2 / 178
第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル
第2話 ちょっと追放されちゃったわよ?
しおりを挟む
ラッキーが天職の儀を終えて10日経ち、公爵家から追放された頃・・・
雲の上の神界では、ラッキーの事を見守る1人の少女がいた。
「ラッキーさん・・・」
その少女の名はミラ。今回ラッキーに【ゼンパン】の素質を授けた神様だ。
「ミラ!ラッキー追放されちゃったわよ?どうするの?」
ミラの隣で下界を見守っていた女性は、ミラの姉でマイという。
「姉さん・・・。私の素質のせいで、ラッキーさんが・・・」
「人間界では【ゼンパン】の素質なんて初めてだもん。パンしか出せない素質っておもっちゃっても仕方ないわね。でも公爵家もひどい事するわね。もう少し様子を見ればよかったのに・・・」
「ラッキーさん。大丈夫かな?」
「ミラ!安心しなさい。あなたが選んだんでしょ。大丈夫よ。」
「本当?」
「もちろん。ミラも【ゼンパン】の素質の事は知ってるでしょ。今はまあ・・・運が悪かったのよ。この素質が世界で最も優れているのは私が保証するわ。そうでしょ?」
「うん。」
この世界の素質は神界にいる神より下界の人々に与えられていた。
ミラは10年程前に下界にお忍びで遊びに行った事があり、そこで道に迷っている所をラッキーに助けられていた。
ミラはその時からラッキーの事を気にかけていた。
ミラの持つ素質は【ゼンパン】で神の中で最も優れた素質を持つ神と言われていた。その絶大な力の為、ミラは今まで素質を人間に与える事をしなかった。
今回、ラッキーが天職の儀を迎えるにあたり、ミラは初めて【ゼンパン】の素質を与えたのだった。
「いつもは光魔法とか治癒魔法の素質を与えてるけど、今回は【聖女】の素質を与えたからその子にラッキーの事を気に掛けるように神託出しておくから。」
「姉さん・・・ん・・・でも大丈夫。ラッキーさんを信じる。」
ミラの姉のマイは【聖女】の素質を持つ神だ。【聖女】の素質はレアな素質な為、バンバンと授ける事はできない。いつもは【聖女】に付随する杖術や光魔法、水魔法、治癒魔法なんかを与えていた。
「それにしても剣聖か・・・。あいつの与えた素質よね。いやになるわ。」
「うん。」
神界に住む神はそれぞれがないかしらの素質を持っていて、自分の持つ素材を下界の人間に与えている。与えた人間が成果を出すとその素質を与えた神の位があがり、より偉くなっていくというシステムだ。
神の位を上げる為にポンポンと素質を与える神もいるが、ミラはその絶大な力の素質の為に、父であるゼウスよりむやみに素質を与える事を禁じられていたのだった。
「それよりラッキーに【ゼンパン】の内容を伝えなくていいの?もし神力が足りないなら私が代わりにラッキーに伝えるわよ?」
「姉さん・・・ありがとう。でもこれは父さんにも言われた事だから・・・自分で神力溜めてラッキーさんには伝える。」
「ミラ・・・・。わかったわ。でもいつでも言ってよね。何でも協力するから!」
「ありがとう姉さん。」
【ゼンパン】の素材がこの世界で最も優れていると言われる所以はガチャにある。
10日間の検証で、【ゼンパン】は【全パン】という事になったが、実際は【ゼンパン】=【全般】という意味だった。
どういう事かというと、ラッキーが1日1回使うガチャスキルはパン以外にも素質を入手する事ができるのだ。
それがどういう事かわかるだろうか?
この世界では15歳で転職の儀を受けた後に新たに素質を獲得する事はできない。そして素質を持っている人は圧倒的に良い人生を歩む事ができる。
火魔法で例えると、素質を持っていない人は、魔力操作を覚えて、魔力の放出を覚える。魔力を火属性に変換する事を覚えて、詠唱で補助してようやく火魔法が使えるようになる。
それに比べて、火魔法の素質を持つ人は、素質を得た瞬間に火魔法を使う事ができるのだ。
その差はとても大きい。火魔法が使えるようになってからもより威力の高い火魔法を習得するスピードも素質を持つ者の方が圧倒的に早い。
これを聞けばこの世界で素質がどれほど重要がわかるだろう。
【ゼンパン】の素質を得たラッキーはガチャスキルで火魔法だろうが水魔法だろうが、剣聖だろうが、聖女だろうが全ての素材を入手する事ができるのだ。
では、なぜラッキーはスキルを使っても他の素質を得る事ができずにパンばかりが出ていたのか・・・
それはガチャの確率によるものだった。
ガチャスキルの詳細は、
素材入手確率0.3%、ハズレ99.7%なのだ。
つまり、300回程引いて1回素質が出る確率なのだ。
300回⁉と驚くかもしれないが、1年に1つ新たな素質が入手できるのだ。しかもどんな素質も。更に、今回のスキルはデイリーガチャというスキルだ。それ以外にもガチャスキルは存在していた。
それを考えると最も優れた素質というのがわかるだろう。
ラッキー含め、この世界の人間は【ゼンパン】の素質の内容を知らないので、パンばかり出すガチャスキルという内容からラッキーの素質はハズレだと決めつけていたのだった。
「ラッキーさん。【ゼンパン】の素質はきっとラッキーさんの力になってくれます。どうが諦めずにガチャを引き続けてください。」
ミラは公爵家を追放されて、家を出ていくラッキーを見守りながらそうつぶやいたのだった。
雲の上の神界では、ラッキーの事を見守る1人の少女がいた。
「ラッキーさん・・・」
その少女の名はミラ。今回ラッキーに【ゼンパン】の素質を授けた神様だ。
「ミラ!ラッキー追放されちゃったわよ?どうするの?」
ミラの隣で下界を見守っていた女性は、ミラの姉でマイという。
「姉さん・・・。私の素質のせいで、ラッキーさんが・・・」
「人間界では【ゼンパン】の素質なんて初めてだもん。パンしか出せない素質っておもっちゃっても仕方ないわね。でも公爵家もひどい事するわね。もう少し様子を見ればよかったのに・・・」
「ラッキーさん。大丈夫かな?」
「ミラ!安心しなさい。あなたが選んだんでしょ。大丈夫よ。」
「本当?」
「もちろん。ミラも【ゼンパン】の素質の事は知ってるでしょ。今はまあ・・・運が悪かったのよ。この素質が世界で最も優れているのは私が保証するわ。そうでしょ?」
「うん。」
この世界の素質は神界にいる神より下界の人々に与えられていた。
ミラは10年程前に下界にお忍びで遊びに行った事があり、そこで道に迷っている所をラッキーに助けられていた。
ミラはその時からラッキーの事を気にかけていた。
ミラの持つ素質は【ゼンパン】で神の中で最も優れた素質を持つ神と言われていた。その絶大な力の為、ミラは今まで素質を人間に与える事をしなかった。
今回、ラッキーが天職の儀を迎えるにあたり、ミラは初めて【ゼンパン】の素質を与えたのだった。
「いつもは光魔法とか治癒魔法の素質を与えてるけど、今回は【聖女】の素質を与えたからその子にラッキーの事を気に掛けるように神託出しておくから。」
「姉さん・・・ん・・・でも大丈夫。ラッキーさんを信じる。」
ミラの姉のマイは【聖女】の素質を持つ神だ。【聖女】の素質はレアな素質な為、バンバンと授ける事はできない。いつもは【聖女】に付随する杖術や光魔法、水魔法、治癒魔法なんかを与えていた。
「それにしても剣聖か・・・。あいつの与えた素質よね。いやになるわ。」
「うん。」
神界に住む神はそれぞれがないかしらの素質を持っていて、自分の持つ素材を下界の人間に与えている。与えた人間が成果を出すとその素質を与えた神の位があがり、より偉くなっていくというシステムだ。
神の位を上げる為にポンポンと素質を与える神もいるが、ミラはその絶大な力の素質の為に、父であるゼウスよりむやみに素質を与える事を禁じられていたのだった。
「それよりラッキーに【ゼンパン】の内容を伝えなくていいの?もし神力が足りないなら私が代わりにラッキーに伝えるわよ?」
「姉さん・・・ありがとう。でもこれは父さんにも言われた事だから・・・自分で神力溜めてラッキーさんには伝える。」
「ミラ・・・・。わかったわ。でもいつでも言ってよね。何でも協力するから!」
「ありがとう姉さん。」
【ゼンパン】の素材がこの世界で最も優れていると言われる所以はガチャにある。
10日間の検証で、【ゼンパン】は【全パン】という事になったが、実際は【ゼンパン】=【全般】という意味だった。
どういう事かというと、ラッキーが1日1回使うガチャスキルはパン以外にも素質を入手する事ができるのだ。
それがどういう事かわかるだろうか?
この世界では15歳で転職の儀を受けた後に新たに素質を獲得する事はできない。そして素質を持っている人は圧倒的に良い人生を歩む事ができる。
火魔法で例えると、素質を持っていない人は、魔力操作を覚えて、魔力の放出を覚える。魔力を火属性に変換する事を覚えて、詠唱で補助してようやく火魔法が使えるようになる。
それに比べて、火魔法の素質を持つ人は、素質を得た瞬間に火魔法を使う事ができるのだ。
その差はとても大きい。火魔法が使えるようになってからもより威力の高い火魔法を習得するスピードも素質を持つ者の方が圧倒的に早い。
これを聞けばこの世界で素質がどれほど重要がわかるだろう。
【ゼンパン】の素質を得たラッキーはガチャスキルで火魔法だろうが水魔法だろうが、剣聖だろうが、聖女だろうが全ての素材を入手する事ができるのだ。
では、なぜラッキーはスキルを使っても他の素質を得る事ができずにパンばかりが出ていたのか・・・
それはガチャの確率によるものだった。
ガチャスキルの詳細は、
素材入手確率0.3%、ハズレ99.7%なのだ。
つまり、300回程引いて1回素質が出る確率なのだ。
300回⁉と驚くかもしれないが、1年に1つ新たな素質が入手できるのだ。しかもどんな素質も。更に、今回のスキルはデイリーガチャというスキルだ。それ以外にもガチャスキルは存在していた。
それを考えると最も優れた素質というのがわかるだろう。
ラッキー含め、この世界の人間は【ゼンパン】の素質の内容を知らないので、パンばかり出すガチャスキルという内容からラッキーの素質はハズレだと決めつけていたのだった。
「ラッキーさん。【ゼンパン】の素質はきっとラッキーさんの力になってくれます。どうが諦めずにガチャを引き続けてください。」
ミラは公爵家を追放されて、家を出ていくラッキーを見守りながらそうつぶやいたのだった。
0
お気に入りに追加
1,271
あなたにおすすめの小説
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした
今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。
二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。
しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。
元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。
そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。
が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。
このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。
※ざまぁというよりは改心系です。
※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。
旦那様、最後に一言よろしいでしょうか?
甘糖むい
恋愛
白い結婚をしてから3年目。
夫ライドとメイドのロゼールに召使いのような扱いを受けていたエラリアは、ロゼールが妊娠した事を知らされ離婚を決意する。
「死んでくれ」
夫にそう言われるまでは。
私を捨てて後悔したようですけど、もうあなたと関わりません
天宮有
恋愛
「クノレラの方が好きだから、俺との婚約を破棄して欲しい」
伯爵令嬢の私キャシーは、婚約者ラウド王子の発言が信じられなかった。
一目惚れしたと言われて私は強引に婚約が決まり、その後ラウド王子は男爵令嬢クノレラを好きになったようだ。
ラウド王子が嫌になったから、私に関わらないと約束させる。
その後ラウド王子は、私を捨てたことを後悔していた。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる