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第六章 修行の時なう

148話 蹂躙と剣

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「天川、こっちだ」

「ああ」

 井川が手招きするので、天川は木の後ろからそっと顔だけ出して盗賊団のアジトを見る。洞穴になっており、見張りが二人。総数は三十人ほどと聞いているので、中は結構広いとみていいだろう。

「なぁ、さっさと突っ込もうぜ」

 阿辺がソワソワと杖を構えながら天川の方を向く。彼の目には喜悦の色が浮かんでいる。これから人と戦わなくちゃいけないというのに、変な奴だ。

「えっと……天川君。私はいつも通りバフをかけた後は後方支援に徹すればいいんですか?」

 追花が杖……というか筆を握りしめながら問うてくる。追花桔梗は加藤たちが抜けてから天川が頼み込んでパーティーに参加してくれた異世界人だ。『職』は『強化術師』。まだ『職』の第二段階には至っていないが、本人が努力家なのでそれなりのバッファーとして加藤の穴を埋めてくれている。
 目立たない方の女子生徒で、普段は物静かに絵を描いている。大人しそうな顔をしており、いつも被っているベレー帽がトレードマークだ。彼女曰く、「形から入った方が、上手に絵が描ける気がする」からだそうだ。

「ああ、お願いする。……さて、じゃあ前衛は俺と木原、井川と新井は後衛だ。難波は呼心と追花の護衛。阿辺は結界で上手い事フォローしてくれ。透明化結界は忘れないでくれよ?」

 雑ながらも、一応連携のことを皆に周知する。阿辺に関しては基本的に言うことを聞かないので自由にさせておく方がいい。というか、作戦に組み込むと悪い方向にしかいかないので、放置しておく。
 今回は戦闘するスペースが狭いので、前衛が二人、後衛が二人、そして非戦闘員は難波の護衛の元阿辺の透明化結界の中で
 ちなみにティアー王女は留守番……というか、夜にあるパーティーのためにやることがあると言われた。

「アキラぁ……大丈夫なのぉ?」

 ヘリアラスさんが相変わらずけだるげな眼を天川に向けてくる。確かに実戦で人間と戦うのは初めてだ。
 しかし、これから先は魔物だけではなく対人戦が増えてくるはずだ。ラノールさんもそのつもりで天川のことを鍛えてくれている。修行の成果を見せるしかない。

「大丈夫です。皆は俺が守りますから」

「……ふーん、そう。じゃあいってらっしゃいな。アタシは待ってるわぁ」

 相変わらず、やる気があるのかないのか。
 とはいえ、変に激励されるよりはいつも通りされる方がいい具合に力が抜ける。天川は一つ頭を振ってから洞穴を眺める。

「じゃあ行くか。井川、頼むぞ」

「承知した」

 髪をかきあげた井川が呪文を唱えた途端、天川と木原は洞穴の見張りの前に現れる。

「えっ、なっ?!」

「て、敵――」

「シッ」

 どむぅっ、と衝撃が骨まで伝わる音がして見張りの二人が倒れる。天川は剣の柄頭で、木原は普通に拳でボディを殴り気絶させたのだ。
 天川は無言で指を二本立てて手首をスナップさせながら後ろへ合図を出す。それを受けた皆が、井川の転移魔法でやってくる。阿辺の透明結界で姿を消したまま。
 ここからは一応ハンドサインのみで意思の疎通を行う。
 洞穴の中に踏み込むと、奥の方から騒ぎ声が聞こえてくる。どうやら戦利品を分けたりしているらしい。
 新井が氷で見張り二人を拘束したのを確認してから、奥へと歩を進める。
 奥といっても中は普通に住居のようになっておりいくつかの部屋に別れていた。土魔法が使える人間がいて、そいつが作ったのかもしれない。
 いくつかある部屋の中でも最も大きな面積を占めているであろう部屋にこそこそと透明になりながら近づいていく。

(……全部で三十人程度。事前情報の通りだな)

 それならば攻略は容易い。
 天川は透明になっていることを確認してから、宴会をやっている盗賊団のど真ん中へと駆け出して行った。

「疾ッ!」

 踏み込み、一番手前にいた盗賊の腹に剣の腹を叩きこむ。通常の剣でやったら歪むかもしれないが、神器は頑丈だ。野球のバットのように振り回しても問題ない。

「がふぅっ……!」

 派手な音が鳴り、吹っ飛ぶ盗賊A。その途端に他の連中は「なんだ!?」と周囲を見回す。

「俺は『勇者』天川明綺羅。こちら風に言うならアキラ・アマカワ。討伐の命が出たのでお前たちを捕縛する! 覚悟しろ!」

 透明化の結界から出た結果、全員の視線が天川に向かう。それに胸を張って堂々と名乗り返し、剣を構える。

「やっちまえ!」

「「「おおお!」」」

 親玉らしい人間がそう言って剣を抜いた瞬間、全員が襲いかかってきた。その様子を見てか、木原も透明化結界の中から飛び出してきた。片刃の双剣をクロスして構え、獰猛な笑みを浮かべている。

「なっ! もう一人!?」

「バァァァカ!」

 驚いている盗賊の一人に思いっきり飛び蹴りを食らわせる木原。たぶん後で井川から「戦い方がはしたない」と怒られるんだろうけど、他人事なので何も言わない。
 さらに剣を振り上げてきた盗賊の足を払い、木原は剣の峰でしっかりと敵を打ち据えている。

(……近接戦では相変わらず喧嘩なれしているな)

 見た目はギャルっぽいが、どう考えても前の世界ではヤンキーをやっていたとしか思えない喧嘩慣れの仕方だ。
 まあ、だからといって誰が困るわけでも無いので気持ちを切り替えて天川は前を向く。

「一気に親玉をやるか」

 三人が一斉にかかってくるが、天川は「はっ!」と気合を入れて『飛斬撃』で吹き飛ばす。倒れた奴らは新井がうまく凍らせてくれるので特に気にすることなく親玉に向かって歩を進める。
 親玉はどっしりと構えているものの、強さはそう感じない。これなら無傷で制圧できるはずだ。
 ふと後ろを見ると、新井も結界から飛び出して魔法を発動していた。そして三人ほど一瞬で捕縛する。

「や、やった! ……これでまた、一つ経験値が……」

 恐ろしく素早い魔法だ。天川でなければ見落としていただろう。
 最近は体を鍛えているようで、敵の攻撃を上手く躱している。剣をいなし、的確に手足を凍らせ無力化していく。
 背後は大丈夫そうだ。
 そう思った天川は改めて親玉を睨みつける。

「へっ、テメェが勇者ってやつか。じゃあオレ様がテメェを倒せば勇者になれんのか!?」

 ニヤリと下卑た笑みを浮かべる親玉。髭面で刀傷が片目についており、ぼさぼさの髪が不潔で汚らしい。
 天川は剣を正中で構え、何も言わず相手に突っ込んでいく。

「うらぁああ!」

 情けない声で叫びながら剣を振り上げる親玉。

(……ラノールさんの剣と比べたら蠅が止まるレベルだな)

 冷静に躱し、そのまま懐に潜り込み肘を叩きこむ。敵の身体が「く」の字に曲がり、白目を剥いて頭から倒れ込んだ。
 天川は気絶した親玉の首根っこを掴み、全員に見えるように掲げる。

「お前たちのボスは俺が倒した! もう無駄な抵抗はやめて投降しろ!」

 親玉を倒された途端戦意を喪失するのか、抗っていた盗賊たちも両手を上げて武器を地面に置いた。
 誰も怪我をしていないことを確認した後、伸びた親玉を拘束しようとアイテムボックスから縄を出したところで――

「いけないなァ、ああ、いけないなァ」

 ――唐突に、親玉の口から声が聞こえた。
 否、親玉の口は一切動いていない。
 なのに、親玉から声が聞こえる。

「――ッ!?」

「あ、明綺羅君!」

「「「天川?!」」」

 刹那、周囲を結界で覆われる。阿辺の作ったものかと思いきや、違う。魔力はこの親玉から流れている。
 慌てて距離を取ると、なんと親玉が白目を剥いたまま口を一切動かさず、というか喉すら動かさず喋り出した。

「いけないなァ。君……ひょっとして、非殺主義者かね?」

 先ほどまでの野太く、卑しい声ではない。気品は感じるが、同時に蛇のようないやらしさが伝わってくる声。
 虚ろなままの親玉の両腕がキョンシーのように持ちあがる。そして魔力が集まり、天川に光弾を発射してきた。

「チッ」

 飛んできたそれを素手で掴み、握りつぶす。今さらこの程度の魔法で驚きはしない。というか、見せかけだけの光弾であることは見た瞬間分かった。
 剣を構え、敵を見据える。

「……何者だ」

「我々は、ノヴォール。あぁー……貴方をここで殺そう」

 そして今度は、黒い塊が親玉――否、ノヴォールの腕から飛んでくる。今度は本格的な|魔術(・・)だ。
 そう、魔法ではない技術、魔術。以前清田から聞いた。

「――魔族かっ!」

 剣で切り払うが、すぐに尋常ならざる数の黒い弾が降ってくる。それを冷静に躱し、弾き、ノヴォールに肉薄する。
 下から斜め上に、腕を切り裂くように振るわれた天川の剣。簡単に躱されるがそれは想定内。伸びあがりかけた体に急制動をかけ、沈み込むようにもう一歩踏み込んだ。
 どばっ……と泥が溢れるように黒い塊が天川を襲うが、それよりも数瞬早く剣が振るわれる。黒い塊は弾かれ、同時に腕が切り払われた。
 肘から下が飛ぶ。しかしその切断面を黒い塊が覆い、斬り飛ばされた腕をもう一方の腕で掴むと、無理矢理接合してしまった。
 あまりにもおぞましい光景に、天川の眉間にしわが寄る。

「いけないなァ……」

 しかしノヴォールはそれを意に介した様子も無く、ニマリと気色の悪い笑みを浮かべる。

「借り物の身体に傷をつけてしまって……ああ、いけないなァ……」

 くひっ、と。
 背筋を蟲が這いまわるような感覚に襲われる。ただの笑みにこれほどの狂気を感じたのは初めてだ。
 しかも――

(借り物……だって?)

 微かに呟かれたその言葉。
 その言葉から導き出される結論などただ一つ。

「まさか……貴様は! その人を操っているとでもいうのか!?」

 ズン、と地面が凹むほど足を踏み込む。怒りに任せて剣を振るってはいけないかもしれない。それは分かるが――

「くひっ、我々はね。あまり強くないんだ。だから、借りる。くひひっ、我々にとって都合のいい人間を。この宿主のように、死んでも誰も悲しまない人間を!」

 ――怒りが臨界点を越えた。
 真上から振り下ろし、腕を一本斬り飛ばす。それでもなお収まらず、もう一本の腕に狙いを定めた。
 しかし。

「ぐっ!?」

 バキィッ! と横合いから殴り飛ばされバランスを崩す。
 斬り飛ばされた腕が、そのまま攻撃してきた。そして間髪入れずどろりとした黒い塊が地面を這い、天川の足を縫い付けた。

「明綺羅君!」

「来るな!」

 こちらへ駆け寄ろうとしてきた呼心に叫び、縫い付けられた足を『激健脚』のスキルを発動して無理矢理動かす。
 黒い塊を引き剥がし、『飛斬撃』を発動。青いエネルギーとなった斬撃が凄まじい勢いで飛ぶが、やはり黒い塊に防がれる。
 埒が明かない、天川が『剛力』を発動してさらに攻撃をしようとした瞬間、なんと防御をしなかった。
 首に吸い込まれるように剣が振るわれ――その首を切断するギリギリのところで剣を止めることが出来た。
 一瞬の静寂。しかしノヴォールは天川の動きが止まった瞬間を見逃さず黒い塊を触手のように伸ばして攻撃してきた。

「くっ……!」

 咄嗟に離れ、なんとか剣で防ぐ。
 ノヴォールの顔――正確にはノヴォールが操っている人間――に笑みが浮かんでいる。いやらしいその笑みに虫唾が走るが、それ以上に自分に腹が立った。

(――馬鹿か、俺は!)

 勝手に操っている、その状況にキレていきなり襲いかかってどうするんだ。もっと冷静に戦わないと。

「くひひっ、くひひひひひっ! いけないなァ、ああ、いけないなァ……貴方! さては人を殺したことがありませんね!?」

 心底愉快そうに嗤うノヴォール。顔、動き、何もかもが天川を苛立たせる。

「くひひひひひっ! ならならならなら! くひひひっ、これはこれは、こんなに腑抜けが勇者だったとは! これは魔王様にご報告しなくては!」

 ケタケタと、壊れた人形のように笑うノヴォールに剣を向けるが……しかし、攻撃できない。

「……殺す必要が無いんだ。殺さなくてもいいだろう」

 何故か、絞り出すように言う。別に答える必要も無いというのに、どうしても言わないといけなかった。
 しかしノヴォールはどうでもいいと思ったのか、いくつもの炎と黒い塊を生み出し天川へと発射した。

「なっ!?」

 それは先ほどまでとは威力も規模も段違いで、狭い結界の中ではまるで流星群のように感じられた。
 何とか躱し、防ぎ、捌いていくが――あと一手、届かない。
 世界がスローモーションになる。一つ一つの炎がその揺らめきまで確認できる。
 もう、これは――

「我々の勝ち――!」

「神器解放――打ち砕け」

 ――力が、腕の中に集まる。
 集中し、集約され暴れ出すそれを無理矢理制御し放出する。

「『ロック・バスター』!!!!」

 轟! と。
 煌びやかな宝剣がこの世界に顕現する。生み出された無数の岩が全ての炎を相殺してしまう。

「これはあまり使いたくなかったな。何せ――」

 初めて、ノヴォールが動く。バックステップし、その黒い塊と炎を混ぜ合わせたようなどす黒い炎を天川に向かって撃ちだしてきた。
 しかし、それら全ては巨大な岩に阻まれる。無尽蔵に生まれるそれは、一つ一つが対戦車砲のような――否、それ以上の威力を持ってガトリング砲を越える速度で連射された。

「――戦いにならない。ただすり潰すだけだ」

 さらに増える岩石。それをただ無造作に敵に撃ち込む。ラノールさんから出来ればやるなと言われていた戦法。
 当てないように加減しても、岩弾の勢いだけでフッ飛ばせる。

「くひひひひひっ! これは……!」

 結界の中を埋め尽くすほどの弾幕。たまらずノヴォールは逃亡を図るが、岩石で逃げ道を封じられる。
 逃げ場を失ったノヴォールは動きを止め、天川を恨めし気に睨みつけた。

「いけないなァ……ああ、いけないなァ……」

 先ほどまでの余裕がある笑みとは違う、苛立ちを含んだ笑み。自棄になられる前に制圧してしまわないと。
 天川は『ロック・バスター』を構え、近づこうとすると……

「データもとれたし、もういいか」

 ぶしゅっ! と、いきなり自分の首を斬り落とした。いや、自分が操っていた男の首を斬り落とした。

「「ひっ!」」

 追花と新井の悲鳴。

「見るな!」

 バッ、と井川は木原の目を覆う。……ちなみに木原も覆いかえしている。

「なっ……!? くっ」

 驚いている場合ではない。結界が壊れると同時に、その死体から魔力が放出され既に制圧されていた盗賊たちに流れ込んだ。

「「「う、うぁぁあぁあぁあぁ……」」」

 ゾンビのように呻きだす盗賊たち。制圧のために凍らされていた腕や、ロープを引きちぎって立ち上がる。力も大幅に強化されているようだ。
 これはマズい――そう思った瞬間、呼心が呪文を唱えだした。

「『天の力よ、救世主にして聖術士たる呼心が命令する。この世の理に背き、悪しき気を祓う慈しみの光を! エクセレントキュア』!」

 解呪の魔法。光が矢のように飛んでいき、盗賊たちの身体を包む。暴れ出そうとした盗賊たちはあまりにも呆気なく再び制圧されてしまう。
 制圧というか殲滅というか。ともかく一瞬で元通りだ。

「……その呪文、一度に一人しか対象に出来なかったんじゃないか?」

「ふっふっふ。私も常に成長してるんだよ」

 得意げに言う呼心。
 そのことを微笑ましく思いながらも……目の前に転がる、ノヴォール、否、盗賊団の親玉だった男の亡骸を見る。

「……くそっ」

 一言、毒づく。誰にも聞かれないように、小さな声で。
 生まれて初めて、死人を見た。
 ただそれだけのことのはずなのに……。

「明綺羅君?」

 駆け寄ってきた呼心が心配そうな顔で見つめてくるが、天川は笑顔を作り「何でもない」と首を振る。

「それよりも皆、怪我はないか?」

 後ろを見ても血は流れておらず、全員が息をからしていることも無い。いつも通りの、普通の勝利だ。
 相手が魔族……いや、魔族に操られていただけで。そして、そのせいで一人死んでしまっただけで。

「やったな天川!」

 阿辺が、珍しく無邪気な笑みを浮かべてこちらへ歩いてくる。

「やっぱクソ野郎を殺すのは気持ちいいよな」

 うんうん、分かってるとでも言いたげに肩を叩く阿辺。
 その姿に――

(……こい、つ)

 ――心の底から、ゾッとした。
 歪みそうになる口元を抑え必死に笑みを浮かべ、ぎこちない態度になりながらもなんとか肩をすくめる。

「な、何を言ってるんだ。……死ねば仏だ。供養してやらないと」

 地面に穴をあけ、そこに亡骸を押し込む。ステータスプレートさえあれば死亡の確認もできるから、死体をそのままにしておく理由がない。

「相変わらず真面目だなー。こんなんゲームと一緒だろ?」

 気楽そうに、そう呟く。
 もはや吐きそうになりながら、天川は死体の上に土をかけた。

「じゃあ、この洞窟の中を調べるか。必ずツーマンセルで行動すること。新井は追花と、呼心は俺と、井川は木原と。阿辺は難波とはここで見張りを頼む」

 追花と新井は顔面蒼白になっているのでこの場から遠ざけた方がいいだろう。井川と木原は一見いつも通りだが、二人でピッタリくっついているのでやはり動揺しているのだろう。阿辺と難波はいつも通りだ。
 一応全員が頷くのを見て、天川は呼心を連れて動いた。

「あー……。明綺羅君」

 二人になった時、呼心がため息をついて話しかけてきた。

「どうした? 呼心」

「……私にも、出来るかどうかは知らないけどさ。それに、私が言っていいのかどうかわからないけど」

 そう、前置きした呼心は。
 どこか……辛そうだった。

「殺さないことと、殺せないことって……違うんじゃない?」

 呼心の言葉は……何故か、酷く天川のココロに突き刺さった。
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