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第2章 ゼンパンの素質とシークレットガチャスキル
第100話 ラッキー勝利を見届ける神界は・・・
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神界にいるミラとマイは王国武道会のラッキーとメルトの戦いを見ていた。丁度審判により、ラッキーの勝利が伝えられた所だった。
「やった。ラッキーさん勝った。」
いつもは淡々と無表情でしゃべるミラだったが、ラッキーの勝利がよほどうれしかったのか珍しくガッツポーズをしていた。
「まあ当然の結果よね。素質を持っていても、その上に胡坐をかくのか、ちゃんと努力するのか。ラッキーは勝てるとわかってる試合でも万全を期していたわ。メルトの素質の能力値の分析。剣技について。あれだけ準備してたら負ける方が難しいわね。」
「うん。ラッキーさん強かった。」
「まさか思ってた通り1回戦でメルトと当たるとはね。これでラッキーがメルトより優れてる事は大勢の観客の元、証明されたわ。それに何人かはラッキーが転移魔法を使った事にも気づいているでしょうね。ストライク公爵がどういった行動に出るかわからないけど、あまり行動が遅いと他の人が動きだすわよ。」
「公爵家に戻れる?」
「まあ大丈夫でしょ。母親と妹さんはしっかりしてたから。メルトはどうなるかわからないけどね。メルトと言えばメルトとの戦闘に勝ったんだからモートンとの賭けにも勝った事になるわね。どうする?」
「別に何も・・・。」
「ミラらしいわね。わかったわ。モートンには私から言っておくわ。」
(アイツにはミラに近づかない様に言っておかないと。)
・
・
・
ミラとマイはラッキーと公爵家がどうなるか気になっていたので、公爵家の様子を見ていた。
「お父様?」「あなた?」
「スイート、クッキー。お前達は知っていたんだな。ラッキーが王都に来ているという事を。」
「「・・・はい。」」
「いや別に責めている訳ではない。これから俺はどうすればいい?どんな顔してラッキーに会えばいい?それにメルトの事もある。アイツを養子に迎え入れたのは俺だ。なのに負けたからと言って解消すれば貴族連中から白い目で見られるのは確実だ。」
「あなた。間違った事をした者がするべき事は一つですわ。」
「・・・そうだな。ラッキーは俺を許してくれるだろうか・・・。」
「大丈夫よ。・・・まあ1発ぐらいは殴られるかもしれないけどね。」
「そうか・・・はは。俺が間違っていた。スイート、クッキーすまない。」
「お父様。」「あなた。」
「さあこれから忙しくなるぞ。ラッキーが許してくれるかわからんが、俺はもう迷わん。一番大事なモノが何か気づいたからな。その為に精一杯動くとしよう。」
・
・
・
「あの様子なら大丈夫そうね。」
「うん。」
「でも私はラッキーが公爵家に戻ったとしても又旅に出る気がするわよ。ラッキーって貴族っていうより冒険者で自由にしてる方が性に合ってる気がする者。」
「うん。私もそう思う。」
「そうよね。」
(それにラッキーは国の貴族レベルに収まる器じゃないわ。他の国も巻き込んでこれから色々やると思うわ。)
ミラとマイが見守るその先では、ラッキーと父親であるロートが宿で話しているのだった。
・
・
・
そして・・・
ミラやマイのいる神界より更に上位の神の空間では、創造神ムーに呼ばれた、上位神ゼロが話しをしていた。
「ゼロよ。ゼンパンの素質の子はうまくやっているようだな。」
「はい。ムー様に言われたように図鑑を与え、ゼンパンの素質の内容が記録されるようにしております。」
「ああ。それでかまわないよ。あの図鑑が埋まればゼロにとってもゼンパンの素質の事がよりわかるだろう。この時代にゼンパンの素質を扱う子が人の世に現れたのは何かの運命だ。我々はこの先どうなろうが、事の顛末を見守る必要がある。」
「それはどういう意味ですか?」
「ゼロの管理する世界の中でゼンパンの素質を持ったモノが現れるのは初めての事だったね。」
「はい。」
「ゼンパンとは全知全能の力だ。それは世界を大きく発展させる力でもあり、世界を破滅させる力でもある。魔王が現れると勇者が現れるように、この世の中はうまくバランスが取れるようにできているし、どの世界もそのように作っている。ゼンパンがもたらす影響は善にも悪にも大きく影響する。ゼロの管理する世界の一つだろうけど、ゼンパンの素質の影響力を見ておくのは今後、他の世界を管理する上でも役に立つだろう。」
「私に上がっている報告では、破滅させるような感じには思えませんが?」
「そうだな。それも含めてよく見ておくといい。世界のバランスというモノを。善に大きく動けば、対抗するように悪が生まれ、善と思っていてもふとした時に悪に変わったりするものだ。」
「・・・。」
「私やゼロにとっては管理する世界の内の一つだが、その星を直接管理する神にとっては気が気じゃないかもしれないな。そこは上位神としてしっかりサポートしてくれればいい。」
「わかりました。」
ミラの与えたゼンパンの素質が、遠くない将来にラッキーの国だけでなく、世界全体に広がって行く事をこの時はまだ、ラッキーも、それを見守るミラもマイも知らない。
バランスブレイカーと言われるゼンパンの素質のもたらす影響がわかるのは、その素質を作った神達の頂点にいる創造神ムーだけであった。
「やった。ラッキーさん勝った。」
いつもは淡々と無表情でしゃべるミラだったが、ラッキーの勝利がよほどうれしかったのか珍しくガッツポーズをしていた。
「まあ当然の結果よね。素質を持っていても、その上に胡坐をかくのか、ちゃんと努力するのか。ラッキーは勝てるとわかってる試合でも万全を期していたわ。メルトの素質の能力値の分析。剣技について。あれだけ準備してたら負ける方が難しいわね。」
「うん。ラッキーさん強かった。」
「まさか思ってた通り1回戦でメルトと当たるとはね。これでラッキーがメルトより優れてる事は大勢の観客の元、証明されたわ。それに何人かはラッキーが転移魔法を使った事にも気づいているでしょうね。ストライク公爵がどういった行動に出るかわからないけど、あまり行動が遅いと他の人が動きだすわよ。」
「公爵家に戻れる?」
「まあ大丈夫でしょ。母親と妹さんはしっかりしてたから。メルトはどうなるかわからないけどね。メルトと言えばメルトとの戦闘に勝ったんだからモートンとの賭けにも勝った事になるわね。どうする?」
「別に何も・・・。」
「ミラらしいわね。わかったわ。モートンには私から言っておくわ。」
(アイツにはミラに近づかない様に言っておかないと。)
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ミラとマイはラッキーと公爵家がどうなるか気になっていたので、公爵家の様子を見ていた。
「お父様?」「あなた?」
「スイート、クッキー。お前達は知っていたんだな。ラッキーが王都に来ているという事を。」
「「・・・はい。」」
「いや別に責めている訳ではない。これから俺はどうすればいい?どんな顔してラッキーに会えばいい?それにメルトの事もある。アイツを養子に迎え入れたのは俺だ。なのに負けたからと言って解消すれば貴族連中から白い目で見られるのは確実だ。」
「あなた。間違った事をした者がするべき事は一つですわ。」
「・・・そうだな。ラッキーは俺を許してくれるだろうか・・・。」
「大丈夫よ。・・・まあ1発ぐらいは殴られるかもしれないけどね。」
「そうか・・・はは。俺が間違っていた。スイート、クッキーすまない。」
「お父様。」「あなた。」
「さあこれから忙しくなるぞ。ラッキーが許してくれるかわからんが、俺はもう迷わん。一番大事なモノが何か気づいたからな。その為に精一杯動くとしよう。」
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「あの様子なら大丈夫そうね。」
「うん。」
「でも私はラッキーが公爵家に戻ったとしても又旅に出る気がするわよ。ラッキーって貴族っていうより冒険者で自由にしてる方が性に合ってる気がする者。」
「うん。私もそう思う。」
「そうよね。」
(それにラッキーは国の貴族レベルに収まる器じゃないわ。他の国も巻き込んでこれから色々やると思うわ。)
ミラとマイが見守るその先では、ラッキーと父親であるロートが宿で話しているのだった。
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ミラやマイのいる神界より更に上位の神の空間では、創造神ムーに呼ばれた、上位神ゼロが話しをしていた。
「ゼロよ。ゼンパンの素質の子はうまくやっているようだな。」
「はい。ムー様に言われたように図鑑を与え、ゼンパンの素質の内容が記録されるようにしております。」
「ああ。それでかまわないよ。あの図鑑が埋まればゼロにとってもゼンパンの素質の事がよりわかるだろう。この時代にゼンパンの素質を扱う子が人の世に現れたのは何かの運命だ。我々はこの先どうなろうが、事の顛末を見守る必要がある。」
「それはどういう意味ですか?」
「ゼロの管理する世界の中でゼンパンの素質を持ったモノが現れるのは初めての事だったね。」
「はい。」
「ゼンパンとは全知全能の力だ。それは世界を大きく発展させる力でもあり、世界を破滅させる力でもある。魔王が現れると勇者が現れるように、この世の中はうまくバランスが取れるようにできているし、どの世界もそのように作っている。ゼンパンがもたらす影響は善にも悪にも大きく影響する。ゼロの管理する世界の一つだろうけど、ゼンパンの素質の影響力を見ておくのは今後、他の世界を管理する上でも役に立つだろう。」
「私に上がっている報告では、破滅させるような感じには思えませんが?」
「そうだな。それも含めてよく見ておくといい。世界のバランスというモノを。善に大きく動けば、対抗するように悪が生まれ、善と思っていてもふとした時に悪に変わったりするものだ。」
「・・・。」
「私やゼロにとっては管理する世界の内の一つだが、その星を直接管理する神にとっては気が気じゃないかもしれないな。そこは上位神としてしっかりサポートしてくれればいい。」
「わかりました。」
ミラの与えたゼンパンの素質が、遠くない将来にラッキーの国だけでなく、世界全体に広がって行く事をこの時はまだ、ラッキーも、それを見守るミラもマイも知らない。
バランスブレイカーと言われるゼンパンの素質のもたらす影響がわかるのは、その素質を作った神達の頂点にいる創造神ムーだけであった。
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