おまけ転生の結果、食材専門のハンターになりました

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出会いは衝突

6月。梅雨特有のジメジメとした体にまとわりつくような嫌な暑さを感じながら帰路に着く。

今日は昼から飲食店でのバイトがあった。
21時30分頃には帰れるはずだったが今日はバイトの人数が少なく閉店の片付けに少してこずった。その上同僚達のお喋りに捕まり現在の時刻は22時を少し過ぎたところだ。

あーー、もう22時じゃん。
まったく。あの人達話長いんだよ。
片付けるのも遅いしこっちは早く帰りたいんだっつの。

今日居たメンバーはあまり好きでは無いもの達ばかりだった。その上長いお喋りに付き合わされれば愚痴もこぼれる。

ちょっとお腹空いたな。でもこの時間じゃなー。
家に何かあったかな。…いやないな。
でもこの辺何も無いし。コンビニ…はちょっと遠いんだよな。あー、でもお腹空いた。いやでも疲れたしなー。
にしてもあっっつ…。

疲れた体に暑さと面倒くささが相まって中々足が進まない。汗を滲ませながら重い足取りで向かうのはコンビニだ。悩んだ末空腹には逆らえ無かった。

自分の家は住宅街にある安価なアパートの一室だ。一人暮らしをしている。
自販機でさえ中々お目にかかれない場所にコンビニがあるはずもなく仕方なく帰路からは大きく逸れてコンビニへ向かう。

明日は大学もバイトも無いし、何しようかな。
久しぶりに本を読むのもいいな。あー、でもみたい映画が公開になってたよな。それみて、本屋いって。ちょっと贅沢なお昼も食べて……

そんな事を考えながら歩く内に住宅街から離れ大通りに出た。
とは言っても時間が遅い為人通りは少なくたまに車が通るくらいだ。
見えてきたコンビニは暗闇の中眩しく光っていて少し目をすぼめる。

コンビニの中に入れば軽快な音楽が出迎えてくれた。
カゴを手に取りまず飲み物コーナーへと向かう。

そういえば飲み物も無かったな

そう思いペットボトルのお茶を2本カゴに入れ軽食のコーナーへと向かう。

おにぎり、は…いいの無いな。
サンドウィッチは、あ、ミックスある。
じゃあミックスと…ハムもある。これにしよ。

サンドウィッチ2つをカゴに入れレジへ向かう。店員はやる気が無さそうな男性1人だ。
会計を終わらせ店から出た時電話が鳴る。

え、こんな時間に誰

携帯を確認すればバイト先の店長だった。
きっと欠勤が出たから変わりに出てくれとかそんな事だろう。勘弁して欲しい。
うわ、と思いながら電話に出た時ドンッとゆう衝撃が伝わった。

下を向いていた為に人とぶつかってしまったのだ。
ぶつかった衝撃で携帯を落としカタンと音がなる。
慌ててぶつかってしまった相手を確認する。

相手は高校生位の真面目そうな青年だ。
彼も慌てた様子でこちらをみていて直ぐに声をかけてきた。

「すみません！」

こちらも謝らなくてはと

「こちらこそすみません」

と声をかけたが反応は無い。

なぜならそこに彼はおらず、ましてやコンビニの前ですらない。
目の前にあるのは何も無い暗闇だけだったのだから。