31 / 50
第31話 カイルの答え
しおりを挟む
それから3日後、カイルはエドアルドを従えて、オブライエン公爵邸へと向かった。
「カイル様!」
カイルが玄関に着くと、笑顔のアレキサンドラに迎えられた。
アレキサンドラは淡いクリーム色の布地に、赤いバラの刺繍を施したドレス姿だった。
お茶会ということで、ドレスの丈も短めで、軽々とした印象を与えた。
長く豊かな赤い髪はゆるく巻かれた上で、ハーフアップにまとめられている。
「カイル様、ようこそお越しを。お待ちしておりました」
アレキサンドラは淑女の礼を取った。
「陛下、アレキサンドラはそれはあなたのお越しを心待ちにしていて、今日のお茶会のメニューもすべて自分で決めたのですよ。我が家の可愛い女主人なのです」
オブライエン公爵もカイルに正式な礼を取ると、室内へと案内した。
カイルはオブライエンに促されて、アレキサンドラのエスコート役を務める。
あと少しで客間に着く、という時に、アレキサンドラがささやくような声でそっと言った。
「カイル様、あなたの答えがどんなものであれ、わたくしはあなたを心からお慕いしております。どうかそれは覚えていてくださいませ」
カイルがアレキサンドラを見ると、そこにはいつもの自信満々な彼女の姿ではなく、かすかに震える、年相応な少女の姿があった。
「わかった」
カイルは短く答えると、オブライエン公爵が待つ客間へと足を踏み入れた。
お茶会は素晴らしかった。
アレキサンドラはカイルのために、香り高いアールグレイの紅茶を用意し、お茶菓子もことさらに甘いものではなく、バターの香りが濃いショートブレッドクッキーや、新鮮なリンゴを使った手作りのジャムを挟んだフィンガークッキー、バターとレモンの香りが溶け合うマドレーヌなどを用意していた。
新鮮なキュウリとハムを使ったサンドイッチなど、甘くないものも多い。
アレキサンドラが気を配って、菓子やお茶が切れないようにしていて、お茶会は和やかに進んだ。
しかし、ついにオブライエン公爵が、話を切り出した。
「さて、それでは、陛下ももうお気づきかと思いますが、今日はアレキサンドラとの婚姻について、お返事をいただきたく存じます」
「前にも言ったが、私には婚約者がいる。近いうちに、アレシアと結婚式を挙げるつもりだ」
オブライエンは苦笑した。
「そのような。物分かりのない若者のようなことはおっしゃいますな。その巫女姫様とは、婚約解消をすればよろしい。幸いにもまだ、結婚式を挙げていないわけですし。陛下もあのお方ではと、ためらっておられるのでしょう? 先日の夜会の際には、貴族達の物笑いの種になったそうではないですか」
「オブライエン、私はアレシアと結婚する、と言っている」
カイルは冷たい声で返すと、アレキサンドラに向き合った。
「このようなことになって、大変申し訳ないと思っています。しかし、あなたとは結婚しません」
アレキサンドラの目が、大きく見開かれた。
「あなたは大切な従姉妹であり、私が帝都に来て以来、ずっと良くしてくださる、古くからの友人でもあると思っています。けれど、あなたを妻として愛することはできません」
「あの方を、愛していらっしゃると……?」
「この場で、あなたにお伝えする必要はない」
次の瞬間、アレキサンドラの目から、大きな涙が溢れ落ちた。
「カイル殿! さすがに我が娘への無礼は許されませんぞ!?」
オブライエンは怒りで真っ赤になり、カイルの目の前に指を突きつけた。
しかし、アレキサンドラはそんな父をはっきりとした態度で制した。
「お父様、もういいのです。わたくしは……わたくし達ははっきりとカイル様に意思を伝えましたわ。その上でのお返事なのです。それ以上お怒りにならないでください」
「アレキサンドラ!」
アレキサンドラはカイルにうなづいた。
「これで失礼する」
カイルは無表情のまま、オブライエンとアレキサンドラを後に、宮殿へと戻った。
その夜、1人静かに自室にこもっていたアレキサンドラは、深夜に響いたノックの音にはっと顔を上げた。
「アレキサンドラ様、こんな時間に失礼いたします」
アレキサンドラ付きの侍女がそっとアレキサンドラに声をかけた。
「お父様が書斎でお待ちです」
「わかったわ」
アレキサンドラは立ち上がった。
午後に着ていたクリーム色のドレスはすでに着替えている。
今は室内着のゆったりとしたドレスとガウンを着て、髪もすでにおろしているが、それで構わないだろう。
普段ならもう、就寝している時間なのだ。
「お父様」
アレキサンドラが書斎のドアを叩くと、すぐにオブライエンの声がした。
「お入り」
「失礼いたします」
オブライエンは書斎の暖炉の前に立っていた。
彼もまたガウン姿だった。
「こんな時間にすまなかったね。でも大事な話があるのだよ」
そう言うと、オブライエンはガウンのポケットから、平たく、小さな黒い容器を取り出した。
それは複雑な意匠が施され、まるで携帯用の練り香水入れのような形をしていた。
「アレキサンドラ、今日のことで、お前が気落ちしていないか、とても心配していてね」
「お父様。大丈夫ですわ。何よりも、カイル様の本当のお気持ちがわかって、それはそれで良かったと思いますの」
アレキサンドラは苦しそうな微笑みを見せた。
「アレキサンドラ、お前は本当に、立派な貴婦人だ。お前の母上にこんなに立派に育ったお前を見せてやりたいよ」
「お父様」
「だが、お前は誰よりもこのランス帝国の皇后に相応しい」
「……お父様? 何を、仰っているのですか?」
オブライエンはアレキサンドラに黒い容器を渡した。
「これを使って、無事皇后になった暁には、皇帝を殺害するように」
オブライエンの言葉に、アレキサンドラは顔を青ざめた。
「お父様!!」
「あの姫巫女は私に任せなさい。宮殿にあの女の居場所はない。私が排除しよう。……お前はカイル様を手に入れるのだ」
愕然とするアレキサンドラにオブライエンは微笑む。
アレキサンドラの緑の瞳とオブライエンの緑の瞳が見つめ合った。
「心配するな。父がお前を全力で支えよう。お前は皇后だ。帝国はお前のもの。いずれ、お前には新たな夫を見つけてやる。そして生まれた子どもがいずれ、帝国皇帝となるのだ。そう、皇帝の血統が我がオブライエン家に正式に移る時が来たのだから」
オブライエンは暗い目をして、アレキサンドラを見つめた。
「さあ、ではその薬の使い方を教えようか。それは『黒の封印』と呼ばれて、代々の皇帝からその子供に伝えられてきたものだ……」
「カイル様!」
カイルが玄関に着くと、笑顔のアレキサンドラに迎えられた。
アレキサンドラは淡いクリーム色の布地に、赤いバラの刺繍を施したドレス姿だった。
お茶会ということで、ドレスの丈も短めで、軽々とした印象を与えた。
長く豊かな赤い髪はゆるく巻かれた上で、ハーフアップにまとめられている。
「カイル様、ようこそお越しを。お待ちしておりました」
アレキサンドラは淑女の礼を取った。
「陛下、アレキサンドラはそれはあなたのお越しを心待ちにしていて、今日のお茶会のメニューもすべて自分で決めたのですよ。我が家の可愛い女主人なのです」
オブライエン公爵もカイルに正式な礼を取ると、室内へと案内した。
カイルはオブライエンに促されて、アレキサンドラのエスコート役を務める。
あと少しで客間に着く、という時に、アレキサンドラがささやくような声でそっと言った。
「カイル様、あなたの答えがどんなものであれ、わたくしはあなたを心からお慕いしております。どうかそれは覚えていてくださいませ」
カイルがアレキサンドラを見ると、そこにはいつもの自信満々な彼女の姿ではなく、かすかに震える、年相応な少女の姿があった。
「わかった」
カイルは短く答えると、オブライエン公爵が待つ客間へと足を踏み入れた。
お茶会は素晴らしかった。
アレキサンドラはカイルのために、香り高いアールグレイの紅茶を用意し、お茶菓子もことさらに甘いものではなく、バターの香りが濃いショートブレッドクッキーや、新鮮なリンゴを使った手作りのジャムを挟んだフィンガークッキー、バターとレモンの香りが溶け合うマドレーヌなどを用意していた。
新鮮なキュウリとハムを使ったサンドイッチなど、甘くないものも多い。
アレキサンドラが気を配って、菓子やお茶が切れないようにしていて、お茶会は和やかに進んだ。
しかし、ついにオブライエン公爵が、話を切り出した。
「さて、それでは、陛下ももうお気づきかと思いますが、今日はアレキサンドラとの婚姻について、お返事をいただきたく存じます」
「前にも言ったが、私には婚約者がいる。近いうちに、アレシアと結婚式を挙げるつもりだ」
オブライエンは苦笑した。
「そのような。物分かりのない若者のようなことはおっしゃいますな。その巫女姫様とは、婚約解消をすればよろしい。幸いにもまだ、結婚式を挙げていないわけですし。陛下もあのお方ではと、ためらっておられるのでしょう? 先日の夜会の際には、貴族達の物笑いの種になったそうではないですか」
「オブライエン、私はアレシアと結婚する、と言っている」
カイルは冷たい声で返すと、アレキサンドラに向き合った。
「このようなことになって、大変申し訳ないと思っています。しかし、あなたとは結婚しません」
アレキサンドラの目が、大きく見開かれた。
「あなたは大切な従姉妹であり、私が帝都に来て以来、ずっと良くしてくださる、古くからの友人でもあると思っています。けれど、あなたを妻として愛することはできません」
「あの方を、愛していらっしゃると……?」
「この場で、あなたにお伝えする必要はない」
次の瞬間、アレキサンドラの目から、大きな涙が溢れ落ちた。
「カイル殿! さすがに我が娘への無礼は許されませんぞ!?」
オブライエンは怒りで真っ赤になり、カイルの目の前に指を突きつけた。
しかし、アレキサンドラはそんな父をはっきりとした態度で制した。
「お父様、もういいのです。わたくしは……わたくし達ははっきりとカイル様に意思を伝えましたわ。その上でのお返事なのです。それ以上お怒りにならないでください」
「アレキサンドラ!」
アレキサンドラはカイルにうなづいた。
「これで失礼する」
カイルは無表情のまま、オブライエンとアレキサンドラを後に、宮殿へと戻った。
その夜、1人静かに自室にこもっていたアレキサンドラは、深夜に響いたノックの音にはっと顔を上げた。
「アレキサンドラ様、こんな時間に失礼いたします」
アレキサンドラ付きの侍女がそっとアレキサンドラに声をかけた。
「お父様が書斎でお待ちです」
「わかったわ」
アレキサンドラは立ち上がった。
午後に着ていたクリーム色のドレスはすでに着替えている。
今は室内着のゆったりとしたドレスとガウンを着て、髪もすでにおろしているが、それで構わないだろう。
普段ならもう、就寝している時間なのだ。
「お父様」
アレキサンドラが書斎のドアを叩くと、すぐにオブライエンの声がした。
「お入り」
「失礼いたします」
オブライエンは書斎の暖炉の前に立っていた。
彼もまたガウン姿だった。
「こんな時間にすまなかったね。でも大事な話があるのだよ」
そう言うと、オブライエンはガウンのポケットから、平たく、小さな黒い容器を取り出した。
それは複雑な意匠が施され、まるで携帯用の練り香水入れのような形をしていた。
「アレキサンドラ、今日のことで、お前が気落ちしていないか、とても心配していてね」
「お父様。大丈夫ですわ。何よりも、カイル様の本当のお気持ちがわかって、それはそれで良かったと思いますの」
アレキサンドラは苦しそうな微笑みを見せた。
「アレキサンドラ、お前は本当に、立派な貴婦人だ。お前の母上にこんなに立派に育ったお前を見せてやりたいよ」
「お父様」
「だが、お前は誰よりもこのランス帝国の皇后に相応しい」
「……お父様? 何を、仰っているのですか?」
オブライエンはアレキサンドラに黒い容器を渡した。
「これを使って、無事皇后になった暁には、皇帝を殺害するように」
オブライエンの言葉に、アレキサンドラは顔を青ざめた。
「お父様!!」
「あの姫巫女は私に任せなさい。宮殿にあの女の居場所はない。私が排除しよう。……お前はカイル様を手に入れるのだ」
愕然とするアレキサンドラにオブライエンは微笑む。
アレキサンドラの緑の瞳とオブライエンの緑の瞳が見つめ合った。
「心配するな。父がお前を全力で支えよう。お前は皇后だ。帝国はお前のもの。いずれ、お前には新たな夫を見つけてやる。そして生まれた子どもがいずれ、帝国皇帝となるのだ。そう、皇帝の血統が我がオブライエン家に正式に移る時が来たのだから」
オブライエンは暗い目をして、アレキサンドラを見つめた。
「さあ、ではその薬の使い方を教えようか。それは『黒の封印』と呼ばれて、代々の皇帝からその子供に伝えられてきたものだ……」
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる