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第十一章 先へ、なう

265話 更新? なう

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 一か月という期間と、お金があれば装備の更新なんて簡単だろう。
 ……そう思っていた時期が俺にもありました。

「冬子と俺、リャンはまだしも美沙か……」

「サイズが合わない……どうしよう京助君……」

 ベガのダンジョン攻略(と、言う名前の旅行)を一週間後に控えたとある日、俺たちはヘルミナの武器屋で困っていた。
 美沙は魔法師なので、基本的にはローブ姿で戦っている。あんまり重たい鎧をつけるよりも、魔法の効果を高めたり遠方からの破片や火の粉みたいなものを防げればいいからね。
 ただ、これから行くのはダンジョンだ。普通の魔物狩りと違って咄嗟の攻撃が多くなる。よって体力の消費の面を考えても、軽鎧はつけておいた方がいい。
 いい、んだけど……

「この駄肉のせいだろ、美沙」

「だ、駄肉って酷いよ冬子ちゃん! ああ、掴まないで、掴まないでええ!」

「え、えっと……わ、私より胸が大きい人って久しぶりです……というか、そのもう少し上背があるといいんですけど……」

 確かに美沙の背はそんなに高くない。百五十センチくらいだろうか、俺達の中じゃ一番背が低い。
 そして鎧っていうのは、基本的には戦士体型……つまり背が高い人に合わせて作られており、そもそも彼女サイズがそんなにあるわけじゃない。
 それに加えて、美沙の場合は胸囲が脅威だ。彼女の身長に合う装備で胸の部分もピッタリに……となると限られる、なんてものじゃない。特注品じゃないと無理だ。

「だから言ったのに」

「凄いブカブカ……」

 ガックリと肩を落とす美沙。なんというか、土管に入ってるだけの人みたいになってる。

「む、胸にサイズを合わせるとどうしてもそうなると言いますか……」

「かといって背に合わせると胸が窮屈、と」

「美沙、アマゾネスは乳房を斬り落としていたらしいぞ。ほら、戦闘のためだ。傷つけるのは心苦しいが……胸を出せ」

「嫌だよ! なんでそんなイヤイヤそうな声を出しながらうっきうきで刀を構えてるの!?」

 ちなみにアマゾネスは弓を引くのに邪魔だったから斬り落としていたらしい。美沙は弓兵じゃないから斬り落とすメリットは無いだろう。

「ほら、安心しろ。痛みは一瞬だ」

「やめてー! 助けてー!」

「ヨホホ、お店の中でドタバタするものじゃありませんデスよ」

「お二人とも、落ち着いてください。ヘルミナさんも忙しいんですから」

 ヘルミナはこのアンタレスで唯一の鍛冶師。アンタレスのAGたちの武器の手入れや更新を一手に引き受けている忙しい身だ。
 いくら俺達がSランクチームだからといっても順番を割り込むわけにはいかない。だからちゃんと三週間待ったわけで。

「さて、これどうするかな」

「冬子ちゃんに分けてあげられればいいんだけどね」

 たゆたゆと自分の胸を持ち上げる美沙。案の定冬子の怒りを買ってドロップキックを食らってるけど、面倒なので取りあえずスルー。

「ぼ、防御力はちょっと落ちちゃいますけど、胸のところで分割されている鎧しか無いですね」

「いっそビキニアーマーなんかどうです? 獣人族では結構ポピュラーでしたよ」

「せ、セクシーすぎるのはちょっと……その……京助君と二人きりの時だけにしたいですから……」

 美沙の発言を受けて、何故か俺を睨む冬子。なんでさ。
 獣人族は機動力重視だからビキニアーマーでもいいのかもしれないけど、美沙は魔法師だからね。流石にお腹をほっぽり出して戦うわけにはいかないだろう。

「美沙、防御力は落ちるみたいだけどセパレートタイプにしてもらおうか」

「うん……はぁ……皆とお揃いの鎧が良かった」

 ちなみに何で最初からセパレートタイプにしなかったのかと言うと、せっかくだからダンジョン用の装備は統一感のあるものにしようと冬子が提案したからだ。
 ダンジョンアタックを生業にしてるわけじゃないから、勿体ないがこの鎧は今回限りになる可能性がデカい。それならせっかくだし揃えるのも悪くないだろうと賛成したんだけど……。

「ま、次の機会があるさ」

「うー……そうだけど、皆ズルい」

 むぅー、と頬を膨らませる美沙。俺は彼女の頭に手を置き、笑顔を返す。

「ほら、俺だって男性用だから皆と少し違うわけだからさ。同じ同じ」

「京助君と同じ! そうだね、だから何も問題ないね!」

 一瞬にして目を輝かせる美沙。もうなんか君が満足ならそれでいいよ。

「な、なんていうか……キョースケさんの新しい奥さん、変わった方ですね……」

「奥さんじゃないけど。……ま、変わり者であることは間違いないね」

 苦笑を返す。

「美沙の鎧、合うのある?」

「あ、こんなこともあろうかと用意しておきました」

「え」

 奥から美沙の鎧が出てくる。胸の部分がぽっかりと開いた鎧と、そこを覆うであろう外装。下の鎧の開いた胸の部分はアンダーシャツのようになっているようだ。

「伸び縮みするよ!」

 胸の部分をみょんみょんしながら興奮する美沙。何してるんだ。

「ありがとね」

「い、いえ……彼女のサイズを測った時点で『これ無理だな』って分かってたので……」

「……ありがと。支払いは……前に約束してた魔魂石。これでいいかな」

 ぽん、と王都動乱で手に入れた魔魂石の一つを渡す。俺の神器を手入れしてもらった時に、今度は大きめの魔魂石が欲しいと言われていたのだ。
 現金と魔魂石を渡すと、ヘルミナはポカンと目を見開く。

「え、これ、え、Aランクじゃ……!?」

「足りない?」

「お、多すぎますよ!?」

「いやオーダーメイドの鎧を七着なんだから、それくらいじゃない?」

 Bランクの魔魂石で大金貨百枚くらいが相場の世界だ。Aランクが二つで大金貨……何枚くらいなんだろう。

「最近、マリルにお金のこと全部任せてる不都合が出て来たな……ま、まあ日頃の感謝ってことで」

 神器を手入れしてくれるのヘルミナしかいないしね。
 ヘルミナはよろよろと魔魂石を店の裏へ持っていき、大きなため息をついた。

「……リュー、キョースケさんのことはしっかり見ててあげてください……」

「ヨホホ……まあ、キョースケさんはこういう人デスから。マリルさんがお金関係は引き締めてらっしゃるから大丈夫だと思うデスよ」

「いやそういう問題じゃないと思うんですけど……分かってます? リューの旦那さんですよ? 一緒の家計なんですよ?」

 何故かヘルミナに詰め寄られるシュリー。そういえば彼女らは友達同士なんだっけ。俺は彼女らがやいやいやってるのを横目に見ながら、ヒョイと店のアクセサリーを手に取る。

「せめて皆でお揃いのアクセサリーでもつける?」

「ああ、それはいいな。おまじないレベルでもいいから、精神汚染に耐性が出来るアクセサリーとかあると便利だろう」

 魔族の闇魔術への対策が確かに今のところないからねぇ。
 シュリーと仲良く談笑していたヘルミナに訊いてみると、彼女はブレスレットを人数分取り出してくれた。魔力を『視』る目で見ると、魔法を弾く結界のようなものが出るようだ。

「お、おまじないどころか、殆ど気休めレベルですけど……これなら」

「ん、ありがとう。じゃあ、鎧も受け取ったし行こうか」

「今から何か御用事があるんですか?」

「用事っていうか、そりゃ鎧を新調したら少し動かないとね」

 ああ、と納得するヘルミナ。ぶっつけ本番で動くわけにはいかないからね。EXクラスダンジョンなんて、気を抜いて準備していい事なんて何も無い。

「久々に模擬戦か、燃えるな!」

「ふっふっふ、今日こそ冬子ちゃんを氷漬けにしちゃうよ」

 張り切る二人には悪いが――今日の相手はもう呼んである。
 サプライズでも何でもないけど、たまには派手に遊ばないと体が鈍るからね。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「さーて、じゃあやろうか」

「いややろうかじゃないだろ京助!」

 というわけで、俺が覇王と戦った時に出来た湖の前。『頂点超克のリベレイターズ』はとある最強の連中と向き合っていた。

「いやー、やっぱ美人ばっかやな、キョースケんところのチームは。なぁ、マルキム」

「おいアル! テメェ、リューに色目つかってんじゃねえだろうな」

「じょ、冗談やろ冗談」

「そうだな、私は……やはりミス冬子かな。彼女の凛とした雰囲気は捨てがたい。胸は少々スレンダーすぎるが」

「タロー! リューが美人じゃねえとでも言いてえのか!」

「そんなこと言ってないだろう!」

「タロー……冬子がなんだって?」

「分かった、分かったから超高速で斬ったり突いたりするのはやめてくれ!」

 タローのマントを穴塗れにしたところで、俺は改めて皆に向き直る。

「というわけで、タロー、アルリーフ、マルキムに来てもらいましたー」

「どういうわけなんですかマスター……いやいつものメンツと言えばいつものメンツなんですが」

 呆れ顔のリャン。しょうがないじゃん、俺らと互角にやれそうなのってこの人らしかいなかったんだから。

「ごめんね、急に呼び出して」

「いや暇だったからそれで良かったんだけどよ……なんつーか、何をするために呼ばれたか分からないからいつもの格好だぞ、オレ」

 そういうマルキムはいつも通り、動きやすそうな軽鎧。今日は夏仕様なのかお腹が出ているけど。
 そしてアルリーフはいつものスーツ姿だ。これもしかして魔道具だったりするんだろうか。

「ミスター京助。何やら金がどうのと言っていなかったか?」

「あー、うん。それ今から説明するよ」

 いつの間にか新しいマントを羽織ったタローが、腕を組んで問うてくるが、いったんスルーしてキアラ達の方へ。そこにはさっき家からいきなり連れ出されたエプロン姿のマリルもいる。

「キョウ君―、お洗濯の途中だったんですけどー?」

「妾がちゃんと洗っておいたから安心せい」

「あー! だ・か・らー! キアラさんの魔法洗濯は荒いからダメだって言ったじゃないですかー! お洒落着も全部一括で洗っちゃうんですからー! 第一、私とミサさんのブラとか一回型崩れしたら結構な値段しちゃうんですよー!?」

「うるさいのぅ。後で妾が新品同様に戻すからよいぢゃろ」

「そういう問題じゃな……って、新品に戻せるんですか?」

 マリルが若干キアラの便利魔法に心を奪われかけてる。絶対その新品に戻すやつも、何らかのデメリットがあるよ。
 ま、そこは何か問題が起きてから対処しよう。

「ごめんね、マリル。一応ほら、実況役がいた方がいいかなーって」

「……いや私、皆さんの動き目で追えないんですけどー? ま、分かりましたー。要するににぎやかしですねー」

「ほれ、お主も準備を手伝わんか」

 マリルとキアラが実況席を設置する。キアラは俺らに万が一負傷者が出た時のための回復役兼仲裁役。特にSランカーは熱くなりすぎる恐れがあるからね。
 マリルはブツブツ言いながらも、ちょっと楽しそうだ。前に戦いの時は仲間外れにしないで欲しいと言われたから今回は呼んだんだよね。

「キアラ、アレ持ってきてくれた?」

 今回、俺が皆を呼んだのは……模擬戦をしたかったのもそうなんだけど、一つやりたいこと、というか試したいことがあったからだ。

「バッチリぢゃ」

「ん、ありがと」

「礼はキスで良いぞ?」

「晩酌のお酒、いいの買ったからそれでチャラにして」

「あ、キョウ君。私への報酬もキスですからねー?」

「……美味しいおつまみ、買ってくるから許して」

 むちゅーっとキス待ち顔になっているマリルのオデコを指でつついてから、キアラから腕輪を受け取る。
 俺と志村、そしてキアラの三人で開発した腕輪だ。

「じゃ、今日は俺主催のスポーツ大会に来てくれてありがとう」

「「「「「スポーツ?」」」」」

 俺が腕輪を皆に投げながらそう言うと、全員の声が重なった。そう、スポーツ。模擬戦だけでは得られない、チーム戦の経験値を積むための訓練。

「この前、サリルからAGギルドで……今後、新しいAGを育てる学校みたいなものを作るって聞いてね」

 アルリーフの方を見ながらそう言うと、彼は少しだけ驚いた顔になったが否定はしない。

「その時に戦闘訓練に使えるアイテムがあったら、儲かるかなって思ってね。タロー、その腕輪をつけてから俺の方に矢を撃ってみて。念のため弱めで、心臓にお願い」

「いいのか?」

「うん。遠慮なく来て」

「では」

 バスン! と俺の心臓部分に矢が当たる……が、刺さらない。タローも無抵抗で俺が矢を受けたのに突き刺さっていないことに驚いているようだ。
 俺は腕輪を掲げながら、落ちた矢をヒョイと拾う。

「俺の腕輪が光ってるでしょ。この腕輪、指定の部位に来た攻撃を一回防いでから光る仕組みになってるんだ。これを使ってルールを決めて戦ったら、面白いことが出来そうだと思ってね」

 今回、俺が考えているのはいわゆる『王様ドッヂ』みたいなゲーム。二つのチームに分けて、リーダーを一人決める。そいつの腕輪の色を光らせたら、光らせた方の勝ち。

「ちなみに今回、当たっても致命傷を回避できる部位は、心臓にしてる。それ以外の所に当てるのはNGだよ」

「なるほど、よく出来ている魔道具だ。ふむ、私の矢を防げるのなら安全性もよさそうだな」

「んで、内容もええな。そういう模擬戦は今でも実際にあるけど、木刀とか非殺傷武器……つまり練習用の武器を使わんでもええのは賞賛出来るわ」

「あー……なるほど、いやこれいいな。審判が必要無いとは言わないが、今までよりも戦闘訓練のハードル下がるなぁ」

 マルキムが腕輪をしげしげと眺めてから、こっちを見る。

「しかもよ、これ付けてれば安全にクエスト出来るんだろ?」

「あ、それは無理。これ、持ってる人同士じゃないと発動しないんだ」

 その分、かなり本気で撃った攻撃も防げる。耐久テストでは、俺の本気の突きが防がれてしまった。ま、ぶっ壊れたけどね、その試作品。

「ってわけで、さっき言ったルールでやってみようと思うんだ。どうかな」

 皆の方を向いて問うと、全員否は無いようだ。
 コートは要らないけど、一応スタートラインは左右に引いてある。二グループに分けたら、スタートの合図とともにそこから飛び出す感じだ。

「それじゃ、チーム分けしようか。Sランカー四人は二つに分けるとして……やっぱ俺とタローを分けた方がいいかな。現役だし」

 俺がぐっちーでも提案しようとしたら、ニヤリとマルキムとアルリーフが笑った。何というか、悪戯っぽい笑みだ。

「そうだなぁ、確かに! オレらが二人組んだらサクッと勝っちまうからなぁ」

「せやなぁ。ほなマルキム、どっちのこと助けたるか? ぐーとぱーでええか」

 あっはっは、と大袈裟に笑う二人。わざとらしく延々あいこを繰り返す二人を見て……俺とタローは顔を見合わせる。

「どうやら、ご老人二人は耄碌されたようだな。私たちを助けるつもりらしいぞ?」

「みたいだね。でもまあ、老人を立てるのも若いもんの務めかなぁ。安心してよ、二人とも。俺らもちゃんと手を抜くから」

 あっはっは、と笑顔で笑い合う。もちろん、一切目は笑ってないけど。

「ええんやで? 怖いなら怖いって言うても。なぁ、タロー」

「ミスターアルリーフには、引き際が大切だということを教えて差し上げよう」

「おうキョースケ、オメーにAGのいろはを教えてやったのは誰だと思ってんだ?」

「青は藍より出でて藍より青し、だよマルキム」

 にやーっと全員が獰猛に笑みを浮かべる。俺らのチーム分けはこれでOKだね。

「タロー、何分でぶっ潰す?」

「三十秒で充分だ」

「おう、若いとええなぁ。無鉄砲も許されて」

「経験の差ってのを見せてやるよ」

 お互い左右のスタートラインまで歩いていく。舐めたことを後悔させてやる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「……あっちはバチバチだな。で、私たちはどうする?」

 男性陣が子供みたいにムキになっているのを眺めながら、冬子は皆に問いかける。こちらを半々に分けるなら魔法師と戦士を一人ずつ割り振るのが適当だろうか。
 そんなことを思っていると、ピアとリューさんが手を上げた。

「……せっかくですし、師匠越えをしましょうか。マスターのお側で戦いたいのですが、こういう機会くらいですしね、全力で戦えるのも」

「ヨホホ……であれば、ワタシもあちらについてもよろしいデスか? その……レオさんと一緒に戦うなんて、無いデスから」

 ドライながらも、少し闘志を燃やした瞳になるピア。そしてその後ろからついていく、照れながらもどこか嬉しそうなリューさんの表情が何とも言えない。

「じゃあ、私たちは京助のチームか」

「わーい、京助君と同じチームだ」

 というわけでチーム分けは、

『マルキム、アルリーフ、リャン、シュリー』チーム

『京助、冬子、美沙、タロー』チーム

 になった。
 何というか、実力もいい具合にばらけたんじゃないだろうか。

「で、どういう作戦で行くんだ?」

 気合を入れてアップしている京助の方に行ってみると、槍をピタッと止めてくいっと顎で示した。

「俺と冬子でアルリーフとマルキムを抑えて、美沙に援護してもらう。後はタローの狙撃で一人一人狙っていく感じじゃないかな」

「そうなると、ではリーダーは私にするか。後衛だがそうそうやられるつもりは無いしな」

「ん、それで行こう。――OK?」

 ざっくりとした作戦ではあるが、合理的だ。京助がこちらに確認を取って来るが、特に異論はない。
 一応作戦がまとまったところで、キアラさんがパンと何かを鳴らした。

「ではお主ら、開始線まで下がらんか。そして全員後ろを向け。そしてリーダーだけ手を上げよ」

 ちなみにリーダーはキアラさんだけ分かるようにするらしい。まあ、一応駆け引きも必要だと言う奴だろうか。

「では位置について」

 そう言ってキアラさんは手に何か光の玉のようなものを作る。……アレを爆破させるんだろうか。

「それじゃあよーい、スタートぢゃ」

 パン! とキアラさんが爆音を鳴らし――八人の戦士が、一斉に駆けだした。
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