191 / 283
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第278話 魔王を助ける?助けない?
しおりを挟む
「セリーヌ、グラン。ただいま。」
「クリフ様お帰りなさい。」
「マスターよ。お帰りなのじゃ。」
「ユイとリンティアとは仲良くやれてるみたいだね。安心したよ。」
「ええ。4人で楽しくおしゃべりしてました。」
「クリフさん。改めて・・・ユイ達を助けてくれてありがとうございます。」
「うん。まあリンティアは知らない仲じゃなかったからね。俺は魔族だからって差別したりはしないから安心してくれていいよ。だけど、なんであんな所にいたのかは教えてもらっていいかな。」
「それは私が話そう。クリフ殿。ユイ様を助けてもらって感謝する。それで・・・話はここですれば良いのか?」
「クリフ様?皆を呼びましょうか?」
「そうだな。一緒に話を聞いてもらったほうがいい。セリーヌお願いできるか。」
「わかりました。では軽く食事でもしながら話をしましょうか。会議室に食事を持ってくるように伝えておきます。」
「助かるよ。」
「マスター。我も呼びに行ってくるぞ。」
「わかった。」
セリーヌとグランが、部屋から出て、クリフはユイとリンティアに話しかけた。
「ユイもリンティアもそれでいいか?正直言うとまだどうこうするか決まってるわけじゃない。が、できる限り協力してあげたいと俺は思ってる。まあ嫁達が反対すればわからないけどね。それに食事もまだだろう?」
「クリフ殿・・・感謝する。」
☆☆☆
クリフとセリーヌ、嫁達全員が集まったので、ユイとリンティアがなぜ魔の森にいたのか説明が始まった。話を全てまとめると・・・
ユイは魔国の魔王という事。
力がない魔王は魔国には相応しくないと、殺されかけた事。
味方が転移魔法で逃がしてくれて、その先が魔の森だった事。
という事だった。
セリーヌ達は魔族という事は会った時からわかっていたが、さすがに魔王という事に驚いていた。
「クリフ殿。無茶を承知でお願いする。ユイ様を助けてくれ。クリフ殿が手に入れた魔王様の核があっただろう。あれをユイ様に使ってくれないか。そうすればフォルカス様も魔国も助ける事ができる。」
「それは・・・」
魔王の核とは、魔王の力を封じた宝玉の事で、勇者が現れた時に創造神が帝国のダンジョンの底に封印していたモノだ。魔族に渡れば魔王が力を取りもどし、世界を破滅に導くと言われており、魔族より先にクリフが手に入れて保管していた。
(たしかに魔王の核は俺が持ってる。だけど、あれはさすがに駄目だ。たしかに魔王が力を取り戻したらリンティアが言うように、魔国に戻って反乱を収める事はできるだろう。だけど反乱が収まった後は?きっと王国や帝国、聖国を攻めるだろう。そんなリスクは負えない。)
「リンティア。それはできないわ。そもそも私達は魔王は世界を破滅に導く存在だって言われてるわ。今のユイを見て、そんな事するとは思えないけど、魔王の核を手に入れたらそうなるかもしれない。だからそれは無理よ。」
クリフが思っていたことをナリアがリンティアに伝えた。
「そんな・・・」
「ユイ。ナリアは帝国の皇女だったんだ。魔族が帝国に攻めたのをユイは知ってるか?帝国だけじゃない王国も魔族が何度か攻めてきた。魔物を引き連れてな。その時には少なくない犠牲が出ている。その事をユイは知ってるのか?」
(少なくともユイの指示で他国を攻めてるなら、助ける話は無しだ。普段は他国を攻めていて具合が悪いから助けてくれでは都合が良すぎるからな。)
「リンティア。それは本当なの?」
「ユイ様・・・それは・・・」
(ユイは何も知らないのか?伝えられてない?なんか肩書きだけ持った傀儡の王様みたいだな。幼くて何もしらないけど、血筋が良いから王には据えるけど、実務は全く知らない。みたいな。)
「リンティアは知ってるのですね。そうですか・・・。いえ、知らなかった。知らされていなかったユイが悪いのかもしれません。ユイ達魔族がどういった種族で、過去どのような事をしたのかは書物を読んで知っています。ユイは魔国を平和な国にしたかった。争う事のない国に・・・ユイには力はありませんが、フォルダー、フォルカスが中心となって、そういう国にしていけると思ってましたが、どうやらユイが思っていただけみたいですね。」
「ユイ様・・・」
「リンティア。こちらが先に相手を殺しておいて、こちらが危ないからと相手に助けてほしいとは都合が良すぎます。そしてそんな事するわけがないことも。」
「ユイの方がわかってるな。リンティアそういう事だ。」
「そんな・・・ではフォルカス様やみんなは・・・」
(さてどうするか・・・ユイに魔王の核を渡さないとは言ったが、魔国がそんな状況なら、これから王国や帝国、聖国を攻めてくるのは目に見えてる。今攻められてる訳じゃないからこっちから攻める訳にはいかないけど、攻められた時に備える必要はあるだろう。ユイが力を持たないまま魔国を治める事ができれば攻められる事はなくなるか?ならユイとリンティアを連れて魔国に行ってみるのもいいかもしれないな。)
「クリフさん。ユイを奴隷にしてください。魔王の核で力を取り戻してもユイがクリフさんの奴隷なら、魔国の騒動が収まっても他国を襲うことはありません。これならクリフさんも安心でしょう。」
協力できないと落胆する魔王ユイから出た言葉はその場が驚きに包まれる一言だった。
「クリフ様お帰りなさい。」
「マスターよ。お帰りなのじゃ。」
「ユイとリンティアとは仲良くやれてるみたいだね。安心したよ。」
「ええ。4人で楽しくおしゃべりしてました。」
「クリフさん。改めて・・・ユイ達を助けてくれてありがとうございます。」
「うん。まあリンティアは知らない仲じゃなかったからね。俺は魔族だからって差別したりはしないから安心してくれていいよ。だけど、なんであんな所にいたのかは教えてもらっていいかな。」
「それは私が話そう。クリフ殿。ユイ様を助けてもらって感謝する。それで・・・話はここですれば良いのか?」
「クリフ様?皆を呼びましょうか?」
「そうだな。一緒に話を聞いてもらったほうがいい。セリーヌお願いできるか。」
「わかりました。では軽く食事でもしながら話をしましょうか。会議室に食事を持ってくるように伝えておきます。」
「助かるよ。」
「マスター。我も呼びに行ってくるぞ。」
「わかった。」
セリーヌとグランが、部屋から出て、クリフはユイとリンティアに話しかけた。
「ユイもリンティアもそれでいいか?正直言うとまだどうこうするか決まってるわけじゃない。が、できる限り協力してあげたいと俺は思ってる。まあ嫁達が反対すればわからないけどね。それに食事もまだだろう?」
「クリフ殿・・・感謝する。」
☆☆☆
クリフとセリーヌ、嫁達全員が集まったので、ユイとリンティアがなぜ魔の森にいたのか説明が始まった。話を全てまとめると・・・
ユイは魔国の魔王という事。
力がない魔王は魔国には相応しくないと、殺されかけた事。
味方が転移魔法で逃がしてくれて、その先が魔の森だった事。
という事だった。
セリーヌ達は魔族という事は会った時からわかっていたが、さすがに魔王という事に驚いていた。
「クリフ殿。無茶を承知でお願いする。ユイ様を助けてくれ。クリフ殿が手に入れた魔王様の核があっただろう。あれをユイ様に使ってくれないか。そうすればフォルカス様も魔国も助ける事ができる。」
「それは・・・」
魔王の核とは、魔王の力を封じた宝玉の事で、勇者が現れた時に創造神が帝国のダンジョンの底に封印していたモノだ。魔族に渡れば魔王が力を取りもどし、世界を破滅に導くと言われており、魔族より先にクリフが手に入れて保管していた。
(たしかに魔王の核は俺が持ってる。だけど、あれはさすがに駄目だ。たしかに魔王が力を取り戻したらリンティアが言うように、魔国に戻って反乱を収める事はできるだろう。だけど反乱が収まった後は?きっと王国や帝国、聖国を攻めるだろう。そんなリスクは負えない。)
「リンティア。それはできないわ。そもそも私達は魔王は世界を破滅に導く存在だって言われてるわ。今のユイを見て、そんな事するとは思えないけど、魔王の核を手に入れたらそうなるかもしれない。だからそれは無理よ。」
クリフが思っていたことをナリアがリンティアに伝えた。
「そんな・・・」
「ユイ。ナリアは帝国の皇女だったんだ。魔族が帝国に攻めたのをユイは知ってるか?帝国だけじゃない王国も魔族が何度か攻めてきた。魔物を引き連れてな。その時には少なくない犠牲が出ている。その事をユイは知ってるのか?」
(少なくともユイの指示で他国を攻めてるなら、助ける話は無しだ。普段は他国を攻めていて具合が悪いから助けてくれでは都合が良すぎるからな。)
「リンティア。それは本当なの?」
「ユイ様・・・それは・・・」
(ユイは何も知らないのか?伝えられてない?なんか肩書きだけ持った傀儡の王様みたいだな。幼くて何もしらないけど、血筋が良いから王には据えるけど、実務は全く知らない。みたいな。)
「リンティアは知ってるのですね。そうですか・・・。いえ、知らなかった。知らされていなかったユイが悪いのかもしれません。ユイ達魔族がどういった種族で、過去どのような事をしたのかは書物を読んで知っています。ユイは魔国を平和な国にしたかった。争う事のない国に・・・ユイには力はありませんが、フォルダー、フォルカスが中心となって、そういう国にしていけると思ってましたが、どうやらユイが思っていただけみたいですね。」
「ユイ様・・・」
「リンティア。こちらが先に相手を殺しておいて、こちらが危ないからと相手に助けてほしいとは都合が良すぎます。そしてそんな事するわけがないことも。」
「ユイの方がわかってるな。リンティアそういう事だ。」
「そんな・・・ではフォルカス様やみんなは・・・」
(さてどうするか・・・ユイに魔王の核を渡さないとは言ったが、魔国がそんな状況なら、これから王国や帝国、聖国を攻めてくるのは目に見えてる。今攻められてる訳じゃないからこっちから攻める訳にはいかないけど、攻められた時に備える必要はあるだろう。ユイが力を持たないまま魔国を治める事ができれば攻められる事はなくなるか?ならユイとリンティアを連れて魔国に行ってみるのもいいかもしれないな。)
「クリフさん。ユイを奴隷にしてください。魔王の核で力を取り戻してもユイがクリフさんの奴隷なら、魔国の騒動が収まっても他国を襲うことはありません。これならクリフさんも安心でしょう。」
協力できないと落胆する魔王ユイから出た言葉はその場が驚きに包まれる一言だった。
45
お気に入りに追加
4,427
あなたにおすすめの小説
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
アレク・プランタン
かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった
と‥‥転生となった
剣と魔法が織りなす世界へ
チートも特典も何もないまま
ただ前世の記憶だけを頼りに
俺は精一杯やってみる
毎日更新中!
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
転生幼児は夢いっぱい
meimei
ファンタジー
日本に生まれてかれこれ27年大学も出て希望の職業にもつき順風満帆なはずだった男は、
ある日親友だと思っていた男に手柄を横取りされ左遷されてしまう。左遷された所はとても忙しい部署で。ほぼ不眠不休…の生活の末、気がつくとどうやら亡くなったらしい??
らしいというのも……前世を思い出したのは
転生して5年経ってから。そう…5歳の誕生日の日にだった。
これは秘匿された出自を知らないまま、
チートしつつ異世界を楽しむ男の話である!
☆これは作者の妄想によるフィクションであり、登場するもの全てが架空の産物です。
誤字脱字には優しく軽く流していただけると嬉しいです。
☆ファンタジーカップありがとうございました!!(*^^*)
今後ともよろしくお願い致します🍀
聖女を追放した国の物語 ~聖女追放小説の『嫌われ役王子』に転生してしまった。~
猫野 にくきゅう
ファンタジー
国を追放された聖女が、隣国で幸せになる。
――おそらくは、そんな内容の小説に出てくる
『嫌われ役』の王子に、転生してしまったようだ。
俺と俺の暮らすこの国の未来には、
惨めな破滅が待ち構えているだろう。
これは、そんな運命を変えるために、
足掻き続ける俺たちの物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
狂乱令嬢ニア・リストン
南野海風
ファンタジー
この時代において、最も新しき英雄の名は、これから記されることになります。
素手で魔獣を屠る、血雨を歩く者。
傷つき倒れる者を助ける、白き癒し手。
堅牢なる鎧さえ意味をなさない、騎士殺し。
ただただ死闘を求める、自殺願望者。
ほかにも暴走お嬢様、爆走天使、暴虐の姫君、破滅の舞踏、などなど。
様々な異名で呼ばれた彼女ですが、やはり一番有名なのは「狂乱令嬢」の名。
彼女の名は、これより歴史書の一ページに刻まれることになります。
英雄の名に相応しい狂乱令嬢の、華麗なる戦いの記録。
そして、望まないまでも拒む理由もなく歩を進めた、偶像の軌跡。
狂乱令嬢ニア・リストン。
彼女の物語は、とある夜から始まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。