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第21話 - 収穫祭
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収穫の季節がやってきた
街は収穫作業と祭りの準備で大忙しだ
商団に依頼した招待状の配布が功を奏し、魔族の上位種が参加してくれることになった
実は魔闘祭の時に参加したバエルがそうだったらしい
ドラグと熱戦を繰り広げた相手だ、よく覚えている
今回はソロモンとバエルが家族連れで参加してくれるらしい
それぞれ強力な魔族で、一部では魔神などと呼ばれるほど
竜と同等の戦いを繰り広げるわけだ
暴れられたら不安だとも思ったが、フリートやドラグたちも来るだろう
きっと大丈夫だ、招待に応じてくれたのだから知性の備わった紳士たちに違いない
祭りは街道を中心に街道の周りへ収穫できた作物を使った料理を並べ、街並みをみながら食べ歩けるような形にした、元の世界のお祭りとあまり変わらない
これを機にいろんな種族同士で交流を図ってほしい
貴族階級のようであまり気は進まないが、有力者たちはダンジョンの拡張空間を作って別途おもてなしすることにした
それなりに費用がかかったが個別にご挨拶、おもてなししておきたい
今後どのような関わりになるかわからないからね
…
収穫は無事終わり、その後日、収穫祭が始まり
今回特別に作った拡張空間に有力者たちが集まった
まめいや猫娘たちは総出で料理を作りまくっている
かなりハードだ
俺は各商団の代表者たち、フリート、テオ、ドラグに挨拶を済ませ
街の有力者に声をかけて回った
今回初めて挨拶するソロモンとバエルにも挨拶をする
「初めまして、今回は我々の収穫祭へ御足労頂きありがとうございます」
「私はこの街の長、玄人と申します、こちらは妻のティルと申します」
ティルが丁寧にお辞儀をした
「ティルと申します、玄人の妻です」
ソロモンが返事をする
「余はソロモン、魔界の王である」
バエルが続く
「お初にお目にかかります、魔闘際では一歩及びませんでした、バエルと申します」
俺はバエルに向かい、魔闘際の戦いぶりを賞賛した
「おお、バエル殿、ドラグとの熱い戦いは今も記憶に残っております
聞けばお二人とも魔神と呼ばれ、恐れられているそうですね
魔神というのは皆、竜と渡り合える者ばかりなのでしょうか」
バエルが返答した
「負けてしまいましたけどね、強さは様々ですが竜とそれなりに戦える者は多くおります」
「これは驚きました、今後とも仲良くしていきたいものです」
俺はソロモンに質問した
「ソロモン王、私はこの大陸に王というものが存在するとは知りませんでした
非礼をお詫びいたします、どちらにお住まいなのでしょうか?」
ソロモンは返答した
「この大陸に住んでおるわけではないからな、世界各地にあるいくつかのダンジョンに我ら眷属の住処へつながる “入り口” がある、いわば闇の世界というべきか、その世界の王を務めておる」
フリートとテオが合流し、ソロモンに話しかけた
「おお、ソロモンよ、懐かしいな」
ソロモンが返事をした
「懐かしい顔だ、元気か」
「相変わらず偉そうな喋り方しおって、今日は奥さんと娘さんたちは来とらんのか?
ここの料理は他のどこでも味わえん、食え!ほれ!」
フリートが友人のように話している
それほど古い仲なのか初めて見るフリートとテオの姿にすこしほころんだ
バエルがフリートの姿に驚き、質問してきた
「あの、玄人殿」
「はい?なんでしょう」
「あの方はもしや、竜王フリート様でしょうか?」
「はい、そうです」
「なぜここに...」
「あ、ティルがフリートの娘なんです」
バエルは目玉が飛び出るかのような驚きぶりだ
バエルは慌ててティルの前に跪き、挨拶をした
「竜王様のご息女とはつゆ知らず、御無礼をお許しください」
ティルが返事をする
「顔をあげてください、私はもう玄人の妻となりました
遠慮なさらず普通にお話してくださいな」
バエルが顔をあげ、話しをする
「あ、ありがとうございます」
さらにバエルは立ち上がり、俺を見て質問してきた
「人の身でありながら竜と結ばれるとは...玄人殿は本当に人間ですか?」
「よく言われます、縁あって一緒になる事になりました、バエル殿が奮闘された魔闘祭の後ですかね、ご挨拶する機会がありまして...」
「なるほど、魔闘祭でのドラグ殿との戦いぶりも拝見しておりましたが、本当に人間とは思えませんな」
皆に挨拶をすませ、収穫祭は終わり、それぞれの住処へ帰っていった
フリートとテオ、ドラグは家で一泊するみたいだ
-----魔界-----
ソロモンとバエルが魔界に到着し、ソロモンがバエルに話しかける
「あの街の玄人という者は末恐ろしいな」
「軍を起こせば数百の魔物、魔獣が簡単に集まるでしょうな」
ソロモンは続ける
「フリートとも親しいようだしな」
「竜王の一族に名を連ねているとは思いもよりませんでしたな」
ソロモンはお土産を口にしながらバエルに話す
「あの者を監視せよ」
「はっ」
「あと定期的にりんご飴を買ってまいれ」
「ソロモン様、それは収穫祭限定の食料とききました」
ソロモンはしゅんとした
バエルが話し出す
「王、甘いものは控えてください、虫歯になりますよ」
「お前も食うたか?これはうまいぞ」
バエルはキリッとした表情で反論した
「私はオムライスの方が好みです」
「あの卵に包まれた赤い飯か?絵が描かれておるものを好んで食べておったな」
バエルは赤面した
「ぐ、のぞき見とは趣味が悪い」
「お前も子供じみたものを好んでおるではないか」
「魔界の王が口の周りべたべたにしながら歩くのをおやめください!」
「やかましい!オムライスにがっついておったくせに」
-----ダイバーツリー-----
夜になった、家でフリート、テオ、ドラグと一緒に夕食を楽しんでいる
俺はフリートにソロモン王の事について質問した
「フリート、ソロモン王とは親しいんですか?」
「そうだな、いつだったかな、数千年経つ気がするが」
テオが続ける
「昔はよく喧嘩しておいででしたね」
俺は興味深そうに質問した
「へぇ、どちらが強かったのでしょう」
フリートが返答した
「もちろんワシじゃ、と言いたいが難しいな」
テオが続ける
「喧嘩するたびにダンジョンが崩壊するから大変なのよ、核は無事なんだけどねぇ」
核を壊さずにダンジョンを壊せるものなのか
あれほどの魔力を注ぎ込んで作った空間にも関わらず崩壊させるとはさすがだな
フリートが酒を一口飲み、話す
「厳密に言えば決着はついておらん、お互い疲れると適当に辞めるからの」
なるほど、同等の力をもっていると思ったほうがよさそうだ
「魔界についてはご存じですか?」
フリートが答えた
「知っておる、世界各地にあるダンジョンのいくつかに入り口がある
荒廃した土地でな、作物などは一切ない、だが人間の貴族階級のような支配制度がある」
貴族階級か、紳士的だったのもそういう事なのかな
ドラグが話す
「バエル殿は貴族の中でも最上位の力を持ち、序列も相当高いですよ」
フリートが興味深そうに話す
「魔界に行きたいのか?」
「いえ、知らない世界だったもので」
「まぁ人間の体では行かんほうがええ、あやつらの巣はそこにいるだけで害がある」
「竜は平気なのですか?」
「いや、人間ほど害はないが、長時間いると何かしら影響がでてきてしまうな」
なるほど、行くのはやめたほうがよさそうだ
俺は交易の可能性について質問してみた
「魔界と交易は可能でしょうか?」
フリートが返答した
「聞いてみるのが一番いいが、知る限り無理じゃな」
なるほど、お互いの利益を確立することは難しいか
夜は更け、翌朝フリートたちは帰っていった
…
収穫祭が終わり、後片付けをしていると森の東で戦闘が起こっていると報告を受けた
視察するために現地に向かうと、現場にいたのは人間だった
森の魔獣を仕留め、解体している
現場は森から離れているし、東側から街に来る商団はないのでおそらく大丈夫だとは思うが
将来衝突する可能性はある
余計な火種は産みたくないのでここは一度帰って彼らの国に使者を送ろう
そしてどれくらいの規模の勢力をもつ国なのか、そのあたりも調べなければならないな
街に帰り、人間の文化と接触のありそうなエルフ、ドワーフたちに聞いてみたが
この大陸で生まれ育ったものが多く、人間の国についての知識はまるで得られなかった
そういえばクラピウスがなんどかお忍びで人間の国で食べ歩きしていたような話しをしていたのを思い出した
俺はクラピウスの所へ行き、事情を説明した
クラピウスは慎重な面持ちで話し始める
「うーん、この大陸に一番近いのはシルヴァン帝国ですね
領土拡張欲が強く、亜人を奴隷にするので危険です」
人間の国について教えてもらった
今回見た人間はおそらくシルヴァン帝国
他には
セドリオン貴族国家
ローニャン商業国家
ルクフォントデュー宗主国家
オークターヴィル魔道国家
などがあるそうだ
それぞれある程度特徴はあるものの、交易の可能性があるとすれば
オークターヴィル魔道国家が一番可能性が高いらしい
国民のほとんどが魔術に対して強い関心をもっており
魔道具の研究も盛んで交易の利益が一致しやすいだろうとのこと
また、魔術にさえ関心があれば亜人、人間などの区別もほとんどないそうだ
ただし、島国であるため交通が不便なのだとか
俺はオークターヴィル魔道国家に早速接触することにした
交通に関してはグリフォン空港がある、さほど問題にならないだろう
これから冬が訪れる、シルヴァン帝国の進軍もしばらくは止まるだろう
その間にオークターヴィル魔道国家を通じて情報を集めたい
まずは使者を派遣しよう、魔術や魔道具について関心が高いならアメリかアンバーが使者として適任だろう
その他護衛として何人か募ることにした
アメリが代表を快く受けてくれた、オークターヴィル魔道国家の技術にも興味があるそうだ
その他、護衛は鬼人族3人、猫娘2人が同行することになった
明日出発すれば夜にはつくらしい
陸路と海路を使う場合1か月はかかるとか
空港は偉大だった
話し合いにどれくらいかかるかわからないが、春が来る前にはまとまってほしい
交易が始まればグリフォンだけでは間に合わないかもしれないな
グリフォン以外にも空を飛べる魔獣と話しをしたほうがいいかもしれない
使者たちが向かっている間、俺は新しい飛行魔獣を探すことにした
街は収穫作業と祭りの準備で大忙しだ
商団に依頼した招待状の配布が功を奏し、魔族の上位種が参加してくれることになった
実は魔闘祭の時に参加したバエルがそうだったらしい
ドラグと熱戦を繰り広げた相手だ、よく覚えている
今回はソロモンとバエルが家族連れで参加してくれるらしい
それぞれ強力な魔族で、一部では魔神などと呼ばれるほど
竜と同等の戦いを繰り広げるわけだ
暴れられたら不安だとも思ったが、フリートやドラグたちも来るだろう
きっと大丈夫だ、招待に応じてくれたのだから知性の備わった紳士たちに違いない
祭りは街道を中心に街道の周りへ収穫できた作物を使った料理を並べ、街並みをみながら食べ歩けるような形にした、元の世界のお祭りとあまり変わらない
これを機にいろんな種族同士で交流を図ってほしい
貴族階級のようであまり気は進まないが、有力者たちはダンジョンの拡張空間を作って別途おもてなしすることにした
それなりに費用がかかったが個別にご挨拶、おもてなししておきたい
今後どのような関わりになるかわからないからね
…
収穫は無事終わり、その後日、収穫祭が始まり
今回特別に作った拡張空間に有力者たちが集まった
まめいや猫娘たちは総出で料理を作りまくっている
かなりハードだ
俺は各商団の代表者たち、フリート、テオ、ドラグに挨拶を済ませ
街の有力者に声をかけて回った
今回初めて挨拶するソロモンとバエルにも挨拶をする
「初めまして、今回は我々の収穫祭へ御足労頂きありがとうございます」
「私はこの街の長、玄人と申します、こちらは妻のティルと申します」
ティルが丁寧にお辞儀をした
「ティルと申します、玄人の妻です」
ソロモンが返事をする
「余はソロモン、魔界の王である」
バエルが続く
「お初にお目にかかります、魔闘際では一歩及びませんでした、バエルと申します」
俺はバエルに向かい、魔闘際の戦いぶりを賞賛した
「おお、バエル殿、ドラグとの熱い戦いは今も記憶に残っております
聞けばお二人とも魔神と呼ばれ、恐れられているそうですね
魔神というのは皆、竜と渡り合える者ばかりなのでしょうか」
バエルが返答した
「負けてしまいましたけどね、強さは様々ですが竜とそれなりに戦える者は多くおります」
「これは驚きました、今後とも仲良くしていきたいものです」
俺はソロモンに質問した
「ソロモン王、私はこの大陸に王というものが存在するとは知りませんでした
非礼をお詫びいたします、どちらにお住まいなのでしょうか?」
ソロモンは返答した
「この大陸に住んでおるわけではないからな、世界各地にあるいくつかのダンジョンに我ら眷属の住処へつながる “入り口” がある、いわば闇の世界というべきか、その世界の王を務めておる」
フリートとテオが合流し、ソロモンに話しかけた
「おお、ソロモンよ、懐かしいな」
ソロモンが返事をした
「懐かしい顔だ、元気か」
「相変わらず偉そうな喋り方しおって、今日は奥さんと娘さんたちは来とらんのか?
ここの料理は他のどこでも味わえん、食え!ほれ!」
フリートが友人のように話している
それほど古い仲なのか初めて見るフリートとテオの姿にすこしほころんだ
バエルがフリートの姿に驚き、質問してきた
「あの、玄人殿」
「はい?なんでしょう」
「あの方はもしや、竜王フリート様でしょうか?」
「はい、そうです」
「なぜここに...」
「あ、ティルがフリートの娘なんです」
バエルは目玉が飛び出るかのような驚きぶりだ
バエルは慌ててティルの前に跪き、挨拶をした
「竜王様のご息女とはつゆ知らず、御無礼をお許しください」
ティルが返事をする
「顔をあげてください、私はもう玄人の妻となりました
遠慮なさらず普通にお話してくださいな」
バエルが顔をあげ、話しをする
「あ、ありがとうございます」
さらにバエルは立ち上がり、俺を見て質問してきた
「人の身でありながら竜と結ばれるとは...玄人殿は本当に人間ですか?」
「よく言われます、縁あって一緒になる事になりました、バエル殿が奮闘された魔闘祭の後ですかね、ご挨拶する機会がありまして...」
「なるほど、魔闘祭でのドラグ殿との戦いぶりも拝見しておりましたが、本当に人間とは思えませんな」
皆に挨拶をすませ、収穫祭は終わり、それぞれの住処へ帰っていった
フリートとテオ、ドラグは家で一泊するみたいだ
-----魔界-----
ソロモンとバエルが魔界に到着し、ソロモンがバエルに話しかける
「あの街の玄人という者は末恐ろしいな」
「軍を起こせば数百の魔物、魔獣が簡単に集まるでしょうな」
ソロモンは続ける
「フリートとも親しいようだしな」
「竜王の一族に名を連ねているとは思いもよりませんでしたな」
ソロモンはお土産を口にしながらバエルに話す
「あの者を監視せよ」
「はっ」
「あと定期的にりんご飴を買ってまいれ」
「ソロモン様、それは収穫祭限定の食料とききました」
ソロモンはしゅんとした
バエルが話し出す
「王、甘いものは控えてください、虫歯になりますよ」
「お前も食うたか?これはうまいぞ」
バエルはキリッとした表情で反論した
「私はオムライスの方が好みです」
「あの卵に包まれた赤い飯か?絵が描かれておるものを好んで食べておったな」
バエルは赤面した
「ぐ、のぞき見とは趣味が悪い」
「お前も子供じみたものを好んでおるではないか」
「魔界の王が口の周りべたべたにしながら歩くのをおやめください!」
「やかましい!オムライスにがっついておったくせに」
-----ダイバーツリー-----
夜になった、家でフリート、テオ、ドラグと一緒に夕食を楽しんでいる
俺はフリートにソロモン王の事について質問した
「フリート、ソロモン王とは親しいんですか?」
「そうだな、いつだったかな、数千年経つ気がするが」
テオが続ける
「昔はよく喧嘩しておいででしたね」
俺は興味深そうに質問した
「へぇ、どちらが強かったのでしょう」
フリートが返答した
「もちろんワシじゃ、と言いたいが難しいな」
テオが続ける
「喧嘩するたびにダンジョンが崩壊するから大変なのよ、核は無事なんだけどねぇ」
核を壊さずにダンジョンを壊せるものなのか
あれほどの魔力を注ぎ込んで作った空間にも関わらず崩壊させるとはさすがだな
フリートが酒を一口飲み、話す
「厳密に言えば決着はついておらん、お互い疲れると適当に辞めるからの」
なるほど、同等の力をもっていると思ったほうがよさそうだ
「魔界についてはご存じですか?」
フリートが答えた
「知っておる、世界各地にあるダンジョンのいくつかに入り口がある
荒廃した土地でな、作物などは一切ない、だが人間の貴族階級のような支配制度がある」
貴族階級か、紳士的だったのもそういう事なのかな
ドラグが話す
「バエル殿は貴族の中でも最上位の力を持ち、序列も相当高いですよ」
フリートが興味深そうに話す
「魔界に行きたいのか?」
「いえ、知らない世界だったもので」
「まぁ人間の体では行かんほうがええ、あやつらの巣はそこにいるだけで害がある」
「竜は平気なのですか?」
「いや、人間ほど害はないが、長時間いると何かしら影響がでてきてしまうな」
なるほど、行くのはやめたほうがよさそうだ
俺は交易の可能性について質問してみた
「魔界と交易は可能でしょうか?」
フリートが返答した
「聞いてみるのが一番いいが、知る限り無理じゃな」
なるほど、お互いの利益を確立することは難しいか
夜は更け、翌朝フリートたちは帰っていった
…
収穫祭が終わり、後片付けをしていると森の東で戦闘が起こっていると報告を受けた
視察するために現地に向かうと、現場にいたのは人間だった
森の魔獣を仕留め、解体している
現場は森から離れているし、東側から街に来る商団はないのでおそらく大丈夫だとは思うが
将来衝突する可能性はある
余計な火種は産みたくないのでここは一度帰って彼らの国に使者を送ろう
そしてどれくらいの規模の勢力をもつ国なのか、そのあたりも調べなければならないな
街に帰り、人間の文化と接触のありそうなエルフ、ドワーフたちに聞いてみたが
この大陸で生まれ育ったものが多く、人間の国についての知識はまるで得られなかった
そういえばクラピウスがなんどかお忍びで人間の国で食べ歩きしていたような話しをしていたのを思い出した
俺はクラピウスの所へ行き、事情を説明した
クラピウスは慎重な面持ちで話し始める
「うーん、この大陸に一番近いのはシルヴァン帝国ですね
領土拡張欲が強く、亜人を奴隷にするので危険です」
人間の国について教えてもらった
今回見た人間はおそらくシルヴァン帝国
他には
セドリオン貴族国家
ローニャン商業国家
ルクフォントデュー宗主国家
オークターヴィル魔道国家
などがあるそうだ
それぞれある程度特徴はあるものの、交易の可能性があるとすれば
オークターヴィル魔道国家が一番可能性が高いらしい
国民のほとんどが魔術に対して強い関心をもっており
魔道具の研究も盛んで交易の利益が一致しやすいだろうとのこと
また、魔術にさえ関心があれば亜人、人間などの区別もほとんどないそうだ
ただし、島国であるため交通が不便なのだとか
俺はオークターヴィル魔道国家に早速接触することにした
交通に関してはグリフォン空港がある、さほど問題にならないだろう
これから冬が訪れる、シルヴァン帝国の進軍もしばらくは止まるだろう
その間にオークターヴィル魔道国家を通じて情報を集めたい
まずは使者を派遣しよう、魔術や魔道具について関心が高いならアメリかアンバーが使者として適任だろう
その他護衛として何人か募ることにした
アメリが代表を快く受けてくれた、オークターヴィル魔道国家の技術にも興味があるそうだ
その他、護衛は鬼人族3人、猫娘2人が同行することになった
明日出発すれば夜にはつくらしい
陸路と海路を使う場合1か月はかかるとか
空港は偉大だった
話し合いにどれくらいかかるかわからないが、春が来る前にはまとまってほしい
交易が始まればグリフォンだけでは間に合わないかもしれないな
グリフォン以外にも空を飛べる魔獣と話しをしたほうがいいかもしれない
使者たちが向かっている間、俺は新しい飛行魔獣を探すことにした
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