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第一章

旅立つ日まで 4月14日

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前日の雨はすっかり上がり、気持ちの良い朝を迎えていたアンナリーナは今、弁当を用意していた。
 それはさほど手を掛けたものではない。
 パンにハムと庭で採れた葉野菜を挟んだだけの簡単なサンドイッチ、それとりんごだ。

「一昨日は色々失敗だったから、今日はお弁当持ちでいくよ。
 現地調達で果実を探すのもいいけど、今日は効率よくいきたいからね」

 アンナリーナが一体何に気を取られているのかと言うと。


 庵の扉を開け、外に出る。
 階段を駆け下りて【探索】【鑑定】と言う。続けて【防御】【隠形】【飛行】そう言って地を蹴った。

 雨上がりの森はいつもと違う趣きがある。
 ふわふわと浮遊するように飛ぶアンナリーナはすぐに眼を輝かせた。

「やった! 思った通りね」




 今日のアンナリーナは朝から上機嫌だった。

「ギフト【風魔法】」

「ステータスオープン」



 アンナリーナ 14才
 職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
 
 体力値 25
 魔力値 8091/8192(ステータス鑑定に1使用、風魔法取得に100使用)

 ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
  [一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
 調薬
 鑑定(看破)
 魔力倍増・継続(12日間継続)
 錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
 探索(探求、探究)
 水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
 生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
 隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
 防御
 飛行(空中浮遊、空中停止)
 加温(沸騰)
 治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)


「前回、水魔法をとったときより随分魔力値を食ったけど、なんかすごいことになってる……トルネードとかサファケイトとか、なに?」

 頭の中でヴゥンと音がして見慣れた半透明のパネルが現れた。
 そこには

【トルネード】回転する渦の中で無数の風の刃に切り裂かれる。
【サファケイト】対象の周りの酸素を消滅させ窒息死させる。ただし、呼吸しないものには無効果。

「なにこれ~ めっちゃ、凶悪!」

 アンナリーナがその高い魔力値に任せてこの上位魔法を使ったとき、それは天災をも凌駕するだろう。
 本人はまったくそんな気は無いのだが。



 森の木々の下。
 昨日まで何もなかった場所にキノコが群生している。
 アンナリーナは慎重に地面に降りてキノコ取りの準備を整える。
 キノコ取りと言えば、普通は秋なのだが、意外と知られていないが実は冬以外のそれぞれの季節に旬のキノコがある。
 今は夏。
 アンナリーナの暮らすこの地域は冬がそれなりに寒い以外、後の季節はそれほど差がない。
 だが気温と湿度が上がるこの夏の時期、実はこの森は毒キノコの宝庫となる。
 これは薬師の作る薬や錬金術で作る薬の重要な素材となるのだ。

 内側を特殊な素材でコーティングされた、採取用の手袋をはめる。
 昨夜、これを見越して縫った袋を取り出ししゃがんだ。

「ほっほー。
 雨のあとはこういう事があるから楽しいんだよね」

 石づきの根元を持って丁寧に採取する。今、この場にあるキノコはまだ傘の開ききっていないものばかりだ。

「これは明日、もう一度来て胞子も採集したいな……もちろんマスクも用意して」

 このあとアンナリーナは毒キノコばかり数種類を機嫌よく採集して帰っていった。


 4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
 同日夜 (推定)魔力値 2
 4/2 (推定)魔力値 4
 4/3 鑑定取得
 4/4 魔力値 8
 4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
 4/6 ② 魔力値32 探索取得
 4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
 4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
 4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
 4/10 ① 魔力値512 防御取得
 4/11 ② 魔力値1024 飛行取得
 4/12 ③ 魔力値2048 加温取得
 4/13 ④ 魔力値4096 治癒取得
 4/14 ⑤ 魔力値8192 風魔法取得
 
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