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第2章 地球活動編
第152話 二王との会談(2) 二節 聖者襲撃編
しおりを挟む壁、天井も赤、床に敷き詰められている絨毯も赤、テーブルさえも赤。全てが赤一色の部屋に招かれる僕ら。
勧められた席につくが、ホストのはずのカーミュラさんは顎を胸につけるだけで一言も口を開かない。その真っ白な顔はすっかり血の気が引き、生者とはとてもいえない様相となっている。
(またか……)
仮にもカーミュラさん達吸血種は僕ら人間の血液を食料としている。しかも彼女達はその王族。本来なら僕らに対し高圧的な態度をとってしかるべきだ。
僕らのギルドに主従関係はない。彼女達がこの僕らのギルドの大原則を受け入れるか。それが彼らをギルドに迎え入れる唯一ともいえる障害であったはずなのだ。
それがカーミュラさんは僕に対し低姿勢を通り越して怯えている。それはカーミュラさん達の側近と思しきメイド服の女性達、紳士服の男性達も右に同じ。妙に楽しそうなのはウピルさんくらいだ。
ウピルさんは『我らは貴方にお願いする身』と言っていた。ならば僕らの提案は伝わっているはずだし、その返答は肯定とみてよい。
しかし、カーミュラさんの様子からはお世辞にいっても、その意思決定が冷静な状態で為されたとはいいがたい。そしてその解に行きつくのも非常に容易。十中八九、僕の右隣に座る奴が原因だ。
その元凶を横目で見るが、カーミュラさん側から振る舞われた真っ赤なお茶のような物を啜っていた。
どうやらこの極悪スキル、様子見を決め込む気らしい。
「お話は既に御伝えしていることと存じますが、改めて問います。
死国と鮮血姫の都市は僕ら《妖精の森》に加入する気はおありでしょうか?」
誰がなんと言おうと加入の意思がない者のギルド加入を僕は認めない。無論、彼女達の《血渇》は消失し得ないが、それも彼女達が選んだ道だ。最悪、《血魔鶏》の繁殖方法にでも技術協力すればよい。思金神ならそれも可能だろうし。
ウピルさんについてはその無邪気な子供のような笑みを見れば答えは聞かずともわかる。問題はやはり、カーミュラさん。
「妾は……」
紅のスカートを握り締めて呻き声に近い声を上げるカーミュラさん。この極悪スキル、どんだけ、彼女を脅したんだ?
瞳に溢れんばかりの非難を籠めて極悪スキルを見るが、口角を吊り上げさらに邪悪に顔を歪めている。どうやら奴のレールの上を目下驀進中らしい。
「カーミュラ様、私達のギルド《妖精の森》は素晴らしい組織です。何より――」
ルイズさんがたまりかねたように席を立ち上がり、清十狼さんがそれを制する。
「ルイズちゃん、それ以上はルール違反だ」
僕らの情報の最重要事項はギルドメンバー以外決して明かさない。それが僕らの数少ない不文律。
「す、すいません」
椅子に座るルイズさん。その意気消沈気味に項垂れているルイズさんの頭をブラドさんがそっと撫でていた。ほんと傍から見ていると彼女達、仲の良い姉妹にしかみえない。歳も近そうだし、ブラドさんも同じ立場の同世代の吸血種の友達は少なそうだったからいい傾向だろうな。
「マスター、私から提案があります」
思金神が立ち上がり、右胸に掌を当てる。此奴がこのような仰々しい態度をとるときは大抵碌なもんじゃない。
僕のこの感覚はこの場の全員の共通認識であるのか、イジドアさん以外、皆顔を曇らせていた。
「何? 常識の範囲内でお願いね」
「勿論でございます」
相変わらず僕の皮肉は当然にスルーされ、思金神は得々と説明を開始する。
「カーミュラ殿は我らがギルドのことをご存知ない。ならば、いっその事、一週間ほどばかり、ホームステイしていただいた上で、お決めいただけば?」
嫌な予感がする。絶対この先を聞くとまずいことになる。このまま行くと僕の勘だが悪夢のような事態を突っ走るのは間違いない事実だ。
「いや、それは――」
否定しようとした僕の言葉にルイズさんが飛びつく。
「思金神様、それは良案ですわ」
目を輝かせて再度立ち上がるルイズさん。ブラドさんは流石に僕の危惧するところが読めたのか、僕の発言を待っている。
「思金神の旦那、それでは俺達のギルドの秘密を知られることにはならねぇか?」
「無論、彼女が生活するのはマスターの屋敷内だけです。彼女の不安はマスターが国民を委ねるに値する存在かを読み切れないが故。ならば一週間、生活すれば自ずと理解は容易いでしょう」
「そうか、確かにな」
妙な納得をする清十狼さん。イジドアさんとゲオルクさんも異論はない様子だ。
「し、しかし、それでは……」
ブラドさんからの救いの言葉に期待の目を向けるが、言葉は最後まで続かず、ごにょごにょと呟くと黙ってしまう。
「異論はないようですし、そうそう、カーミュラ殿も吸血種の話し相手も必要でしょう。ブラド、貴方もこの一週間、マスターの屋敷に寝泊まりなさい」
「え、あ、はい」
なぜか、真っ赤になって俯いてしまうブラドさん。
「ブラドお姉さまも一緒なら、私も構いませんか?」
「ええ、構いませんよ。ドルパも連れて来なさい」
頬を赤らめるルイズさんにゲオルクさんがニヤニヤしていた。
(せめて僕の了解くらいとれよ。まあ、この面子で拒否権などないんだけどさ……ドルパさんがいるのがせめてもの救いか……)
「ひぇ~、すげぇ面子だな、おい!」
清十狼さんの驚嘆声。
(はい、はい、そうでしょうよ。全くもってその通りです!)
この先一週間の悪夢のような出来事の数々が脳裏に浮かび、後がない死にかけの蝉のような弱々しいため息を吐くと、思金神は奥の扉に視線を向け、命いっぱい口角を吊り上げる。
「そういうことでどうですかな? 火姫帝殿」
(火姫帝? おい、おい、まさか――)
「ほう、気付いておったか」
右隣の部屋から扉を開けて、オレンジ色の髪をお団子型にしたチャイナドレスを着た美しい女が、部屋に入って来る。
陽炎のように全身から滲み出るオレンジ色の魔力に、心臓を鷲掴みされたかのようなとびっきりの威圧感。
バネ仕掛けの様に、ゲオルクさんとイジドアさんが僕を庇うように移動する。ブラドさんと清十狼さんも一足遅れて席から立ち上がる。
ルイズさんは『え? え?』とキョトンとした顔で僕らの様子を眺めている。
「案ずるな、余もお主達の主人とやり合おうとは思わぬ。余が呼ばれた理由は交渉の立会人として。それ以上でも以下でもない。
交渉が決裂し、お主達がここで暴れ出さんでもしない限り、余は一切の手だしをするつもりはない」
チャイナドレスの女性はカーミュラさんの隣の席にドカッと腰を下ろす。対してカーミュラさんは悪戯が見つかった子供のように身体を竦ませていた。
彼女の様子から察するに僕が気でも悪くしたとでも思っているのだろうが、仮にもここまで怯える相手に会うのだ。ボディガードくらい用意しているのが通常だし、王なら寧ろそうあるべきだろう。
「僕は大丈夫。ありがとう」
僕の言葉にゲオルクさんとイジドアさんは軽く一礼すると席へ戻る。清十狼さんも、ブラドさんも、それに倣い席に着く。
世界序列第十一位――火姫帝。中国政府の擁する最強の剣.
思金神の奴がここにいる理由がわかった。同じ13覇王と戦闘になれば、僕か思金神でなければ対処できない。何より体裁をこの上なく重んじる思金神にとって、この僕と火姫帝との会合は王同士の会談。そこに、思金神が直に控えるのは、奴にとって当然の事なのだろう。
「話は聞いた。ジョ、いや、失礼、《妖精の森》の組織の長と一週間の同居ののち、カーミュラが組織の加入の決定を下す。
カーミュラ、お主には後ろ盾が必要だ。余は実に良い案だと思うぞ」
「それでは――」
ルイズさんの歓喜の籠った声に、火姫帝は右手でその言葉を制する。
「ただし、カーミュラは余にとって大切な友人でもある。条件をつけさせてもらう」
「条件?」
「そうだ。一週間の間、カーミュラに対する一切の洗脳的行為の禁止。一週間後の意思決定は余の前で為すこと」
火姫帝の提案は交渉人の立会人として当然の提案であるし、洗脳までして彼女を欲しくはない。
「当然の提案でしょうね。その旨、誓約をいたします。それでよろしいですね?」
「うむ。今度の新入りは素直でよろしい」
満足そうに頷くと、火姫帝は思金神に視線を向ける。どうやら、折り合いはついているようだ。
思金神は懐から円柱状の筒を取り出すと、中から一枚の紙を取り出し、僕と火姫帝に示す。
――――――――――――――
『鮮血姫の都市の《妖精の森》への帰属について』
□一週間、カーミュラ・ピーニャは楠恭弥の屋敷で暮らし、鮮血姫の都市の《妖精の森》への帰属を判断する。
□条件:
〇1:カーミュラ・ピーニャは屋敷に住む一週間の間、一切の洗脳的行為を受ける事はない。
〇2:カーミュラ・ピーニャは屋敷に住む一週間の間、故意又は過失により《妖精の森》の組織から危害を加えられることはない。
〇3:カーミュラ・ピーニャは屋敷内にいる者達に対し故意又は過失で危害を加えてはならない。
〇4:一週間後、《妖精の森》に加入するか否かの判断は、カーミュラ・ピーニャの意思に委ねられる。
〇5:条件4につき、火姫帝がその証明者となる。
〇6:《妖精の森》はカーミュラの選択を以後、尊重する。
〇7:カーミュラ・ピーニャが《妖精の森》への加入を拒んだ場合、屋敷内で見た事の一切を他言することを禁じる。
〇8:カーミュラ・ピーニャは屋敷内で故人楠利徳の知り合いである米国在住の十四歳の人間の少女として行動し、鮮血姫の都市と《妖精の森》についてのいかなる事項も口にしてはならない。
――――――――――――――
思金神が作った誓約書だ。僕らに不利になることは一切あるまい。問題は火姫帝だろう。
「余もこれで構わない」
そんな僕の危惧に反し、彼女は文章を一読すると躊躇いもなく朱肉に親指をつけて誓約書に押してしまう。カーミュラさんも震える手で拇印を押し、最後に僕も押すと体の芯が熱くなる。
この誓約書と朱肉は魔術的付与がされた儀式用のもの。これで仮に反故すれば呪いがかかる。これで契約は完了だ。
(あとは――)
「ウピルさんは?」
面白そうに僕らのやり取りを眺めていたウピルさんは席を立ちあがると、右手を胸にあてて頭を下げる。
「私達、死国は《妖精の森》への加入を希望いたします」
完璧に出鼻を挫かれた。カーミュラさんと仲の良い、ウピルさんなら多少なりともこの一週間の魔境でのクッション役になるはずなのだが。
「いいんですか? なんなら、ウピルさんも一週間――」
僕の言葉に一筋の希望を見出したのか、ウピルさんに期待のたっぷり籠った目を向けるカーミュラさん。
「そうなの、ウピルも――」
「いえ、私の意思は既に決まっております」
カーミュラさんの言葉にかぶせるように口を開くウピルさん。ニンマリした半端な笑顔からも、どう考えても楽しんでいる。
さらに言葉を続けるウピルさん。
「そこの阿呆たれ二柱と私はちょっとした旧知の仲でしてな。そ奴等、性格はねじ曲がっていますが、人を見る目だけは確かだ。ならば拒む理由など何処にもありますまい」
『お前がいうな』と額に太い青筋を張らせるゲオルクさんに、カラカラと水戸の黄〇様のように笑うイジドアさん。
予想通り、イジドアさんとゲオルクさんの知り合いらしい。
(くそっ!)
ここでウピルさんという緩衝材がなくなるのは痛い。痛すぎる。是非彼にはこの一週間ほどの生贄という名の祭りに参加してもらいたい。
「いや、いや、そうとは限りませんよ。口にできない理由から、イジドアさん達も僕に渋々従っているだけかもしれませんし」
僕の必死さが滲みでる言葉に、カーミュラさんが顔を引き攣らせて、隣の火姫帝さんの服の袖を摘まむ。
「マスター……」
心底呆れたような声色で呟く清十狼さんに、肩を竦めて首を大袈裟に振るブラドさん。遂に堪えきれなくなったのか、火姫帝も腹を抱えて笑い始めた。
屋敷が賑やかになって喜ぶお子様は一人。しかも彼女にとっては同級生にしか見えない少女が追加されるのだ。有頂天になって喜ぶだろう。そして沙耶、アリス同盟には蛍も加わる。その勢力は半端じゃないものになるだろう。
(ますます、肩身が狭くなるよね……)
お祭り騒ぎのお子様の我侭に引っ掻き回される一週間の悪夢を想像し、僕は心の底からため息を吐いた。
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