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第二部第一章 ベリズリー

料理

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 なんだかんだで、私はようやく、プランスの部屋に着いた。
 まだ電気が付いているので寝ていないことが分かる。おそらく今はベッドに座っているのだろう。

「上位聖騎士様、お入りになります」

 アンは丁寧に三回ノックしてから、ドアを開けた。
 アンが先に中に入ると、私も後ろから入った。
 すると、彼は起き上がっており、片手には魔法書を持っていた。
 プランスが魔法を使える人だとは決して思えないけど、持っているとなると魔法に興味があるのだろう。

「ミア、アン。どうした?」

 軽く微笑む彼の顔はとても美しく、この場に立ち尽くしそうになってしまう。それはできないと思うけれど、本当にここでプランスを眺めていたい。
 それが願いであった。
 まあ私はそんなことを願える立ち位置にいない。

「いえ、夕飯がまだなので、上位聖騎士様なら持っているのかと・・・・・」

 アンが背筋を立てる。
 その姿はやっぱり、信用できる聖騎士だ。たとえそれが、戦場経験のない聖騎士だとしても。

「あっそうか・・・・・じゃあ、今から何か食べにいく? それか時間かかるけど、リトルドラゴン捌く?」

 私は空腹に耐えれるほど、まだ強くないので正直に切り出した。

「何か食べに行きましょう!」

 迷惑をかけている気は今はしなかった。
 いつもなら迷惑から心配で死にそうになるのに、親しくなったからか、そうんな気持ち綺麗さっぱり消えた。
 こんなことがあるなんて思っていなかった。

「そうだな」

 優しい笑みは私の心をいっぱいにした。だけど、いつかなくなる気がして震えが止まらなくなってしまう。
 ああ、二つの気持ちが全てを消して作ってを交互に作っていく。
 これはどうして。

「ミアは私が護衛します」

 彼女は、よく分からない感情の私に気づいていないのか。
 それなら良いけれど、突然私が暴走してしまったらどうしよう。と心配が心拍数に表される。
 なんだか自分を殴りたい衝動が出てきた。
 どうしてこうなったのか分からないけれど、私は前にもこんなことがあった。
 それで前にもこんな出会いがあった。なのに思い出せない。全く思い出せないのだ。
 なんで思い出せないのだ、思い出したほうが絶対にいいことなのに、どうして、思い出せないのだ?
 もしかしたら昨日までは覚えていたのかもしれない。今日忘れたから、今気になっているのか?

 どうしようもない気持ちに駆られる私は、意味が分からない。
 もうお手上げという形になってしまったいた。

「あのさ、プランスは死なないよね?」
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