり場に困った夕映の手首をマットレスに押し付けた。
「ふっ……ん……」
夕映の甘い吐息と、響く水音。もう絶対に手に入らないと1度諦めたものが、今まさに腕の中にある。あの時、キスをしておけばよかったと後悔した。こんなふうに、組み敷いてしまえばよかったと頭の中で想像した。
現実に感じる夕映の体温。もう手放す気など更々なかった。
はー、はー、と荒く呼吸をする夕映。こんなに小さくてまだまだ子供で、色気もない。そう思っていたはずなのに、夜天の体はたまらなく興奮していた。
「傷、痒いんだったな……」
「は、はいっ……」
「診察以外、誰にも見せんな」
「見せません……」
「疼いたらいつでも舐めてやる」
「……はい」
「夕映の傷、俺だけに舐めさせて」
「……はい」
真っ赤に頬を染めた夕映の返事を聞くと、夜天は被りタイプの上衣を裾から捲り上げた。
「あ、待って。夜天さ……」
「待たねぇ。覚悟できてるって言ったろ」
腰を浮かせて上に引っ張れば、簡単にするりと腕が抜けた。慌てて両腕で胸元を隠す夕映だが、白い肌が露になり夜天はゴクリと喉を鳴らした。
「……お前、寝る時下着つけねぇの?」
「きゅ、窮屈だから嫌いです……」
「つーか、これで旭の隣にいたんだよな」
「へ!? あ、まぁ……そうですね。でもブラジャーするほどお胸がないといいますか……」
夕映は悲壮感たっぷりにそう言った。
「わっ! 夜天さん、力持ちです」
「お前が軽いんだよ。小せぇし」
「む……き、きっと次の健康診断で身長が伸びてるはずです!」
「は? とっくに成長止まってるだろ。どう足掻いても150はねぇよ」
「あ、ありますよ! 私、152cmですからね!」
「いや、ぜってぇ150ねぇって。こんなに小せぇはずねぇもん」
がーんとショックを受ける夕映は、夜天の胸元に顔を埋めて「あるもん……」と小さく呟いた。
「1、2cmじゃどうせそんなに変わんねぇよ。それより……先に言っとくけど。俺、男友達は許さねぇ主義だから」
夜天は、掛け布団を捲ったベッドの上に夕映を降ろして言った。
「……え?」
「ねぇから。男と友達になるとか」
「……ん?」
様々な矛盾が生じている気がして、夕映は頭にいっぱいのクエスチョンマークを浮かべる。
「男と2人で会うこと自体ダメな。連絡先も教えんな」
「あ、あの……夜天さ」
「パジャマパーティーとかいうわけわかんねぇのは廃止」
「……廃止」
「家に行くなんて言語道断」
「えーっと……」
「俺のものになるなら、俺がルールだから」
それだけ言って、夜天はキスをする。不意打ちを食らってやり場に困った夕映の手首をマットレスに押し付けた。
「ふっ……ん……」
夕映の甘い吐息と、響く水音。もう絶対に手に入らないと1度諦めたものが、今まさに腕の中にある。あの時、キスをしておけばよかったと後悔した。こんなふうに、組み敷いてしまえばよかったと頭の中で想像した。
現実に感じる夕映の体温。もう手放す気など更々なかった。
はー、はー、と荒く呼吸をする夕映。こんなに小さくてまだまだ子供で、色気もない。そう思っていたはずなのに、夜天の体はたまらなく興奮していた。
「傷、痒いんだったな……」
「は、はいっ……」
「診察以外、誰にも見せんな」
「見せません……」
「疼いたらいつでも舐めてやる」
「……はい」
「夕映の傷、俺だけに舐めさせて」
「……はい」
真っ赤に頬を染めた夕映の返事を聞くと、夜天は被りタイプの上衣を裾から捲り上げた。
「あ、待って。夜天さ……」
「待たねぇ。覚悟できてるって言ったろ」
腰を浮かせて上に引っ張れば、簡単にするりと腕が抜けた。慌てて両腕で胸元を隠す夕映だが、白い肌が露になり夜天はゴクリと喉を鳴らした。
「……お前、寝る時下着つけねぇの?」
「きゅ、窮屈だから嫌いです……」
「つーか、これで旭の隣にいたんだよな」
「へ!? あ、まぁ……そうですね。でもブラジャーするほどお胸がないといいますか……」
夕映は悲壮感たっぷりにそう言った。
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