壁の花は謎を解く

しぎ

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ノー、それもあるでしょうがそのためではありません。

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「ウサギに話しかけるのは愚痴を言うため?」
『ノー、それもあるでしょうがそのためではありません』

「ウサギに話しかけるのは1人の時?」
『イエス、彼女は1人の時に話しかけます』

「ウサギは何か返事をする?」
『ノー、ウサギは話しませんよ?』

「…そのウサギは「ウサギ」と呼ばれている人間?」
『ノー、…なかなかすごいことを考えますね』

「…ウサギは生きたウサギ?」
『ノー』

「…そのウサギは死んだ…。いいえ、違う。そのウサギはぬいぐるみか何か?」
『イエス、ウサギはぬいぐるみです』

「ウサギのぬいぐるみに令嬢が部屋で話しかける…でも愚痴を言う為ではない…婚約者のことは関係ある?」
『イエス!大いに関係あります』

「まぁそうよね、そうじゃないと傲慢な婚約者の話要らないものね…」

「ウサギは話しかけることで何か役割を果たしている?」
『…一応イエス。しかしノーとも言えます』

「ウサギに話しかけることで令嬢は利益を得る?」
『…まぁイエス。さっきの質問と合わせて言いましょう。ウサギに話しかけることでは役割は果たさず、直接的な利益は得ません』

「…それは質問させてほしかったわ」
『それはすみません』

「ウサギが何か役割を果たしている?」
『イエス』

「令嬢はウサギを利用している?」
『イエス』

「…傲慢な婚約者をどうにかするために令嬢はウサギを使っている?」
『イエス!』

「解答。
ウサギに話しかける、とは本当に声をかけているわけでは無く、文章を書く事の比喩。ウサギに持たせた日記帳か何かに婚約者の自分にしてきた悪事を書き記す。その後自殺するふりか何かすれば原因を探して部屋にある日記帳が見つかるから、令嬢の自殺の原因となった婚約者をそれによって破滅させるつもり。…どう?」
『ノー、違います。しかしすごい着眼点ですね。令嬢は実際にウサギに話しかけています』

『ここで、またヒントとしましょう。これはこの国の話ではありません。ここから離れた国、技術の発展した国の話です。なので、あなたの知らないかもしれない技術が鍵となっています。』
「…解けるんでしょうねこれ」

「…待って、部屋。この部屋は令嬢の部屋?」
『いいですね。ノー、彼女の部屋ではありません』

「婚約者の部屋ね?」
『イエス!』

「ウサギがあるのは婚約者の部屋、婚約者の部屋にあるウサギに令嬢は話しかけている…。ウサギは婚約者の持ち物?」
『一応イエスです』

「令嬢が贈った?」
『イエス。ウサギのぬいぐるみは令嬢から婚約者への贈り物でした』

「婚約者の部屋に毎日入ることに目的がある?」
『ノー。入ることは関係ありませんね。恐らく毎日では無くてもいいです』

「傲慢な婚約者…。令嬢に何か悪いことをしている?」
『イエス』

「令嬢は婚約者に逆らえない立場?」
『イエス』

「婚約者は浮気か何かしている?」
『イエス。いいですね』

「婚約者は自室で浮気をしている?」
『イエス!もうすぐです』

「ウサギのぬいぐるみで浮気の証拠を掴んでいる!」
『イエス!』

「…どうやって?」
『それを考えるのが謎解きです』

『ここで必要になるのが先ほどのヒント、この国にはまだ無い技術ですね。浮気の証拠を集めるにはぴったりの技術です』

「う、わきの、しょうこ、をあつめる…ねぇ」
『なかなか考え込んでいますね』

「ウサギは大きい?」
『そうですね、ぬいぐるみとしてはそこそこでしょうか』

「中に何かを仕込んでいる」
『イエス』

「ウサギの中には婚約者の浮気の様子を残せる機械か何かが仕込まれている?」
『イエス!』
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