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第3章 ゼンパンの素質とプレミアムガチャスキル

第143話 オーディール30階層にある物とは

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オーディール地下30階層は大きな1つの部屋からできていた。部屋の中は大小様々な岩山が所々に立っている。魔物は一切出てこない。

そんな中で、ラッキー達は壁のある個所に、鍵穴の形をした色の違う場所を発見した。

「本当に鍵穴の形してるわね。って事はここに昨日の鍵を差し込むの?」

「多分そうだと思う。よしみんな気をつけてくれ。鍵を差し込んでみるぞ。」

ラッキーは持っている鍵をその色の違う鍵穴に差し込んだ。

すると・・・

鍵は壁を突き抜けて入って行った。まるでそこに扉があって鍵を受け入れるように。

「入った。」

そしてそのままラッキーは突き刺した鍵を回した。そしてそのままその壁を押すと、扉のように壁が開き、奥に行けるようになった。

「よし。入るぞ。」

「アークドラゴン様の言う通りだったわね。でも昨日鍵を手に入れてなかったら先に進めなかったわね。本当に運がよかったわ。」

「そうだな。どっちにしてもアークドラゴン様の言ってたモノは手に入れたいと思ってたから鍵を手に入れる前にここに来てたら鍵を探す為に一苦労してたな。」

ラッキー達は空いた扉から中に入って行く。中に入ると薄暗い一本道になっており、ラッキー達は警戒しながら先に進んだ。道の先は光っていたので、ラッキー達は1本道を真っすぐ進んで光の方へと向かった。

そして・・・

『まさか本当にここまで来れるとはね。』

通路を進んだ先にあった所に入って見ると目の前にはアークドラゴンが居たのだった。

「「「「「アークドラゴン様!」」」」」
『アークおばちゃん。』

『ああ私はオーディールにいたアークドラゴンとは違うよ。姿形は一緒だけどね。それよりもあんた達の事は聞いてるよ。さすがだね。勇者じゃないのにここに気付くなんてね。本当なら30階層の違和感に気付いても鍵がなくて入れないはずなんだよ?しかも鍵は勇者の素質に反応するから本来は見つからないはずなんだけど・・・まあそこはさすが勇者以上の素質の持ち主って所かね。』

「アークドラゴン様から30階層には、俺にとって良い物があると伺いました。この部屋を見つけたらそれを貰えるって事でいいんでしょうか?」

『まあ待ちな。この部屋に来た者はそれを手にする権利を得たって所だね。手にできるかどうかは次の試練次第だね。』

「試練?」

『そうさ。まあ大方想像はつくだろう。』

「あなたとの戦闘・・・ですか?」

『わかってるじゃないか。運よく鍵を手に入れて、運よく鍵穴を見つけてここに入る人がいても実力がなければ意味がない。安心しな。あたしと戦うと言っても手加減はするし殺しもしないさ。ただアタシが認めなければそのまま立ち去ってもらうよ。』

「わかりました。ちなみに戦闘はここにいる全員で大丈夫なんですか?」

『かまわないよ。』

そうして、アークドラゴンとの闘いが始まったのだった。

『ラッキー。俺にまかせるんだぞー。』

リルがアークドラゴンに向かっていく。

『おやおやフェンリルの坊やが相手かい。さすがにすばやいね。』

リルが正面からアークドラゴンに攻撃を仕掛けるが、アークドラゴンにリルの攻撃は聞かなかった。

それに続き、シルフィード、マリア、マフィンの3人が魔法を放ち、タルトとラッキーはアークドラゴンに近づいて攻撃を仕掛けた。

『あんた達の魔法程度ならアタシに傷をつける事はできないよ。なんといってもドラゴンだからね。』

「ラッキー。魔法が全くきかないわ。どうしよ・・・」

「かまわず打ち続けてくれ。魔法が効く箇所があるかもしれない。移動しながら魔法を使ってくれ。アークドラゴン様はまだ全然反撃してきてないが、一か所に留まってると危ないかもしれない。」

「わかったわ。」

(それにしても固すぎるだろ。尻尾なら切れるか・・・いや目に剣を突き刺してみるか・・・転移魔法で移動しながら攻撃すればやれるか。)

ラッキー達の攻撃はほとんどアークドラゴンには聞かなかった。全くノーダメージという訳ではなかったが、微々たるものだろう。それに比べアークドラゴンの攻撃はラッキー達に大きなダメージを与えた。

尻尾の振り回しの攻撃を受けると大きく吹き飛ばされ、ブレスを受ければ全身がやけどしたような傷を負った。攻撃を受ける度にマリアが回復魔法を使い、マフィンが結界魔法でアークドラゴンの攻撃の威力を抑える事でなんとか全滅せずにすんでいた。

『こんな所だね。これで戦闘終了だよ。』

1時間ぐらい戦闘をしていただろうか。ラッキー達は倒れてはいないものの、すでに限界に来ていた。

(何もできなかったな・・・。これじゃ試練は不合格だろ。折角アークドラゴン様に教えてもらったのに、試練を超える事ができなかったな。)

『何暗い顔してるんだい。試練は合格だよ。』

「「「「「えっ!?」」」」」

『もしかしてアタシに勝てるとでも思ってたのかい?それはさすがに無理さ。オーディールにいる本体の10分の1程の力がないとは言えオーディールの主だよ。あんた達はそのアタシと1時間戦ってまだ立っている。それで試練は合格さ。』

(なるほど。そういう試練だったのか。それにアークドラゴン様の事を本体って言ったぞ。ここにいるのは分身か何かなんだろうか?)

『それじゃあ5人にはこの覚醒の宝玉を与えるよ。それとその宝玉はこの場で使ってもらうよ。出まわったらさすがに困るからね。』

そういって、アークドラゴンは5つの金色に光る玉を出したのだった。
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