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友達、あげようか?
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旭が言っていたように、夕映が就職した頃には既に荻乃先生の彼女が新入社員でやってくると噂が広まっていた。
病棟に配属されれば、先輩看護師達からの嫌がらせが耐えなかった。
「岩崎先生と武内先生から聞いてるよ。私、河野詩。私も去年移動してきたばかりなの。1年目って凄く大変だと思うけど頑張って! 3年目くらいになったらようやく笑顔で働けるようになるから」
そう言った昴の彼女は、明るくて優しかった。ただ、笑顔で仕事ができるまで3年もかかるの!? と夕映の心を折ったのも事実。
仕事に対して厳しい昴が、詩にだけは怒らない。これも惚れた男の弱味かと思い客観的に見ていた夕映だったが、どうやら詩は他の看護師と比べて動きも速く、仕事ができるらしいということに気が付いた。
あー……岩崎先生が好きになったのは仕事ができる看護師だったからなのか……。
夕映は、目の当たりにした現実にやる気も失せた。詩がいれば、味方になってくれるかもしれない。そんな淡い期待も、夜勤をこなしバラバラな勤務が組まれている詩とは出勤が被ることが少く、期待に終わった。
救いだったのは、教育係であるプリセプターが鈴木遥という25歳の女性看護師だったこと。彼女は他の看護師とは違い、優しかった。しっかりと仕事を教えてくれ、笑顔も見せてくれる。
他の看護師に怒られれば慰めてくれるし、「私も最初はそうだったから」と共感もしてくれた。
3年経ったら笑顔で仕事ができるは伊達じゃないのか、意地悪な先輩看護師が遥に辛く当たることはなかった。ただ、それは遥を通さず直接夕映に攻撃がくる仕組みであり、ダメージは大きかった。
「恋愛しに仕事来てんの?」
「あんた、この仕事向いてないんじゃない? 外科にいらないから彼氏のいる内科に行ったら?」
「何で教えてもできないの? やる気がないなら2度と教えないから」
そんなことを毎日数人から言われる日々。看護師の1年目は地獄だと聞くが、想像を遥かに上回る悪環境に精神的に疲弊してくのを感じていた。
病棟に配属されれば、先輩看護師達からの嫌がらせが耐えなかった。
「岩崎先生と武内先生から聞いてるよ。私、河野詩。私も去年移動してきたばかりなの。1年目って凄く大変だと思うけど頑張って! 3年目くらいになったらようやく笑顔で働けるようになるから」
そう言った昴の彼女は、明るくて優しかった。ただ、笑顔で仕事ができるまで3年もかかるの!? と夕映の心を折ったのも事実。
仕事に対して厳しい昴が、詩にだけは怒らない。これも惚れた男の弱味かと思い客観的に見ていた夕映だったが、どうやら詩は他の看護師と比べて動きも速く、仕事ができるらしいということに気が付いた。
あー……岩崎先生が好きになったのは仕事ができる看護師だったからなのか……。
夕映は、目の当たりにした現実にやる気も失せた。詩がいれば、味方になってくれるかもしれない。そんな淡い期待も、夜勤をこなしバラバラな勤務が組まれている詩とは出勤が被ることが少く、期待に終わった。
救いだったのは、教育係であるプリセプターが鈴木遥という25歳の女性看護師だったこと。彼女は他の看護師とは違い、優しかった。しっかりと仕事を教えてくれ、笑顔も見せてくれる。
他の看護師に怒られれば慰めてくれるし、「私も最初はそうだったから」と共感もしてくれた。
3年経ったら笑顔で仕事ができるは伊達じゃないのか、意地悪な先輩看護師が遥に辛く当たることはなかった。ただ、それは遥を通さず直接夕映に攻撃がくる仕組みであり、ダメージは大きかった。
「恋愛しに仕事来てんの?」
「あんた、この仕事向いてないんじゃない? 外科にいらないから彼氏のいる内科に行ったら?」
「何で教えてもできないの? やる気がないなら2度と教えないから」
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