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名門中の名門エドモン公爵邸に着いた私は執事に客間を使用したいと話すと
「申し訳ございません坊っちゃま。本日はどの客間もいっぱいでして……」
「セバスチャン。その『坊っちゃま』呼びは止めろ」
大体にして、もう既に成人している大人なバンパイアに対して『坊っちゃま』とはなんだ。
それに、我がエドモン公爵家には10の客間がある。
勿論正式に客間として使う一方で客人と交わる為にも用いられる。
それが全て使えないとはどういう事か?
「本日は愛人方もお使いになられており、誠に申し訳ないのですが」
「父上と母上の愛人達か?」
「はい。旦那様とその愛人方3名と奥様とその愛人方3名と兄君様達が現在お使いになられております」
「は?」
「そろそろバンパイア族の蜜月が始まりますので、そのお相手探しの為でございます」
「もうそんな時期か?」
「はい」
バンパイアの蜜月は3日後の新月から始まる。
20年に一度訪れるバンパイア族が最も孕ませやすい時期があり、3ヶ月に及ぶその蜜月は誰の邪魔だても出来ない事になっていた。
「分かった。では、」
そう言いエラを見るとエラの顔が青くなっていた。
「どうした?エラ?」
泣きそうな顔のエラを見れば何故かムラムラとなる。
「キリト先輩、今日私を抱いては貰えないのですか?」
心配そうにそう囁くエラ。
「仕方ないだろう?今日は客間が全て使えないのなら」
基本的に伴侶や愛人以外と寝室では致さない。
寝室で犯る事即ち伴侶か愛人にするという意味だ。
「私……今日を逃せば兄達にこの身を捧げなくてはいけなくて……やっぱり、初めてだけは好みの方としたくて……」
淫魔族に限った事ではないが、魔族の処女は案外身内に処理される事が多い。
何せ破瓜の痛みを他の魔族に見せない為とも言われている。
其ほどに魔族のプライドは高いのだ。
「やはり、私にはご縁がなかったんです。こんな私だから……」
エラはそう言うと私を見上げて
「身の程をわきまえない願いでした。お手を煩わせてしまい申し訳ございません。それでは、私はここで……」
そう言いながら立ち去ろうとする彼女の手首を咄嗟に握っていた。
「誰が帰すって言ったの?」
今言ったけど、もうそんなのは関係ない。
「私の部屋へおいで」
それがどういう意味かなんてこの際どうでも良かった。
折角の処女を他の男に取られてなるものか、それに尽きた。
「申し訳ございません坊っちゃま。本日はどの客間もいっぱいでして……」
「セバスチャン。その『坊っちゃま』呼びは止めろ」
大体にして、もう既に成人している大人なバンパイアに対して『坊っちゃま』とはなんだ。
それに、我がエドモン公爵家には10の客間がある。
勿論正式に客間として使う一方で客人と交わる為にも用いられる。
それが全て使えないとはどういう事か?
「本日は愛人方もお使いになられており、誠に申し訳ないのですが」
「父上と母上の愛人達か?」
「はい。旦那様とその愛人方3名と奥様とその愛人方3名と兄君様達が現在お使いになられております」
「は?」
「そろそろバンパイア族の蜜月が始まりますので、そのお相手探しの為でございます」
「もうそんな時期か?」
「はい」
バンパイアの蜜月は3日後の新月から始まる。
20年に一度訪れるバンパイア族が最も孕ませやすい時期があり、3ヶ月に及ぶその蜜月は誰の邪魔だても出来ない事になっていた。
「分かった。では、」
そう言いエラを見るとエラの顔が青くなっていた。
「どうした?エラ?」
泣きそうな顔のエラを見れば何故かムラムラとなる。
「キリト先輩、今日私を抱いては貰えないのですか?」
心配そうにそう囁くエラ。
「仕方ないだろう?今日は客間が全て使えないのなら」
基本的に伴侶や愛人以外と寝室では致さない。
寝室で犯る事即ち伴侶か愛人にするという意味だ。
「私……今日を逃せば兄達にこの身を捧げなくてはいけなくて……やっぱり、初めてだけは好みの方としたくて……」
淫魔族に限った事ではないが、魔族の処女は案外身内に処理される事が多い。
何せ破瓜の痛みを他の魔族に見せない為とも言われている。
其ほどに魔族のプライドは高いのだ。
「やはり、私にはご縁がなかったんです。こんな私だから……」
エラはそう言うと私を見上げて
「身の程をわきまえない願いでした。お手を煩わせてしまい申し訳ございません。それでは、私はここで……」
そう言いながら立ち去ろうとする彼女の手首を咄嗟に握っていた。
「誰が帰すって言ったの?」
今言ったけど、もうそんなのは関係ない。
「私の部屋へおいで」
それがどういう意味かなんてこの際どうでも良かった。
折角の処女を他の男に取られてなるものか、それに尽きた。
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