14 / 577
第一章
旅立つ日まで 4月14日
しおりを挟む
前日の雨はすっかり上がり、気持ちの良い朝を迎えていたアンナリーナは今、弁当を用意していた。
それはさほど手を掛けたものではない。
パンにハムと庭で採れた葉野菜を挟んだだけの簡単なサンドイッチ、それとりんごだ。
「一昨日は色々失敗だったから、今日はお弁当持ちでいくよ。
現地調達で果実を探すのもいいけど、今日は効率よくいきたいからね」
アンナリーナが一体何に気を取られているのかと言うと。
庵の扉を開け、外に出る。
階段を駆け下りて【探索】【鑑定】と言う。続けて【防御】【隠形】【飛行】そう言って地を蹴った。
雨上がりの森はいつもと違う趣きがある。
ふわふわと浮遊するように飛ぶアンナリーナはすぐに眼を輝かせた。
「やった! 思った通りね」
今日のアンナリーナは朝から上機嫌だった。
「ギフト【風魔法】」
「ステータスオープン」
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 25
魔力値 8091/8192(ステータス鑑定に1使用、風魔法取得に100使用)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定(看破)
魔力倍増・継続(12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
防御
飛行(空中浮遊、空中停止)
加温(沸騰)
治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
「前回、水魔法をとったときより随分魔力値を食ったけど、なんかすごいことになってる……トルネードとかサファケイトとか、なに?」
頭の中でヴゥンと音がして見慣れた半透明のパネルが現れた。
そこには
【トルネード】回転する渦の中で無数の風の刃に切り裂かれる。
【サファケイト】対象の周りの酸素を消滅させ窒息死させる。ただし、呼吸しないものには無効果。
「なにこれ~ めっちゃ、凶悪!」
アンナリーナがその高い魔力値に任せてこの上位魔法を使ったとき、それは天災をも凌駕するだろう。
本人はまったくそんな気は無いのだが。
森の木々の下。
昨日まで何もなかった場所にキノコが群生している。
アンナリーナは慎重に地面に降りてキノコ取りの準備を整える。
キノコ取りと言えば、普通は秋なのだが、意外と知られていないが実は冬以外のそれぞれの季節に旬のキノコがある。
今は夏。
アンナリーナの暮らすこの地域は冬がそれなりに寒い以外、後の季節はそれほど差がない。
だが気温と湿度が上がるこの夏の時期、実はこの森は毒キノコの宝庫となる。
これは薬師の作る薬や錬金術で作る薬の重要な素材となるのだ。
内側を特殊な素材でコーティングされた、採取用の手袋をはめる。
昨夜、これを見越して縫った袋を取り出ししゃがんだ。
「ほっほー。
雨のあとはこういう事があるから楽しいんだよね」
石づきの根元を持って丁寧に採取する。今、この場にあるキノコはまだ傘の開ききっていないものばかりだ。
「これは明日、もう一度来て胞子も採集したいな……もちろんマスクも用意して」
このあとアンナリーナは毒キノコばかり数種類を機嫌よく採集して帰っていった。
4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
同日夜 (推定)魔力値 2
4/2 (推定)魔力値 4
4/3 鑑定取得
4/4 魔力値 8
4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
4/6 ② 魔力値32 探索取得
4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
4/10 ① 魔力値512 防御取得
4/11 ② 魔力値1024 飛行取得
4/12 ③ 魔力値2048 加温取得
4/13 ④ 魔力値4096 治癒取得
4/14 ⑤ 魔力値8192 風魔法取得
それはさほど手を掛けたものではない。
パンにハムと庭で採れた葉野菜を挟んだだけの簡単なサンドイッチ、それとりんごだ。
「一昨日は色々失敗だったから、今日はお弁当持ちでいくよ。
現地調達で果実を探すのもいいけど、今日は効率よくいきたいからね」
アンナリーナが一体何に気を取られているのかと言うと。
庵の扉を開け、外に出る。
階段を駆け下りて【探索】【鑑定】と言う。続けて【防御】【隠形】【飛行】そう言って地を蹴った。
雨上がりの森はいつもと違う趣きがある。
ふわふわと浮遊するように飛ぶアンナリーナはすぐに眼を輝かせた。
「やった! 思った通りね」
今日のアンナリーナは朝から上機嫌だった。
「ギフト【風魔法】」
「ステータスオープン」
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 25
魔力値 8091/8192(ステータス鑑定に1使用、風魔法取得に100使用)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定(看破)
魔力倍増・継続(12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
防御
飛行(空中浮遊、空中停止)
加温(沸騰)
治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
「前回、水魔法をとったときより随分魔力値を食ったけど、なんかすごいことになってる……トルネードとかサファケイトとか、なに?」
頭の中でヴゥンと音がして見慣れた半透明のパネルが現れた。
そこには
【トルネード】回転する渦の中で無数の風の刃に切り裂かれる。
【サファケイト】対象の周りの酸素を消滅させ窒息死させる。ただし、呼吸しないものには無効果。
「なにこれ~ めっちゃ、凶悪!」
アンナリーナがその高い魔力値に任せてこの上位魔法を使ったとき、それは天災をも凌駕するだろう。
本人はまったくそんな気は無いのだが。
森の木々の下。
昨日まで何もなかった場所にキノコが群生している。
アンナリーナは慎重に地面に降りてキノコ取りの準備を整える。
キノコ取りと言えば、普通は秋なのだが、意外と知られていないが実は冬以外のそれぞれの季節に旬のキノコがある。
今は夏。
アンナリーナの暮らすこの地域は冬がそれなりに寒い以外、後の季節はそれほど差がない。
だが気温と湿度が上がるこの夏の時期、実はこの森は毒キノコの宝庫となる。
これは薬師の作る薬や錬金術で作る薬の重要な素材となるのだ。
内側を特殊な素材でコーティングされた、採取用の手袋をはめる。
昨夜、これを見越して縫った袋を取り出ししゃがんだ。
「ほっほー。
雨のあとはこういう事があるから楽しいんだよね」
石づきの根元を持って丁寧に採取する。今、この場にあるキノコはまだ傘の開ききっていないものばかりだ。
「これは明日、もう一度来て胞子も採集したいな……もちろんマスクも用意して」
このあとアンナリーナは毒キノコばかり数種類を機嫌よく採集して帰っていった。
4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
同日夜 (推定)魔力値 2
4/2 (推定)魔力値 4
4/3 鑑定取得
4/4 魔力値 8
4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
4/6 ② 魔力値32 探索取得
4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
4/10 ① 魔力値512 防御取得
4/11 ② 魔力値1024 飛行取得
4/12 ③ 魔力値2048 加温取得
4/13 ④ 魔力値4096 治癒取得
4/14 ⑤ 魔力値8192 風魔法取得
2
お気に入りに追加
608
あなたにおすすめの小説
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる