きっと私は悪役令嬢

麻生空

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翌日、朝食を食べ終わるとルドルフ様が魔力の様子を見てくれると申し出てくれた。

勿論昨日の洋梨事はないと言うので安心してお願いした。


「先ずは、どの系統か確認しましょう。今有るもので簡単に確認出来るのは4系統です」

目の前のテーブルには水の入ったコップと火の点いた蝋燭が置かれていた。
炎が更に燃え上がれば火の魔法が、炎が消えれば風の魔法が、水が増えれば水の魔法が、水が凍れば氷魔法と言うように、四つの系統魔法が調べられるのだそうな。
その他にも魔法の系統はあるが、それは追々との事。

「相性の良い系統の魔術は消費する魔力も少なく、尚且つ上位の魔術も修得しやすいのです。では初めに自身の流せばの魔力を感じて見て貰っても良いですか」

何時もより丁寧なルドルフ様の説明に従い己の中の魔力を探る。
胸の辺りがぽうっと暖かい感じがする。

「うん。それが魔力だ。凄いねエド。これだけで理解するなんて」
ルドルフ様はベタ誉するけど、本当にそうなのかは疑問である。

「じゃあ、ここに魔力を送って見て」

ルドルフ様はテーブルを指し示す。

私はコップと蝋燭目掛けて魔力を放出した。

ユラユラと揺らめく炎。

コップの中の水がカップの縁まで盛り上がる。

「はい。そこまで」

ルドルフ様の声と共に私は力を抜いた。

「どうやらエドは水魔法に特性があるようだね」

なるほど、確かに水が一番反応した。

「僕はあまり水魔法は得意ではないけど、初歩なら教えられるから今日はこのまま水魔法の初歩をやろうか」

貴重な攻略対象様の時間をこのような私の訓練に使って良いのだろうか?

ゲームと違って彼にもやることがあるのに。

申し訳ない気持ちでいると

「その分今度の休みは会えないから。今日は一緒に特訓しようよエド」 
いや……それも私のせいで殿下から休日返上させられたんだよね。

益々もって申し訳ない。

「あぁ。もう。僕はエドにそんな顔をして欲しくないんだよ。これはエドが悪いからね」
 そう言って何故か抱き締められた。

何故かルドルフ様は最近やたらと私を抱き締めて来るけど、何かのマイブームなのかしら?

結局根負けした私は、簡単な水魔法を教えて貰う事になったのは言うに難い。
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