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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ

第160話 魔法学園留学開始~1カ月

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魔法学園に留学したラッキー達は、学園生活を開始した。魔法学園では大きく3つに授業が分かれていた。

一つ目は魔法の知識と発動だ。ほとんどの学生が学んでいる内容である。もちろん、属性だったり座学や実技など大きく枝分かれしている。
残り二つは新魔法の研究と、魔道具作成だ。このあたりは研究施設みたいな感じである。

3カ月の短期留学では、深いところまでは学べないので、学ぶ事が基礎ばかりだ。もちろん専門分野を短期間で極めたい場合は独学や研究室などを頼る事も可能だ。

1カ月目はどんな授業をしているのかを確認するだけで精いっぱいだった。生活魔法から属性魔法、それに対する座学や実技などなど、ラッキー達が興味を引く授業は多かった。

現状ラッキー達の状況はこうだった。

ラッキーの素質はゼンパンで、生活魔法、火魔法、転移魔法が使える。
シルフィードの素質は森の魔導士で、風魔法と土魔法が使える。
マリアの素質は聖女で、治癒魔法と光魔法が使える。

ラッキーが興味を引いたのは魔法剣だった。フランダル魔法学園でも剣を扱う授業があり、それを見た所単純な剣術ではなく、自分の武器に魔法を纏わせるという技術だった。ラッキーはすでに火魔法が使えるし、魔力操作の素質も手に入れている為、この3カ月で魔法剣を使えるようになる。と目標を決めた。

シルフィードは、風魔法と土魔法の授業とともに複合魔法に興味を示した。メインの風魔法に火魔法や水魔法を複合させる内容だ。風魔法と土魔法の複合は学べば使えるようになるだろうと言う事で、メイン魔法の可能性について勉強する事を決めていた。

マリアは、持ち前の治癒魔法と光魔法の熟練度をひたすら上げる事を目的にした。ラッキーとシルフィードが今後いくら傷ついても、マリアが回復さえできれば誰も死なないから。というのが理由だった。

それぞれ、勉強する方向性が見えたので、学園内ではそれぞれ別々の授業を受ける為、3人で行動する事が少なくなった。だが、同じ宿で寝泊まりしてるので、夜は一緒に情報共有する事が多く、今日も宿で食事をしながら学園の事を話していた。

「それでラッキー。魔法剣の方はどうなの?」

「ああ。やっぱり難しいな。剣に魔法を纏わせる事はできるようになったんだけど長続きしないんだよな。あれじゃまだ実践じゃ使えないな。だけど発想はすごく面白いな。これが使えるようになれば俺の力もかなり上がりそうだ。」

「そうですね。今まで近接で剣術を使って、遠近で魔法を使ってたのが、近接で剣と魔法の両方が使えるって事ですもんね。」

「ああ。授業では色々な属性を剣とか槍に纏わせるんだけど、とりあえず素質のある火魔法でできないと話にならないんだ。熟練者になると、武器だけじゃなく、自分の身体に魔法を纏わせる事もできるようになるらしい。」

「それはすごいわね。」

「ああ。さすが魔法の国って感じだな。シルフィードの方はどうなんだ?俺に言ったように、単純に二つの魔法を複合して一発に放てば威力が2倍になるよな?」

「そうね。複合魔法の授業でいくつか見せてもらったけど、単純に一属性の魔法よりも威力は高いわね。でもけっこう難しいわ。ラッキーのように魔力操作の素質があればうまく複合できるんだけど・・・しばらくは魔力操作の練習ね。」

「そうか・・・まあやり方や、基礎さえ学べれば練習は学校以外でもできるんだ。シルフィーならできるよ。」

「ありがとう。」

「マリアはどんな感じなんだ?」

「私の場合は、治癒魔法について広く学んでる感じですね。治癒魔法にも色々種類があってかなり勉強になりましたよ。例えば今まではラッキー様とシルフィーに単体で治癒魔法を掛けていましたが、二人同時に回復したり、継続して回復したり、又は、傷ついたら自動で回復したりとか。」

「へぇ~。複数回復は聞いた事あるけど他は初めて聞くわ。傷ついたら自動で回復するとか便利ね。」

「ええ。やっぱり魔法学園と言われるだけあって魔法技術はかなり進んでますね。」

「リルはどうなんだ?」

『俺は元気だぞー。』

「ふふ。リルちゃんは学園で人気者よ。みんなに囲まれてオヤツをもらって、尻尾をブンブン振って、かなり学園生活を楽しんでるわね。」

「そ、そうか・・・。リルあんまり食べ過ぎると太るぞ。」

『大丈夫なんだぞー。もらったオヤツは別腹だし、ちゃんと運動してるぞー』

「それよりラッキー。食堂のパンの秘密はわかったの?」

この1カ月ラッキーは昼ご飯は必ず学園の食堂で食べていた。もちろんパンをだ。食堂のおばちゃん、料理人、受付の人に積極的に話しかけて交流を含め、先日作っている所を見せてほしい。と頼み込んだ。

すると・・・

秘蔵の製法の為、見せれないと言われたのだった。

「ダメだったよ。とりあえず継続して食堂の人達とは仲良くなっていくつもりだけど、秘蔵って事は学園長に頼めばなんとかなるかもしれないからその方向も検討してる所だな。」

「そう・・・ラッキーならきっとできるだろうから期待してるわね。」

「おう。」

(そういえば、学園生活が忙しくてストリンガーやドルチェともこの1カ月話してなかったな。向こうも気を使ってくれたのか?ストリンガー達が何を学んでるかも気になるし、今度お昼にでも誘ってみるか。)

そうして、ラッキー達の学園生活は続くのだった。
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