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第8章 クリフ一家と領地改革!?

第252話 世界樹の中

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「近くで見ると本当に大きいな。」

「そりゃそうよ。私が生まれる前から、もっと言えばこの大陸ができた頃からあるもの。」

クリフとサラサは実りが減っているという世界樹の元へと来ていた。クリフの目の前には天にも届きそうなほど伸びあがった巨大な木があった。

「それで、世界樹の実りってどれなの?世界樹に実がなるの?」

「ここからじゃ見えないわ。葉が邪魔してるしね。そこらに落ちてる黒いヤツがあるでしょ?それが世界樹の実よ。」

(えっ・・・このいかにもまずそうな黒いヤツが世界樹の実?魔物の糞かと思ってたんだけど、それに世界樹の葉か・・・世界樹の葉って死んでも生き返る定番アイテムだけどここの葉って何かに使えるんだろうか?)

「なんか変な想像してるようだけど、黒いヤツは全て腐ってるから食べれないわよ。世界樹の実は地面に落ちると、腐って黒くなるの。普通は黄色い実よ。」

「そ、そうなんだ。」

(そりゃそうだよな。こんな黒いヤツ食べたらお腹壊すよ。)

「なら上に行けばいいのか?」

「ええ、世界樹の中に入れるわ。最近は世界樹の中に魔物が出るようになったから移動は大変だけど、あなたがいるならなんとかなるわ。」

(最近か・・・魔物が出てきたのも恵みが減ったのと関係があるのか?それに腐った実も結構あるよな?腐る前に収穫すれば、無駄も減るとは思うけど・・・あっ!?魔物が出るならここにプラチナスパイダーも出るのか?かなりの量がいるから出るなら素材を集めておきたいな。)

「了解。じゃあ世界樹の中を通って上に行くんだな。最近はって言ってたけど昔は魔物が出なかったのか?」

「ええ。魔物にとっても世界樹の実は大事なモノみたいね。全くでないって訳じゃなかったけど最近は特に多いわね。」

(ダークエルフが関わっているのか?魔物を使って世界樹の実を手に入れている?まあその辺はダークエルフに会えばわかるか。)

サラサの案内で、世界樹の中へと入っていくクリフ、中に入ると幻想的なせかが広がっていた。

「これが木の中とは思えないな。」

「たしかにそうね。世界樹って言う世界を移動してるって感じかしら?」

「まさしくそんな感じだね。木の中のはずなのに木も葉もある。」

「ちなみに宝箱とかもたまに見つかるわ。」

(まさにダンジョンだな。入り口に入ったら別世界に飛ばされた感じか?)

「上までは遠いのか?」

「そうね。道は私がわかるから大丈夫だけど、実がある所までは結構かかるわね。」

「そういやダールエルフもあの入り口から中に入ってるのか?」

「いいえ。別の入り口があるからそこから入ってるわ。ここを抜けた先の世界樹の実が成っている場所で向こうとは繋がってるの。」

(まあそりゃそうか。こんだけ大きいんだ。ダークエルフ側の村がある方にも入口があるんだろうな。で上に上がった所で合流するって事か。)

世界樹の木の中に出てくる魔物はさすが幻想的な世界という事もあり、基本的にはピクシーが出てきた。そして時々ゴブリンが・・・

(妖精はわかるけどなぜゴブリンが・・・。たしかになんかの本でゴブリンは妖精っていうのを見た気はするけど・・・それにしても妖精か・・・どういう事なんだろう?魔物がここに入ってきたんじゃなくて世界樹が魔物を生み出してる?妖精を?エルフを襲うのは世界樹を守る為?・・・考えすぎか。)

世界樹の中を抜けると、大きな広場に出た。

「ここが世界樹の実の成る所?」

「ここはまだ半分ぐらいですね。もう一度同じような所を通って次に出た所が、世界樹の実の成る所です。そこからもう一段階上がれるんですが、そこまで行くと世界樹のてっぺんまで行くので。」

「ちなみに世界樹の中ってこの道しかないの?例えば中心部に行く道とか?」

「どうなんでしょう。あるかもしれませんが、行った事ないですね。世界樹に入るのは専ら世界樹の実を取りに行く為でしたから。」

(う~ん。まずは世界樹の実を見てみるか。エルフが500人だろ?どれぐらいの周期で実が成るのかはわからないけど、これだけ大きい木だ。正直十分足りる気がする。)

「わかった。とりあえず世界樹の実が成ってる所までいこうか。」

「はい。あっちょっと待ってください。この広場にも仲間がいますから、ちょっと伝えてきます。」

サラサは広場の奥へと向かっていき、仲間のエルフに事情を話しに行った。

(ダークエルフに襲われるって言ってたから警戒してるんだろうな。俺エルフじゃないし・・・。でもこの中って妖精しか出なきからプラチナスパイダーいなかったんだよな~。エルフの問題を解決してもプラチナスパイダーがいないと俺の目的が達成できないんだけど・・・)

「お待たせしました。さあ行きましょうか?」

「ああ。なあサラサ。ここに出てくる魔物ってピクシーとゴブリンだけなのか?」

「そうですね。基本的にはピクシーばかりです。」

「プラチナスパイダー。いや蜘蛛のような魔物って知らないか?」

「蜘蛛ですか・・・。プラチナスパイダー・・・聞いた事があるようなないような・・・」

(見た事ないのか・・・。アイリーン様・・・どういう事ですか・・・)

クリフは先行きに不安を覚えながらもサラサの後をついて、世界樹の中を進んで行くのだった。
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