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第12話 違和感と崩壊 後半
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ガルメッシュが屋敷内に戻ってすぐ、マリアンナの両親と、その少し後にフィリーネの影に隠れた女の子が正面玄関から静かに聖花のいる門の方へと向かって来た。
ガルメッシュは彼らの後ろに控えている。
夕陽の殆どが雲に覆われて、夜中でもないのに辺りが暗くなっており、聖花は彼らの表情が上手く読み取れなかった。
けれども不思議と重々しい雰囲気を感じ取ることができて、彼女はゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
彼らが聖花に近づくにつれて、彼らの表情が見えてしまわないように、彼女の面持ちが見られてしまわないように、顔を少し下に向けた。
「お嬢さん、私はダンドール・、、、。いえ、この場で挨拶は不要でしょう。」
マリアンナの父がすっかり静かになってしまった聖花を門越しに見据え、低く、暗い声で話を切り出した。
明らかな警戒と敵意、そして怒りが込められた声色だった。
彼が続ける。
だが、聖花は何故か聞きたくないように感じた。‥‥ソレを聞いてしまったら、違和感がきっと確信に変わってしまうから。
「社交の場でお見受けされなかったように感じますが、、、。
‥単刀直入にお聞きします。貴方のお名前は‥‥‥??」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
聖花は身震いがするのを感じていた。
チラ、と彼女が目線だけを彼らの方に向けると、顔付きこそ微笑んでいるのだが、その眼には冷酷で非情なーー簡単に言ってしまえば、静かなる怒りが込められていた。
「、、、、、お名前は‥‥‥‥‥?」
ダンドールは声を出さない聖花を見て、再び、一回目に問うた時よりも深く、重みを含んだ声色で圧を掛けるかのように尋ねた。
「‥‥‥‥まり、あんな、です。わたしは、マリアンナ、ヴェルデぃ‥‥‥」
「もう一度、もう一度言ってみろ」
聖花が喉までつっかえてしまっていた返事を何とか紡ごうと、今にも消えそうな声を出したものの、ピシャリと言い放たれたダンドールの台詞と、先程とは比べ物にならない程の圧力を感じて口を閉ざした。いや、閉ざさざるを得なかった。
それ程、彼の激情が全て言葉になって現れていたのだ。
‥‥表情もいつの間にか冷酷そのものに変わってしまっていた。
そして、敬意を持った最低限の言葉遣いさえ無意識の内に止めていた。
ダンドールは愛妻家であり、一部誤解があれど、マリアンナ含む彼らの子たちのことを皆心から大切に思っている。
彼にとって家族を利用したり、彼らに害を及ぼそうとする行為を行う者を容易に見過ごすことはできないのだ。
‥‥たとえ、彼から見て門越しに立っているのが、まだマリアンナと同年代ほどの少女であっても其れだけは変わらなかった。
少女が小刻みに震え、顔色もその髪のように青く染まっていても、ダンドールの怒りは収まることを知らなかった。
何故なのかーー。それはマリアンナなどと軽々しく名乗ったことよりも、フィリーネの後ろにずっと身を潜めている彼女にあった。
◆
聖花が学園に置いていかれ途方に暮れていた頃、丁度ヴェルディーレ家に向かう馬車が一台、穏やかに揺れていた。
貴族を象徴する紋章の付いた馬車からは、二人ほどの人影を見ることができた。
「‥‥さっきは変な呼び方してごめんなさい、フィー姉様。試験で疲れてしまっていましたわ」
「試験疲れはよくございますので気にしなくて良いですよ。
‥合格おめでとうございます、心からお祝い致しますわ
これからもよろしくお願いしますわね」
「ありがとうございます!!フィー姉様に祝って頂けるなんて、私、この上ない幸せです」
その馬車の中には、仲良さげに話す姉妹が向かい合って座っている。
ーーヴェルディーレ家のフィリーネと、『マリアンナ』だ。
「‥‥ところで、今日の試験後に、私を、わ、わたしを、、、、、」
「どうしたの!?急に震え出して‥。どこか痛めたの?真っ青で、汗が酷いわよ。
‥‥家に戻るのは後にして、直ぐに教会に行きましょう」
「ち、ちがう、の。思い出したら、とっても怖くなって来ちゃったの」
不意に、マリアンナから先までの笑みは消え失せ、ナニカに怯えたような、そんな顔色をフィリーネに見せ始めた。
フィリーネも彼女と同じくらい青ざめ、思わず声を上げた。
けれども即座に息を整え、冷静を取り繕った。
「もしかして、試験場で何かありましたの??ゆっくりでいいから私にお話して下さいまし。」
「でも‥‥‥‥‥‥‥‥。
フィー姉様にまでご迷惑をお掛けしたくないです。」
「迷惑だなんて、思っていないですわ。それよりも、マリーに何かあってからでは遅いのよ。
‥‥私に打ち明けて下さる事は難しいでしょうか‥?」
フィリーネがじっとマリアンナの赤黒くなった瞳を覗き込むように見つめる。
マリアンナは体をピクリと反応させ、フィリーネに「近いです」と苦笑いし、彼女を少し遠ざけてから軽く息を吐いた。
「‥‥‥‥‥襲われました」
一言。
其れだけで、馬車内の空気が変わったのをマリアンナは感じ取った。
フィリーネから一瞬にして表情が消え、開いた目からは明らかな殺気が表れ、マリアンナは無意識の内に身体が震え上がっているのを理解した。
と同時に、私の身には何も起こらないという安心感と自分が仕出かした事が絶対に知られてはいけない、というこれまで以上の義務感が芽生えた。
「何方に‥‥‥??」
マリアンナの様子を察して、彼女をこれ以上怯えさせない為に、一旦殺気を心の内に隠したフィリーネが改めて尋ねる。
暫く口をハクハクしていたマリアンナは、ようやく我に返り、その人物のことについて短く語った。
「あ‥‥、確か奥深い青の髪色を持つ、この国では珍しい黒目の少女です」
「‥‥他に特徴はあるかしら。家紋とか、属性とか」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」
少しの間、二人の間に沈黙が流れた。が、直ぐにそれは破かれた。
マリアンナの発言によって。
「そう言えば、その方は属性検査の際に『闇』を出して騒がれていました」
「闇!?まさか、闇が出たの?『光』と同時に『闇』を持つ者が一度に、それも身近な所に現れるなんて‥‥‥。」
「そうです、その、実は馬車に乗る少し前に人気の無い所に呼び出されて‥‥‥。」
「ーー。これ以上は、言わなくてもいいわ。」
徐々にマリアンナの表情が再び曇っていくのを見て、フィリーネは話を中断させた。
そして彼女は家に着いたらこのことを両親らにマリアンナには秘密にして話そうと決心した。
結局のところ、彼女にとってマリアンナに害を及ぼした張本人が直接家に来た為に、その配慮は無駄に終わってしまうのだが。
すっかり沈黙に包まれた空気の車内に、馬の履く蹄鉄が妙にカツカツと響き渡っていた。
◆
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
聖花は口を開ける事ができなかった。
それどころか、身体を自由に動かすことも容易にできない。
誰も声を出すことなく、何処までも重い空気の中で、時間は儚く過ぎ去っていった。
聖花にとっては、もう数時間経過した気持ちだった。
「‥‥‥‥‥‥もう、良いのではないでしょうか」
フィリーネの影にずっと隠れていた少女が、暗い中でもはっきり見える淡いピンクの髪を靡かせて、ゆっくりと前に進み出た。
両親らは驚き、心配した様子で少女を前に行かせないように止めていたが、彼女は「どうしても、聞きたいことがあるから。皆が傍にいるから大丈夫」と言って何とか彼らを説得した。
彼女が門を開けて聖花の目の前に迫ったときは、彼らは皆気が気でない様子で、今にも飛び出しそうな勢いだった。
少女は聖花にしか聞こえない程小さな声で話しかけた。
「ねぇ、貴方‥‥。今ってどんな気持ちかしら?悲しい?辛い?それとも状況が理解できていなかったり??
‥‥だとしたら可哀想ね。折角だから最期に教えてあげる。分からないまま処刑されるのも面白くないから。」
「‥‥え、?」
聖花がばっと顔をあげて少女の顔を見る。
マリアンナの容姿をした少女は不敵に顔を歪ませた。
「貴方の全ては私のモノになったの。容姿、家柄、そして役割までね。私のチカラによってね。貴方はこれから大切に育ててくれた両親に捨てられ、姉にも憎まれ、兄には認知さえされずに死ぬのよ。本当に惨めよね。貴方のことだけど‥。ふふっ‥‥。それじゃ、そろそろバーイバイ♪」
「‥‥貴方、、、誰なの!?!?‥‥‥ウッ」
聖花はプツリ、と何かが切れる音がして、マリアンナに思わず掴みかかった。
しかし、直ぐ側でそれを察知したダンドールが彼女を取り押さえた。
マリアンナがキャアア、と軽く悲鳴をあげてガタガタ震えていた。
「ガルメッシュ!!近くの衛兵を呼べ!!早く!!!!」
「畏まりました!」
ダンドールにとって、何やら可笑しなことをブツブツ言いながら、聖花は衛兵が来るまで身動きできなかった。
彼は未だにマリアンナだと言い張る聖花を怒りで殴ってしまわないように必死に抑えていた。
マリアンナはフィリーネにもたれ掛かるようにして先に温かな家の中へと戻っていった。
聖花の目に、毎日見て来た扉が無情に閉じるのが映った。
ガルメッシュは彼らの後ろに控えている。
夕陽の殆どが雲に覆われて、夜中でもないのに辺りが暗くなっており、聖花は彼らの表情が上手く読み取れなかった。
けれども不思議と重々しい雰囲気を感じ取ることができて、彼女はゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
彼らが聖花に近づくにつれて、彼らの表情が見えてしまわないように、彼女の面持ちが見られてしまわないように、顔を少し下に向けた。
「お嬢さん、私はダンドール・、、、。いえ、この場で挨拶は不要でしょう。」
マリアンナの父がすっかり静かになってしまった聖花を門越しに見据え、低く、暗い声で話を切り出した。
明らかな警戒と敵意、そして怒りが込められた声色だった。
彼が続ける。
だが、聖花は何故か聞きたくないように感じた。‥‥ソレを聞いてしまったら、違和感がきっと確信に変わってしまうから。
「社交の場でお見受けされなかったように感じますが、、、。
‥単刀直入にお聞きします。貴方のお名前は‥‥‥??」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
聖花は身震いがするのを感じていた。
チラ、と彼女が目線だけを彼らの方に向けると、顔付きこそ微笑んでいるのだが、その眼には冷酷で非情なーー簡単に言ってしまえば、静かなる怒りが込められていた。
「、、、、、お名前は‥‥‥‥‥?」
ダンドールは声を出さない聖花を見て、再び、一回目に問うた時よりも深く、重みを含んだ声色で圧を掛けるかのように尋ねた。
「‥‥‥‥まり、あんな、です。わたしは、マリアンナ、ヴェルデぃ‥‥‥」
「もう一度、もう一度言ってみろ」
聖花が喉までつっかえてしまっていた返事を何とか紡ごうと、今にも消えそうな声を出したものの、ピシャリと言い放たれたダンドールの台詞と、先程とは比べ物にならない程の圧力を感じて口を閉ざした。いや、閉ざさざるを得なかった。
それ程、彼の激情が全て言葉になって現れていたのだ。
‥‥表情もいつの間にか冷酷そのものに変わってしまっていた。
そして、敬意を持った最低限の言葉遣いさえ無意識の内に止めていた。
ダンドールは愛妻家であり、一部誤解があれど、マリアンナ含む彼らの子たちのことを皆心から大切に思っている。
彼にとって家族を利用したり、彼らに害を及ぼそうとする行為を行う者を容易に見過ごすことはできないのだ。
‥‥たとえ、彼から見て門越しに立っているのが、まだマリアンナと同年代ほどの少女であっても其れだけは変わらなかった。
少女が小刻みに震え、顔色もその髪のように青く染まっていても、ダンドールの怒りは収まることを知らなかった。
何故なのかーー。それはマリアンナなどと軽々しく名乗ったことよりも、フィリーネの後ろにずっと身を潜めている彼女にあった。
◆
聖花が学園に置いていかれ途方に暮れていた頃、丁度ヴェルディーレ家に向かう馬車が一台、穏やかに揺れていた。
貴族を象徴する紋章の付いた馬車からは、二人ほどの人影を見ることができた。
「‥‥さっきは変な呼び方してごめんなさい、フィー姉様。試験で疲れてしまっていましたわ」
「試験疲れはよくございますので気にしなくて良いですよ。
‥合格おめでとうございます、心からお祝い致しますわ
これからもよろしくお願いしますわね」
「ありがとうございます!!フィー姉様に祝って頂けるなんて、私、この上ない幸せです」
その馬車の中には、仲良さげに話す姉妹が向かい合って座っている。
ーーヴェルディーレ家のフィリーネと、『マリアンナ』だ。
「‥‥ところで、今日の試験後に、私を、わ、わたしを、、、、、」
「どうしたの!?急に震え出して‥。どこか痛めたの?真っ青で、汗が酷いわよ。
‥‥家に戻るのは後にして、直ぐに教会に行きましょう」
「ち、ちがう、の。思い出したら、とっても怖くなって来ちゃったの」
不意に、マリアンナから先までの笑みは消え失せ、ナニカに怯えたような、そんな顔色をフィリーネに見せ始めた。
フィリーネも彼女と同じくらい青ざめ、思わず声を上げた。
けれども即座に息を整え、冷静を取り繕った。
「もしかして、試験場で何かありましたの??ゆっくりでいいから私にお話して下さいまし。」
「でも‥‥‥‥‥‥‥‥。
フィー姉様にまでご迷惑をお掛けしたくないです。」
「迷惑だなんて、思っていないですわ。それよりも、マリーに何かあってからでは遅いのよ。
‥‥私に打ち明けて下さる事は難しいでしょうか‥?」
フィリーネがじっとマリアンナの赤黒くなった瞳を覗き込むように見つめる。
マリアンナは体をピクリと反応させ、フィリーネに「近いです」と苦笑いし、彼女を少し遠ざけてから軽く息を吐いた。
「‥‥‥‥‥襲われました」
一言。
其れだけで、馬車内の空気が変わったのをマリアンナは感じ取った。
フィリーネから一瞬にして表情が消え、開いた目からは明らかな殺気が表れ、マリアンナは無意識の内に身体が震え上がっているのを理解した。
と同時に、私の身には何も起こらないという安心感と自分が仕出かした事が絶対に知られてはいけない、というこれまで以上の義務感が芽生えた。
「何方に‥‥‥??」
マリアンナの様子を察して、彼女をこれ以上怯えさせない為に、一旦殺気を心の内に隠したフィリーネが改めて尋ねる。
暫く口をハクハクしていたマリアンナは、ようやく我に返り、その人物のことについて短く語った。
「あ‥‥、確か奥深い青の髪色を持つ、この国では珍しい黒目の少女です」
「‥‥他に特徴はあるかしら。家紋とか、属性とか」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」
少しの間、二人の間に沈黙が流れた。が、直ぐにそれは破かれた。
マリアンナの発言によって。
「そう言えば、その方は属性検査の際に『闇』を出して騒がれていました」
「闇!?まさか、闇が出たの?『光』と同時に『闇』を持つ者が一度に、それも身近な所に現れるなんて‥‥‥。」
「そうです、その、実は馬車に乗る少し前に人気の無い所に呼び出されて‥‥‥。」
「ーー。これ以上は、言わなくてもいいわ。」
徐々にマリアンナの表情が再び曇っていくのを見て、フィリーネは話を中断させた。
そして彼女は家に着いたらこのことを両親らにマリアンナには秘密にして話そうと決心した。
結局のところ、彼女にとってマリアンナに害を及ぼした張本人が直接家に来た為に、その配慮は無駄に終わってしまうのだが。
すっかり沈黙に包まれた空気の車内に、馬の履く蹄鉄が妙にカツカツと響き渡っていた。
◆
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
聖花は口を開ける事ができなかった。
それどころか、身体を自由に動かすことも容易にできない。
誰も声を出すことなく、何処までも重い空気の中で、時間は儚く過ぎ去っていった。
聖花にとっては、もう数時間経過した気持ちだった。
「‥‥‥‥‥‥もう、良いのではないでしょうか」
フィリーネの影にずっと隠れていた少女が、暗い中でもはっきり見える淡いピンクの髪を靡かせて、ゆっくりと前に進み出た。
両親らは驚き、心配した様子で少女を前に行かせないように止めていたが、彼女は「どうしても、聞きたいことがあるから。皆が傍にいるから大丈夫」と言って何とか彼らを説得した。
彼女が門を開けて聖花の目の前に迫ったときは、彼らは皆気が気でない様子で、今にも飛び出しそうな勢いだった。
少女は聖花にしか聞こえない程小さな声で話しかけた。
「ねぇ、貴方‥‥。今ってどんな気持ちかしら?悲しい?辛い?それとも状況が理解できていなかったり??
‥‥だとしたら可哀想ね。折角だから最期に教えてあげる。分からないまま処刑されるのも面白くないから。」
「‥‥え、?」
聖花がばっと顔をあげて少女の顔を見る。
マリアンナの容姿をした少女は不敵に顔を歪ませた。
「貴方の全ては私のモノになったの。容姿、家柄、そして役割までね。私のチカラによってね。貴方はこれから大切に育ててくれた両親に捨てられ、姉にも憎まれ、兄には認知さえされずに死ぬのよ。本当に惨めよね。貴方のことだけど‥。ふふっ‥‥。それじゃ、そろそろバーイバイ♪」
「‥‥貴方、、、誰なの!?!?‥‥‥ウッ」
聖花はプツリ、と何かが切れる音がして、マリアンナに思わず掴みかかった。
しかし、直ぐ側でそれを察知したダンドールが彼女を取り押さえた。
マリアンナがキャアア、と軽く悲鳴をあげてガタガタ震えていた。
「ガルメッシュ!!近くの衛兵を呼べ!!早く!!!!」
「畏まりました!」
ダンドールにとって、何やら可笑しなことをブツブツ言いながら、聖花は衛兵が来るまで身動きできなかった。
彼は未だにマリアンナだと言い張る聖花を怒りで殴ってしまわないように必死に抑えていた。
マリアンナはフィリーネにもたれ掛かるようにして先に温かな家の中へと戻っていった。
聖花の目に、毎日見て来た扉が無情に閉じるのが映った。
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