37 / 97
29
しおりを挟む
翌日、朝食を食べ終わるとルドルフ様が魔力の様子を見てくれると申し出てくれた。
勿論昨日の洋梨事はないと言うので安心してお願いした。
「先ずは、どの系統か確認しましょう。今有るもので簡単に確認出来るのは4系統です」
目の前のテーブルには水の入ったコップと火の点いた蝋燭が置かれていた。
炎が更に燃え上がれば火の魔法が、炎が消えれば風の魔法が、水が増えれば水の魔法が、水が凍れば氷魔法と言うように、四つの系統魔法が調べられるのだそうな。
その他にも魔法の系統はあるが、それは追々との事。
「相性の良い系統の魔術は消費する魔力も少なく、尚且つ上位の魔術も修得しやすいのです。では初めに自身の流せばの魔力を感じて見て貰っても良いですか」
何時もより丁寧なルドルフ様の説明に従い己の中の魔力を探る。
胸の辺りがぽうっと暖かい感じがする。
「うん。それが魔力だ。凄いねエド。これだけで理解するなんて」
ルドルフ様はベタ誉するけど、本当にそうなのかは疑問である。
「じゃあ、ここに魔力を送って見て」
ルドルフ様はテーブルを指し示す。
私はコップと蝋燭目掛けて魔力を放出した。
ユラユラと揺らめく炎。
コップの中の水がカップの縁まで盛り上がる。
「はい。そこまで」
ルドルフ様の声と共に私は力を抜いた。
「どうやらエドは水魔法に特性があるようだね」
なるほど、確かに水が一番反応した。
「僕はあまり水魔法は得意ではないけど、初歩なら教えられるから今日はこのまま水魔法の初歩をやろうか」
貴重な攻略対象様の時間をこのような私の訓練に使って良いのだろうか?
ゲームと違って彼にもやることがあるのに。
申し訳ない気持ちでいると
「その分今度の休みは会えないから。今日は一緒に特訓しようよエド」
いや……それも私のせいで殿下から休日返上させられたんだよね。
益々もって申し訳ない。
「あぁ。もう。僕はエドにそんな顔をして欲しくないんだよ。これはエドが悪いからね」
そう言って何故か抱き締められた。
何故かルドルフ様は最近やたらと私を抱き締めて来るけど、何かのマイブームなのかしら?
結局根負けした私は、簡単な水魔法を教えて貰う事になったのは言うに難い。
勿論昨日の洋梨事はないと言うので安心してお願いした。
「先ずは、どの系統か確認しましょう。今有るもので簡単に確認出来るのは4系統です」
目の前のテーブルには水の入ったコップと火の点いた蝋燭が置かれていた。
炎が更に燃え上がれば火の魔法が、炎が消えれば風の魔法が、水が増えれば水の魔法が、水が凍れば氷魔法と言うように、四つの系統魔法が調べられるのだそうな。
その他にも魔法の系統はあるが、それは追々との事。
「相性の良い系統の魔術は消費する魔力も少なく、尚且つ上位の魔術も修得しやすいのです。では初めに自身の流せばの魔力を感じて見て貰っても良いですか」
何時もより丁寧なルドルフ様の説明に従い己の中の魔力を探る。
胸の辺りがぽうっと暖かい感じがする。
「うん。それが魔力だ。凄いねエド。これだけで理解するなんて」
ルドルフ様はベタ誉するけど、本当にそうなのかは疑問である。
「じゃあ、ここに魔力を送って見て」
ルドルフ様はテーブルを指し示す。
私はコップと蝋燭目掛けて魔力を放出した。
ユラユラと揺らめく炎。
コップの中の水がカップの縁まで盛り上がる。
「はい。そこまで」
ルドルフ様の声と共に私は力を抜いた。
「どうやらエドは水魔法に特性があるようだね」
なるほど、確かに水が一番反応した。
「僕はあまり水魔法は得意ではないけど、初歩なら教えられるから今日はこのまま水魔法の初歩をやろうか」
貴重な攻略対象様の時間をこのような私の訓練に使って良いのだろうか?
ゲームと違って彼にもやることがあるのに。
申し訳ない気持ちでいると
「その分今度の休みは会えないから。今日は一緒に特訓しようよエド」
いや……それも私のせいで殿下から休日返上させられたんだよね。
益々もって申し訳ない。
「あぁ。もう。僕はエドにそんな顔をして欲しくないんだよ。これはエドが悪いからね」
そう言って何故か抱き締められた。
何故かルドルフ様は最近やたらと私を抱き締めて来るけど、何かのマイブームなのかしら?
結局根負けした私は、簡単な水魔法を教えて貰う事になったのは言うに難い。
0
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ひとりぼっち令嬢は正しく生きたい~婚約者様、その罪悪感は不要です~
参谷しのぶ
恋愛
十七歳の伯爵令嬢アイシアと、公爵令息で王女の護衛官でもある十九歳のランダルが婚約したのは三年前。月に一度のお茶会は婚約時に交わされた約束事だが、ランダルはエイドリアナ王女の護衛という仕事が忙しいらしく、ドタキャンや遅刻や途中退席は数知れず。先代国王の娘であるエイドリアナ王女は、現国王夫妻から虐げられているらしい。
二人が久しぶりにまともに顔を合わせたお茶会で、ランダルの口から出た言葉は「誰よりも大切なエイドリアナ王女の、十七歳のデビュタントのために君の宝石を貸してほしい」で──。
アイシアはじっとランダル様を見つめる。
「忘れていらっしゃるようなので申し上げますけれど」
「何だ?」
「私も、エイドリアナ王女殿下と同じ十七歳なんです」
「は?」
「ですから、私もデビュタントなんです。フォレット伯爵家のジュエリーセットをお貸しすることは構わないにしても、大舞踏会でランダル様がエスコートしてくださらないと私、ひとりぼっちなんですけど」
婚約者にデビュタントのエスコートをしてもらえないという辛すぎる現実。
傷ついたアイシアは『ランダルと婚約した理由』を思い出した。三年前に両親と弟がいっぺんに亡くなり唯一の相続人となった自分が、国中の『ろくでなし』からロックオンされたことを。領民のことを思えばランダルが一番マシだったことを。
「婚約者として正しく扱ってほしいなんて、欲張りになっていた自分が恥ずかしい!」
初心に返ったアイシアは、立派にひとりぼっちのデビュタントを乗り切ろうと心に誓う。それどころか、エイドリアナ王女のデビュタントを成功させるため、全力でランダルを支援し始めて──。
(あれ? ランダル様が罪悪感に駆られているように見えるのは、私の気のせいよね?)
★小説家になろう様にも投稿しました★
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる