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16晩目 ホースケさんとシズルとツカサ
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シズルとツカサは、元々ソロで活動する冒険者だった。
冒険者は、ギルドで冒険者登録さえすれば誰でもなる事が出来る。依頼を受けなくても魔物を討伐し、討伐した魔物から回収した素材を売れば、収入源は確保出来る。
シズルは、剣に覚えがあったが、考えて行動することが苦手で、ソロの時は魔物討伐をメインとした活動をしていた。一方でツカサは、両親を早くに亡くし、幼い弟妹を養うため、冒険者登録をした。
大規模な討伐依頼の場合、ギルドマスターから登録している冒険者たちへ招集が係る。そこでツカサとシズルは、出会うことになった。
考えることが苦手で脳天気なツカサ、弟妹を養っている面倒見の良いシズルは、何度か討伐依頼で一緒になりシズルが、脳天気なツカサの世話を役ようになっていく。一人よりも二人であれば、対応できる仕事の幅も広がった。そのうちマンキー亭でもチームとして認識されるようになっていった。
「シズルが、ホースケにのされた日、一人でふらふらと帰ろうとするから、心配じゃない?ウチは、家族も多いし良かったら一晩ウチに泊まって行けばって」
「ん?」
なぜ、そこで頬を赤く染める?
「ツカサちゃんの家ってとても暖かくって居心地が良くって ねえ」
「いついちゃったのよう」
ツカサがシズルの手を握り優しく微笑みかけると、ツカサは更に頬を染めてプイッとそっぽを向く。「可愛いっしょ」とツカサがホースケに同意を求めてくるとツカサは、肘でドンッとシズルを突いた。
ああ、年頃の男女が一つ屋根の下………なるほど、やっちゃったわけだ。盛り上がっちゃったわけだ。シズルは、ワンコ系だもんな、絆されちゃったんだ。
「良かったか?」
「うっす 天国かと思うくらいの衝撃的な体験でした」
「ア、アンタたち何言ってんのよ」
恍惚とした表情で『初めての経験』を語るシズルの後頭部を遠慮なしにツカサは殴った。後頭部を摩りながら笑うシズルを涙目になりながらも睨みつける。「どうも、ご馳走様です」とホースケは、合掌するのだった。
「とにかく、俺は戦闘力皆無だかんな そこんとこよろしく」
「うっす 戦うことは俺たちに任せるっす」
「改めて指導よろしくね」
こうしてFランクのホースケが、Dランクのツカサとシズルを教育するという奇妙な関係が始まったのだった。
冒険者は、ギルドで冒険者登録さえすれば誰でもなる事が出来る。依頼を受けなくても魔物を討伐し、討伐した魔物から回収した素材を売れば、収入源は確保出来る。
シズルは、剣に覚えがあったが、考えて行動することが苦手で、ソロの時は魔物討伐をメインとした活動をしていた。一方でツカサは、両親を早くに亡くし、幼い弟妹を養うため、冒険者登録をした。
大規模な討伐依頼の場合、ギルドマスターから登録している冒険者たちへ招集が係る。そこでツカサとシズルは、出会うことになった。
考えることが苦手で脳天気なツカサ、弟妹を養っている面倒見の良いシズルは、何度か討伐依頼で一緒になりシズルが、脳天気なツカサの世話を役ようになっていく。一人よりも二人であれば、対応できる仕事の幅も広がった。そのうちマンキー亭でもチームとして認識されるようになっていった。
「シズルが、ホースケにのされた日、一人でふらふらと帰ろうとするから、心配じゃない?ウチは、家族も多いし良かったら一晩ウチに泊まって行けばって」
「ん?」
なぜ、そこで頬を赤く染める?
「ツカサちゃんの家ってとても暖かくって居心地が良くって ねえ」
「いついちゃったのよう」
ツカサがシズルの手を握り優しく微笑みかけると、ツカサは更に頬を染めてプイッとそっぽを向く。「可愛いっしょ」とツカサがホースケに同意を求めてくるとツカサは、肘でドンッとシズルを突いた。
ああ、年頃の男女が一つ屋根の下………なるほど、やっちゃったわけだ。盛り上がっちゃったわけだ。シズルは、ワンコ系だもんな、絆されちゃったんだ。
「良かったか?」
「うっす 天国かと思うくらいの衝撃的な体験でした」
「ア、アンタたち何言ってんのよ」
恍惚とした表情で『初めての経験』を語るシズルの後頭部を遠慮なしにツカサは殴った。後頭部を摩りながら笑うシズルを涙目になりながらも睨みつける。「どうも、ご馳走様です」とホースケは、合掌するのだった。
「とにかく、俺は戦闘力皆無だかんな そこんとこよろしく」
「うっす 戦うことは俺たちに任せるっす」
「改めて指導よろしくね」
こうしてFランクのホースケが、Dランクのツカサとシズルを教育するという奇妙な関係が始まったのだった。
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