11 / 577
第一章
旅立つ日まで 4月11日
しおりを挟む
いつもより早い、日の出すぐに目覚めたアンナリーナはベッドから出ずにまんじりとしていた。
今日取得するつもりなのは移動を楽にするギフトだ。
「ギフト【飛行】」
「そして、ステータスオープン」
現れたパネルに目を見張る。
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 25
魔力値 23/1024(ステータス鑑定に1使用、飛行取得に1000使用)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定(看破)
魔力倍増・継続(12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
防御
飛行(空中浮遊、空中停止)
「うわ~ 飛行取得で1000も持っていかれた!?
残りがこんなじゃ練習もできないわね。しょうがないから今日は回復薬でも作ろうかな」
回復薬を作るのには基本、魔力を必要としない。だからこそギフトを授かる前のアンナリーナでも作成できたわけだが、今回は少しアレンジを加えるつもりだ。
まず彼女は、毎日余った魔力で作って貯めていた純水を取り出した。
それはワインボトルと同じくらいの瓶で、実はかなりの数が出来上がっている。
あとは乾燥させたオメガ草、回復薬の材料はこれだけだ。
だが必要量がポーションと違って5本分35gと少し多い。
そして製作の手順は融和剤を除いたポーションと同じ。
ただただていねいにすり潰し、沸騰させないように一煮立ちさせて、あとは漉すだけ。
残ったカスは、今度は馬油と練って最下位の傷薬になる。
「【鑑定】」
体力(HP)回復薬(初級)
回復量 125HP+5%
「これも回復値が上がってるね。
普通の体力回復薬(初級)は100くらいだもの……付加値もついてるし」
一番初歩的なこの回復薬は駆け出しの冒険者には必需品だ。
この一年以上、数多く調薬してきたため、その手に迷いはない。
「よし、このレシピに固定して、ある程度の数、作っていこう。
森から出たら、まずギルドに行って登録してからこれを売ろう。
あと、中級とポーションCをある程度用意しておけばしばらくはやっていけるよね」
そしてアンナリーナは再び乳鉢を手に取った。
ここで、なぜアンナリーナが一度に5本ずつしか作らないのか説明しよう。
実は手作業で調薬する場合、アンナリーナにはこの量が限度なのだ。
これ以上増やすと、乳鉢で細粉化するときにムラが出てしまう。
そして薬草を一度粉にしてしまった場合、その時点から劣化が始まっていく。それゆえこの工程では作り置きは効かず、その度に擦らなければならない。
大量に製作する場合スキルを使って作る事が出来るが、当然効能が落ちてしまう。
アンナリーナはなるべく手作業で作ることに決めていた。
「ほかの薬も作っておいた方がいいかな……熱冷ましと痛み止め、風邪薬もいるよね。
あ、馬車にも乗るだろうから酔い止め!
魔物避けのお香もいるなぁ」
このあたりは魔力を使った錬金薬ではなく純然たる薬師の仕事だ。
アンナリーナの気持ちばかりが急く、忙しい日が続いていく。
4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
同日夜 (推定)魔力値 2
4/2 (推定)魔力値 4
4/3 鑑定取得
4/4 魔力値 8
4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
4/6 ② 魔力値32 探索取得
4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
4/10 ① 魔力値512 防御取得
4/11 ② 魔力値1024 飛行取得
今日取得するつもりなのは移動を楽にするギフトだ。
「ギフト【飛行】」
「そして、ステータスオープン」
現れたパネルに目を見張る。
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 25
魔力値 23/1024(ステータス鑑定に1使用、飛行取得に1000使用)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定(看破)
魔力倍増・継続(12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
防御
飛行(空中浮遊、空中停止)
「うわ~ 飛行取得で1000も持っていかれた!?
残りがこんなじゃ練習もできないわね。しょうがないから今日は回復薬でも作ろうかな」
回復薬を作るのには基本、魔力を必要としない。だからこそギフトを授かる前のアンナリーナでも作成できたわけだが、今回は少しアレンジを加えるつもりだ。
まず彼女は、毎日余った魔力で作って貯めていた純水を取り出した。
それはワインボトルと同じくらいの瓶で、実はかなりの数が出来上がっている。
あとは乾燥させたオメガ草、回復薬の材料はこれだけだ。
だが必要量がポーションと違って5本分35gと少し多い。
そして製作の手順は融和剤を除いたポーションと同じ。
ただただていねいにすり潰し、沸騰させないように一煮立ちさせて、あとは漉すだけ。
残ったカスは、今度は馬油と練って最下位の傷薬になる。
「【鑑定】」
体力(HP)回復薬(初級)
回復量 125HP+5%
「これも回復値が上がってるね。
普通の体力回復薬(初級)は100くらいだもの……付加値もついてるし」
一番初歩的なこの回復薬は駆け出しの冒険者には必需品だ。
この一年以上、数多く調薬してきたため、その手に迷いはない。
「よし、このレシピに固定して、ある程度の数、作っていこう。
森から出たら、まずギルドに行って登録してからこれを売ろう。
あと、中級とポーションCをある程度用意しておけばしばらくはやっていけるよね」
そしてアンナリーナは再び乳鉢を手に取った。
ここで、なぜアンナリーナが一度に5本ずつしか作らないのか説明しよう。
実は手作業で調薬する場合、アンナリーナにはこの量が限度なのだ。
これ以上増やすと、乳鉢で細粉化するときにムラが出てしまう。
そして薬草を一度粉にしてしまった場合、その時点から劣化が始まっていく。それゆえこの工程では作り置きは効かず、その度に擦らなければならない。
大量に製作する場合スキルを使って作る事が出来るが、当然効能が落ちてしまう。
アンナリーナはなるべく手作業で作ることに決めていた。
「ほかの薬も作っておいた方がいいかな……熱冷ましと痛み止め、風邪薬もいるよね。
あ、馬車にも乗るだろうから酔い止め!
魔物避けのお香もいるなぁ」
このあたりは魔力を使った錬金薬ではなく純然たる薬師の仕事だ。
アンナリーナの気持ちばかりが急く、忙しい日が続いていく。
4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
同日夜 (推定)魔力値 2
4/2 (推定)魔力値 4
4/3 鑑定取得
4/4 魔力値 8
4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
4/6 ② 魔力値32 探索取得
4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
4/10 ① 魔力値512 防御取得
4/11 ② 魔力値1024 飛行取得
2
お気に入りに追加
608
あなたにおすすめの小説
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる