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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第165話 グレイ魔法教団
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「薬の効果はどうだ?」
「はい。一度服用すればそれ以降は徐々に魔法が使えなくなり、最後には全く魔法が使えなくなると報告を受けてます。」
「うむ。量産はどうだ?」
「現在、取り組み中です。」
「すぐにはできぬか?」
「申し訳ありません。材料の確保に手間取っておりまして・・・」
「そうじゃな。こればかりはすぐにどうする事も出来ぬか・・・」
「はい。」
「町の様子はどうじゃ?」
「はい。何名かは捕まったようです。が、問題はありません。」
「うむ。ここで魔法が使えぬという事態は、我らグレイ教団がこの国を支配するのに都合が良い。今後も頼むぞ。」
「はっ!全ては我らグレイ教団の為に!」
モートルの町の南に、レッドブルー魔法研究所がある。その地下2階で2人の男達は話合っていた。表向きは様々な魔法を研究する施設で、その裏では、魔法が使えなくなる魔法薬を開発している施設だった。
地下で活動している組織はグレイ魔法教団といい、目的はフランダル魔法国の支配だ。魔法を使えない薬を作り、それを使用する事でこの国の魅力を操ろうとしていた。すでに効果は実証済みで仮に自分達に使用されたとしても治療薬も開発済みだった。
「数の量産が難しいとすると、どこに使うのが効果的か・・・王城の者達に使うのが良いか、それとも魔法学園か、それとも・・・」
☆☆☆
「で、どうするのラッキー?怪しいっていう施設に向かう?」
「そうだな。レッドブルー魔法研究所は魔法学園の中でも出てくるほど有名な研究所だ。調べてみる価値はあるな。」
「魔法が使えなくなった人と会って話を聞くのもいいかもしれませんね。」
「そうだな・・・」
(俺達が今できる事と言えばシルフィーとマリアが言う2つしかないな。研究所にシルフィーとマリアを連れて行くのは危険か?いやでも表向きは有名な魔法研究所だ。見学するぐらいなら怪しまれる事はないか。)
「とりあえず、魔法学校の留学生として見学を申し込んでみよう。何かわかるかもしれない。」
「「わかったわ。」」
『俺も行くんだぞーー』
「ああ。でもリルは大人しくしといてくれよ。」
『わかってるんだぞー。』
(行く前にできるだけ準備しておいた方がいいか。俺の特技は転移魔法だもんな。)
「シルフィー、マリア、リル、レッドブルー魔法研究所に行く前にアークドラゴン様に会いに行こうと思う。アークドラゴン様なら何か知ってるかもしれないし、あそこの万能薬草なら、もしかしたら魔法が使えなくなった人を治せるかもしれない。それに治せるなら俺達が魔法を使えなくなった時の治療薬になるかもしれない。」
「たしかに・・・ラッキーの言う通りね。ラッキーの転移魔法があれば行くのはすぐだし名案だわ。」
『おーー。アークおばちゃんに俺も会いたいんだぞー。』
グレイ魔法教団を脅威に思い、安全策の為、ラッキー達はすぐにレッドブルー魔法研究所には向かわずに、霊峰オーディールへ転移した。
そして・・・
『アークおばちゃん久しぶりなんだぞーー。』
「アークドラゴン様お久しぶりです。今日はちょっと相談がありまして来ました。」
「あらあらリル坊やにラッキー達じゃないか。どうしたんだい?」
「実は・・・」
ラッキーはアークドラゴンに、フランダル魔法国で受けた依頼の内容を伝えた。
「なるほど。そういう事ね。たしかにここにある万能薬草ならその魔法が使えないって状態を治す事ができるかもしれない。だけどそれはあくまで可能性だ。どういった状態なのかわからなければ治しようがないからね。それに・・・」
「それに?」
「この前ラッキー達に万能薬草をあげただろ?あれはこの霊峰を維持していくにも必要だからどうぞどうぞと渡せるもんじゃないんだよ。一つぐらいなら持って行ってもかまわないけどね。」
「一つ・・・」
(なら魔法が使えなくなった人には使えない・・・か。それで治るのがわかったとしてもそれしかないんじゃ意味がない。もし俺達の誰かが使えなくなった時用に持っておくのが正解か。)
「アークドラゴン様は魔法が使えなくなる状態に心当たりはありますか?」
「そうだね。単純に魔法が使えなくなるって事は魔力が無い状態になってるか。魔法を使う為の回路が狂わされているかのどっちかだろうね。」
「それはどうにか治す事ができたりするんでしょうか?」
「どうだろうね~。魔力が無い状態がずっと続くって事は体内の魔力が外に垂れ流しになってるんだろうからそれを止めればなんとかなるだろうけど、どうやればいいかは検討つかないね。回路が狂わされているだけなら、誰かが回路を整えてあげれば魔法が使えるようになるだろうけど・・・」
(なるほど。ならきっとグレイ魔法教団の薬っていうのは魔力がなくなる薬の可能性が高いな。知らない内に魔力が減っていってるって事か・・・回復する量よりも減っていく量が多いって感じか・・・。なら!?いやもしかして魔力回復薬を飲んですぐに魔法を使ってみれば薬の効果が証明できるんじゃ・・・)
「アークドラゴン様。ありがとうございます。相談に来てよかったです。」
「ああ。何かわかったんならよかったよ。万能薬草を渡せなくてすまないね。」
「いいえ。俺の方でなんとかしてみます。」
アークドラゴンに相談して、薬の内容と対処方がおぼろげながら見えてきた。まだ治療の目途までは立っていないが、一歩前に進む事ができたラッキー達は、フランダル魔法国へと戻るのだった。
「はい。一度服用すればそれ以降は徐々に魔法が使えなくなり、最後には全く魔法が使えなくなると報告を受けてます。」
「うむ。量産はどうだ?」
「現在、取り組み中です。」
「すぐにはできぬか?」
「申し訳ありません。材料の確保に手間取っておりまして・・・」
「そうじゃな。こればかりはすぐにどうする事も出来ぬか・・・」
「はい。」
「町の様子はどうじゃ?」
「はい。何名かは捕まったようです。が、問題はありません。」
「うむ。ここで魔法が使えぬという事態は、我らグレイ教団がこの国を支配するのに都合が良い。今後も頼むぞ。」
「はっ!全ては我らグレイ教団の為に!」
モートルの町の南に、レッドブルー魔法研究所がある。その地下2階で2人の男達は話合っていた。表向きは様々な魔法を研究する施設で、その裏では、魔法が使えなくなる魔法薬を開発している施設だった。
地下で活動している組織はグレイ魔法教団といい、目的はフランダル魔法国の支配だ。魔法を使えない薬を作り、それを使用する事でこの国の魅力を操ろうとしていた。すでに効果は実証済みで仮に自分達に使用されたとしても治療薬も開発済みだった。
「数の量産が難しいとすると、どこに使うのが効果的か・・・王城の者達に使うのが良いか、それとも魔法学園か、それとも・・・」
☆☆☆
「で、どうするのラッキー?怪しいっていう施設に向かう?」
「そうだな。レッドブルー魔法研究所は魔法学園の中でも出てくるほど有名な研究所だ。調べてみる価値はあるな。」
「魔法が使えなくなった人と会って話を聞くのもいいかもしれませんね。」
「そうだな・・・」
(俺達が今できる事と言えばシルフィーとマリアが言う2つしかないな。研究所にシルフィーとマリアを連れて行くのは危険か?いやでも表向きは有名な魔法研究所だ。見学するぐらいなら怪しまれる事はないか。)
「とりあえず、魔法学校の留学生として見学を申し込んでみよう。何かわかるかもしれない。」
「「わかったわ。」」
『俺も行くんだぞーー』
「ああ。でもリルは大人しくしといてくれよ。」
『わかってるんだぞー。』
(行く前にできるだけ準備しておいた方がいいか。俺の特技は転移魔法だもんな。)
「シルフィー、マリア、リル、レッドブルー魔法研究所に行く前にアークドラゴン様に会いに行こうと思う。アークドラゴン様なら何か知ってるかもしれないし、あそこの万能薬草なら、もしかしたら魔法が使えなくなった人を治せるかもしれない。それに治せるなら俺達が魔法を使えなくなった時の治療薬になるかもしれない。」
「たしかに・・・ラッキーの言う通りね。ラッキーの転移魔法があれば行くのはすぐだし名案だわ。」
『おーー。アークおばちゃんに俺も会いたいんだぞー。』
グレイ魔法教団を脅威に思い、安全策の為、ラッキー達はすぐにレッドブルー魔法研究所には向かわずに、霊峰オーディールへ転移した。
そして・・・
『アークおばちゃん久しぶりなんだぞーー。』
「アークドラゴン様お久しぶりです。今日はちょっと相談がありまして来ました。」
「あらあらリル坊やにラッキー達じゃないか。どうしたんだい?」
「実は・・・」
ラッキーはアークドラゴンに、フランダル魔法国で受けた依頼の内容を伝えた。
「なるほど。そういう事ね。たしかにここにある万能薬草ならその魔法が使えないって状態を治す事ができるかもしれない。だけどそれはあくまで可能性だ。どういった状態なのかわからなければ治しようがないからね。それに・・・」
「それに?」
「この前ラッキー達に万能薬草をあげただろ?あれはこの霊峰を維持していくにも必要だからどうぞどうぞと渡せるもんじゃないんだよ。一つぐらいなら持って行ってもかまわないけどね。」
「一つ・・・」
(なら魔法が使えなくなった人には使えない・・・か。それで治るのがわかったとしてもそれしかないんじゃ意味がない。もし俺達の誰かが使えなくなった時用に持っておくのが正解か。)
「アークドラゴン様は魔法が使えなくなる状態に心当たりはありますか?」
「そうだね。単純に魔法が使えなくなるって事は魔力が無い状態になってるか。魔法を使う為の回路が狂わされているかのどっちかだろうね。」
「それはどうにか治す事ができたりするんでしょうか?」
「どうだろうね~。魔力が無い状態がずっと続くって事は体内の魔力が外に垂れ流しになってるんだろうからそれを止めればなんとかなるだろうけど、どうやればいいかは検討つかないね。回路が狂わされているだけなら、誰かが回路を整えてあげれば魔法が使えるようになるだろうけど・・・」
(なるほど。ならきっとグレイ魔法教団の薬っていうのは魔力がなくなる薬の可能性が高いな。知らない内に魔力が減っていってるって事か・・・回復する量よりも減っていく量が多いって感じか・・・。なら!?いやもしかして魔力回復薬を飲んですぐに魔法を使ってみれば薬の効果が証明できるんじゃ・・・)
「アークドラゴン様。ありがとうございます。相談に来てよかったです。」
「ああ。何かわかったんならよかったよ。万能薬草を渡せなくてすまないね。」
「いいえ。俺の方でなんとかしてみます。」
アークドラゴンに相談して、薬の内容と対処方がおぼろげながら見えてきた。まだ治療の目途までは立っていないが、一歩前に進む事ができたラッキー達は、フランダル魔法国へと戻るのだった。
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