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第二章
異世界人⑩
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まさかフォルニゲシュから貰った龍酒に白金貨10枚(1億円)の価値があるなんて思わなかった。
知らなかったとはいえ、それを料理にぶっ込んだのか俺は?
何かとんでもない事をしてしまった気持ちになってきたぞ。
むしろ、なんか怖くなってきた!
「まさか龍酒とはな。臣下として陛下に献上すべきとは思うが……」
「そ、そうです! 私も陛下に献上すべきかと……あっ、で、ですが、我々は陛下よりも先にそれを口に……な、なんという不敬を……おいっ! それを何処で手に入れたのだ!? 他に新品はないのかっ!? どうなんだっ!?」
料理長が焦って俺に質問を浴びせまくってきた。
確かに白金貨10枚なんて代物は俺の手に余る物だ。
だけど、陛下に献上ってのは困る。
価値のある物だって事はわかったけど、こいつは俺にとっては日本酒の代用品で、これからの生活に欠かせない物だ。
他に代替品が無い以上、俺はこいつを手放す気はない。
それに俺を信じて譲ってくれたフォルニゲシュに申し訳が立たないじゃないか!
そもそも、臣下でもない俺が苦労して手に入れた物を、王族に献上する義理はないはずだ。
こんな超高級品はどうせ宝物庫とかで大切に保管されるだけだろうし、ただただ勿体ない!
食材は美術品じゃないんだ。
食べてこそ意味がある!
たとえ白金貨10枚だろうが、20枚だろうが美味しく食べる事以外に使うつもりなんかない!
最上級品だろうが、幻の逸品だろうが俺には関係ないんだ!
どうしても奪うってんなら、俺はこの国を捨てて、また何処かの辺境でひっそりと暮らしてやるぞ!
「ふむ……わかった。わかったからそう睨むな」
俺の顔を見た伯爵様がはにかんでそう言った。
別に睨んだつもりはないんだけど、どうやら怒っていたのが少し顔に出ていたらしい。
「卿の気持ちは眼を見ればわかる。私とてそれなりの器量は持ち合わせているつもりだぞ?」
「それは、どういう意味でしょうか?」
俺の質問に答える事なく、伯爵様は料理長の方に視線をやった。
なんだ? 兵士でも呼ぶつもりか?
「料理長。残念だが、肉じゃがのレシピは諦めよ。いや、諦めるのではないな。忘れよ」
「はっ!? あ、あの……仰っている意味がわからないのですが……」
「今宵、我々は美味い料理を食べた。レシピも材料もわからぬ美味い料理を食べた。それで終わりだ。よいな?」
「なっ!?」
「えっ!? は、伯爵様?」
料理長と俺は驚きを隠せなかった。
まさか、伯爵様は龍酒の存在自体無かった事にするつもりなのか?
マジで!?
な、なんでそんな得のない事を?
白金貨10枚の献上品ともなれば、絶対王様に気に入られるだろうし、陞爵だってあり得るはずだ。
なのに、この人はそれを……
「は、伯爵様! そ、それは国王様に対して不敬……」
「その先は言うな。その先の言葉は陛下を侮辱する事になる。陛下は己が欲望のために、下々の者から物を取り上げるような事はなさらぬ御方だ。そうであろう?」
「し、失礼しました! その通りです!」
ん? ああ、そういう事か。
料理長の言おうとしてた事は『価値のある物は陛下に献上すべき』ともとれるけど、見方を変えれば『価値のある物は全て陛下の物』ともとれる。
これだと陛下は物欲にまみれた愚王だと言ってる様なものだ。
曲解も甚だしいけど、足を引っ張る口実にはなるだろうからな。
やれやれ、これだから王とか貴族とかと関わりに合うのは嫌なんだよ。
元の世界の競争社会を思い出して、本当に嫌になる。
俺は少なくてもいいから気心の知れた仲間達とひっそりと暮らしたい。
「リョウ。言葉を覆すようで悪いが、やはり肉じゃがを宴会で出すのはやめよ」
出せば存在を知る者が増える。
増えた分だけ情報は漏れやすくなる。
だったら、ここだけの秘密にした方がいいって事ね。
賢明な判断だと思う。
「かしこまりました」
「料理長もよいな?」
「伯爵様の御決断に異議などありません。先の料理は夢。ですが、必ずや夢を実現させてみせます」
おおおっ!
料理長の眼に炎が見える……気がする。
どうやら料理人魂に火が点いたのか、龍酒無しで肉じゃがを作る事が夢になったようだ。
その気合、嫌いじゃないぞ。
「うむ。しかし、約束は約束だ。卿は素晴らしい料理を用意したのだ。何か褒美をやらねばならんな」
「いえ、先ほどの御英断だけで十分です」
俺が白金貨10枚の価値がある龍酒を持っていると公になったら、さすがに今まで通りの生活ってわけにはいかないからね。
俺の生活を守ってくれるだけで十分だよ。
「遠慮はいらぬ。卿は私を嘘つきにする気か? 私を嫁にでも望んでみるか?」
「御冗談を」
勘弁してくれ。
確かに美人だし、スタイルも抜群だけど派手過ぎる。
俺には絶対御し得ない人だ。
「即答されるとは、私の魅力も落ちたかな? まぁ良い。では、褒美は後日としよう。また考えようではないか」
「わかりました。では、私はこれで失礼してもよろしいでしょうか?」
「宴会には出ないのか? 集まっているのは貴族の三男坊や四男方ばかりだが、貴族と繋がりが持てるチャンスだぞ?」
必要ありません。
むしろ、そんなしがらみはこちらから断ち切りたいくらいです。
「私のような下賎な者には畏れ多い事です。それに私は戦闘要員ではありませんでしたから、武勇伝もありませんので」
「そうか。あいわかった。卿の退出を許す。今夜は家でゆるりと過ごすが良い。肉じゃがも全て持ち帰ってよい。あれば良からぬ事の種になりかねぬからな」
「ありがとうございます。では、これで」
俺は伯爵様に礼をしてから、屋敷を後にした。
やれやれ、色々あったけどやっと家に帰れるよ。
本当に疲れた。
さぁて、帰って肉じゃがで一杯やってから寝るとするか!
知らなかったとはいえ、それを料理にぶっ込んだのか俺は?
何かとんでもない事をしてしまった気持ちになってきたぞ。
むしろ、なんか怖くなってきた!
「まさか龍酒とはな。臣下として陛下に献上すべきとは思うが……」
「そ、そうです! 私も陛下に献上すべきかと……あっ、で、ですが、我々は陛下よりも先にそれを口に……な、なんという不敬を……おいっ! それを何処で手に入れたのだ!? 他に新品はないのかっ!? どうなんだっ!?」
料理長が焦って俺に質問を浴びせまくってきた。
確かに白金貨10枚なんて代物は俺の手に余る物だ。
だけど、陛下に献上ってのは困る。
価値のある物だって事はわかったけど、こいつは俺にとっては日本酒の代用品で、これからの生活に欠かせない物だ。
他に代替品が無い以上、俺はこいつを手放す気はない。
それに俺を信じて譲ってくれたフォルニゲシュに申し訳が立たないじゃないか!
そもそも、臣下でもない俺が苦労して手に入れた物を、王族に献上する義理はないはずだ。
こんな超高級品はどうせ宝物庫とかで大切に保管されるだけだろうし、ただただ勿体ない!
食材は美術品じゃないんだ。
食べてこそ意味がある!
たとえ白金貨10枚だろうが、20枚だろうが美味しく食べる事以外に使うつもりなんかない!
最上級品だろうが、幻の逸品だろうが俺には関係ないんだ!
どうしても奪うってんなら、俺はこの国を捨てて、また何処かの辺境でひっそりと暮らしてやるぞ!
「ふむ……わかった。わかったからそう睨むな」
俺の顔を見た伯爵様がはにかんでそう言った。
別に睨んだつもりはないんだけど、どうやら怒っていたのが少し顔に出ていたらしい。
「卿の気持ちは眼を見ればわかる。私とてそれなりの器量は持ち合わせているつもりだぞ?」
「それは、どういう意味でしょうか?」
俺の質問に答える事なく、伯爵様は料理長の方に視線をやった。
なんだ? 兵士でも呼ぶつもりか?
「料理長。残念だが、肉じゃがのレシピは諦めよ。いや、諦めるのではないな。忘れよ」
「はっ!? あ、あの……仰っている意味がわからないのですが……」
「今宵、我々は美味い料理を食べた。レシピも材料もわからぬ美味い料理を食べた。それで終わりだ。よいな?」
「なっ!?」
「えっ!? は、伯爵様?」
料理長と俺は驚きを隠せなかった。
まさか、伯爵様は龍酒の存在自体無かった事にするつもりなのか?
マジで!?
な、なんでそんな得のない事を?
白金貨10枚の献上品ともなれば、絶対王様に気に入られるだろうし、陞爵だってあり得るはずだ。
なのに、この人はそれを……
「は、伯爵様! そ、それは国王様に対して不敬……」
「その先は言うな。その先の言葉は陛下を侮辱する事になる。陛下は己が欲望のために、下々の者から物を取り上げるような事はなさらぬ御方だ。そうであろう?」
「し、失礼しました! その通りです!」
ん? ああ、そういう事か。
料理長の言おうとしてた事は『価値のある物は陛下に献上すべき』ともとれるけど、見方を変えれば『価値のある物は全て陛下の物』ともとれる。
これだと陛下は物欲にまみれた愚王だと言ってる様なものだ。
曲解も甚だしいけど、足を引っ張る口実にはなるだろうからな。
やれやれ、これだから王とか貴族とかと関わりに合うのは嫌なんだよ。
元の世界の競争社会を思い出して、本当に嫌になる。
俺は少なくてもいいから気心の知れた仲間達とひっそりと暮らしたい。
「リョウ。言葉を覆すようで悪いが、やはり肉じゃがを宴会で出すのはやめよ」
出せば存在を知る者が増える。
増えた分だけ情報は漏れやすくなる。
だったら、ここだけの秘密にした方がいいって事ね。
賢明な判断だと思う。
「かしこまりました」
「料理長もよいな?」
「伯爵様の御決断に異議などありません。先の料理は夢。ですが、必ずや夢を実現させてみせます」
おおおっ!
料理長の眼に炎が見える……気がする。
どうやら料理人魂に火が点いたのか、龍酒無しで肉じゃがを作る事が夢になったようだ。
その気合、嫌いじゃないぞ。
「うむ。しかし、約束は約束だ。卿は素晴らしい料理を用意したのだ。何か褒美をやらねばならんな」
「いえ、先ほどの御英断だけで十分です」
俺が白金貨10枚の価値がある龍酒を持っていると公になったら、さすがに今まで通りの生活ってわけにはいかないからね。
俺の生活を守ってくれるだけで十分だよ。
「遠慮はいらぬ。卿は私を嘘つきにする気か? 私を嫁にでも望んでみるか?」
「御冗談を」
勘弁してくれ。
確かに美人だし、スタイルも抜群だけど派手過ぎる。
俺には絶対御し得ない人だ。
「即答されるとは、私の魅力も落ちたかな? まぁ良い。では、褒美は後日としよう。また考えようではないか」
「わかりました。では、私はこれで失礼してもよろしいでしょうか?」
「宴会には出ないのか? 集まっているのは貴族の三男坊や四男方ばかりだが、貴族と繋がりが持てるチャンスだぞ?」
必要ありません。
むしろ、そんなしがらみはこちらから断ち切りたいくらいです。
「私のような下賎な者には畏れ多い事です。それに私は戦闘要員ではありませんでしたから、武勇伝もありませんので」
「そうか。あいわかった。卿の退出を許す。今夜は家でゆるりと過ごすが良い。肉じゃがも全て持ち帰ってよい。あれば良からぬ事の種になりかねぬからな」
「ありがとうございます。では、これで」
俺は伯爵様に礼をしてから、屋敷を後にした。
やれやれ、色々あったけどやっと家に帰れるよ。
本当に疲れた。
さぁて、帰って肉じゃがで一杯やってから寝るとするか!
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