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第四章
54『依頼の達成と宣誓魔法』
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今アンナリーナたち、タイニスとその護衛一行は、ようやく王都の中央門に到着していた。
そして、入都しようとしたのだが、今は少々問題があって止められているところだ。
その理由は、昨日の盗賊団の急襲に遡る。
実はアンナリーナ、最初の燃やしてしまった囮の馬車グループを除き、盗賊団すべての遺骸を持って帰って来ていた。
ただ、さすがにインベントリに収納するのには難色を示し、アラーニェの糸でグルグル巻きにして、引き摺って持って帰ってきた。
ちなみにただ一人生かしておいた頭も同じようにして連れ帰ってきた。
その様子があまりにも異様だったので、今一行は足止めを食らっている。
そういうわけなのだ。
ただ、冒険者ギルドの副ギルドマスターが同行していた事で、騒動にはなっていない。
「何よりも無事な到着、この度はご苦労様でした」
馬車を、タイニスの館の駐馬車場に収めて依頼完了となる。
タイニスから完了のサインをもらい、これを冒険者ギルドに提出すればほぼ、セトとイジのC級及びテオドールのS級、アンナリーナのA級が確定する。
「リーナ殿には、また近々お会いしたいですな」
オクタビオが真摯な目で見つめていたが、あっさりとかわされてしまう。
「申し訳ありません。
実は明日から学院で授業を受けなければならないのです。
今回の10日分、取り返さなければなりませんので」
アンナリーナが魔法学院の生徒であるのは知られている。
「さようですか。
では、お時間の取れるときには是非」
何が何でも繋がりを持ちたいオクタビオは、少々暴走気味だ。
「次はネロたちの昇級試験のときにお願い致します。
それと……」
「それと?」
「私の持つ薬なら、いつでも取り引き了承致しますよ」
「忝ない」
ようやく学院の寮に戻ってきたアンナリーナは、居間のソファーに身を躍らせた。
「あ~ 疲れた~
一日のほとんどを馬車で座ったきりって、身体が固まっちゃうね」
「今宵はゆっくりと湯浴みなさって、身体をほぐしましょう」
アラーニェがハーブ茶を淹れて差し出してくる。
「ありがとう。
アラーニェも疲れてるだろうに、ごめんね」
「私はヒトではありませんから。
此度の旅は楽しゅうございました」
「そうね、学院が長期休暇に入ったら皆で旅するのも良いわね。
ダンジョン攻略も面白そう」
「よろしゅうございますね。
イジも喜びましょう」
「それまでに、もう少し手勢を増やしたいわね」
アンナリーナはニヤリと笑った。
やっと落ち着いてガムリとの話し合いが持てるようになり、アンナリーナはツリーハウスへと向かった。
「目の具合はどう?」
アンナリーナはガムリに、今自分は王都に戻ってきて、普段生活している寮にいることを話して聞かせた。
「そろそろ決意を聞かせて欲しいのだけど?」
今日は起き上がって椅子に座るガムリにアンナリーナは視線を合わせて言う。
「俺は……何もかも失った。
物品だけではなく、人間関係もすべてだ。
もしあなたが、リーナさんが受け入れてくれるなら、もう一度ひとを信じてみたい……そして、俺の出来ることで報いたいと思う」
「そう、よく決心してくれたわね。
ありがとう。あなたの信頼に応えることを誓います」
そしてアンナリーナは一枚の羊皮紙を取り出した。
「先日話していた従属の宣誓魔法です。これを発動させるとガムリは私の従属となります」
アンナリーナは方法を丁寧に説明し、まず指先を切って血を搾り、それをインク替わりにサインを求める。
最後にアンナリーナが詠唱すると、羊皮紙は燃え上がり、ガムリの額にセトたちと同じような印が浮かび上がった。
「これからよろしく」
アンナリーナはついに鍛治士を手に入れた。
そして、入都しようとしたのだが、今は少々問題があって止められているところだ。
その理由は、昨日の盗賊団の急襲に遡る。
実はアンナリーナ、最初の燃やしてしまった囮の馬車グループを除き、盗賊団すべての遺骸を持って帰って来ていた。
ただ、さすがにインベントリに収納するのには難色を示し、アラーニェの糸でグルグル巻きにして、引き摺って持って帰ってきた。
ちなみにただ一人生かしておいた頭も同じようにして連れ帰ってきた。
その様子があまりにも異様だったので、今一行は足止めを食らっている。
そういうわけなのだ。
ただ、冒険者ギルドの副ギルドマスターが同行していた事で、騒動にはなっていない。
「何よりも無事な到着、この度はご苦労様でした」
馬車を、タイニスの館の駐馬車場に収めて依頼完了となる。
タイニスから完了のサインをもらい、これを冒険者ギルドに提出すればほぼ、セトとイジのC級及びテオドールのS級、アンナリーナのA級が確定する。
「リーナ殿には、また近々お会いしたいですな」
オクタビオが真摯な目で見つめていたが、あっさりとかわされてしまう。
「申し訳ありません。
実は明日から学院で授業を受けなければならないのです。
今回の10日分、取り返さなければなりませんので」
アンナリーナが魔法学院の生徒であるのは知られている。
「さようですか。
では、お時間の取れるときには是非」
何が何でも繋がりを持ちたいオクタビオは、少々暴走気味だ。
「次はネロたちの昇級試験のときにお願い致します。
それと……」
「それと?」
「私の持つ薬なら、いつでも取り引き了承致しますよ」
「忝ない」
ようやく学院の寮に戻ってきたアンナリーナは、居間のソファーに身を躍らせた。
「あ~ 疲れた~
一日のほとんどを馬車で座ったきりって、身体が固まっちゃうね」
「今宵はゆっくりと湯浴みなさって、身体をほぐしましょう」
アラーニェがハーブ茶を淹れて差し出してくる。
「ありがとう。
アラーニェも疲れてるだろうに、ごめんね」
「私はヒトではありませんから。
此度の旅は楽しゅうございました」
「そうね、学院が長期休暇に入ったら皆で旅するのも良いわね。
ダンジョン攻略も面白そう」
「よろしゅうございますね。
イジも喜びましょう」
「それまでに、もう少し手勢を増やしたいわね」
アンナリーナはニヤリと笑った。
やっと落ち着いてガムリとの話し合いが持てるようになり、アンナリーナはツリーハウスへと向かった。
「目の具合はどう?」
アンナリーナはガムリに、今自分は王都に戻ってきて、普段生活している寮にいることを話して聞かせた。
「そろそろ決意を聞かせて欲しいのだけど?」
今日は起き上がって椅子に座るガムリにアンナリーナは視線を合わせて言う。
「俺は……何もかも失った。
物品だけではなく、人間関係もすべてだ。
もしあなたが、リーナさんが受け入れてくれるなら、もう一度ひとを信じてみたい……そして、俺の出来ることで報いたいと思う」
「そう、よく決心してくれたわね。
ありがとう。あなたの信頼に応えることを誓います」
そしてアンナリーナは一枚の羊皮紙を取り出した。
「先日話していた従属の宣誓魔法です。これを発動させるとガムリは私の従属となります」
アンナリーナは方法を丁寧に説明し、まず指先を切って血を搾り、それをインク替わりにサインを求める。
最後にアンナリーナが詠唱すると、羊皮紙は燃え上がり、ガムリの額にセトたちと同じような印が浮かび上がった。
「これからよろしく」
アンナリーナはついに鍛治士を手に入れた。
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