161 / 178
第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第161話 魔法学園留学~2か月〜ラッキー
しおりを挟む
「やった!!ようやくできた!!」
「やりましたねラッキーさん。普通はそんなに早く魔法剣を使えるようにはならないんですよ。やはりラッキーさんは良い素質をお持ちですね。いやそれはラッキーさんに失礼ですね。ラッキーさんのがんばりの成果です。」
「ありがとうございます。」
魔法学園に留学してから2か月が経った。ラッキーは目標にしている魔法剣の授業で初めて魔法剣を用いて模擬戦をする事ができたのだ。今まではその場で魔法剣を維持できても、動かそうとするとすぐに消えてしまっていた。
一緒に授業を受ける学生達に相談したり、手伝ってもらったりしながら今日、ようやく剣を動かしても魔法剣を維持する事が出来たのだ。
「ですがようやくスタート地点と言った所ですよ。これからドンドン楽しくなります。ラッキーさんの留学期間は後1カ月ですからその間にどれだけより濃い魔法を纏わせる事ができるかが課題ですね。」
「はい。」
魔法剣は、剣や槍に魔法を纏わせる事で通常攻撃にプラスして魔法の効果も相手に与える事ができるというものだ。
魔法剣と言っても種類は多い。ラッキーの様に火魔法を使う者の他に水魔法や風魔法、雷魔法なんかをまとう者もいる。
ラッキーはまだ魔法剣に関しては初心者なので、火を纏ってると言っても剣にうっすらと赤い色がついているぐらいだ。熟練者になると、見た目まるっきり火の剣を持っているように見える。更に長さを自由自在に変える事ができる。
そして、達人と言われる人は、魔法を纏っている事を見せずに魔法剣を使う事ができるらしい。らしいというのは、この学園で魔法剣をならってる学生の中にそのレベルに達している学生がいないからだ。
ラッキーの今後の課題は、より質の高い火魔法をミスリルの剣に纏わせるようになる事だ。更に言えばもう一属性魔法剣を使えるようになるのが望ましい。
魔法剣を学ぶ学生達の卒業基準は2種類の魔法剣の習得だった。というのも、一属性ではその属性が効かない相手と出くわした時に手がなくなるからだ。火魔法が効かない相手には水魔法でといった感じだ。
もちろん魔法剣だけにこの基準は留まらない。普通の魔法に関しても二属性以上の魔法を使えるようになる事が卒業基準だった。
ただ、学園に留学してから魔法剣の仕組みについては理解した。もはや学園に居なくても魔法剣の鍛錬は可能だろう。
「ラッキー。ようやくだな。よし俺と模擬戦してみようぜ。」
「ああ。」
(これで俺も一人隅っこでの練習が終わりだな。よかったよかった。短期留学とは言え、隅っこはちょっと悲しかったからな。俺もこれでようやく模擬戦ができるな。って言っても魔法剣の維持に意識がいってるからまだまともに模擬戦できないと思うけど。)
ラッキーの予想通り、模擬戦を行ったが魔法剣を消さない様にすることに意識が行き過ぎて思うように動けず、模擬戦は負けまくった。普通に戦ったらラッキーのレベルなら学生が相手なら負ける事はなかっただろう。
(やっぱりここの学生はすごい。素質なんてなくても自分達の努力で道を切り開いている。俺なんか特に、ゼンパンの素質から色々な素質を手に入れる事ができるから素質、素質ってこだわってたのかもしれないな。反省する所だな。)
魔法剣の授業を受けている学生の中に、魔法剣の素質を持つものはいなかった。なのに普通に魔法剣を実用レベルで使えるまでになっている。この事にラッキーは尊敬と、素質はきっかけや補助でしかない事を改めて感じるのだった。
「ラッキー。食堂行こうぜ。」
「ああ。」
2ヶ月も学園に通えば友達も増える。シルフィードとマリアは毎晩、宿に帰れば会うし、朝は一緒に登校してるから、学園内では他の友人達と一緒にいる事が増えた。
魔法剣の授業の後は、昼食を取りながら魔法剣談義だ。魔法剣の良さ、発動までの苦労話、魔法剣を使う英雄の話など、ラッキーにとって興味を引く内容ばかりの楽しい時間だ。
もちろんただ話を聞いているだけではない。ラッキーは今までの冒険の話をする。周りが目をキラキラさせてその話を聞く。
魔法剣の授業を受けている学生は冒険者志望が多い。ラッキーの話はそのな学生達の興味の的だった。質問攻めに合う事もしばしば。ラッキー達は良い関係を築いていた。
しかし・・・
(魔法に関しては順調なんだけど、このパンの秘密は全く話はないから進展がないんだよな~。)
ラッキーは、学園の食堂に毎日通い、パンを食べ続けた。比較する為、ガチャスキルもウィークリーガチャスキルまで貯めずに毎日デイリーガチャスキルを使っていた。それでも秘密は全くわからなかった。
(学園の食堂の料理はパン以外も美味しいからパンに何か入れてるって訳じゃないと思うけど・・・こればっかりは検討がつかないな。まあ後1ヶ月頑張るしかないか。)
短期留学の期間は残り1ヶ月。魔法剣の方は成果が出たので、パンの秘密も必ず突き止める。と気合を入れるのだった。
「やりましたねラッキーさん。普通はそんなに早く魔法剣を使えるようにはならないんですよ。やはりラッキーさんは良い素質をお持ちですね。いやそれはラッキーさんに失礼ですね。ラッキーさんのがんばりの成果です。」
「ありがとうございます。」
魔法学園に留学してから2か月が経った。ラッキーは目標にしている魔法剣の授業で初めて魔法剣を用いて模擬戦をする事ができたのだ。今まではその場で魔法剣を維持できても、動かそうとするとすぐに消えてしまっていた。
一緒に授業を受ける学生達に相談したり、手伝ってもらったりしながら今日、ようやく剣を動かしても魔法剣を維持する事が出来たのだ。
「ですがようやくスタート地点と言った所ですよ。これからドンドン楽しくなります。ラッキーさんの留学期間は後1カ月ですからその間にどれだけより濃い魔法を纏わせる事ができるかが課題ですね。」
「はい。」
魔法剣は、剣や槍に魔法を纏わせる事で通常攻撃にプラスして魔法の効果も相手に与える事ができるというものだ。
魔法剣と言っても種類は多い。ラッキーの様に火魔法を使う者の他に水魔法や風魔法、雷魔法なんかをまとう者もいる。
ラッキーはまだ魔法剣に関しては初心者なので、火を纏ってると言っても剣にうっすらと赤い色がついているぐらいだ。熟練者になると、見た目まるっきり火の剣を持っているように見える。更に長さを自由自在に変える事ができる。
そして、達人と言われる人は、魔法を纏っている事を見せずに魔法剣を使う事ができるらしい。らしいというのは、この学園で魔法剣をならってる学生の中にそのレベルに達している学生がいないからだ。
ラッキーの今後の課題は、より質の高い火魔法をミスリルの剣に纏わせるようになる事だ。更に言えばもう一属性魔法剣を使えるようになるのが望ましい。
魔法剣を学ぶ学生達の卒業基準は2種類の魔法剣の習得だった。というのも、一属性ではその属性が効かない相手と出くわした時に手がなくなるからだ。火魔法が効かない相手には水魔法でといった感じだ。
もちろん魔法剣だけにこの基準は留まらない。普通の魔法に関しても二属性以上の魔法を使えるようになる事が卒業基準だった。
ただ、学園に留学してから魔法剣の仕組みについては理解した。もはや学園に居なくても魔法剣の鍛錬は可能だろう。
「ラッキー。ようやくだな。よし俺と模擬戦してみようぜ。」
「ああ。」
(これで俺も一人隅っこでの練習が終わりだな。よかったよかった。短期留学とは言え、隅っこはちょっと悲しかったからな。俺もこれでようやく模擬戦ができるな。って言っても魔法剣の維持に意識がいってるからまだまともに模擬戦できないと思うけど。)
ラッキーの予想通り、模擬戦を行ったが魔法剣を消さない様にすることに意識が行き過ぎて思うように動けず、模擬戦は負けまくった。普通に戦ったらラッキーのレベルなら学生が相手なら負ける事はなかっただろう。
(やっぱりここの学生はすごい。素質なんてなくても自分達の努力で道を切り開いている。俺なんか特に、ゼンパンの素質から色々な素質を手に入れる事ができるから素質、素質ってこだわってたのかもしれないな。反省する所だな。)
魔法剣の授業を受けている学生の中に、魔法剣の素質を持つものはいなかった。なのに普通に魔法剣を実用レベルで使えるまでになっている。この事にラッキーは尊敬と、素質はきっかけや補助でしかない事を改めて感じるのだった。
「ラッキー。食堂行こうぜ。」
「ああ。」
2ヶ月も学園に通えば友達も増える。シルフィードとマリアは毎晩、宿に帰れば会うし、朝は一緒に登校してるから、学園内では他の友人達と一緒にいる事が増えた。
魔法剣の授業の後は、昼食を取りながら魔法剣談義だ。魔法剣の良さ、発動までの苦労話、魔法剣を使う英雄の話など、ラッキーにとって興味を引く内容ばかりの楽しい時間だ。
もちろんただ話を聞いているだけではない。ラッキーは今までの冒険の話をする。周りが目をキラキラさせてその話を聞く。
魔法剣の授業を受けている学生は冒険者志望が多い。ラッキーの話はそのな学生達の興味の的だった。質問攻めに合う事もしばしば。ラッキー達は良い関係を築いていた。
しかし・・・
(魔法に関しては順調なんだけど、このパンの秘密は全く話はないから進展がないんだよな~。)
ラッキーは、学園の食堂に毎日通い、パンを食べ続けた。比較する為、ガチャスキルもウィークリーガチャスキルまで貯めずに毎日デイリーガチャスキルを使っていた。それでも秘密は全くわからなかった。
(学園の食堂の料理はパン以外も美味しいからパンに何か入れてるって訳じゃないと思うけど・・・こればっかりは検討がつかないな。まあ後1ヶ月頑張るしかないか。)
短期留学の期間は残り1ヶ月。魔法剣の方は成果が出たので、パンの秘密も必ず突き止める。と気合を入れるのだった。
0
お気に入りに追加
1,271
あなたにおすすめの小説
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした
今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。
二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。
しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。
元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。
そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。
が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。
このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。
※ざまぁというよりは改心系です。
※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。
旦那様、最後に一言よろしいでしょうか?
甘糖むい
恋愛
白い結婚をしてから3年目。
夫ライドとメイドのロゼールに召使いのような扱いを受けていたエラリアは、ロゼールが妊娠した事を知らされ離婚を決意する。
「死んでくれ」
夫にそう言われるまでは。
私を捨てて後悔したようですけど、もうあなたと関わりません
天宮有
恋愛
「クノレラの方が好きだから、俺との婚約を破棄して欲しい」
伯爵令嬢の私キャシーは、婚約者ラウド王子の発言が信じられなかった。
一目惚れしたと言われて私は強引に婚約が決まり、その後ラウド王子は男爵令嬢クノレラを好きになったようだ。
ラウド王子が嫌になったから、私に関わらないと約束させる。
その後ラウド王子は、私を捨てたことを後悔していた。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる