24 / 26
第24話 ミッションをクリアするヒカル
しおりを挟む
ミッション『魔法学校に入学しろ』を達成しました。報酬としてアイテムボックスを手に入れました。
(ん?アイテムボックス・・・おっ!!ミッションか!?)
ヒカルはミッションクリアのアナウンスが聞こえたのでガバッと起き上がった。
(まだ入学してないけど、今日が入学日だからミッションクリアになったのか。いつクリア扱いになるのか気になってたけど朝一とはね。)
「ヒカル~。起きて~。今日から学校だよ!って起きてるじゃない!?珍しい!!どうしたの?熱でもあるんじゃない!?って熱はないか。ならまさか外が大雨!!・・・ってわけでもないわ。」
(なんで起きてるのよ!?朝のヒカルの寝顔を見るルーティーンが崩れちゃったじゃない・・・。)
(メイリさんや、ちょっと早く起きてたからってそれはひどくないかい?たしかに毎日メイリに起こしてもらうぐらい朝は弱いけど、俺だって偶には一人で起きられるんだよ?まあ今日はミッションクリアのアナウンスがあったから偶々ではあるけど・・・)
「おはようメイリ。俺だって自分で起きる事ぐらいあるよ。それに今日は入学式だろ?大事な日ぐらい自分で起きないとな。」
(う~、折角、私がいないと生きていけなくなるように頑張ってたのに・・・。明日からはもっと早く起きなきゃ。)
(ん?なんかメイリの目が怖いぞ・・・俺、何かしたか・・・う~ん。わからん・・・)
「起きたんなら早く支度してよ。初日から遅刻なんていやだよ。」
「わかってるよ。」
(メイリさんや支度に時間がかかるのはメイリさんの方でしょ。俺なんか顔洗って歯を磨いて制服着ればいつでも出れるし。夜遅くまで残業させられてたから、出社ギリギリまで寝て、起きて5分で家を出る技を身に付けた俺にとってはこれぐらい朝飯前だよ。)
「じゃあ私ご飯作ってるね。」
(それにしても制服ってありがたいな。今日はどの服にしようかな?って考えなくて済むし。まあでも多分これは貴族対策だろうな・・・貴族と平民じゃ服装も違うだろうし、制服だったら統一だから差別とかもなくなるし。)
メイリーンが作ってくれた朝食を2人で食べてゆっくり食後のティータイムをしていると・・・
「ヒカル。そろそろ出ないと間に合わないんじゃない?」
「えっ?でもまだ7時だよ?始まるのって9時だよね?まだ2時間もあるけど・・・」
「道中何があるかわからないでしょ。もしかしたら道中でドラゴンに襲われるかもしれないじゃない?」
(メイリさんやそれはもはや学校どころの話ではないと思いますよ。それにこのやり取り入試の時と同じじゃん。そんなに早く学校行って何するんだよ・・・ギリギリでいいじゃん。)
「いやいやさすがにドラゴンはないだろ。」
「例えばよ。た・と・え・ば。それよりお茶飲んだら行きましょう。目指せ一番乗りよ。」
「わかった。わかったよ。俺はもう準備出来てるからいつでも出れるよ。」
(そういやアイテムボックスの検証もしないとな。俺の思ってる通りなら時間経過無しの収納量無限のはずなんだけど・・・。あとメイリには何て伝えようか・・・。謎パワーで空間魔法を覚えたらアイテムボックスが使えるようになったって言えば信じてくれるかな?さすがに無理があるか・・・まあ検証した後にそれとなしに伝えるか。)
準備を終えたヒカル、メイリーンは魔法学校へ向かった。ヒカル達が借りた家から魔法学校までは歩いて30分程で着く。
(通学路が30分って近いよな~。俺の時とかめっちゃ重いランドセル背負って1時間ぐらい歩いたぞ。いやそれは小学生か。中学校は自転車で1時間だったかな・・・まあ、なんにせよ30分の通学・通勤は近すぎてありがたすぎるって事だな。)
「やっぱりもう学校に来てる人いるじゃん。もっと早く来ればよかった~。一番乗り失敗じゃん。」
(まだ7時半すぎだよ・・・異世界の人どれだけ来るの早いんだよ!?早く来て何するの?クラス発表だって9時だよ?9時になったら掲示板に張り出すって事前に説明うけたじゃん。クラス決まるまで教室にも入れないよ?グラウンドで朝練でもするの?先に来てる人だってただただぼーっとしてるだけじゃん。)
「なあメイリ?まだ7時半過ぎだけど9時まで何するんだ?」
「そんなの決まってるじゃない。クラス発表があった時にすぐに見れるように場所取りよ!」
(場所取りって・・・花見じゃないんだから・・・。えっ!?冗談じゃなくて本気なの?)
「まじ?」
「まじよ。嫌なの?」
「まさか。喜んで場所取りさせて頂きます。」
「よろしい。」
(何かやる事があるわけでもないし、人間観察でもしながら時間まで待つか。うまくいけば勇者を見つけられるかもしれないし。)
メイリーンとおしゃべりしながら、集まってくる入学生を観察して時間をつぶすヒカル。すると・・・
「ヒカル?やっぱりヒカルだ。久しぶり!」
「スクルド!久しぶりだな。やっぱりスクルドも合格してたんだな。」
「もちろん。ヒカルもちゃんと合格したみたいね。」
「ああ、おかげさまでな。」
「ちょっとスクルド!私もいるんですけど!」
「もちろんわかってるわよ。メイリも久しぶりね?」
ヒカル達の前に現れたのは、辺境の町エベレスで出会ったスクルドだった。
(ん?アイテムボックス・・・おっ!!ミッションか!?)
ヒカルはミッションクリアのアナウンスが聞こえたのでガバッと起き上がった。
(まだ入学してないけど、今日が入学日だからミッションクリアになったのか。いつクリア扱いになるのか気になってたけど朝一とはね。)
「ヒカル~。起きて~。今日から学校だよ!って起きてるじゃない!?珍しい!!どうしたの?熱でもあるんじゃない!?って熱はないか。ならまさか外が大雨!!・・・ってわけでもないわ。」
(なんで起きてるのよ!?朝のヒカルの寝顔を見るルーティーンが崩れちゃったじゃない・・・。)
(メイリさんや、ちょっと早く起きてたからってそれはひどくないかい?たしかに毎日メイリに起こしてもらうぐらい朝は弱いけど、俺だって偶には一人で起きられるんだよ?まあ今日はミッションクリアのアナウンスがあったから偶々ではあるけど・・・)
「おはようメイリ。俺だって自分で起きる事ぐらいあるよ。それに今日は入学式だろ?大事な日ぐらい自分で起きないとな。」
(う~、折角、私がいないと生きていけなくなるように頑張ってたのに・・・。明日からはもっと早く起きなきゃ。)
(ん?なんかメイリの目が怖いぞ・・・俺、何かしたか・・・う~ん。わからん・・・)
「起きたんなら早く支度してよ。初日から遅刻なんていやだよ。」
「わかってるよ。」
(メイリさんや支度に時間がかかるのはメイリさんの方でしょ。俺なんか顔洗って歯を磨いて制服着ればいつでも出れるし。夜遅くまで残業させられてたから、出社ギリギリまで寝て、起きて5分で家を出る技を身に付けた俺にとってはこれぐらい朝飯前だよ。)
「じゃあ私ご飯作ってるね。」
(それにしても制服ってありがたいな。今日はどの服にしようかな?って考えなくて済むし。まあでも多分これは貴族対策だろうな・・・貴族と平民じゃ服装も違うだろうし、制服だったら統一だから差別とかもなくなるし。)
メイリーンが作ってくれた朝食を2人で食べてゆっくり食後のティータイムをしていると・・・
「ヒカル。そろそろ出ないと間に合わないんじゃない?」
「えっ?でもまだ7時だよ?始まるのって9時だよね?まだ2時間もあるけど・・・」
「道中何があるかわからないでしょ。もしかしたら道中でドラゴンに襲われるかもしれないじゃない?」
(メイリさんやそれはもはや学校どころの話ではないと思いますよ。それにこのやり取り入試の時と同じじゃん。そんなに早く学校行って何するんだよ・・・ギリギリでいいじゃん。)
「いやいやさすがにドラゴンはないだろ。」
「例えばよ。た・と・え・ば。それよりお茶飲んだら行きましょう。目指せ一番乗りよ。」
「わかった。わかったよ。俺はもう準備出来てるからいつでも出れるよ。」
(そういやアイテムボックスの検証もしないとな。俺の思ってる通りなら時間経過無しの収納量無限のはずなんだけど・・・。あとメイリには何て伝えようか・・・。謎パワーで空間魔法を覚えたらアイテムボックスが使えるようになったって言えば信じてくれるかな?さすがに無理があるか・・・まあ検証した後にそれとなしに伝えるか。)
準備を終えたヒカル、メイリーンは魔法学校へ向かった。ヒカル達が借りた家から魔法学校までは歩いて30分程で着く。
(通学路が30分って近いよな~。俺の時とかめっちゃ重いランドセル背負って1時間ぐらい歩いたぞ。いやそれは小学生か。中学校は自転車で1時間だったかな・・・まあ、なんにせよ30分の通学・通勤は近すぎてありがたすぎるって事だな。)
「やっぱりもう学校に来てる人いるじゃん。もっと早く来ればよかった~。一番乗り失敗じゃん。」
(まだ7時半すぎだよ・・・異世界の人どれだけ来るの早いんだよ!?早く来て何するの?クラス発表だって9時だよ?9時になったら掲示板に張り出すって事前に説明うけたじゃん。クラス決まるまで教室にも入れないよ?グラウンドで朝練でもするの?先に来てる人だってただただぼーっとしてるだけじゃん。)
「なあメイリ?まだ7時半過ぎだけど9時まで何するんだ?」
「そんなの決まってるじゃない。クラス発表があった時にすぐに見れるように場所取りよ!」
(場所取りって・・・花見じゃないんだから・・・。えっ!?冗談じゃなくて本気なの?)
「まじ?」
「まじよ。嫌なの?」
「まさか。喜んで場所取りさせて頂きます。」
「よろしい。」
(何かやる事があるわけでもないし、人間観察でもしながら時間まで待つか。うまくいけば勇者を見つけられるかもしれないし。)
メイリーンとおしゃべりしながら、集まってくる入学生を観察して時間をつぶすヒカル。すると・・・
「ヒカル?やっぱりヒカルだ。久しぶり!」
「スクルド!久しぶりだな。やっぱりスクルドも合格してたんだな。」
「もちろん。ヒカルもちゃんと合格したみたいね。」
「ああ、おかげさまでな。」
「ちょっとスクルド!私もいるんですけど!」
「もちろんわかってるわよ。メイリも久しぶりね?」
ヒカル達の前に現れたのは、辺境の町エベレスで出会ったスクルドだった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使う事でスキルを強化、更に新スキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった…
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…
※小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
最強執事の恩返し~大魔王を倒して100年ぶりに戻ってきたら世話になっていた侯爵家が没落していました。恩返しのため復興させます~
榊与一
ファンタジー
異世界転生した日本人、大和猛(やまとたける)。
彼は異世界エデンで、コーガス侯爵家によって拾われタケル・コーガスとして育てられる。
それまでの孤独な人生で何も持つ事の出来なかった彼にとって、コーガス家は生まれて初めて手に入れた家であり家族だった。
その家を守るために転生時のチート能力で魔王を退け。
そしてその裏にいる大魔王を倒すため、タケルは魔界に乗り込んだ。
――それから100年。
遂にタケルは大魔王を討伐する事に成功する。
そして彼はエデンへと帰還した。
「さあ、帰ろう」
だが余りに時間が立ちすぎていた為に、タケルの事を覚えている者はいない。
それでも彼は満足していた。
何故なら、コーガス家を守れたからだ。
そう思っていたのだが……
「コーガス家が没落!?そんな馬鹿な!?」
これは世界を救った勇者が、かつて自分を拾い温かく育ててくれた没落した侯爵家をチートな能力で再興させる物語である。
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる