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第十章 家族の時間
第321話 グランとの時間 5
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「なんか陽気なおっさんだったな。」
「アイツとは元々仲が良かったからな。我もアイツが我の島から仲間達を捕まえてるとは思ってはいなかったからな。」
オーク族の城へ向かったクリフ達は、そこで魔王オーキンに出会った。身長は5mを超える巨体で人型化した姿は、巨大なドワーフ?と思わすほどの人物だった。髭もじゃで斧や槌が似合いそうなおっさんで武器の代わりに酒瓶を持っていた。
グランとオーキンは仲が良いのか、開口一番グランがオーク族が島でスライムを捕まえようとしていた事を伝えた。オーキンはその事を知らなかったのかすぐに側近に内容を確認し、首謀者を突き止めた。
すると、オーキンは激怒してその側近を近くにあった巨大な斧で一閃し殺したのだ。その光景をただただ見つめていたクリフだったが、その後オーキンはグランに謝罪した。
クリフは魔王というぐらいだから全面戦争もありえるかもと思っていたので、ほっとしていた。エメラルドはオーキンの姿に震えていたがクリフの印象は、豪快なおっさんだった。
謝罪を受け入れた後は、グランがクリフを紹介し、祝い酒だとオーキンが酒席を開きクリフはオーキンに浴びる程酒を飲まされた。オーク族は酒が好きなようでクリフは、オーキンから次々に渡される酒を飲みながらオークとドワーフって親戚かもしれないと本気で思ったのだった。
酒席が終わり、エメラルドが魔王になる事を伝えクリフ達はオーキンの元を去っていた。
「他の魔王もオーキンみたいな奴らなのか?」
「いやそう言う訳ではないな。我もオーキン以外はあまり交流もないからわからぬな。オーキンとは島も近いからのぉ。それより泊まっていかないくてよかったのか?」
「ああ、長居したらそれだけ酒を飲まされそうだからな。俺にはオークって言うよりドワーフにしか見えなかったよ。あれなら地上に出てもうまくやっていくんじゃないのか?」
「そうじゃな。正直我のスライム族とオーキンのオーク族は人族達ともうまくやっていける可能性はあるな。じゃがマスターもしっておるじゃろうが、魔物は討伐するべき敵という印象がどうしても人族の中にはあるからのぉ。しかも大勢がそう思っておる。それに今のままでも我達は十分生きていけているから十分じゃ。」
「姉様の言う通りだ。アタシ達はあの島があれば何もいらない。やはり他の場所は危険が多いからな。だが興味があって地上に降り立り他の島にいく仲間達がいるのも現実だ。そこまでは自己責任だから何も言えないがな。」
(なるほどな。まあそりゃそうか。スライム族にしたって生まれた島でずっといたい個体もいれば地上や他の島にあこがれを持つ個体だっているよな~。その辺は自己責任・・・まあ普通か。)
「なるほどな。それで?これからどうするんだ?他の魔王達の元へ行くのか?」
「いや一度戻るのじゃ。オーキンにも言われたが、捕まえたオークを処分しなければならぬしな。それに・・・オーキンとは友好的に話せるが他の魔王は同じようにいかぬかもしれぬ。」
「そう言えばオーキン以外はあまり交流がないって言ってたな?同じように行かないっていうのはやっぱり乗り込んだら戦闘もあり得るって事か?」
「姉様はけっこう自由だったからな。他の魔王のいる島にも自由に出歩いていてよく問題を起こしていたからな。姉様が他の魔王の元へ向かって戦いが始まるとその余波を受けるのはそこに住んでいる種族だ。姉様は自分の島で戦わずに他所の魔王の所へ行ってたからな。苦情殺到だったよ。姉様がいなくなってそれがなくなったから他の魔王は安心していたかもしれないな。」
「そうなのか?」
「我と戦えるのは他の魔王ぐらいじゃったからな。ドラキンとは一度戦い始めると10日はぶっ通して戦う事もあったぞ。」
(なるほどグランが居なくなった事を悲しんだ人もいれば、喜んだ人もいるって事か。そりゃそうだよな仮に俺とグランがエターレイン領で戦うなんて事になったらそこに住む人達は迷惑以外の何物でもないもんな。たしかにグランは、召喚した時は優雅独尊って感じの性格だったわ。となると他の魔王の所に行くと恨まれてる可能性が高いな。魔王交代は歓迎されるだろうけど、損害賠償とか言われる可能性もあるんじゃ・・・。グランとエメラルドの為に穏便には済ましたいから協力はするけど、結構気が重いな。)
「わかった。ならとりあえずその辺を詳しく教えてもらってから次にどの魔王の元へ向かうか決めるか。あと5人だろ?毎日1人の魔王に会うとして5日だろ?その間にエターレインとの転移魔法陣も考えるか。」
「そうじゃな。島までなら我の転移魔法でも行く事ができが、どうせなら今日のようにマスターと移動したいからのぉ。それを考えると一日一魔王が丁度良いか。エメラルドもそれで良いかのぉ?」
「もちろんよ。」
7人の魔王の内の一人、オーク族のオーキンへの魔王交代の連絡を無事に終わらせたクリフ達は、スライム城へと戻って行った。その後、明日行く場所をラミア族のいる島へと決めたクリフは、エターレイン領との転移魔法陣を作る為、夜遅くまでグランとイチャイチャしながら魔法の改良をしていくのだった。
「アイツとは元々仲が良かったからな。我もアイツが我の島から仲間達を捕まえてるとは思ってはいなかったからな。」
オーク族の城へ向かったクリフ達は、そこで魔王オーキンに出会った。身長は5mを超える巨体で人型化した姿は、巨大なドワーフ?と思わすほどの人物だった。髭もじゃで斧や槌が似合いそうなおっさんで武器の代わりに酒瓶を持っていた。
グランとオーキンは仲が良いのか、開口一番グランがオーク族が島でスライムを捕まえようとしていた事を伝えた。オーキンはその事を知らなかったのかすぐに側近に内容を確認し、首謀者を突き止めた。
すると、オーキンは激怒してその側近を近くにあった巨大な斧で一閃し殺したのだ。その光景をただただ見つめていたクリフだったが、その後オーキンはグランに謝罪した。
クリフは魔王というぐらいだから全面戦争もありえるかもと思っていたので、ほっとしていた。エメラルドはオーキンの姿に震えていたがクリフの印象は、豪快なおっさんだった。
謝罪を受け入れた後は、グランがクリフを紹介し、祝い酒だとオーキンが酒席を開きクリフはオーキンに浴びる程酒を飲まされた。オーク族は酒が好きなようでクリフは、オーキンから次々に渡される酒を飲みながらオークとドワーフって親戚かもしれないと本気で思ったのだった。
酒席が終わり、エメラルドが魔王になる事を伝えクリフ達はオーキンの元を去っていた。
「他の魔王もオーキンみたいな奴らなのか?」
「いやそう言う訳ではないな。我もオーキン以外はあまり交流もないからわからぬな。オーキンとは島も近いからのぉ。それより泊まっていかないくてよかったのか?」
「ああ、長居したらそれだけ酒を飲まされそうだからな。俺にはオークって言うよりドワーフにしか見えなかったよ。あれなら地上に出てもうまくやっていくんじゃないのか?」
「そうじゃな。正直我のスライム族とオーキンのオーク族は人族達ともうまくやっていける可能性はあるな。じゃがマスターもしっておるじゃろうが、魔物は討伐するべき敵という印象がどうしても人族の中にはあるからのぉ。しかも大勢がそう思っておる。それに今のままでも我達は十分生きていけているから十分じゃ。」
「姉様の言う通りだ。アタシ達はあの島があれば何もいらない。やはり他の場所は危険が多いからな。だが興味があって地上に降り立り他の島にいく仲間達がいるのも現実だ。そこまでは自己責任だから何も言えないがな。」
(なるほどな。まあそりゃそうか。スライム族にしたって生まれた島でずっといたい個体もいれば地上や他の島にあこがれを持つ個体だっているよな~。その辺は自己責任・・・まあ普通か。)
「なるほどな。それで?これからどうするんだ?他の魔王達の元へ行くのか?」
「いや一度戻るのじゃ。オーキンにも言われたが、捕まえたオークを処分しなければならぬしな。それに・・・オーキンとは友好的に話せるが他の魔王は同じようにいかぬかもしれぬ。」
「そう言えばオーキン以外はあまり交流がないって言ってたな?同じように行かないっていうのはやっぱり乗り込んだら戦闘もあり得るって事か?」
「姉様はけっこう自由だったからな。他の魔王のいる島にも自由に出歩いていてよく問題を起こしていたからな。姉様が他の魔王の元へ向かって戦いが始まるとその余波を受けるのはそこに住んでいる種族だ。姉様は自分の島で戦わずに他所の魔王の所へ行ってたからな。苦情殺到だったよ。姉様がいなくなってそれがなくなったから他の魔王は安心していたかもしれないな。」
「そうなのか?」
「我と戦えるのは他の魔王ぐらいじゃったからな。ドラキンとは一度戦い始めると10日はぶっ通して戦う事もあったぞ。」
(なるほどグランが居なくなった事を悲しんだ人もいれば、喜んだ人もいるって事か。そりゃそうだよな仮に俺とグランがエターレイン領で戦うなんて事になったらそこに住む人達は迷惑以外の何物でもないもんな。たしかにグランは、召喚した時は優雅独尊って感じの性格だったわ。となると他の魔王の所に行くと恨まれてる可能性が高いな。魔王交代は歓迎されるだろうけど、損害賠償とか言われる可能性もあるんじゃ・・・。グランとエメラルドの為に穏便には済ましたいから協力はするけど、結構気が重いな。)
「わかった。ならとりあえずその辺を詳しく教えてもらってから次にどの魔王の元へ向かうか決めるか。あと5人だろ?毎日1人の魔王に会うとして5日だろ?その間にエターレインとの転移魔法陣も考えるか。」
「そうじゃな。島までなら我の転移魔法でも行く事ができが、どうせなら今日のようにマスターと移動したいからのぉ。それを考えると一日一魔王が丁度良いか。エメラルドもそれで良いかのぉ?」
「もちろんよ。」
7人の魔王の内の一人、オーク族のオーキンへの魔王交代の連絡を無事に終わらせたクリフ達は、スライム城へと戻って行った。その後、明日行く場所をラミア族のいる島へと決めたクリフは、エターレイン領との転移魔法陣を作る為、夜遅くまでグランとイチャイチャしながら魔法の改良をしていくのだった。
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