122 / 352
第五章 ターニングポイントなう
113話 『殺す』感覚なう
しおりを挟む
「そういえば、お二人に聞きたいことがあったんです」
少しでも足しにならないかと受けた採取クエストの薬草を探しながら、冬子はキアラとピアに話しかけた。
「なんぢゃ?」
「私で答えられることならば」
「そんな難しいことを訊きたいわけじゃありません」
冬子は薬草を探す手を止めないまま、少し小さい声で二人に問うた。
「人を殺したことは、ありますか?」
「ほぅ」
キアラが少し感心したような声を出し、ピアは薬草を探す手を止めてこちらを向いた。
「私は――奴隷狩りにあう前までは、こちらで言うところのAGをやっておりましたので、その中のゴタゴタで数人。あの領主――今や元領主ですが、元領主の護衛をやらされていた時はかなりの数を殺したと思います」
冷静に答えるピア。その声からは特別な感情はあまり感じられない。
キアラの方を見ると、キアラもいつものニヤついた顔のまま煙管をとりだしていた。
「ほっほっほ。休憩にするかの? ちなみに妾は数えてはおらん。戦争に出たこともあったからのぅ。範囲魔法で一度に数十人薙ぎ払ったわ」
カラカラと笑うキアラもまた、いつも通りだ。世間話のように笑っている。
「どうしたんぢゃ? この前の覇王を見て何か中てられたか?」
キアラはそう言って煙を吐きだす。ゆっくりと立ち上る紫煙を眺めながら冬子はその辺の根元に座り込んでアイテムボックスから取り出した水筒で水を飲む。
「ぷはっ。……私はまだ人を殺したことはないんです。だから……京助と同じ土俵に立てていない気がして」
そもそも、対人戦の数が少ない。
天川達と王城を出た時……いざとなったら人を殺す覚悟はしたつもりだった。しかし、京助が本気になった時に纏う「死」の雰囲気――あれは覚悟から来るものだろう。そして、その雰囲気を纏えている気がしない。
「京助と肩を並べるためには――最低でも一度は、斬らなくてはならないのかと思いまして。だからお二人に相談したくて……」
冬子はピアにも水筒を投げ渡し、リャンがそれを口に含んでるのを見ながら携帯食料――あまり甘くないクッキーみたいなものを取り出して食べる。京助の持つ活力煙――それと似た成分が入っている食べ物だ。疲労回復の手助けになる。水は欲しくなるが。
「ふむ……」
キアラも自分のアイテムボックスから酒を取り出し(完全にアル中じゃないのか……?)口に含みながらピアに目をやる。
「ピアよ、お主は最初に人を殺した時のことを覚えておるか?」
「そうですね……もう随分前のことですが、覚えていますよ。三人の男を殺しました」
「なんでぢゃった?」
「体を狙われたので」
あっさりと答えるピアだが、たかがナンパくらいで殺すほど反撃するわけはあるまい。過激な体験をしたんだろう……ということは容易に想像がつく。
自分がそんな状況に陥ったらと思うと――
「…………」
「どうしたんぢゃ? トーコ」
黙り込んでしまったからかキアラが少し心配げに訊いてきた。……心配そうにするキアラというのも珍しいなと思いつつ、首を振った。
「いえ……もしも自分がそんな状況に陥ったらと思って」
「トーコさんがそんな状況になったらマスターが文字通り飛んでくるのですから心配ないのでは?」
間髪入れずそう言われて「確かに」と納得してしまった。心配すべきは自分の身では無くて相手の安否だった……。
「相手は生きて帰れるでしょうか」
ピアが少し真面目な顔でキアラに尋ねると、キアラはニヤニヤとしながら腕を組んだ。
「そうぢゃのぅ……まあ九:一ってところぢゃな」
「どっちがどっちですか」
「トーコにちょっかいかけた男が覇王並みに強い可能性が一ぢゃな」
「それ以外だと死ぬんですか」
「そりゃそうぢゃろ」
「……まあそうですね」
納得したピア。
「いや納得しないでください!? きょ、京助でも流石にそんな無益な殺生はしないというか……!」
「お主、冷静に考えてみよ。お主が男に囲まれて服を破かれたとするぢゃろ?」
「場面がだいぶクレイジーすぎるんですが」
「キョースケがそれを感知して飛んできたとしよう。そしてお主のその姿を見た――はい、その後に起きる惨状を想像してみると……どうぢゃ? 相手は生きておるか?」
そう言われて想像してみる。
自分が複数人の男に囲まれて、動けない状況にされて……その状況で京助が来た。
「……………………は、灰くらいは残るんじゃないでしょうか」
「生きておらんぢゃろ」
「まあマスターですからね」
全員が納得してしまった。それってどうなんだ京助。
「っていやいやいや、そういう話ではなくてですね」
冬子が手をブンブンと振って話を元に戻そうと声を上げる。
「……人を殺すのってどういう感覚なのかな、って思って」
「ふむ」
「そうですね……」
キアラとピアは少し考えるような仕草をしている。どんな感覚か思いだそうとしている――というよりも、どういう言葉を使うべきだろうかと考えているように見える。
ピアは冬子の顔をジッと眺めたかと思うと、ナイフを一本取り出した。
「基本的に……『人』だけでなく、何かを『殺す』のは必要に迫られてです。私の場合」
そしてナイフをヒュッと投げると、少し離れた場所にいたホーンゴブリンの脳天に突き刺さった。
普通のホーンゴブリンは群れで生きるが……どうも一体しかいないようだ。すぐには消えないので、魔魂石は傷付けなかったのだろう。
「そこに人と魔物の区別はありません。殺す『必要』があるから、殺します。そうしないと生きてこられませんでしたから」
(……割り切っているんだ、な)
自分がどれほどぬるい世界で生きていたのか、よくわかる。元の世界で生きている時――自分の意思で命を奪ったことがどれだけあるだろうか。
こちらの世界に来て最初に魔物を殺した際、その魔物の死体が残らなかった。だからゲームのようだ――と錯覚してしまった。だから殺せた。ゲームの中の生き物を殺す感覚だった。だけどこちらの世界の人からすれば違う。魔物も生き物だ。
命を奪うという意味では変わりない。
「ピアは割り切っておるのぅ」
「そうですね。まあ生活と切っても切れないものだったので。そういうキアラさんは?」
「妾か? ほっほっほ。簡単ぢゃのぅ」
キアラはそう言うと、フッと美しく――しかし冷ややかに嗤った。
「別に自分以外がどうなろうと何も感じぬ。故に、簡単ぢゃ。『障害を排除した』。そしたら相手が死んだだけぢゃ」
冷ややかに――しかしどこまでも艶やかに。自分たちの常識の範疇にいないこの神――いや元神は、そう言って嗤った。
そしてそれは『神』だからではないのだろうとも思える。彼女は『キアラという女性だから』、そういう想いを抱いているのだろう、と。
「お主らも、歩くのに邪魔な石があったらどかすぢゃろう? その程度のことぢゃよ」
「……凄いですね」
割り切っているのともまた違う。自らが完成されているが故の傲慢――とも言うべき発言だ。しかしそこに強がりも虚勢も感じられない。事実を事実として言っている――そんな感覚。
「まあ、そうぢゃの。お主らにとっては分からん感覚かもしれんがのぅ……妾にとって、他人とはその程度なのぢゃ。世界中の誰もが妾にとっては等しい。等しくどうでもよいものぢゃ」
その言いかたは――どことなく京助と似ているような気がして。
そしてこう続くのだ。
――俺の世界だけ守れればそれでいい、と。
「ぢゃから妾の世界が保たれればそれでよい」
世界が保たれる。
それは守る……とはまた違うニュアンスに感じた。
「キアラさんは……強いですね」
「ほっほっほ。個として完結しておることが強さではないぞ? 人と人の繋がり――和だって十二分に強いモノぢゃ」
そう言って笑うキアラからは、先ほどまでの冷たさは感じられなかった。……先ほどまでの笑みは確かに美しいが、こちらの笑みの方が温かくて胸がすく。
「それに――マスターも、貴方が私たちのようになることは望んでいないでしょう」
「そうぢゃな。……あ奴は別にお主に横に並び立ってもらいたいとは思っておらんぢゃろうしの」
「そうですね」
「……私じゃ、同じ目線に立てないというのですか」
少し――ほんの少しだけムッとして尋ねると、キアラとピアは「やれやれ」みたいな感じで首を振った。
「お主はあ奴と同じ目線で横に並び立つんではなかろう?」
キアラは心底楽しそうに、ピアは慈愛に満ちた微笑みで――冬子の肩を叩いた。
「そういうのは私たちの役目です。貴方は彼の背を守るのでしょう?」
「そうぢゃ。キョースケがこの世で唯一心を許しておるんぢゃ。お主が守らんでどうするんぢゃ」
「正妻の座は譲りませんが、彼の背を守るのは貴方しかいないと思っています」
「……そうですね」
どうやら、自分はまた焦っていたらしい。
覇王との戦いで中てられた――そうかもしれない。京助のことを考えるあまり――自分ももっと強くならなくちゃ、という意識が少し暴走していた。
「人を殺せることがそのまま強さになるわけではあるまい。自分の出来ることを理解した上でどんな状況でもその強みを生かせるか否かが生死に関わってくるんぢゃ」
「はい……その通りですね」
笑顔で頷き――ハタとピアの方を振り返った。
「ちょっと待ってください、ピアさん」
「なんでしょうか?」
整った顔をきょとんとさせて目をクリッと大きくするピアさん。人差し指を顎に当てて上目遣いする姿は――普段のキリッとした表情とのギャップがあって非常にかわいらしい。メイド服とか着せたい。
「ってそうじゃなくて。ピアさん!? 正妻の座とかどういうことですか!? きょ、京助のことを狙ってるんですか!?」
「いえ。恋愛感情ではありません。ただマスターが抱かせろと言ったら何も言わず体を差し出すくらいには彼のことを女性として愛していますが」
「な、な、な……」
口をわぐわぐとさせながら食って掛かる。
「は、破廉恥ですよ!」
「今時破廉恥とかよう言わんと思うがのぅ」
えらく古めかしい言葉を使うキアラにそう言われて一瞬怯むが、すぐにピアを睨みつけた。
「というか、まだ出会ってそんなに経っていないでしょう!? それでその……体をどうのとか! そんなの変です!」
「トーコさんの価値観で判断しないでください。……この前、覇王と戦った時」
少し遠くを見るようにして――頬を赤らめて、まるで恋する乙女のような表情になりながらピアが歌うように言葉を紡ぐ。
「覚悟を決めたマスターの背中。私たちを逃がそうと必死に戦う姿。そして最後に覇王に一撃入れた瞬間の表情。……それまでは私にとっては敬愛する対象でしか無かったマスターに……私の中の『女』が反応したのです」
「妙に生々しい言いかたしないでください!?」
「お子様にはまだ早かったですかね」
「おぼこぢゃしのぅ」
「それは今関係ありません!」
というかこっちの世界の人は性にフリーダム過ぎる気がする。何せ『三毛猫のタンゴ』の看板娘、リルラなんてまだ十四歳だというのに経験したという話だ。
ちなみにその話をされた時――思いっきり彼女から「え……そ、その。キヨタさんとはそういう関係なんだとばっかり……あの、どちらかに何か問題でもあるんですか?」と真顔で心配されてしまった。余計なお世話だ。
「私は――その、京助とはプラトニックな関係を目指しているだけで……」
「どっちもヘタレなだけぢゃろ」
「そもそもマスターと正式に交際もしていないというのに……もう正妻気分でいる辺りが抜けていますよね。危険性を認識していないというか」
「ど、どういう意味ですか」
正妻気分――そんなモノになった覚えは無いし、そもそも確かにまだ交際すらしていない現状であることは確かだ。
しかし危険性――とまで言われて黙ってはいられない。
「トーコさん、冷静に考えてください。マスターは今やAランクAGです。その気になれば一月で大金貨を100枚単位で稼げるお金持ちです。しかもマスターの顔は控えめに言っても整っている部類です。無論顔だけで好かれる程かと言われればそうでもありませんが、しかし顔だけで引かれる程でもありません」
まあ京助の顔に関しての評価は概ね同意する。
「だ、だがそれがなんですか」
「分かっておらんのぅ……トーコ。顔も悪くない、経済力もある、そして強い。そんな男を放っておくと思うか? 今はまだキョースケを狙う輩がそんなにおらぬが、うかうかしていれば既成事実を作られてキョースケを奪われる可能性もあるのぢゃぞ?」
「な……ッ!?」
思わぬ事態にうろたえる。
「い、いやしかし……っ! べ、別に京助を狙う女性が実際出てきたわけではないし……」
「何を言っておる。目の前におろう?」
そう言ってキアラが――ピアを指さす。
「この国の法律では獣人族と人族は結婚できませんが――まあマスターのことです。どうにかしてくれるでしょう」
「ピアさん!?」
そんなことを言う彼女の眼を見ると――本気だ。ピアは、本気で京助のことを狙っている。
(――そんな馬鹿な)
愕然として手が震える。
(京助の魅力に気づいているのは私だけだと思っていたのに――)
そこでハタと気づいた。
「そ、そうだ! 京助がそんな上辺だけ好きになるような人を好きになるはずがない! あいつはああ見えて恋愛観はピュアッピュアだからな!」
自分のことを棚に上げてどや顔をかますと、キアラは「そういえば」と手を打った。
「以前押し倒した時、初めては大好きな人と……と言っておったのぅ」
「そもそも押し倒したって何ですか!?」
「とはいえマスターのことですから最後までしてしまえば責任はとってくれそうですよね」
「くそっ!」
無いとは言い切れない。
「京助のことは……私が一番わかっていると思っていたのに……」
「まあ妾としてはあれで付き合っていないと言う方がおかしいと思うんぢゃがな」
「正直、どちらかに問題があるとしか思えませんね」
酷い言われようだ。
「まあ、仕方があるまい。誰しも初めてはそんなものぢゃ」
「そしてうかうかしている間に他人に奪われる、と」
「不吉なことを言わないでください……」
だが――少しだけ危機感が出てきたのは確かだ。確かに今までは京助に近づく女性なんて出てくるとは思っていなかったが、冷静に考えたらライバルは今後も増えるかもしれない。
ならばアドバンテージがあるうちに自分から行くのが得策なのではないだろうか。
「ということは……ピアさんが私の最初のライバルになるということですね」
「む……ライバルですか。なかなかいい響きですね。私の当て馬になってくれるということですね? トーコさん」
「なんで私が負けることが確定になってるんですかっ!」
「マスターが『最近の、幼馴染が当て馬にされる展開ってあんま好きじゃないんだよね……。でも幼馴染って当て馬役に最適なんだよなぁ』と呟いていたから、てっきりトーコさんは当て馬になるのかと」
「京助は何を言ってるんだ! あとやっぱりだいぶグイグイ来ますよねピアさん! そんなキャラでした!?」
「まごついていたら落とせるものも落とせませんからね」
「肉食が過ぎる!」
「お主らいい感じに壊れておるのぅ……。ピアは酔っとるのか?」
アル中一歩手前のキアラに言われていたら世話が無いだろう。
冬子ははぁ……とため息をつき、ピアに指を突き付ける。
「負けませんからね」
「夢を見るのは自由ですからね」
「お主らホントに仲良くなったのぅ……」
呆れ顔のキアラはふと何かを思いついたような顔をして手を打った。
「せっかくぢゃ、お主らはもう呼び捨てで呼び合ったらどうぢゃ。そうでなくとも、トーコはピアのことは呼び捨てで呼ばんといかんのぢゃぞ。対外的にはピアは奴隷ということになっておるんぢゃからな」
そう言えば――殆ど忘れがちとはいえ、こう見えてピアは奴隷だ。冬子が敬語且つ『さん』付けというのは奇異に映るかもしれない。
無論、必要以上に虐げるのは意味の無いことだし不必要だとは思うが。
「確かに、それは以前から思っていました。……私はトーコとお呼びするわけにはいきませんが、トーコさんは私のことを遠慮なくピアと呼んでください」
ペコリと頭を下げるピア。
「む……で、ですが年上に敬語を使うというのも……」
冬子が少し渋っていると、キアラが煙管の中身を詰め替えながら欠伸をした。
「ふぁ~……年上とかなんとか気張るから呼びづらいんぢゃよ。というかそもそも、ライバルなんぢゃろう?」
「う……」
「恋のライバルぢゃ、対等で相違あるまい?」
たしかに、ライバル――相手と対等でなければライバルとは言えまい。
「……では、ピア、と。今度からそう呼ぼう」
「ええ、お願いします」
そう言って右手を差し出してきたので、冬子もその右手をギュッと握る。
「改めて――京助は渡さない」
「私も負けませんから」
「ほっほっほ。女同士の友情という奴ぢゃな。どれ、キョースケがどっちを選んでもいいように、妾があ奴に経験を積ませておいてやろうかのぅ」
「「それはダメです!!」」
少しでも足しにならないかと受けた採取クエストの薬草を探しながら、冬子はキアラとピアに話しかけた。
「なんぢゃ?」
「私で答えられることならば」
「そんな難しいことを訊きたいわけじゃありません」
冬子は薬草を探す手を止めないまま、少し小さい声で二人に問うた。
「人を殺したことは、ありますか?」
「ほぅ」
キアラが少し感心したような声を出し、ピアは薬草を探す手を止めてこちらを向いた。
「私は――奴隷狩りにあう前までは、こちらで言うところのAGをやっておりましたので、その中のゴタゴタで数人。あの領主――今や元領主ですが、元領主の護衛をやらされていた時はかなりの数を殺したと思います」
冷静に答えるピア。その声からは特別な感情はあまり感じられない。
キアラの方を見ると、キアラもいつものニヤついた顔のまま煙管をとりだしていた。
「ほっほっほ。休憩にするかの? ちなみに妾は数えてはおらん。戦争に出たこともあったからのぅ。範囲魔法で一度に数十人薙ぎ払ったわ」
カラカラと笑うキアラもまた、いつも通りだ。世間話のように笑っている。
「どうしたんぢゃ? この前の覇王を見て何か中てられたか?」
キアラはそう言って煙を吐きだす。ゆっくりと立ち上る紫煙を眺めながら冬子はその辺の根元に座り込んでアイテムボックスから取り出した水筒で水を飲む。
「ぷはっ。……私はまだ人を殺したことはないんです。だから……京助と同じ土俵に立てていない気がして」
そもそも、対人戦の数が少ない。
天川達と王城を出た時……いざとなったら人を殺す覚悟はしたつもりだった。しかし、京助が本気になった時に纏う「死」の雰囲気――あれは覚悟から来るものだろう。そして、その雰囲気を纏えている気がしない。
「京助と肩を並べるためには――最低でも一度は、斬らなくてはならないのかと思いまして。だからお二人に相談したくて……」
冬子はピアにも水筒を投げ渡し、リャンがそれを口に含んでるのを見ながら携帯食料――あまり甘くないクッキーみたいなものを取り出して食べる。京助の持つ活力煙――それと似た成分が入っている食べ物だ。疲労回復の手助けになる。水は欲しくなるが。
「ふむ……」
キアラも自分のアイテムボックスから酒を取り出し(完全にアル中じゃないのか……?)口に含みながらピアに目をやる。
「ピアよ、お主は最初に人を殺した時のことを覚えておるか?」
「そうですね……もう随分前のことですが、覚えていますよ。三人の男を殺しました」
「なんでぢゃった?」
「体を狙われたので」
あっさりと答えるピアだが、たかがナンパくらいで殺すほど反撃するわけはあるまい。過激な体験をしたんだろう……ということは容易に想像がつく。
自分がそんな状況に陥ったらと思うと――
「…………」
「どうしたんぢゃ? トーコ」
黙り込んでしまったからかキアラが少し心配げに訊いてきた。……心配そうにするキアラというのも珍しいなと思いつつ、首を振った。
「いえ……もしも自分がそんな状況に陥ったらと思って」
「トーコさんがそんな状況になったらマスターが文字通り飛んでくるのですから心配ないのでは?」
間髪入れずそう言われて「確かに」と納得してしまった。心配すべきは自分の身では無くて相手の安否だった……。
「相手は生きて帰れるでしょうか」
ピアが少し真面目な顔でキアラに尋ねると、キアラはニヤニヤとしながら腕を組んだ。
「そうぢゃのぅ……まあ九:一ってところぢゃな」
「どっちがどっちですか」
「トーコにちょっかいかけた男が覇王並みに強い可能性が一ぢゃな」
「それ以外だと死ぬんですか」
「そりゃそうぢゃろ」
「……まあそうですね」
納得したピア。
「いや納得しないでください!? きょ、京助でも流石にそんな無益な殺生はしないというか……!」
「お主、冷静に考えてみよ。お主が男に囲まれて服を破かれたとするぢゃろ?」
「場面がだいぶクレイジーすぎるんですが」
「キョースケがそれを感知して飛んできたとしよう。そしてお主のその姿を見た――はい、その後に起きる惨状を想像してみると……どうぢゃ? 相手は生きておるか?」
そう言われて想像してみる。
自分が複数人の男に囲まれて、動けない状況にされて……その状況で京助が来た。
「……………………は、灰くらいは残るんじゃないでしょうか」
「生きておらんぢゃろ」
「まあマスターですからね」
全員が納得してしまった。それってどうなんだ京助。
「っていやいやいや、そういう話ではなくてですね」
冬子が手をブンブンと振って話を元に戻そうと声を上げる。
「……人を殺すのってどういう感覚なのかな、って思って」
「ふむ」
「そうですね……」
キアラとピアは少し考えるような仕草をしている。どんな感覚か思いだそうとしている――というよりも、どういう言葉を使うべきだろうかと考えているように見える。
ピアは冬子の顔をジッと眺めたかと思うと、ナイフを一本取り出した。
「基本的に……『人』だけでなく、何かを『殺す』のは必要に迫られてです。私の場合」
そしてナイフをヒュッと投げると、少し離れた場所にいたホーンゴブリンの脳天に突き刺さった。
普通のホーンゴブリンは群れで生きるが……どうも一体しかいないようだ。すぐには消えないので、魔魂石は傷付けなかったのだろう。
「そこに人と魔物の区別はありません。殺す『必要』があるから、殺します。そうしないと生きてこられませんでしたから」
(……割り切っているんだ、な)
自分がどれほどぬるい世界で生きていたのか、よくわかる。元の世界で生きている時――自分の意思で命を奪ったことがどれだけあるだろうか。
こちらの世界に来て最初に魔物を殺した際、その魔物の死体が残らなかった。だからゲームのようだ――と錯覚してしまった。だから殺せた。ゲームの中の生き物を殺す感覚だった。だけどこちらの世界の人からすれば違う。魔物も生き物だ。
命を奪うという意味では変わりない。
「ピアは割り切っておるのぅ」
「そうですね。まあ生活と切っても切れないものだったので。そういうキアラさんは?」
「妾か? ほっほっほ。簡単ぢゃのぅ」
キアラはそう言うと、フッと美しく――しかし冷ややかに嗤った。
「別に自分以外がどうなろうと何も感じぬ。故に、簡単ぢゃ。『障害を排除した』。そしたら相手が死んだだけぢゃ」
冷ややかに――しかしどこまでも艶やかに。自分たちの常識の範疇にいないこの神――いや元神は、そう言って嗤った。
そしてそれは『神』だからではないのだろうとも思える。彼女は『キアラという女性だから』、そういう想いを抱いているのだろう、と。
「お主らも、歩くのに邪魔な石があったらどかすぢゃろう? その程度のことぢゃよ」
「……凄いですね」
割り切っているのともまた違う。自らが完成されているが故の傲慢――とも言うべき発言だ。しかしそこに強がりも虚勢も感じられない。事実を事実として言っている――そんな感覚。
「まあ、そうぢゃの。お主らにとっては分からん感覚かもしれんがのぅ……妾にとって、他人とはその程度なのぢゃ。世界中の誰もが妾にとっては等しい。等しくどうでもよいものぢゃ」
その言いかたは――どことなく京助と似ているような気がして。
そしてこう続くのだ。
――俺の世界だけ守れればそれでいい、と。
「ぢゃから妾の世界が保たれればそれでよい」
世界が保たれる。
それは守る……とはまた違うニュアンスに感じた。
「キアラさんは……強いですね」
「ほっほっほ。個として完結しておることが強さではないぞ? 人と人の繋がり――和だって十二分に強いモノぢゃ」
そう言って笑うキアラからは、先ほどまでの冷たさは感じられなかった。……先ほどまでの笑みは確かに美しいが、こちらの笑みの方が温かくて胸がすく。
「それに――マスターも、貴方が私たちのようになることは望んでいないでしょう」
「そうぢゃな。……あ奴は別にお主に横に並び立ってもらいたいとは思っておらんぢゃろうしの」
「そうですね」
「……私じゃ、同じ目線に立てないというのですか」
少し――ほんの少しだけムッとして尋ねると、キアラとピアは「やれやれ」みたいな感じで首を振った。
「お主はあ奴と同じ目線で横に並び立つんではなかろう?」
キアラは心底楽しそうに、ピアは慈愛に満ちた微笑みで――冬子の肩を叩いた。
「そういうのは私たちの役目です。貴方は彼の背を守るのでしょう?」
「そうぢゃ。キョースケがこの世で唯一心を許しておるんぢゃ。お主が守らんでどうするんぢゃ」
「正妻の座は譲りませんが、彼の背を守るのは貴方しかいないと思っています」
「……そうですね」
どうやら、自分はまた焦っていたらしい。
覇王との戦いで中てられた――そうかもしれない。京助のことを考えるあまり――自分ももっと強くならなくちゃ、という意識が少し暴走していた。
「人を殺せることがそのまま強さになるわけではあるまい。自分の出来ることを理解した上でどんな状況でもその強みを生かせるか否かが生死に関わってくるんぢゃ」
「はい……その通りですね」
笑顔で頷き――ハタとピアの方を振り返った。
「ちょっと待ってください、ピアさん」
「なんでしょうか?」
整った顔をきょとんとさせて目をクリッと大きくするピアさん。人差し指を顎に当てて上目遣いする姿は――普段のキリッとした表情とのギャップがあって非常にかわいらしい。メイド服とか着せたい。
「ってそうじゃなくて。ピアさん!? 正妻の座とかどういうことですか!? きょ、京助のことを狙ってるんですか!?」
「いえ。恋愛感情ではありません。ただマスターが抱かせろと言ったら何も言わず体を差し出すくらいには彼のことを女性として愛していますが」
「な、な、な……」
口をわぐわぐとさせながら食って掛かる。
「は、破廉恥ですよ!」
「今時破廉恥とかよう言わんと思うがのぅ」
えらく古めかしい言葉を使うキアラにそう言われて一瞬怯むが、すぐにピアを睨みつけた。
「というか、まだ出会ってそんなに経っていないでしょう!? それでその……体をどうのとか! そんなの変です!」
「トーコさんの価値観で判断しないでください。……この前、覇王と戦った時」
少し遠くを見るようにして――頬を赤らめて、まるで恋する乙女のような表情になりながらピアが歌うように言葉を紡ぐ。
「覚悟を決めたマスターの背中。私たちを逃がそうと必死に戦う姿。そして最後に覇王に一撃入れた瞬間の表情。……それまでは私にとっては敬愛する対象でしか無かったマスターに……私の中の『女』が反応したのです」
「妙に生々しい言いかたしないでください!?」
「お子様にはまだ早かったですかね」
「おぼこぢゃしのぅ」
「それは今関係ありません!」
というかこっちの世界の人は性にフリーダム過ぎる気がする。何せ『三毛猫のタンゴ』の看板娘、リルラなんてまだ十四歳だというのに経験したという話だ。
ちなみにその話をされた時――思いっきり彼女から「え……そ、その。キヨタさんとはそういう関係なんだとばっかり……あの、どちらかに何か問題でもあるんですか?」と真顔で心配されてしまった。余計なお世話だ。
「私は――その、京助とはプラトニックな関係を目指しているだけで……」
「どっちもヘタレなだけぢゃろ」
「そもそもマスターと正式に交際もしていないというのに……もう正妻気分でいる辺りが抜けていますよね。危険性を認識していないというか」
「ど、どういう意味ですか」
正妻気分――そんなモノになった覚えは無いし、そもそも確かにまだ交際すらしていない現状であることは確かだ。
しかし危険性――とまで言われて黙ってはいられない。
「トーコさん、冷静に考えてください。マスターは今やAランクAGです。その気になれば一月で大金貨を100枚単位で稼げるお金持ちです。しかもマスターの顔は控えめに言っても整っている部類です。無論顔だけで好かれる程かと言われればそうでもありませんが、しかし顔だけで引かれる程でもありません」
まあ京助の顔に関しての評価は概ね同意する。
「だ、だがそれがなんですか」
「分かっておらんのぅ……トーコ。顔も悪くない、経済力もある、そして強い。そんな男を放っておくと思うか? 今はまだキョースケを狙う輩がそんなにおらぬが、うかうかしていれば既成事実を作られてキョースケを奪われる可能性もあるのぢゃぞ?」
「な……ッ!?」
思わぬ事態にうろたえる。
「い、いやしかし……っ! べ、別に京助を狙う女性が実際出てきたわけではないし……」
「何を言っておる。目の前におろう?」
そう言ってキアラが――ピアを指さす。
「この国の法律では獣人族と人族は結婚できませんが――まあマスターのことです。どうにかしてくれるでしょう」
「ピアさん!?」
そんなことを言う彼女の眼を見ると――本気だ。ピアは、本気で京助のことを狙っている。
(――そんな馬鹿な)
愕然として手が震える。
(京助の魅力に気づいているのは私だけだと思っていたのに――)
そこでハタと気づいた。
「そ、そうだ! 京助がそんな上辺だけ好きになるような人を好きになるはずがない! あいつはああ見えて恋愛観はピュアッピュアだからな!」
自分のことを棚に上げてどや顔をかますと、キアラは「そういえば」と手を打った。
「以前押し倒した時、初めては大好きな人と……と言っておったのぅ」
「そもそも押し倒したって何ですか!?」
「とはいえマスターのことですから最後までしてしまえば責任はとってくれそうですよね」
「くそっ!」
無いとは言い切れない。
「京助のことは……私が一番わかっていると思っていたのに……」
「まあ妾としてはあれで付き合っていないと言う方がおかしいと思うんぢゃがな」
「正直、どちらかに問題があるとしか思えませんね」
酷い言われようだ。
「まあ、仕方があるまい。誰しも初めてはそんなものぢゃ」
「そしてうかうかしている間に他人に奪われる、と」
「不吉なことを言わないでください……」
だが――少しだけ危機感が出てきたのは確かだ。確かに今までは京助に近づく女性なんて出てくるとは思っていなかったが、冷静に考えたらライバルは今後も増えるかもしれない。
ならばアドバンテージがあるうちに自分から行くのが得策なのではないだろうか。
「ということは……ピアさんが私の最初のライバルになるということですね」
「む……ライバルですか。なかなかいい響きですね。私の当て馬になってくれるということですね? トーコさん」
「なんで私が負けることが確定になってるんですかっ!」
「マスターが『最近の、幼馴染が当て馬にされる展開ってあんま好きじゃないんだよね……。でも幼馴染って当て馬役に最適なんだよなぁ』と呟いていたから、てっきりトーコさんは当て馬になるのかと」
「京助は何を言ってるんだ! あとやっぱりだいぶグイグイ来ますよねピアさん! そんなキャラでした!?」
「まごついていたら落とせるものも落とせませんからね」
「肉食が過ぎる!」
「お主らいい感じに壊れておるのぅ……。ピアは酔っとるのか?」
アル中一歩手前のキアラに言われていたら世話が無いだろう。
冬子ははぁ……とため息をつき、ピアに指を突き付ける。
「負けませんからね」
「夢を見るのは自由ですからね」
「お主らホントに仲良くなったのぅ……」
呆れ顔のキアラはふと何かを思いついたような顔をして手を打った。
「せっかくぢゃ、お主らはもう呼び捨てで呼び合ったらどうぢゃ。そうでなくとも、トーコはピアのことは呼び捨てで呼ばんといかんのぢゃぞ。対外的にはピアは奴隷ということになっておるんぢゃからな」
そう言えば――殆ど忘れがちとはいえ、こう見えてピアは奴隷だ。冬子が敬語且つ『さん』付けというのは奇異に映るかもしれない。
無論、必要以上に虐げるのは意味の無いことだし不必要だとは思うが。
「確かに、それは以前から思っていました。……私はトーコとお呼びするわけにはいきませんが、トーコさんは私のことを遠慮なくピアと呼んでください」
ペコリと頭を下げるピア。
「む……で、ですが年上に敬語を使うというのも……」
冬子が少し渋っていると、キアラが煙管の中身を詰め替えながら欠伸をした。
「ふぁ~……年上とかなんとか気張るから呼びづらいんぢゃよ。というかそもそも、ライバルなんぢゃろう?」
「う……」
「恋のライバルぢゃ、対等で相違あるまい?」
たしかに、ライバル――相手と対等でなければライバルとは言えまい。
「……では、ピア、と。今度からそう呼ぼう」
「ええ、お願いします」
そう言って右手を差し出してきたので、冬子もその右手をギュッと握る。
「改めて――京助は渡さない」
「私も負けませんから」
「ほっほっほ。女同士の友情という奴ぢゃな。どれ、キョースケがどっちを選んでもいいように、妾があ奴に経験を積ませておいてやろうかのぅ」
「「それはダメです!!」」
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる