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ルーシーは半裸の男たちに目をやる
「この人たちはいつから椅子になってるの?」
「魔王の目についてからずっとですぅ。いつもわたくしのために椅子になってくださるんですよぉ」
(強力な結界のおかげでこんな非常識な事が実現できるのか…こいつがいつか俺と戦うところが想像できないな…)
ラミアが話し出す
「はぁ…暑苦しいので下げてくださいな。それより、学園に帰る前に前回取りこぼした魔物を退治していきませんこと?新しい英雄さんは今回何の成果もあげてないようですし」
遠くから男の声が聞こえてくる
「む、民を守ってこその勇者。責を怠るものがいるのか?」
騎士風の男が近づいてくる
騎士風の男は伝説武器を二つ持ち、高身長、イケメン、細身でありながら筋肉質で、いかにも女子に好かれそうな男だった
カーラがラミアに反論する
「ちょっとラミア!ルーシーは今回初参戦なんだから無茶言うなよ!」
ラミアが騎士風の男に話す
「ミスト様、お聞きになられました?あの小娘は英雄クラスでありながら魔物に村が襲われるのを黙ってみていらしたみたいよ」
ミストはルーシーを睨みつけた
「ルーシー、本当なのか?僕たちは勇者だ。弱者を助け、魔物たちから護ることが使命。本当に見逃したのか?」
ルーシーは答える
「村に魔物が行っていることは気づかなかった。成果を上げていないのも事実だ」
(オーガごとき正直ここにいる者たちでどうにかなると思っていたが見逃していたのは俺の落ち度だな)
ミストは頭を抱えて首を振る
「ふぅ…初参戦ならある程度同情の余地もあるが僕たちは勇者だ!君の今回の行いは非難に値する。汚名は返上しなければならない。サイクロプスを倒しに行こう、正直勝てるかどうか怪しいが…村に被害が及んだ償いをしなければ」
ラミアがニヤニヤしながらミストに話す
「せっかくですから新しい勇者様の実力を拝見してはいかがでしょう?我々も後ろで見ていれば安全でしょうし。実力も試せますわ」
「む、しかしそれは…我々4人でも勝てなかった相手に…」
ルーシーは声をあげた
「いいぞ、見落としたのは俺の落ち度だ。ラミアの言う通り成果もあげていないからな」
ミストは慌て始める
「い、いや。しかしさすがに無謀だぞ」
「いいじゃないですかミスト様。本人がいいと仰っていますし」
カーラもアンテも心配そうな顔でルーシーを見る
ラミアは意地の悪い顔で俺を見下し、ミストはオロオロと場を収めようと必死だ
その後もラミアに言いくるめられ、サイクロプスのいる場所へ向かった
…
サイクロプスの巣
英雄クラスのみでサイクロプスの巣へ着いた
見ると3体ほどのサイクロプスが焚火を囲んでくつろいでいる
一帯の生態系は荒れ果て、ここにたどり着く途中の村も壊滅していた
サイクロプスは高さ10メートルにも及ぶひとつ目の巨人
リーチが長く、樹木などを引っこ抜き、武器として振るうほどの怪力を持つ
ラミアが嘲笑うかのように話す
「さ、新入生さんいかがですか?怖気づいたのなら逃げ出してもよいのですよ」
さすがに煽られっぱなしは腹が立つ。俺の力の一端を見せつけてやる、腰を抜かすがいい
「お前たちは下がれ、どうせあの程度に手も足も出ないんだろう?」
「なぁっ…言うに事欠いて…強がりもいい加減になさい!素直に泣いて謝罪すれば許して差し上げますわ!」
「ハッ、クズめ」
ラミアは歯ぎしりしながら顔を紅潮させて黙り込む
(いくらか気は晴れた、そろそろやるか)
ルーシーは刀を抜き、両手で前に掲げ、呪文を唱える
「奈落の底の主よ、眼前に並ぶ者どもを生贄に捧ぐ。古き盟約に従い汝が力を我が刃に宿せ」
ルーシーは刀で空を斬りながらまるで演舞するように呪文を唱え続ける
「闇よ!影よ!奈落の底の主よ!我が眼は汝が眼、汝が眼は我が眼、この眼に映る哀れな者どもに!恐怖を!!狂気を!!黒く蠢く者どもの抱擁を与え給え!!!」
ルーシーは唱え終わると刀を強く振り、収めた
刀を収めた瞬間、サイクロプスたちの足元から黒い影が広がり、小さな黒い手が無数に現れる。黒い小さな手はサイクロプスたちにまとわりつき、影に引きずり込んでいく。サイクロプス達は混乱し、必死に穴から出ようと暴れまわる。次第に腰まで沈み、地面にしがみつきながら涙を流し、首を振り、大声で助けを求めながら沈んでいく
ヴォォォォ! ゴァァァ!! ヴゥゥゥアァァァァァ!!!
勇者一同は涙を流すサイクロプスたちに同情し、ルーシーの力に畏怖した
ラミアが話す
「なんておぞましい力…」
ミストが腰を抜かして座り込む
「こ、こんな魔法見たことがない…それにこれは、闇の…」
カーラは鳥肌を立て、身震いした
「うっわぁ……」
アンテは涙を浮かべて話す
「かわいそう…」
ラミアは一言文句を言おうとルーシーを見ると、その表情に恐れた
「あなた…なんて顔…」
ルーシーは沈むサイクロプスたちをあざ笑うかのように嘲笑し、恍惚の笑みを浮かべていた
「フフッ、見なよ。哀れな者どもが理不尽な死に恐れ、狂う姿。あぁ…愛おしい」
「この人たちはいつから椅子になってるの?」
「魔王の目についてからずっとですぅ。いつもわたくしのために椅子になってくださるんですよぉ」
(強力な結界のおかげでこんな非常識な事が実現できるのか…こいつがいつか俺と戦うところが想像できないな…)
ラミアが話し出す
「はぁ…暑苦しいので下げてくださいな。それより、学園に帰る前に前回取りこぼした魔物を退治していきませんこと?新しい英雄さんは今回何の成果もあげてないようですし」
遠くから男の声が聞こえてくる
「む、民を守ってこその勇者。責を怠るものがいるのか?」
騎士風の男が近づいてくる
騎士風の男は伝説武器を二つ持ち、高身長、イケメン、細身でありながら筋肉質で、いかにも女子に好かれそうな男だった
カーラがラミアに反論する
「ちょっとラミア!ルーシーは今回初参戦なんだから無茶言うなよ!」
ラミアが騎士風の男に話す
「ミスト様、お聞きになられました?あの小娘は英雄クラスでありながら魔物に村が襲われるのを黙ってみていらしたみたいよ」
ミストはルーシーを睨みつけた
「ルーシー、本当なのか?僕たちは勇者だ。弱者を助け、魔物たちから護ることが使命。本当に見逃したのか?」
ルーシーは答える
「村に魔物が行っていることは気づかなかった。成果を上げていないのも事実だ」
(オーガごとき正直ここにいる者たちでどうにかなると思っていたが見逃していたのは俺の落ち度だな)
ミストは頭を抱えて首を振る
「ふぅ…初参戦ならある程度同情の余地もあるが僕たちは勇者だ!君の今回の行いは非難に値する。汚名は返上しなければならない。サイクロプスを倒しに行こう、正直勝てるかどうか怪しいが…村に被害が及んだ償いをしなければ」
ラミアがニヤニヤしながらミストに話す
「せっかくですから新しい勇者様の実力を拝見してはいかがでしょう?我々も後ろで見ていれば安全でしょうし。実力も試せますわ」
「む、しかしそれは…我々4人でも勝てなかった相手に…」
ルーシーは声をあげた
「いいぞ、見落としたのは俺の落ち度だ。ラミアの言う通り成果もあげていないからな」
ミストは慌て始める
「い、いや。しかしさすがに無謀だぞ」
「いいじゃないですかミスト様。本人がいいと仰っていますし」
カーラもアンテも心配そうな顔でルーシーを見る
ラミアは意地の悪い顔で俺を見下し、ミストはオロオロと場を収めようと必死だ
その後もラミアに言いくるめられ、サイクロプスのいる場所へ向かった
…
サイクロプスの巣
英雄クラスのみでサイクロプスの巣へ着いた
見ると3体ほどのサイクロプスが焚火を囲んでくつろいでいる
一帯の生態系は荒れ果て、ここにたどり着く途中の村も壊滅していた
サイクロプスは高さ10メートルにも及ぶひとつ目の巨人
リーチが長く、樹木などを引っこ抜き、武器として振るうほどの怪力を持つ
ラミアが嘲笑うかのように話す
「さ、新入生さんいかがですか?怖気づいたのなら逃げ出してもよいのですよ」
さすがに煽られっぱなしは腹が立つ。俺の力の一端を見せつけてやる、腰を抜かすがいい
「お前たちは下がれ、どうせあの程度に手も足も出ないんだろう?」
「なぁっ…言うに事欠いて…強がりもいい加減になさい!素直に泣いて謝罪すれば許して差し上げますわ!」
「ハッ、クズめ」
ラミアは歯ぎしりしながら顔を紅潮させて黙り込む
(いくらか気は晴れた、そろそろやるか)
ルーシーは刀を抜き、両手で前に掲げ、呪文を唱える
「奈落の底の主よ、眼前に並ぶ者どもを生贄に捧ぐ。古き盟約に従い汝が力を我が刃に宿せ」
ルーシーは刀で空を斬りながらまるで演舞するように呪文を唱え続ける
「闇よ!影よ!奈落の底の主よ!我が眼は汝が眼、汝が眼は我が眼、この眼に映る哀れな者どもに!恐怖を!!狂気を!!黒く蠢く者どもの抱擁を与え給え!!!」
ルーシーは唱え終わると刀を強く振り、収めた
刀を収めた瞬間、サイクロプスたちの足元から黒い影が広がり、小さな黒い手が無数に現れる。黒い小さな手はサイクロプスたちにまとわりつき、影に引きずり込んでいく。サイクロプス達は混乱し、必死に穴から出ようと暴れまわる。次第に腰まで沈み、地面にしがみつきながら涙を流し、首を振り、大声で助けを求めながら沈んでいく
ヴォォォォ! ゴァァァ!! ヴゥゥゥアァァァァァ!!!
勇者一同は涙を流すサイクロプスたちに同情し、ルーシーの力に畏怖した
ラミアが話す
「なんておぞましい力…」
ミストが腰を抜かして座り込む
「こ、こんな魔法見たことがない…それにこれは、闇の…」
カーラは鳥肌を立て、身震いした
「うっわぁ……」
アンテは涙を浮かべて話す
「かわいそう…」
ラミアは一言文句を言おうとルーシーを見ると、その表情に恐れた
「あなた…なんて顔…」
ルーシーは沈むサイクロプスたちをあざ笑うかのように嘲笑し、恍惚の笑みを浮かべていた
「フフッ、見なよ。哀れな者どもが理不尽な死に恐れ、狂う姿。あぁ…愛おしい」
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