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3.入学式と代役
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こうして、2人で一緒に入学式会場へと向かう事になった。
「てか、方向音痴なのによくここまで来れたな。」
「いや、正直どうやって来たのか俺にもわかんねぇんだよ。」
「転移したとか?」
「案外そうかもな。そういうお前はどうやってここまで来た?」
「馬車だよ。今日引っ越して来たばかりだ。」
「……今日?」
「本当は数日前に着くはずだったんだよ。ドタバタしてたら遅れた。」
「お前の方こそ、よく間に合ったな。」
「馬借のおじさんが飛ばしてくれたんだよ。」
「急かしいな。」
「お前が言うな。」
「そういえばお前、名前は?俺はキール。」
「アオバだ。宜しく。」
「おう、宜しく!」
早速友人が出来た。今の所は、問題なく入学式会場へと向かえている様だし、このまま無事に着くと良いな。
「なぁ、それより聞いたか?今年のフルスコアは3人もいるらしい。」
「フルスコア?……って、なんだ?」
「入学試験の全問正解者の俗称だよ。」
「全問正解!?あのテストをか?」
「あぁそうだ。しかも今日の入学式では、その3人を登壇させるらしい。各々に入学後の抱負を言わせるんだってよ。」
「へぇ。」
入学試験なら俺も受けた。
平民には解けそうにない問題ばかりで空欄を全て埋めることすら出来なかった。
それを全問正解した奴がいるのか。しかも3人か。
「それはちょっと…気になるな。」
「だろだろ?ちなみに、そのうちの1人はあのマスルーツ伯爵家の三男、テルマーニ・マスルーツ様だ。」
「マスルーツ家?って、王都の有名な貴族なのか?」
「……知らねぇのか?王都じゃ知らない奴なんて居ないぞ?」
「…あのなぁ?さっきも言ったが、俺は今朝来たばかりなんだよ。知るわけねぇだろ。」
「あぁ、それもそうか。マスルーツ家ってのは、この学園の理事と運営管理もしている超有名な薬師の一族だ。」
「へぇ。そこのお坊ちゃんって、俺らとタメなのか?」
「あぁ、偶然にもな。」
……つくづく、凄い偶然が重なるな。
「じゃあ、あとの2人は?」
「もう1人は…エリックと言えばわかるか?」
「……エリック?」
「……本当に何も知らないんだな、おまえ。」
「うるせえ。さっさと教えろ。」
「エリックってのはな、数多の試験で満点を総なめにしているとんでもないやつだ。」
「へぇ。どんな奴なんだ?」
「さぁ?実は、エリックが本名かもわからないんだ。」
「わからない?どういう事だ?」
「試験は受けてるらしいんだが、合格発表の時に現れないんだよ。色んな試験の回答用紙にエリックとだけ書かれているからみんなそう呼んでるだけだ。当然、本人が現れないから資格なんかは受理されていないがな。」
「……なるほど。」
けど、勿体ない気がするな。俺みたいに、記念受験のつもりで受けまくってんのか?
「おまけに、素顔も素性も全くわからないから色んな空説も飛び交ってんだよ。」
「空説?」
「例えば……『複数人居る』とか、『試験に落ちたショックで自殺した死霊の仕業』とか、『デモ活動の一種』とかだ。」
「死霊って……マジかよ。」
随分と絵本みたいな話だな。
「じゃあ、あと1人は誰なんだ?」
「わっかんねぇ。」
「は?」
「よくわかんねぇんだ。エリックと違って、回答用紙に名前すら書いてないからどう呼べば良いかもわかんねぇ。」
「なんだと?…いや、それでも調べれば名前くらいはわかるだろ?何故やらないんだ?」
「やらないんじゃない。出来ないんだよ。バークレー領って知ってるか?」
「あぁ、ここから西の領土を収めてるバンデンクラット公爵領よりさらに西の果てにある辺境伯領だろ?確か、魔の森とかいう危ない森があるんだっけ?」
「……やけに詳しいな?」
「まぁ、俺の故郷はバンデンクラットでも西のそこそこ端っこだからな。噂ぐらいは聞く。」
「え!?お前バンデンクラットの生まれなのか?マジか。」
ほんと、すごい偶然があったもんだな。
「じゃあ、検問で相当な足止め食らったんじゃないか?」
「いや、素通り出来たが?」
「へ?素通り??」
「そんな事より、話を続けろよ。バークレー領がどう関係してんだ?」
「いや、そこの領主が保証人らしくてな。名前すら聞き出せなかったらしい。」
「マジか。けど、そこまでして身元を伏せてるなら表彰台に登壇なんてしないんじゃないか?」
「いや、当人の意思は関係ないぞ。」
「……どういうことだ?」
「なんでもそいつは、今日馬車で王都に来るらしい。だから、検問で待ち伏せして捕縛するんだってよ。」
「……犯罪臭がすごいな。てか、どうやって見つけるつもりなんだ?まさか、バンデンクラットからやって来る9歳の少年少女を全員捕まえるつもりか?」
「よく分かったな。そのまさかだ。」
「キール?それって、マジで言ってる?」
「連中ならそれくらいの事はするぞ。」
「……そんなにやばいの?」
「向こうもプライドがあるからな。無理矢理にでも見つけ出して登壇させるつもりだろうよ。」
という事は、あの時点で検問を受けてたら俺が登壇する事になってたかもしれないって事か?
「てか、お前はどうやって素通りしたんだ?」
「なんか、御者のおじさんと検問の人が顔見知りだったみたい。」
「へぇ、ラッキーだったな。」
……御者のおじさん、マジでありがとう。
「でも、それだと関係ない奴が登壇することになったりしないか?」
「あり得るかもな。」
まぁ、検問を抜けた俺にはもう関係ない事だ。
#「タスケテクレ!!」
「えっ?」
「んぁ?」
前の方から、叫び声が聞こえて来た。
#「タスケテクレ!!」
やっぱりだ。向こうで誰かが助けを呼んでいる。
「何だ?あいつ何を……」
「悪りぃ、ちょっと走るからついて来てくれ。(タタッ)」
「えっ?お、おい(タタッ)どうしたんだ?」
「あの人、助けを呼んでるんだよ!(タタタッ)」
「(タタタッ)助けを……?」
#「タスケテクレ!!」
この人だ。
「大丈夫ですか?」
#「タスケテクレ!!」
「だから、どうしたんですか?」
#「タスケテクレ!!」
「……いや、だから……」
「おい、さっきからそいつは何を喚いてるんだ?」
「何って、助けを求めてるだろ?」
「いや、俺にはただ喚いてる様にしか聞こえないんだが?」
「何言ってんだ。さっきから『タスケテクレ!!』って叫んで……あれ?」
そう言えばこれって、バンデンクラットの方言だよな?王都では話されてないはずじゃ…
「(ガシッ)……見つけた」
「へ?」
腕を掴まれた。
「(パチンッ)」
「「(ザッ)」」
「え?」
「「(ガシッ)」」
「なっ!?」
両脇から男が出てきて腕を掴まれる。
「「確保しました。」」
「よし、そのまま連行するぞ。」
「は!?いや、ちょっ、連行って……いったいどういう事ですか!?」
「なに、君に正面から入られると困るんでね。我々と一緒に来てもらうよ。」
「は!?」
「今は時間がない。説明は後でさせて貰うよ。」
「いや、ちょっ……離してください!!」
俺が一体何をしでかしたって言うんだ?
心あたりが全くないぞ。
「つべこべ言わずについて来い!!お前ら、急ぐぞ!」
「「はい!」」
やばいな。早速トラブルに巻き込まれた。けど、俺にはどうする事も…
「(ザッ)おい、待てよ。」
キールが進行方向を塞ぐ様にして止めに入る。
「いくらなんでも横暴が過ぎないか?」
「なんだと?」
「事情はわからないが、そいつに非がある様には見えねぇな?」
「うるさいっ!!こっちは時間が無いんだ!!」
「時間が無いのは、お前らの落ち度だろ?」
「だっ黙れ!お前に何がわかる!!」
「お前らの都合なんて知るかよ。けどな、俺にだって常識ぐらいはわかるぜ?どんな都合があるからって、人を騙していきなり拉致って、挙句に何も聞かずについてこいはねぇだろ?」
「うぐっ…!?」
「自分達の都合に巻き込むなら、せめて最低限の説明をしろよ。それが道理って奴じゃないか?」
「っ……」
キール…頼もしいなコイツ!
「それが出来ねぇならただの人攫いだ。わかったらさっさと離せよ。この人攫い。」
「……よく回る舌だなぁ!」
「そもそも誰だ!お前は?」
「今年入学する事になったケールだ。」
「なにを…あぁ……丁度良いな。(パチン)」
「「(ガシッ)」」
「……え?」
追加でもう2人現れてキールの腕を両側から掴む。
「お前も来い。」
「は!?俺も!?」
「おら!さっさと行くぞ!!」
「「「「はい!」」」」
こうして俺たちは、入学式会場入り口とは反対側へと連行された。
「てか、方向音痴なのによくここまで来れたな。」
「いや、正直どうやって来たのか俺にもわかんねぇんだよ。」
「転移したとか?」
「案外そうかもな。そういうお前はどうやってここまで来た?」
「馬車だよ。今日引っ越して来たばかりだ。」
「……今日?」
「本当は数日前に着くはずだったんだよ。ドタバタしてたら遅れた。」
「お前の方こそ、よく間に合ったな。」
「馬借のおじさんが飛ばしてくれたんだよ。」
「急かしいな。」
「お前が言うな。」
「そういえばお前、名前は?俺はキール。」
「アオバだ。宜しく。」
「おう、宜しく!」
早速友人が出来た。今の所は、問題なく入学式会場へと向かえている様だし、このまま無事に着くと良いな。
「なぁ、それより聞いたか?今年のフルスコアは3人もいるらしい。」
「フルスコア?……って、なんだ?」
「入学試験の全問正解者の俗称だよ。」
「全問正解!?あのテストをか?」
「あぁそうだ。しかも今日の入学式では、その3人を登壇させるらしい。各々に入学後の抱負を言わせるんだってよ。」
「へぇ。」
入学試験なら俺も受けた。
平民には解けそうにない問題ばかりで空欄を全て埋めることすら出来なかった。
それを全問正解した奴がいるのか。しかも3人か。
「それはちょっと…気になるな。」
「だろだろ?ちなみに、そのうちの1人はあのマスルーツ伯爵家の三男、テルマーニ・マスルーツ様だ。」
「マスルーツ家?って、王都の有名な貴族なのか?」
「……知らねぇのか?王都じゃ知らない奴なんて居ないぞ?」
「…あのなぁ?さっきも言ったが、俺は今朝来たばかりなんだよ。知るわけねぇだろ。」
「あぁ、それもそうか。マスルーツ家ってのは、この学園の理事と運営管理もしている超有名な薬師の一族だ。」
「へぇ。そこのお坊ちゃんって、俺らとタメなのか?」
「あぁ、偶然にもな。」
……つくづく、凄い偶然が重なるな。
「じゃあ、あとの2人は?」
「もう1人は…エリックと言えばわかるか?」
「……エリック?」
「……本当に何も知らないんだな、おまえ。」
「うるせえ。さっさと教えろ。」
「エリックってのはな、数多の試験で満点を総なめにしているとんでもないやつだ。」
「へぇ。どんな奴なんだ?」
「さぁ?実は、エリックが本名かもわからないんだ。」
「わからない?どういう事だ?」
「試験は受けてるらしいんだが、合格発表の時に現れないんだよ。色んな試験の回答用紙にエリックとだけ書かれているからみんなそう呼んでるだけだ。当然、本人が現れないから資格なんかは受理されていないがな。」
「……なるほど。」
けど、勿体ない気がするな。俺みたいに、記念受験のつもりで受けまくってんのか?
「おまけに、素顔も素性も全くわからないから色んな空説も飛び交ってんだよ。」
「空説?」
「例えば……『複数人居る』とか、『試験に落ちたショックで自殺した死霊の仕業』とか、『デモ活動の一種』とかだ。」
「死霊って……マジかよ。」
随分と絵本みたいな話だな。
「じゃあ、あと1人は誰なんだ?」
「わっかんねぇ。」
「は?」
「よくわかんねぇんだ。エリックと違って、回答用紙に名前すら書いてないからどう呼べば良いかもわかんねぇ。」
「なんだと?…いや、それでも調べれば名前くらいはわかるだろ?何故やらないんだ?」
「やらないんじゃない。出来ないんだよ。バークレー領って知ってるか?」
「あぁ、ここから西の領土を収めてるバンデンクラット公爵領よりさらに西の果てにある辺境伯領だろ?確か、魔の森とかいう危ない森があるんだっけ?」
「……やけに詳しいな?」
「まぁ、俺の故郷はバンデンクラットでも西のそこそこ端っこだからな。噂ぐらいは聞く。」
「え!?お前バンデンクラットの生まれなのか?マジか。」
ほんと、すごい偶然があったもんだな。
「じゃあ、検問で相当な足止め食らったんじゃないか?」
「いや、素通り出来たが?」
「へ?素通り??」
「そんな事より、話を続けろよ。バークレー領がどう関係してんだ?」
「いや、そこの領主が保証人らしくてな。名前すら聞き出せなかったらしい。」
「マジか。けど、そこまでして身元を伏せてるなら表彰台に登壇なんてしないんじゃないか?」
「いや、当人の意思は関係ないぞ。」
「……どういうことだ?」
「なんでもそいつは、今日馬車で王都に来るらしい。だから、検問で待ち伏せして捕縛するんだってよ。」
「……犯罪臭がすごいな。てか、どうやって見つけるつもりなんだ?まさか、バンデンクラットからやって来る9歳の少年少女を全員捕まえるつもりか?」
「よく分かったな。そのまさかだ。」
「キール?それって、マジで言ってる?」
「連中ならそれくらいの事はするぞ。」
「……そんなにやばいの?」
「向こうもプライドがあるからな。無理矢理にでも見つけ出して登壇させるつもりだろうよ。」
という事は、あの時点で検問を受けてたら俺が登壇する事になってたかもしれないって事か?
「てか、お前はどうやって素通りしたんだ?」
「なんか、御者のおじさんと検問の人が顔見知りだったみたい。」
「へぇ、ラッキーだったな。」
……御者のおじさん、マジでありがとう。
「でも、それだと関係ない奴が登壇することになったりしないか?」
「あり得るかもな。」
まぁ、検問を抜けた俺にはもう関係ない事だ。
#「タスケテクレ!!」
「えっ?」
「んぁ?」
前の方から、叫び声が聞こえて来た。
#「タスケテクレ!!」
やっぱりだ。向こうで誰かが助けを呼んでいる。
「何だ?あいつ何を……」
「悪りぃ、ちょっと走るからついて来てくれ。(タタッ)」
「えっ?お、おい(タタッ)どうしたんだ?」
「あの人、助けを呼んでるんだよ!(タタタッ)」
「(タタタッ)助けを……?」
#「タスケテクレ!!」
この人だ。
「大丈夫ですか?」
#「タスケテクレ!!」
「だから、どうしたんですか?」
#「タスケテクレ!!」
「……いや、だから……」
「おい、さっきからそいつは何を喚いてるんだ?」
「何って、助けを求めてるだろ?」
「いや、俺にはただ喚いてる様にしか聞こえないんだが?」
「何言ってんだ。さっきから『タスケテクレ!!』って叫んで……あれ?」
そう言えばこれって、バンデンクラットの方言だよな?王都では話されてないはずじゃ…
「(ガシッ)……見つけた」
「へ?」
腕を掴まれた。
「(パチンッ)」
「「(ザッ)」」
「え?」
「「(ガシッ)」」
「なっ!?」
両脇から男が出てきて腕を掴まれる。
「「確保しました。」」
「よし、そのまま連行するぞ。」
「は!?いや、ちょっ、連行って……いったいどういう事ですか!?」
「なに、君に正面から入られると困るんでね。我々と一緒に来てもらうよ。」
「は!?」
「今は時間がない。説明は後でさせて貰うよ。」
「いや、ちょっ……離してください!!」
俺が一体何をしでかしたって言うんだ?
心あたりが全くないぞ。
「つべこべ言わずについて来い!!お前ら、急ぐぞ!」
「「はい!」」
やばいな。早速トラブルに巻き込まれた。けど、俺にはどうする事も…
「(ザッ)おい、待てよ。」
キールが進行方向を塞ぐ様にして止めに入る。
「いくらなんでも横暴が過ぎないか?」
「なんだと?」
「事情はわからないが、そいつに非がある様には見えねぇな?」
「うるさいっ!!こっちは時間が無いんだ!!」
「時間が無いのは、お前らの落ち度だろ?」
「だっ黙れ!お前に何がわかる!!」
「お前らの都合なんて知るかよ。けどな、俺にだって常識ぐらいはわかるぜ?どんな都合があるからって、人を騙していきなり拉致って、挙句に何も聞かずについてこいはねぇだろ?」
「うぐっ…!?」
「自分達の都合に巻き込むなら、せめて最低限の説明をしろよ。それが道理って奴じゃないか?」
「っ……」
キール…頼もしいなコイツ!
「それが出来ねぇならただの人攫いだ。わかったらさっさと離せよ。この人攫い。」
「……よく回る舌だなぁ!」
「そもそも誰だ!お前は?」
「今年入学する事になったケールだ。」
「なにを…あぁ……丁度良いな。(パチン)」
「「(ガシッ)」」
「……え?」
追加でもう2人現れてキールの腕を両側から掴む。
「お前も来い。」
「は!?俺も!?」
「おら!さっさと行くぞ!!」
「「「「はい!」」」」
こうして俺たちは、入学式会場入り口とは反対側へと連行された。
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