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第四章
85『最深到達報告 その1』
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各自背負い袋と得物を用意し、アンナリーナたちの訪れを待っていた4人の、そのうちのギルド職員は彼女らの軽装に驚愕している。
「お待たせして申し訳ないです。
では、出発しましょうか」
前回の件でアンナリーナを良く知っている兵士たちは頷き、先頭はセトが務め次にアンナリーナが続き、そして兵士たちとギルド職員を挟んでテオドールとしんがりにイジが付く。
相変わらずダンジョンは、浅い場所はずいぶんと賑わっている。
まだ魔獣が出ない1階層では臨時のパーティを組んだもの同士がミーティングしている姿をあちこちで見かけられた。
「浅いところではあれでいいかもしれないけど……6階層より先に行きたいなら複数パーティでグループを組んだら生存率が上がるのに」
思わずといった様子で呟いたアンナリーナの言葉を、ギルド職員が耳ざとく聞いていた。
「なるほど……
そういう考え方もあるのですね。
別に人数制限が成されているわけではないのだし、2~3パーティで行けば少々強力な魔獣が出ても……」
ブツブツと、自分の世界に入り込んでしまったギルド職員を無視し、さっさと1階層を通り抜けてしまう。
階段を降りて2階層から、アンナリーナは全員を包むように結界を張り、一気に駆け抜けていった。
雑魚?を跳ね飛ばしながら6階層に到着するまで、わずか一刻。
【身体強化】を付与されているとはいえ兵士たちとギルド職員は信じられないといった様で呆然としている。
「ここで一旦、休憩して行きましょう。
水分補給は大切ですよ」
チーム・アンナリーナは、それぞれが腰の小さなアイテムボックスから水筒を取り出し、中身をあおっている。
さらにアンナリーナは個別包装されたスポンジケーキのようなものを口にしていた。
「ここから8階層までも一気に行きます。結界への当たりが強くなると思いますが大丈夫ですので安心して下さいね」
アンナリーナは6~7階層の魔獣も無視した。
結界に弾き飛ばされ、決して少なくない数の魔獣たちが屠られているのだが、見向きもしない。
今も、到底ここまで降りて来れない冒険者たちから言えばあり得ない暴挙なのだが気にする素振りはない。
「ここからは、場合によっては私も狩りをしますので、ご了承下さいね」
8階層を巡る階段で、すでに姿を現したオークを見るアンナリーナは、獰猛な狩人の目をして笑っていた。
その狩りを見たギルド職員は目を丸くした。
従魔士だろう彼女は、てっきり従魔に戦闘を任せ、後方支援するのだと思っていたのだが、先頭切って飛び出していき、その詠唱すらせずにオークを倒してしまう。
……見た目、傷一つなく倒れ臥したオークは、触れるだけでアイテムバッグに収納され、本人はご機嫌で集団の中に戻ってくる。
「お待たせしました」
前回一緒だった兵士たちはともかく、今回初めてアンナリーナと同行するギルド職員は理解不能といった様子だが、アンナリーナたちの本当の姿を垣間見るのはまだまだ先の事だった。
アンナリーナの【探索】にあるものが引っかかった。
「隊長さん、ちょっと……」
他の者たちから少し離れて、声をひそめたアンナリーナが言う。
「この先……少し道から外れた森の中に、冒険者の遺体があるようです」
このダンジョンというもの、アンナリーナが前世で読んでいたラノベでのダンジョンと違って転移陣とか、魔獣が襲ってこない休憩できる安息所などはないが、死したもの(魔獣、冒険者そしてその持ち物共に)を一定期間放置するとダンジョン自体に取り込んでしまう、とんでもシステムは実装されている。
「と、いう事はつい最近……ということですね。
わかりました、アンナリーナさんたちはここで待っていていただけますか?」
隊長は2人の兵士を連れ、森の中に入っていく。それに、アンナリーナに指示されてイジが続いていった。
「お待たせして申し訳ないです。
では、出発しましょうか」
前回の件でアンナリーナを良く知っている兵士たちは頷き、先頭はセトが務め次にアンナリーナが続き、そして兵士たちとギルド職員を挟んでテオドールとしんがりにイジが付く。
相変わらずダンジョンは、浅い場所はずいぶんと賑わっている。
まだ魔獣が出ない1階層では臨時のパーティを組んだもの同士がミーティングしている姿をあちこちで見かけられた。
「浅いところではあれでいいかもしれないけど……6階層より先に行きたいなら複数パーティでグループを組んだら生存率が上がるのに」
思わずといった様子で呟いたアンナリーナの言葉を、ギルド職員が耳ざとく聞いていた。
「なるほど……
そういう考え方もあるのですね。
別に人数制限が成されているわけではないのだし、2~3パーティで行けば少々強力な魔獣が出ても……」
ブツブツと、自分の世界に入り込んでしまったギルド職員を無視し、さっさと1階層を通り抜けてしまう。
階段を降りて2階層から、アンナリーナは全員を包むように結界を張り、一気に駆け抜けていった。
雑魚?を跳ね飛ばしながら6階層に到着するまで、わずか一刻。
【身体強化】を付与されているとはいえ兵士たちとギルド職員は信じられないといった様で呆然としている。
「ここで一旦、休憩して行きましょう。
水分補給は大切ですよ」
チーム・アンナリーナは、それぞれが腰の小さなアイテムボックスから水筒を取り出し、中身をあおっている。
さらにアンナリーナは個別包装されたスポンジケーキのようなものを口にしていた。
「ここから8階層までも一気に行きます。結界への当たりが強くなると思いますが大丈夫ですので安心して下さいね」
アンナリーナは6~7階層の魔獣も無視した。
結界に弾き飛ばされ、決して少なくない数の魔獣たちが屠られているのだが、見向きもしない。
今も、到底ここまで降りて来れない冒険者たちから言えばあり得ない暴挙なのだが気にする素振りはない。
「ここからは、場合によっては私も狩りをしますので、ご了承下さいね」
8階層を巡る階段で、すでに姿を現したオークを見るアンナリーナは、獰猛な狩人の目をして笑っていた。
その狩りを見たギルド職員は目を丸くした。
従魔士だろう彼女は、てっきり従魔に戦闘を任せ、後方支援するのだと思っていたのだが、先頭切って飛び出していき、その詠唱すらせずにオークを倒してしまう。
……見た目、傷一つなく倒れ臥したオークは、触れるだけでアイテムバッグに収納され、本人はご機嫌で集団の中に戻ってくる。
「お待たせしました」
前回一緒だった兵士たちはともかく、今回初めてアンナリーナと同行するギルド職員は理解不能といった様子だが、アンナリーナたちの本当の姿を垣間見るのはまだまだ先の事だった。
アンナリーナの【探索】にあるものが引っかかった。
「隊長さん、ちょっと……」
他の者たちから少し離れて、声をひそめたアンナリーナが言う。
「この先……少し道から外れた森の中に、冒険者の遺体があるようです」
このダンジョンというもの、アンナリーナが前世で読んでいたラノベでのダンジョンと違って転移陣とか、魔獣が襲ってこない休憩できる安息所などはないが、死したもの(魔獣、冒険者そしてその持ち物共に)を一定期間放置するとダンジョン自体に取り込んでしまう、とんでもシステムは実装されている。
「と、いう事はつい最近……ということですね。
わかりました、アンナリーナさんたちはここで待っていていただけますか?」
隊長は2人の兵士を連れ、森の中に入っていく。それに、アンナリーナに指示されてイジが続いていった。
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