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第12話 違和感と崩壊 前半
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(あ、れ…?)
聖花は、景色が一変したことに酷い違和感を覚えた。
先程まで彼女の右手にあった、外に通ずる窓ガラス。視野の先に見える廊下の突き当たりの貼り紙。
‥‥‥それらは、先ほどまで彼女の見ていた景色とは異なっていた。
「ふふふ、、ふふふふふ…………」
聖花の背後から笑い声が聞こえて来る。どこまでも暗く、恐ろしい声。
彼女の本能が警告音を鳴らしていた。冷や汗が吹き出る。声が出ず、振り返ることさえままならない。
背後に立つ誰かを見ようと、聖花はその瞳を必死に動かした。
コツコツと、遠ざかって行く音が聞こえる。
「ついに、遂に、、、!!!やったわ!!これで、私がヒロインよ!!
念入りに準備をしてきた甲斐があった!!
何処のどいつか知らないけど、その座は私!
……………キャハハハッ!!」
堪えきれずに、その人間は歓喜の声を上げた。幸か不幸か、周囲に人の気配は――ない。
恍惚とした声色に、聖花は身震いした。
が、突然、その悍ましい雰囲気はパッと消え失せた。まるでなかったものかのように。
息が吸える。魔法が溶けたかのように身体の自由が効く。
聖花は漸く振り返った。姿を一目見ようと。
けれども、その場には誰も居なかった。大方、いないことは分かっていた。
彼女は、唐突にその姿を眩ましたのである。
「う、そ……、でしょ」
(夢?……いや、あの心地は………)
血の気がスッと引いていく。やけに静まり返った空間が、今の聖花にはより一層恐ろしく感じられた。
怖さというよりかは、何とも言えない悍ましさが彼女の心を満たしたそうとした。
何処か寂しげな廊下で、聖花は何とか思考を巡らせた。そうしないと、居ても立っても居られなくなってしまう気がして。
他に何か違和感はないのか。肝心なことを見落としてはいないのか。
暫くして、学園から遠ざかる馬車の音が徐々に小さくなって消え去った。
受験生は殆ど学内に残っていない。
そんな時、聖花の頭の中にふと何かが引っ掛かった。
「ヒロイン………?」
この世界では聞き慣れない台詞。しかし、それが何かを彼女は確かに知っていた。
今は靄が掛かっていても、頭の片隅にひっそりと残っている前世の記憶。友人と語り合った思い出。
ポツリと呟けば、自然と言葉が馴染むのを感じた。やはり、知っている。
(でも、なんで今‥‥‥)
何故彼女がそれを知っているのか。どうして今思い出すのか。余計に訳が分からなくなって、表情が固くなる。
答えの出ないことを考えるだけ無駄だ。
聖花はそんな考えを頭から振り払って、気持ちを何とか落ち着かせた。何かに飲み込まれそうになるのを。
ふと、窓に近付いて地上を見下ろす。迎えの馬車も残り少ない。
門に近い噴水も、既に水が堰き止められているのか噴き出すことはなく、水面はまるで水たまりのように浅い。
(‥‥‥急ごう。フィー姉様たちをこれ以上馬車で待たせるわけにはいかない)
考えるのを後回しにして、こみ上げる感情を聖花は心の奥にしまい込んだ。これ以上家族に心配を掛けないよう、気持ちに無理やり蓋をするかのように。
急いで馬車へと駆け出す。
淑女であることをすっかり忘れ、階段を駆け降りて、一目散に外へと飛び出した。
(どこ。どこ…なの‥‥?)
学園の外に通ずる門をくぐり抜け、辺りをキョロキョロと見渡す。が、ヴェルディーレ家の馬車は見当たらなかった。
それどころか、門の外の馬車は皆みんな帰ってしまっていて、馬車のひとつも見られない。
「………え、…??」
思わず聖花は声を漏らした。ハッとして学園内へと引き返す。
敷地内で待ってくれているのかもしれない。そう一筋の希望を抱いて。
そこらに停車した馬車を見て回った。けれども教員のものばかりで、彼女の家の馬車は見つからない。
(まさか、帰っ‥‥た?……私が遅いから。
いいえ。フィー姉様はそんなことはしない。
何かあったの?…だったら、家まで急がないと。
‥‥‥‥‥‥‥‥お父様に報告を)
幸いなことに、マリアンナの家は学園からそう遠くはない。だからといって近いという訳でもなく、温室で育った一介の令嬢が歩いて行ける距離ではなかった。
が、そんなこと今の彼女にとっては些細な問題で、一刻も早く帰らねば、という気持ちでいっぱいいっぱいの聖花には関係のない話だ。
フィリーネの無事を願い、聖花は人目を厭わず全力で走った。体力の限界を感じても、足が悲鳴を上げていても、どうしてか気にならなかった。そんなことよりも、フィリーネのことが心配で堪らなかったから。
よろつく足を必死に動かして、家族の待つ家へと向かう。先々で窓から視線を感じようが、気にも留めずに前へ、前へ、と進み続けた。
「―――っ、――――っ」
一体どのくらい経ったのだろうか。聖花は身体中が汗だくになった状態で、遂にヴェルディーレ家の門へと着いた。
息が上手く吐けず、声にならない声が彼女の口から漏れ出した。
人間の底力とは凄まじいもので、彼女の限界はとうに超えている。唯一残った気力だけで何とかその場に立っているだけだ。
息を整えながら、目の前に立つ門を見上げる。
無駄に大きな門扉が、まるで聖花を拒絶するかのようにそびえ立っている。扉はしっかりと閉ざされ、開く気配はない。
誰も彼女の存在に気が付いていないのか、それとも聖花の様子を伺っているのか。一向に誰かが出てくることもなかった。
漸く力を振り絞って、聖花は全力で声を張り上げた。
必死な表情。汗と疲労で顔がぐちゃぐちゃだ。
「門を!開けてください!!早く!!!
私です!!!マリアンナです!!!!」
それでも誰も出て来ない。これ程の声を出したら聞こえている筈なのに。
何度も、何度も呼び掛けた。途中で目眩がしたが、それでも叫び続けた。
ずっとそうしていると、遂に一人の男が玄関口から姿を見せた。執事のガルメッシュ。
彼は、聖花の方に一直線に向かって来て、門扉越しに彼女を見た。玄関扉は開きっぱなしで、その中には一つの人影が見えた。
何故だか違和感を覚える。
「大変お待たせ致しました。ご令嬢様。
ご用件は何で御座いましょうか? 私の耳が可笑しいのか、
訳の分からぬ言葉が聞こえました由、再度お伺いしたく存じます」
「……ガルメッ、シュ?どうしたの。何か、変です。
私は、お家に帰っただけ、ですのに…」
顔に笑顔を貼り付けて、ガルメッシュが余所余所しく言い放った。凍てつくような眼差し。
聖花は思わず肩を震わせた。
彼女の目の前に立つガルメッシュは、まるで別人のような雰囲気を持っている。いつも優しげに微笑んでいる彼とは違っていた。
怯えと、疲れで言葉が上手く話せない。
「…尋ね方を変えさせて頂きます。
貴方様は、御自身を何とおっしゃいましたか?」
ガルメッシュは眉を顰めた。
聖花に圧力を掛けるかのように重々しい雰囲気を纏って、彼女の瞳を鋭く見つめる。
聖花の名前。どうしてそんなことを聞くのだろうか。余りに息苦しい空気に気圧されながら、聖花は言葉を紡いだ。
「私は、マリアンナ・ヴェルディーレ、です、が…」
自然と震える身体を抑え、ガルメッシュをチラと見る。
彼はその言葉に目を見開いて、小さく震えていた。握り拳を作り、苦虫を噛み殺したかのような表情を浮かべている。
「………左様ですか。では、少々お待ちください。
旦那様と奥様、そしてご本人様を連れて参りますので」
そう言うと、彼は背中に冷ややかな炎を燃やして、屋敷に戻って行った。
聖花は、景色が一変したことに酷い違和感を覚えた。
先程まで彼女の右手にあった、外に通ずる窓ガラス。視野の先に見える廊下の突き当たりの貼り紙。
‥‥‥それらは、先ほどまで彼女の見ていた景色とは異なっていた。
「ふふふ、、ふふふふふ…………」
聖花の背後から笑い声が聞こえて来る。どこまでも暗く、恐ろしい声。
彼女の本能が警告音を鳴らしていた。冷や汗が吹き出る。声が出ず、振り返ることさえままならない。
背後に立つ誰かを見ようと、聖花はその瞳を必死に動かした。
コツコツと、遠ざかって行く音が聞こえる。
「ついに、遂に、、、!!!やったわ!!これで、私がヒロインよ!!
念入りに準備をしてきた甲斐があった!!
何処のどいつか知らないけど、その座は私!
……………キャハハハッ!!」
堪えきれずに、その人間は歓喜の声を上げた。幸か不幸か、周囲に人の気配は――ない。
恍惚とした声色に、聖花は身震いした。
が、突然、その悍ましい雰囲気はパッと消え失せた。まるでなかったものかのように。
息が吸える。魔法が溶けたかのように身体の自由が効く。
聖花は漸く振り返った。姿を一目見ようと。
けれども、その場には誰も居なかった。大方、いないことは分かっていた。
彼女は、唐突にその姿を眩ましたのである。
「う、そ……、でしょ」
(夢?……いや、あの心地は………)
血の気がスッと引いていく。やけに静まり返った空間が、今の聖花にはより一層恐ろしく感じられた。
怖さというよりかは、何とも言えない悍ましさが彼女の心を満たしたそうとした。
何処か寂しげな廊下で、聖花は何とか思考を巡らせた。そうしないと、居ても立っても居られなくなってしまう気がして。
他に何か違和感はないのか。肝心なことを見落としてはいないのか。
暫くして、学園から遠ざかる馬車の音が徐々に小さくなって消え去った。
受験生は殆ど学内に残っていない。
そんな時、聖花の頭の中にふと何かが引っ掛かった。
「ヒロイン………?」
この世界では聞き慣れない台詞。しかし、それが何かを彼女は確かに知っていた。
今は靄が掛かっていても、頭の片隅にひっそりと残っている前世の記憶。友人と語り合った思い出。
ポツリと呟けば、自然と言葉が馴染むのを感じた。やはり、知っている。
(でも、なんで今‥‥‥)
何故彼女がそれを知っているのか。どうして今思い出すのか。余計に訳が分からなくなって、表情が固くなる。
答えの出ないことを考えるだけ無駄だ。
聖花はそんな考えを頭から振り払って、気持ちを何とか落ち着かせた。何かに飲み込まれそうになるのを。
ふと、窓に近付いて地上を見下ろす。迎えの馬車も残り少ない。
門に近い噴水も、既に水が堰き止められているのか噴き出すことはなく、水面はまるで水たまりのように浅い。
(‥‥‥急ごう。フィー姉様たちをこれ以上馬車で待たせるわけにはいかない)
考えるのを後回しにして、こみ上げる感情を聖花は心の奥にしまい込んだ。これ以上家族に心配を掛けないよう、気持ちに無理やり蓋をするかのように。
急いで馬車へと駆け出す。
淑女であることをすっかり忘れ、階段を駆け降りて、一目散に外へと飛び出した。
(どこ。どこ…なの‥‥?)
学園の外に通ずる門をくぐり抜け、辺りをキョロキョロと見渡す。が、ヴェルディーレ家の馬車は見当たらなかった。
それどころか、門の外の馬車は皆みんな帰ってしまっていて、馬車のひとつも見られない。
「………え、…??」
思わず聖花は声を漏らした。ハッとして学園内へと引き返す。
敷地内で待ってくれているのかもしれない。そう一筋の希望を抱いて。
そこらに停車した馬車を見て回った。けれども教員のものばかりで、彼女の家の馬車は見つからない。
(まさか、帰っ‥‥た?……私が遅いから。
いいえ。フィー姉様はそんなことはしない。
何かあったの?…だったら、家まで急がないと。
‥‥‥‥‥‥‥‥お父様に報告を)
幸いなことに、マリアンナの家は学園からそう遠くはない。だからといって近いという訳でもなく、温室で育った一介の令嬢が歩いて行ける距離ではなかった。
が、そんなこと今の彼女にとっては些細な問題で、一刻も早く帰らねば、という気持ちでいっぱいいっぱいの聖花には関係のない話だ。
フィリーネの無事を願い、聖花は人目を厭わず全力で走った。体力の限界を感じても、足が悲鳴を上げていても、どうしてか気にならなかった。そんなことよりも、フィリーネのことが心配で堪らなかったから。
よろつく足を必死に動かして、家族の待つ家へと向かう。先々で窓から視線を感じようが、気にも留めずに前へ、前へ、と進み続けた。
「―――っ、――――っ」
一体どのくらい経ったのだろうか。聖花は身体中が汗だくになった状態で、遂にヴェルディーレ家の門へと着いた。
息が上手く吐けず、声にならない声が彼女の口から漏れ出した。
人間の底力とは凄まじいもので、彼女の限界はとうに超えている。唯一残った気力だけで何とかその場に立っているだけだ。
息を整えながら、目の前に立つ門を見上げる。
無駄に大きな門扉が、まるで聖花を拒絶するかのようにそびえ立っている。扉はしっかりと閉ざされ、開く気配はない。
誰も彼女の存在に気が付いていないのか、それとも聖花の様子を伺っているのか。一向に誰かが出てくることもなかった。
漸く力を振り絞って、聖花は全力で声を張り上げた。
必死な表情。汗と疲労で顔がぐちゃぐちゃだ。
「門を!開けてください!!早く!!!
私です!!!マリアンナです!!!!」
それでも誰も出て来ない。これ程の声を出したら聞こえている筈なのに。
何度も、何度も呼び掛けた。途中で目眩がしたが、それでも叫び続けた。
ずっとそうしていると、遂に一人の男が玄関口から姿を見せた。執事のガルメッシュ。
彼は、聖花の方に一直線に向かって来て、門扉越しに彼女を見た。玄関扉は開きっぱなしで、その中には一つの人影が見えた。
何故だか違和感を覚える。
「大変お待たせ致しました。ご令嬢様。
ご用件は何で御座いましょうか? 私の耳が可笑しいのか、
訳の分からぬ言葉が聞こえました由、再度お伺いしたく存じます」
「……ガルメッ、シュ?どうしたの。何か、変です。
私は、お家に帰っただけ、ですのに…」
顔に笑顔を貼り付けて、ガルメッシュが余所余所しく言い放った。凍てつくような眼差し。
聖花は思わず肩を震わせた。
彼女の目の前に立つガルメッシュは、まるで別人のような雰囲気を持っている。いつも優しげに微笑んでいる彼とは違っていた。
怯えと、疲れで言葉が上手く話せない。
「…尋ね方を変えさせて頂きます。
貴方様は、御自身を何とおっしゃいましたか?」
ガルメッシュは眉を顰めた。
聖花に圧力を掛けるかのように重々しい雰囲気を纏って、彼女の瞳を鋭く見つめる。
聖花の名前。どうしてそんなことを聞くのだろうか。余りに息苦しい空気に気圧されながら、聖花は言葉を紡いだ。
「私は、マリアンナ・ヴェルディーレ、です、が…」
自然と震える身体を抑え、ガルメッシュをチラと見る。
彼はその言葉に目を見開いて、小さく震えていた。握り拳を作り、苦虫を噛み殺したかのような表情を浮かべている。
「………左様ですか。では、少々お待ちください。
旦那様と奥様、そしてご本人様を連れて参りますので」
そう言うと、彼は背中に冷ややかな炎を燃やして、屋敷に戻って行った。
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