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第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル
第32話 森で出会ったのは・・・
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神様からマジックバックと『素質ゼンパンの全て~これ1冊でまるわかり~』の図鑑をもらったラッキーは、魔物討伐の依頼を受けて森に来ていた。
気配察知を使って魔物を探そうとしたとき、森の奧から悲鳴が聞こえた。
「悲鳴!?」
ラッキーは悲鳴の聞こえた方へ駆け出した。悲鳴は森の奧から聞こえてきた。
ラッキーは森の魔物を気にする事も忘れて、全速力で走っていく。
するとそこには・・・
全長2mを超えるオークと、オークの前で座り込んでいる一人の女性の姿が目に入った。
「オークに襲われてる⁉助けなきゃ。」
ラッキーは剣を握りオークに向かって行った。
「お前の相手は俺だ!!!」
ラッキーは大声を出してオークの注意を引く。すると、オークは女性からラッキーの方に目を向けた。
「よし。意識がこっちに向いたぞ。」
ラッキーはアイン達と何度かオークを討伐しており、オークの皮膚が異常に固いのは知っている。そして、アイン達とするオークの討伐は数を重ねる事に洗練されていっていた。
なので、ラッキーはオークのどこを攻めればよいのかをなんとなく掴んでいた。ラッキーはオークの意識を自分に向けると剣を握りオークの横を通りすぎると同時に太ももの部分を切り付ける。
太ももを切り付けられたオークは一瞬体制が崩れるが、そこまでのダメージがなかったのかすぐに体制を整える。そして、剣を振ってきたラッキーの方を向く。
「よし。作戦通りこっちを向いたな。あのオークは棍棒も持ってないし、大きさもいままで会ったオークと比べると大きくない。俺一人でもやれるかもしれない。」
オークは2mを超える身長に200キロを超える大きな魔物だ。そして特徴は強い力にある。個体として棍棒を持っていたりするモノもいるが、ラッキーの目の前にいるオークは棍棒を持っていなかった。
「そこの人!!オークは俺が倒すから今の内に逃げろ!」
ラッキーはオークの後ろで座ってる女性に逃げるように声を掛けた。
「えっ・・・」
女性は戸惑いながらも立ち上がった。
(よし。これでオークに集中できる。オークの攻撃さえ受けなければどうにかなるはず。スピードでは俺の方が上だ。何度も何度も切り付けてやる。)
ラッキーはオークを切り付けては距離を取り、切り付けては距離を取り、慎重に慎重にオークを攻撃していった。
だが、オークの皮膚は固い。ラッキーの攻撃はオークにダメージを与えているように見えた。ラッキーが切りつけた、オークの腕や足からは血が流れていた。しかし、オークの動きは全く衰えなかった。
(くそっ!!全然倒れないぞ。どうする?このままじゃダメか・・・。でも続けていくしか方法が・・・。前みたいに心臓狙って突きを放つべきか・・・。いやそれで死ななかったら危険だ。どうする。どうする。)
剣で切り付けて行けば、オークも徐々に弱っていき、倒せるだろうと思っていたラッキーは思うようにオークが弱っていかないので焦っていた。
(力を抑えて斬りつけるのはやめて全力で振って行かないと無理だな。剣がダメになるかもしれないけど、後の事を考えてたらこっちがやられる。やるしかない。)
ラッキーが全力で剣を振るおうと、剣を握った時、オークの背中に何かが当たった。
それは・・・
「援護するわ。私が魔法で攻撃するからあなたはオークを倒して!」
先ほど助けた女性だった。その女性がオークの背後から魔法を使ったのだ。
ラッキーはオークの意識が女性に向いた隙に、オークに向かって行き、無防備になった背中に全力で剣を振り下ろした。
剣術の講習で教わった基本の型の袈裟斬りだ。ラッキーは毎日毎日剣術の訓練を欠かさなかった。袈裟斬りは一番振った基本の型だ。
ラッキーの剣はオークの肩から胸にかけて、オークを斬りつけた。
「やった!オークの皮膚を斬りつけれたぞ。」
ラッキーは苦しむオークに再度接近し、心臓部分に当たりを付けて突きを放つ。
先ほどまで苦戦していたのがウソのように、ラッキーの放った突きはオークの心臓を捉えてオークを倒した。
『Eランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと9体です。』
「よかった~。倒せたよ。」
アナウンスが流れた事でオークが死んだ事を確認したラッキーは構えを解いて剣をしまう。そして、魔法で援護してくれた女性に声を掛けた。
「大丈夫ですか?魔法での援護ありがとうございます。あれのお陰で無事にオークを倒す事が出来ました。」
「すごいわね。一人でオークを倒すなんて・・・。いえ、それよりも私のほうこそ助けてくれてありがとう。」
「いえ。森で探索してたら悲鳴が聞こえてきたので。でも無事でよかった。」
「私の名前はシルフィードよ。あなたに命を救われたわ。一人で森に来てみたけどまさかオークに会うとは思わなかったわ。それに、オークといえど私の魔法があれば倒せると思ってたから魔法が全然効かなくてどうしようもなかったのよ。」
「俺はラッキー。冒険者をしてるよ。それにしても運がよかったね。俺が駆けつけなかった危なかったよ。」
「本当にそうね。あなたに御礼がしたいわ。私の家に来てくれないかしら?」
「別にかまわないよ。困った時はお互い様だよ。」
「そういう訳には行かないわ。受けた恩はちゃんと返さないと後で何言われるかわからないわ。」
(なんか話し方とか服装、受けた恩はちゃんと返さないとって言う所を見ると、もしかしてこの人って貴族かな・・・。なんかそんな雰囲気があるぞ。)
「そこまで気にしなくていいんだけど・・・。シルフィードが援護してくれたからオークを倒せた訳だし。」
その後、シルフィードが引かなかったので、ラッキーはオークを持ち帰れる分だけマジックバックに詰めて、シルフィードとともにリスボンの街へと戻るのだった。
マジックバックに詰めても重さが変わらない事に、いつものラッキーなら声を大にして喜ぶ所だが、一緒に街に向かうシルフィードの事が気になりそれどころではなかった。
気配察知を使って魔物を探そうとしたとき、森の奧から悲鳴が聞こえた。
「悲鳴!?」
ラッキーは悲鳴の聞こえた方へ駆け出した。悲鳴は森の奧から聞こえてきた。
ラッキーは森の魔物を気にする事も忘れて、全速力で走っていく。
するとそこには・・・
全長2mを超えるオークと、オークの前で座り込んでいる一人の女性の姿が目に入った。
「オークに襲われてる⁉助けなきゃ。」
ラッキーは剣を握りオークに向かって行った。
「お前の相手は俺だ!!!」
ラッキーは大声を出してオークの注意を引く。すると、オークは女性からラッキーの方に目を向けた。
「よし。意識がこっちに向いたぞ。」
ラッキーはアイン達と何度かオークを討伐しており、オークの皮膚が異常に固いのは知っている。そして、アイン達とするオークの討伐は数を重ねる事に洗練されていっていた。
なので、ラッキーはオークのどこを攻めればよいのかをなんとなく掴んでいた。ラッキーはオークの意識を自分に向けると剣を握りオークの横を通りすぎると同時に太ももの部分を切り付ける。
太ももを切り付けられたオークは一瞬体制が崩れるが、そこまでのダメージがなかったのかすぐに体制を整える。そして、剣を振ってきたラッキーの方を向く。
「よし。作戦通りこっちを向いたな。あのオークは棍棒も持ってないし、大きさもいままで会ったオークと比べると大きくない。俺一人でもやれるかもしれない。」
オークは2mを超える身長に200キロを超える大きな魔物だ。そして特徴は強い力にある。個体として棍棒を持っていたりするモノもいるが、ラッキーの目の前にいるオークは棍棒を持っていなかった。
「そこの人!!オークは俺が倒すから今の内に逃げろ!」
ラッキーはオークの後ろで座ってる女性に逃げるように声を掛けた。
「えっ・・・」
女性は戸惑いながらも立ち上がった。
(よし。これでオークに集中できる。オークの攻撃さえ受けなければどうにかなるはず。スピードでは俺の方が上だ。何度も何度も切り付けてやる。)
ラッキーはオークを切り付けては距離を取り、切り付けては距離を取り、慎重に慎重にオークを攻撃していった。
だが、オークの皮膚は固い。ラッキーの攻撃はオークにダメージを与えているように見えた。ラッキーが切りつけた、オークの腕や足からは血が流れていた。しかし、オークの動きは全く衰えなかった。
(くそっ!!全然倒れないぞ。どうする?このままじゃダメか・・・。でも続けていくしか方法が・・・。前みたいに心臓狙って突きを放つべきか・・・。いやそれで死ななかったら危険だ。どうする。どうする。)
剣で切り付けて行けば、オークも徐々に弱っていき、倒せるだろうと思っていたラッキーは思うようにオークが弱っていかないので焦っていた。
(力を抑えて斬りつけるのはやめて全力で振って行かないと無理だな。剣がダメになるかもしれないけど、後の事を考えてたらこっちがやられる。やるしかない。)
ラッキーが全力で剣を振るおうと、剣を握った時、オークの背中に何かが当たった。
それは・・・
「援護するわ。私が魔法で攻撃するからあなたはオークを倒して!」
先ほど助けた女性だった。その女性がオークの背後から魔法を使ったのだ。
ラッキーはオークの意識が女性に向いた隙に、オークに向かって行き、無防備になった背中に全力で剣を振り下ろした。
剣術の講習で教わった基本の型の袈裟斬りだ。ラッキーは毎日毎日剣術の訓練を欠かさなかった。袈裟斬りは一番振った基本の型だ。
ラッキーの剣はオークの肩から胸にかけて、オークを斬りつけた。
「やった!オークの皮膚を斬りつけれたぞ。」
ラッキーは苦しむオークに再度接近し、心臓部分に当たりを付けて突きを放つ。
先ほどまで苦戦していたのがウソのように、ラッキーの放った突きはオークの心臓を捉えてオークを倒した。
『Eランクの魔物一体討伐を確認しました。モンスターガチャスキルの使用まであと9体です。』
「よかった~。倒せたよ。」
アナウンスが流れた事でオークが死んだ事を確認したラッキーは構えを解いて剣をしまう。そして、魔法で援護してくれた女性に声を掛けた。
「大丈夫ですか?魔法での援護ありがとうございます。あれのお陰で無事にオークを倒す事が出来ました。」
「すごいわね。一人でオークを倒すなんて・・・。いえ、それよりも私のほうこそ助けてくれてありがとう。」
「いえ。森で探索してたら悲鳴が聞こえてきたので。でも無事でよかった。」
「私の名前はシルフィードよ。あなたに命を救われたわ。一人で森に来てみたけどまさかオークに会うとは思わなかったわ。それに、オークといえど私の魔法があれば倒せると思ってたから魔法が全然効かなくてどうしようもなかったのよ。」
「俺はラッキー。冒険者をしてるよ。それにしても運がよかったね。俺が駆けつけなかった危なかったよ。」
「本当にそうね。あなたに御礼がしたいわ。私の家に来てくれないかしら?」
「別にかまわないよ。困った時はお互い様だよ。」
「そういう訳には行かないわ。受けた恩はちゃんと返さないと後で何言われるかわからないわ。」
(なんか話し方とか服装、受けた恩はちゃんと返さないとって言う所を見ると、もしかしてこの人って貴族かな・・・。なんかそんな雰囲気があるぞ。)
「そこまで気にしなくていいんだけど・・・。シルフィードが援護してくれたからオークを倒せた訳だし。」
その後、シルフィードが引かなかったので、ラッキーはオークを持ち帰れる分だけマジックバックに詰めて、シルフィードとともにリスボンの街へと戻るのだった。
マジックバックに詰めても重さが変わらない事に、いつものラッキーなら声を大にして喜ぶ所だが、一緒に街に向かうシルフィードの事が気になりそれどころではなかった。
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